野遊び 1   210句

君と我の野遊び有名ならしめよ  和田魚里  機

作品
作者
掲載誌
掲載年月
野遊びの声はるかより水際より 小澤克己 遠嶺 199805
野遊びや転びてママへ泣きにゆく 堀田知永 俳句通信 199905
野遊や家居に同じ位置に妻 亀丸公俊 銀化 199905
野遊びの声は光を集めけり 佐藤康子 遠嶺 199906
野遊びの眼鏡を拭いて老先生 長沼都 船団 199906
野遊びやお重と並ぶ里料理 根本眞知子 199907
野遊びのヨーヨーの子を真中に 谷添睦子 199907
野遊びの白馬に遭へり明日晴れむ 丸山海道 海道句集 199910
野遊びやグリコのおまけのようなひと 小枝恵美子 ポケット 199911
野遊びの跳んで小橋を省きけり 鷹羽狩行 200003
野遊びややたらと多し鴉どち 保坂さよ いろり 200005
野遊の心を囃す流れあり 中村芳子 円虹 200006
野あそびや和菓子が蝶と飛びさうな 西山美枝子 酸漿 200006
野遊びの畦でいただく昼食は 熊谷みどり いろり 200007
野遊びやザムザの死後のあかるさに 星野早苗 船団 200011
野遊の心持ち寄る忌日かな 稲畑汀子 ホトトギス 200104
野遊びの手を振つて野を帰りけり 山口速 200105
野遊の足裏に発条のやうなもの うまきいつこ 200105
野遊びのスカートの裾短くす 石橋翠 いろり 200106
野遊びの帰路も白鷺型変えず 村井久美子 200106
野遊びの童のたたく減らず口 託正夫 200106
野遊びや衣裳選びに時かけて 泉田秋硯 200107
野遊びや菜を採りに行く話など 林田加杜子 いろり 200107
野遊や仏のあれば掌を合はせ 安藤孝助 200107
一年生まづ野遊の授業とか 和田友季子 円虹 200107
野遊の心に揺らすかずら橋 岡西恵美子 円虹 200107
野遊びや杖といふもの未だ持たず 能村登四郎 羽化 200110
野遊びやしみじみ老を知らされて 大平保子 いろり 200111
野遊びの相手欲しがり夫亡くば 大平保子 いろり 200111
野遊の暮れて川波白きかな 加瀬美代子 200202
野遊びや兄より勁き声あげて 岡部名保子 馬醉木 200204
野遊びの一行バスをいつぱいに 朝妻力 雲の峰 200204
野遊びやほたる茶碗と犬ふぐり 瀬川公馨 200205
野遊びの眼が季語をさがしゐる 高野美佐子 雲の峰 200205
野遊や水辺より子をひきはがし 磯田富久子 200206
野遊びや磴を数へて天守まで 吉岡洋子 200206
野遊びの小さきリュックに鈴はねて 谷上佳那 百鳥 200206
野遊びや鼠一匹走り出づ 石脇みはる 200206
野遊びの老にましろき握りめし 柳沢杏 酸漿 200206
野遊びの一人は海へ帰りけり 木曽岳風子 六花 200206
野遊びや母校に寄りて水を飲む 伊藤和枝 百鳥 200207
野遊やひとつひとつのなつかしき 水田清子 200207
野遊びの喃語ますます盛んなり 甲斐のぞみ 百鳥 200208
野遊びの赤子の一歩二歩三歩 宮原みさを 花月亭 200208
野遊びは羊の雲と手をつなぎ 豊田都峰 京鹿子 200209
野遊びへおもちゃのような犬を連れ 北畠明子 ぐろっけ 200209
野遊びのいつかひとりとなつてゐし 今井松子 遠嶺 200210
野遊びの足らず灯下にまた集ふ 鷹羽狩行 200304
野遊びや缶詰臭の肉つつき 中村堯子 銀化 200304
野遊びのヘッドホンよりジヤズピアノ 禅京子 風土 200305
野遊びのはじめ産土詣りして 高重京子 百鳥 200305
野遊びの前髪ぬらしゐたりけり 吉田康子 火星 200305
野遊びの万葉歌碑に折り返す 柴田佐知子 200305

 虚子記念文学館

野遊のやうに連れ立ち工事場へ

山田弘子 草の蝉 200305
野遊や大風呂敷に尻四つ 磯崎清 200306
野遊にキャッチボールの始まりぬ 出口賀律子 雨月 200306
野遊び人ウェストポーチへ小犬入れ 大沼トシ子 200307
野遊びの一人づつ行く丸木橋 守屋井蛙 酸漿 200307
通勤は野遊びに似る革かばん 加藤峰子 200307
野遊びの野はまだ知らず艀妻 松原安治 遠嶺 200307
野遊の草の香残るたなごころ 高橋さえ子 200307
野遊びの気怠さ残る昼寝覚め 堀田政弘 200310
野遊びの手挙ぐる君へ走せゆかむ 伊藤白潮 200404
骨細の若者群れて野遊びす 田中藤穂 あを 200405
野遊びの子ら声高に駆けて来し 志水芳秀 雲の峰 200405
野遊びに遅刻しさうや顔洗ふ 櫻井幹郎 百鳥 200405
野遊びや幼言葉の野にはづみ 松田欽吾 雨月 200406
親孝行といふ野遊びに日が暮れて 平居澪子 六花 200406
野遊の声に帽もて応へけり 佐々木国広 築港 200406
野遊びの人声高し石舞台 東川弘子 築港 200406
野遊びや過ぎたる雲の影いくつ 鳴海清美 六花 200407
野遊びにラジオの落語声を張る 泉田秋硯 200407
野遊びの足投げ出して親も子も 笠原優 200409
野遊びに家の柱を連れてきし 八田木枯 夜さり 200409
野遊びの雲に乗らむと駈け出せり 鷹羽狩行 200504
野遊びの言の葉あまたすててきし 森理和 あを 200505
ネクタイの化けしポシェット野遊びに 泉田秋硯 200506
野遊びの誰彼となく童うた 片山茂子 遠嶺 200506
野遊びの嬰の眠りの深きかな 津田礼乃 遠嶺 200506
風の匂ひで野遊のすれちがふ 酒本八重 里着 200506
野遊びの帽子横向き後ろ向き 岡田信雄 百鳥 200506
野遊びのこころ智恵子の空へ泛く 小林和子 風土 200506
野遊びにジャンケンの子を見失ふ 水野範子 ぐろっけ 200507
野遊びのひとごゑときに歌となり 原田要三 200508
何や彼や野遊びならぬ畑遊び 関戸国子 酸漿 200508
野遊びの箸を使はぬ昼餉かな 吉田かずや 春燈 200512
野遊びやベンチに一家横並び 丁野弘 200603
野遊びに白髪乱るる誕生日 品川鈴子 ぐろっけ 200604
野遊びやむかし小鮒を釣りし川 滝沢伊代次 万象 200604
野遊びをするのみに買ふ靴のあり 前川明子 200605
野遊びの猪の足跡そこここに 渡辺清子 200605
むかしあり野遊びと云ふ逢瀬かな 天野きく江 200605
野遊びにぎざぎざの無き葉を探す 天野きく江 200605
野遊びの縄文の世に至りけり 今瀬剛一 対岸 200605
野遊びの古墳どこからでも登り 岡崎桂子 対岸 200606
野遊びの風吹きかはる草の丈 水谷芳子 雨月 200606
野遊びや武骨こそよき塩むすび 守屋井蛙 酸漿 200606
野遊びや沼の木橋にまづ一歩 小川明美 万象 200608
野遊といふには風の強かりし 稲畑汀子 ホトトギス 200703
野遊といふほどもなく大地踏む 稲畑汀子 ホトトギス 200703
野遊や気球の影と雲の翳 岡崎るり子 200704
野遊びや湯立て神事に会ふことも 竹内慶子 春燈 200705
野遊びやリュック背負ふ子背負はれて 本藤みつ 200705
野遊の振幅ほどに水の影 酒本八重 200705
野遊びの離ればなれの十余人 安部和子 雨月 200705
野遊びのリュックの底に花図鑑 岡野ひろ子 200706
野遊びに背中合はせの男女かな 保田英太郎 風土 200706
野遊の川の向うを顔みしり 松井倫子 火星 200706
野遊びのうしろを媼の糸車 井上菜摘子 京鹿子 200707
野遊びの翳りを風の攫ひゆく 鴨下昭 200707
野遊びのじやんけんぽんに鳥の声 岡野ひろ子 200707
野遊びの太いけむりの方へ行く 小形さとる 200707
野遊びのいづれは選ぶ尊厳死 大畑善昭 200707
野遊に来てまで本を読んでをり 稲畑汀子 ホトトギス 200803
野遊びや牛蒡入りなる手巻寿司 山田六甲 六花 200803
野遊びや風に絡まる細き髪 ことり 六花 200803
野遊びや日に透きとほる草の縁 ことり 六花 200803
野遊の頭つむりに声のなく 山尾玉藻 火星 200804
野遊びのこどもに雉子威嚇せり 山田六甲 六花 200804
利口なる犬を野遊びにて放つ 山田六甲 六花 200804
野遊びの踵に浮力よみがへる 飛鳥由紀 200805
野遊びや日暮るる前の一ト遊び 柳川晋 200805
野遊びや少年枝を曳きずれる 加瀬美代子 200805
野遊びに疲れし幼な母の膝 岡田弘子 遠嶺 200806
野遊びの泥手を冷ます流れかな 布川直幸 200806
野遊びや丘すべりゆくダンボール 上原重一 200806
野遊びのうつろひやすき日差しかな 垣内薫 200807
野遊びや大器晩成それもよし 西面和子 200807
野遊の弁当にある土筆かな 山田六甲 六花 200904
野遊びよいのちのゆるぶひと日かな 武田漣 炎環 200905
連れ立ちてゆけば野遊ごころかな 辻直美 200905
野遊びや口より大き握り飯 伊藤憲子 200906
野遊びに鳶も機嫌の笛を吹く 岸田爾子 200906
野遊びのこゑの水輪となりゆけり 野口香葉 遠嶺 200906
野遊びのいつしか海へ出でにけり 松本正生 やぶれ傘 200906
木に鞄かけ野遊のはじめとす 佐々木秀子 200907
野遊びや児の手も尻も土まみれ 岩本里美 200907
野遊びや児の純白のベレー帽 相沢有理子 風土 200907
野遊やパパと呼ばれし人若し 嶋田摩耶子 ホトトギス 200908
野遊びにあらぬ野の道辿りけり 田部井幸枝 200908
野遊や空押し上げて深呼吸 久永つう 六花 200908
野遊びにしては無粋な男たち 能村 研三 201003
野遊びの子の鳥になり草になり 竹中一花 201005
野遊びの寺を二つも廻りたり 滝沢伊代次 万象 201005
野遊びの親子川見て帰りけり 片岡久美子 201006
野遊びや勾玉の眼の子を連れて 小形さとる 201006
野遊や老いて従姉と縁戻り 藤原照子 201006
野遊のはじめや鮠の水渡り 蘭定かず子 火星 201007
野遊やころばなければ止まれぬ児 内藤呈念 ホトトギス 201008
野遊の日がな四葉を探しをり 内藤呈念 ホトトギス 201008
野遊びの一日過ごせり美作に 武田ともこ ぐろっけ 201008
野遊びの一抜け二抜け母の声 阿部綾子 ろんど 201009
野遊びの草の実つけて子等戻る 田中喜久子 酸漿 201101
日差しのみ野遊びさせる過疎の村 布川直幸 201104
野遊や天体ドーム遥かにあり 山尾玉藻 火星 201104
野遊びの石懐に帰りけり 山田六甲 六花 201104
野遊や水平線を見下ろして ことり 六花 201104
野遊や尾のありし日の遠からず 豊田都峰 京鹿子 201105
野遊や行き先誘ふ牛の声 宮田香 201106
寝ころびて野遊びの雲独り占め 隅田恵子 雨月 201106
野遊びの童の作る木馬立つ 井上幸子 酸漿 201106
野遊びや男料理のバーベキュー 北川キヨ子 201107
野遊や嬰の足裏に紅差して 志方章子 蟋蟀 201203
橋渡るそこで野遊び終はりけり 布川直幸 201204
野遊びのとどのつまりは寝転がる 久染康子 201205
野遊や心はいつもおさげ髪 鷹崎由未子 春燈 201206
野遊びの先達若いねと言はれ 大畑善昭 201207
野遊びの果に山あり川のあり 和田崎増美 雨月 201207
野遊びやうかれ雀もうち交じり 清海信子 末黒野 201208
遠き日の野遊び弁当母の味 山口キミコ 九十九島 201209
わらんべの野遊びぼてり重かりし 甲州千草 201305
急がねば野遊びの陽の衰へり 和田政子 201305
野遊びの声を遠くに画架を立て 安永圭子 風土 201306
風の子の野遊びの野に呆けをり 竹中一花 201306
野遊びや熱き番茶に紙コップ 瀧春一 花石榴 201312
野遊やすぐ友達になる子達 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
野遊や母なる大地汚すまじ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
野遊びや口約束のまたあした 秋岡美津子 201406
野遊びの友より安房の香届きけり 青野安佐子 201406
野遊の野に隠れ水忘れ水 深澤鱶 火星 201406
野遊の指をはなれぬ日の匂 小山繁子 春燈 201406
野遊のちよつと見ぬ間の背丈かな 山田美恵子 火星 201406
野遊や土の息吹が臍あたり 坂口夫佐子 火星 201407
野遊びの空にくちづけ眩しかり 江島照美 201407
野遊の夕づきし泥跳びにけり 坂口夫佐子 火星 201407
野遊や子はいやいやと先づは言ふ 赤座典子 あを 201505
長生きの呪文のやうに野遊びす 大日向幸江 あを 201505
野遊びの平均年齢やや高め 波戸辺のばら 201506
野あそびは赤い土より黒い土 大坪景章 万象 201506
野遊や柳の枝の菜の箸 土江比蕗 春燈 201506
野遊びの一人の気まま石に坐し 松本三千夫 末黒野 201506
野遊びの思はず口に童歌 堺昌子 末黒野 201506
日は西に野遊びの児を肩車 及川照子 末黒野 201506
野遊びの果てを巨船の過ぎゆけり 田中とし江 201506
野遊の赤子の爪のピンク色 鎌田光恵 201507
野遊びへそこらで買つて握り飯 根橋宏次 やぶれ傘 201507
子と犬の野遊び終へて息青し 丸井巴水 京鹿子 201508
故郷に野遊心もて集ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
故郷に野遊心もて集ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
日は西に野遊びの児を肩車 及川照子 末黒野 201604
受話器手に野遊びの空約したり 中田みなみ 201605
モヒカンの子の野遊びや長提 竹中一花 201606
野遊びの一斉に湧く笑ひ声 廣畑育子 六花 201606
野遊びに足らひし顔の眠りをり 城台洋子 馬醉木 201606
野遊の切株に座す昼餉かな 塩野谷慎吾 201607
野遊びの都府楼広し人を見ず 樺山翠 雨月 201607
野遊びの子等全身を声にして 大石喜美子 雨月 201607
野遊びの川底ばかり覗きをり 戸栗末廣 201607
野遊びの真白な髪の少女めく おーたえつこ 201609
野遊びに交り猫背の宇宙人 津田このみ 船団 201701
野遊び →2      

 

2021年3月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。