西 日 3     100句

十薬に西日死ぬほど飽きし景    熊谷よしゆき

作品
作者
掲載誌
掲載年月

 チュニジア

大西日呑み終りたる砂漠かな

鷹羽狩行 200509
曳船の力西日を沈ませず 桑島啓司 200509
踏切の爪先上り西日落つ 鈴木榮子 春燈 200509
男一人象と水浴ぶ西日中 山本浪子 風土 200509
大西日サンドバッグを打ちつづけ 中里とも子 百鳥 200509
藍のれん吊し西日を吊しけり 吉村一郎 百鳥 200509
大欅西日をしかと幹に受け 宮津昭彦 200509
ひと入れり西日まともの銀行へ 宮津昭彦 200509
追討ちをかけられしごと西日の家 高倉和子 200509
渾身で杭を打ちをり大西日 与川やよい 遠嶺 200510
大西日松の小島を浮き出せり 青木久子 遠嶺 200510
大西日電光ニュース黙々と 藤井智恵子 百鳥 200510
掌を合はす太湖に沈む大西日 古田考鵬 雨月 200510
満ち汐に押され西日の漁師町 柴田佐知子 200510
水かけてまたかけて去る西日墓 北川英子 200510
決断は右脳に委ね大西日 伊藤稔代 200511
大西日大神宮の磴に果つ 清水ミツコ 200511
大雨のあとの西日の新らしき 出来由子 200511
織田作の路地抜けて出て大西日 戸田春月 火星 200511
西日さす鏡にシャドーボクシング 大曽根育代 遠嶺 200511
目礼の距離石庭の大西日 鳴海清美 六花 200511
あそび子の脚から消えてゆく西日 佐藤喜孝 あを 200511
西日落つ愛の形をほしいまま 松田都青 京鹿子 200601
自転車の軋む音往く大西日 佐々木はな子 遠嶺 200602
何もかもあつけらかんと西日中 久保田万太郎 春燈 200603
灯影のやうな西日古典のうす暗さ 瀧春一 瓦礫 200606
西日の中ギブスの足をころがせる 瀧春一 瓦礫 200606
「看脚下」西日の濃ゆき実相寺 渡辺ひろし 200608
猫の尾が動く西日の漁師町 青山悠 200608
家裏へ回る西日となりにけり 定梶じょう あを 200608
晒されて西日の百圓文庫本 羽田岳水 馬醉木 200609
浦沿ひの町営住宅西日燦 増田菖波 春燈 200609
港行きゼロ番線の西日かな 杉浦典子 火星 200609
病院の廊下分かれる大西日 藤田素子 火星 200609
曳売の喇叭のひびく大西日 石原光徳 酸漿 200609
醤蔵上げ潮どきの大西日 和田ゑい子 馬醉木 200610
ポストまで西日に封書かざし行く 高橋笛美 ホトトギス 200610
出口違へて大阪の西日かな 櫨木優子 200610
西日射し込む一片を欠く嵌め絵 田村園子 200610
病者には西日まぶしき談話室 加藤峰子 200610
聖玻璃を抜け来し西日首筋に 荒井千佐代 200610
仏壇に西日の届く島の路地 野崎真一 200610
車中にて聴く手話半身に西日浴び 渡邉友七 あを 200610
ぴしぴしとビルの玻璃張る西日かな 篠田純子 あを 200610
西日中画面に夫の心筋図 加藤峰子 200611
大西日浴びし農婦のめくら縞 物江康平 春燈 200611
坂に干す神の装束西日中 稲嶺法子 遠嶺 200611
西日濃し鼠を肩の一休像 紺野とも子 200611
薪抱へふくるる軒や大西日 工藤ミネ子 風土 200612
舟の帆を広げて洗ふ大西日 百瀬七生子 海光 200705
つつじ山火の玉のごと西日受け 安部里子 あを 200706
大西日足場囲ひの高廈かな 山下青坡 200707
鉄血といふ語をおもふ西日中 能村研三 200708
鉛筆を放り投げたる西日かな 土屋酔月 火星 200709
大安吉日くじの売場の西日かな 森茂子 火星 200709
観音にまぶしき西日忘れ帽 品川鈴子 ぐろっけ 200709
廃校の廊下を進む西日かな 中田みなみ 200709
徒広きかぴたん部屋に大西日 荒井千佐代 200709
西日中豆腐屋の笛きて過ぎぬ 四條進 200710
海を焼きつくさんと大西日 近藤きくえ 200710
西日負ふ火焔光背負ふごとく 服部早苗 200710
西日受く羅漢に見つめられながら 前川明子 200711
大西日背に張りつけておから煎る 小林朱夏 200711
丹の失せしこけしの負へる大西日 三好千衣子 200711
品川宿海苔屋に西日溢るほど 岡田章子 ぐろっけ 200712
黒染に百万遍の大西日 飯塚ゑ子 火星 200712
紙ばかり扱ってます大西日 中原幸子 船団 200801
玄関のドアノブ熱し大西日 寺本妙子 200802
木の股に二百十日の西日かな 坪内稔典 稔典句集U 200804
大西日長き力ーブのホームにゐて 荻悠子 200805
春西日校舎の壁に児童の絵 渡邉孝彦 やぶれ傘 200806
べつべつのもの夫と食ぶ西日かな 山尾玉藻 火星 200808
かかげある絵馬に来てゐる大西日 高松由利子 火星 200808
荘厳に象一頭や西日中 藤田宏 長城 200808
明日は明日すべき事あり大西日 伊吹之博 京鹿子 200809
乗合のバスに西日の差し込める 山田六甲 六花 200809
硝子より硝子工房へと西日 山田六甲 六花 200809
わだなかの鳥の身軽さ大西日 藤田守啓 船団 200809
西日までくまなく当る角の家 安部里子 あを 200809
西日いま死者ののりこむ霊枢車 那須淳男 馬醉木 200810
戦果つ西日の部屋の古ピアノ 丹羽晶子 炎環 200810
大西日耳掻いてゐる警備員 関根誠子 炎環 200810
西日中母牛ながく鳴きにけり 城孝子 火星 200810
傾きし西日のあたる喫茶店 瀬下るか 200810
西日負ふ身体ななめに古本屋 青木ちづる 200810
大西日滑り台にも砂場にも きくちきみえ やぶれ傘 200810
大西日はんこ屋判を彫つてをり 鈴木直充 素影 200811
モノレールより大西日さす我が家 松山直美 火星 200811
浜焼の烏賊反り返る大西日 関口青稲 万象 200811
大西日宙ぶらりんと魚板鳴る 中原幸子 船団 200901
摩天楼西日を西に弾き出し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
西日受けつつ行きつけの店は地下 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
大西日風水といふ丸の内 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
大西日軍歌むなしき街宣車 遠藤実 あを 200907
訪るを待てぬ転機や西日受く 能村研三 200908
石拾ふ能登金剛の西日中 山田六甲 六花 200908
本抜きしあとの隙間に西日さす 鎌倉喜久恵 あを 200908
西日差す素直になれぬ肩のまま 山岸由佳 炎環 200909
精進落とし斎場の西日かな 添田勝夫 炎環 200909
大西日ビルの断崖燃え立たす 松本圭司 200909
中吊りに西日まみれの模擬家族 井原美鳥 200909
西日→ 4      

 

2021年7月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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