煮 凝 2    50句

煮凝や親の代よりふしあはせ   森川暁水   黴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
煮凝りや封じ込めたる絵空事 鈴鹿呂仁 京鹿子 201504
煮凝りや俄かに見えて来る故郷 高島正比古 京鹿子 201505
捉へどこなき煮凝りに刃を入れる 直江裕子 京鹿子 201505
小匙もて煮凝りすくひ御積りに 河合とき 末黒野 201505
煮凝の琥珀に箸のすべりけり 佐津のぼる 六花 201505
煮凝に生あるものの震へかな 小林朱夏 201601
煮凝やゆふべの記憶あやふやに 楠原幹子 201603
煮凝りの揺るるは都電過ぎにけり 根橋宏次 やぶれ傘 201603
煮凝りの深海の色ふるへをる 中島昌子 201603
煮凝や下京に日の暮れ果てて 服部早苗 201603
煮凝に味深まりぬ真子蝶 小川玉泉 末黒野 201604
煮凝りや夜の静寂をとぢ込めて 金田誠子 201604
煮凝をするりと呑んで短詩界 木戸渥子 京鹿子 201605
煮凝に抜けたる目玉残りたる 荻巣純子 雨月 201605
鰤のあらの煮凝りにある目玉かな 久世孝雄 やぶれ傘 201606
煮凝の四角いものが二つほど 根橋宏次 やぶれ傘 201701
煮凝の魚の目にある白き海 鈴鹿仁 京鹿子 201701
煮凝をのせて白米喜べり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
銀舎利に煮凝あれば寿 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
一匙の煮凝にある冥い海 上谷昌憲 201702
煮凝の頼りなきもの崩しけり 水谷文謝子 雨月 201703
煮凝の小骨探して虫眼鏡 沼崎千枝 末黒野 201704
煮凝や貧しさが生む詩一篇 岩木茂 風土 201705
煮凝や蘊蓄に耳傾けよ 平野みち代 201705
煮凝りや死後にも母の誕生日 神蔵器 風土 201712
煮凝の箸遊ばせて思案かな 佐藤雄二 万象 201802
煮凝のつめたく舌に溶けゆける 佐津のぼる 六花 201805
煮凝りぬテーマパークの片隅に 三宅やよい 船団 201809
煮凝りや鯛の眼のうるうると 竹内悦子 201902
煮凝の震へるままを口にせる 能村研三 201903
良き家族よき友がゐて煮凝りぬ 中貞子 201903
光分つごと煮凝に箸を入れ 森祐司 201905
煮凝や内なる声を閉ぢ込めて 赤座典子 あを 202002
煮凝を崩し気儘といふ時間 増成栗人 202002
煮凝や仏弟子となる母小さし 雨宮桂子 風土 202002
煮凝やゆれて間遠になる夫婦 沼田巴字 京鹿子 202002
煮凝の一対の眼の王者ぶり 沼田巴字 京鹿子 202002
煮凝や目を閉じ海を近くにす 近藤喜子 202003
煮凝や父なきあとの暗さとも 柴田佐知子 202003
煮凝りや思ひ起せる母のこと 志方章子 六花 202005
煮凝や破裂しさうな黙と黙 千田百里 202101
煮凝や母の箪笥に成績表 齊藤實 202101
煮凝や垣より覗く猫の貌 鈴木静恵 春燈 202103
煮凝りの魚の眼玉を箸にとり 石原健二 やぶれ傘 202103
煮凝やしばらく旅を怠けたる 戸栗末廣 202104
老境に入るとふことの煮凝れり 関妙子 202105
煮凝や琥珀に溶けし鯛の夢 住田千代子 六花 202106
煮凝や夕べの噂閉ぢ込める 本郷桂子 ホトトギス 202107
煮凝に言葉の固さほぐれけり 武田巨子 春燈 202204
煮凝や地震かと顔見合はする 今井康子 202210
煮凝→ 1      

 

2023年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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