苦 瓜1     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
苦瓜と言ひてめでたき疣のかず 丸山海道 京鹿子 199808
苦瓜を炒むる音のすぐ止みぬ 山尾玉藻 火星 199810
苦瓜のにがかりし礼したためり 天谷満男 銀化 199812
苦瓜のいぼいぼに触れ店を出る 鷲見明子 風土 199912
苦瓜の花を揚羽の離れざる ふけとしこ 船団 199912
苦瓜の黄ばみし棚へ雨の糸 河合朋子 春耕 199912
苦瓜の受難の相をそぎ落す 峯尾文世 銀化 200001
苦瓜のレシピを一つ覚えきし 山田弘子 円虹 200010
苦瓜の採り残されて盆の月 大東二三枝 200011
苦瓜の種採る頃の没日かな 竹内悦子 200012
苦瓜やいまの倖せ佳しと思ふ 本河康子 200109
苦瓜のほれにがうりのぶらさがり 雨村敏子 200110
苦瓜や真赤な種を裸にす 竹内悦子 200111
苦瓜棚くぐり背中がむずがゆく 津田経子 火星 200111
苦瓜の名は重荷なり山老ゆる 鈴鹿仁 京鹿子 200111
苦瓜の苦味感じぬ微恙かな 福永みち子 馬醉木 200111
苦瓜の歯ぎれの旨さに舌を打つ 戎武子 海程 200112
苦瓜と告げられてなほ苦きかな 浜崎良彦 円虹 200201
苦瓜をひとつ覚えに刻む父 品川鈴子 ぐろっけ 200210
苦瓜の鎧うていたる戦さかな 直江裕子 京鹿子 200211
苦瓜の種をみてゐておかしさよ 雨村敏子 200211
苦瓜の胴うつくしき野分かな 城孝子 火星 200211
川風が苦瓜揺する今朝の秋 木内美保子 六花 200212
苦瓜の熟るるにまかすくづれかな 内山けい子 200302
苦瓜の太りて鬼の金棒に 戸田春月 火星 200311
苦瓜の眠り重ねし太さかな 竹中一花 200311
色づきて苦瓜ひとつ下りをり 小島三恵 酸漿 200311
苦瓜を妙める窓の雲苛つ 戸田春月 火星 200311
苦瓜や網戸にすがり育ちをり 山嵜ヤス子 酸漿 200401
苦瓜を妙めてをりし手もとかな 雨村敏子 200401
苦瓜や五鈷杵を握るやうにして 大島翠木 200410
苦瓜のぶらさがりたる宇宙かな 谷口佳世子 200411
苦瓜や蒔いて育てて食す今 三浦カヨ子 酸漿 200512
小町百歳像苦瓜爆ぜにけり 中島陽華 200512
わたくしごとながら苦瓜太りたる 富沢敏子 200512
青空や苦瓜ばかりよく太る 高倉恵美子 200602
苦瓜を朝昼晩と食うべけり 山尾玉藻 火星 200609
苦瓜を噛んで濁世の端に居り 安達実生子 200611
苦瓜の花を訪ひけり紋黄蝶 中緒和子 酸漿 200611
朱き種見えて苦瓜終の色 伊舎堂根自子 万象 200611
苦瓜の三日とあけず俎板に 北村すなほ 200612
苦瓜を噛みて火山灰降る夜なりけり 草間時彦 ぐろっけ 200708
苦瓜という悶々のうすみどり 坂巻純子 ぐろっけ 200708
還らざる島苦瓜の汁ねばり 沢木欣一 ぐろっけ 200708
苦瓜も真黄に秋をつくしおり 百合山羽公 ぐろっけ 200708
苦瓜も帰り支度の荷に加ふ 亀ケ谷照子 遠嶺 200712
苦瓜の種の真紅をふところに 荒井和昭 200712
そこここに覗く苦瓜しやくれ顔 赤座典子 あを 200712
苦瓜の風に戯れをり嬰も日も 伊藤豊美 遠嶺 200712
苦瓜を刻みてひとの機嫌など 高橋澄子 200801
苦瓜を捥ぐ恐竜の肌ざはり 成宮紀代子 200810
コンビニヘ苦瓜の蔓くゞりけり 川合まさお ぐろっけ 200810
美ら海の哀しや苦瓜青々と 小澤菜美 200810
美(ちゅ)ら海の哀しやゴーヤ青々と 小澤菜美 200810
苦瓜が庭で出来たとメモ入れて 鈴木多枝子 あを 200811
葉の陰に苦瓜ぐんと太りをり 青木政江 酸漿 200811
細々の蔓に苦瓜太りゆく 浅野恵美子 酸漿 200811
苦瓜の赤みさしをる種であり 竹内悦子 200812
苦瓜の根にてこづつてをる玄武かな 雨村敏子 200812
苦瓜の苦味殺して佃煮に 岡野ひろ子 200812
苦瓜の苦さからきしもの足らず 中条さゆり 200812
木の枝に苦瓜熟るる庭の秋 木内美保子 六花 200812
苦瓜の葉裏の見ゆるあたま痛 大山文子 火星 200812
苦瓜の置きどころなき机かな 竹内悦子 200910
苦瓜や隣の塀で元気なり 須賀敏子 あを 200911
苦瓜の隣の軒で笑ひをる 大坪景章 万象 200911
苦瓜の雄花ばかりや日雷 大山文子 火星 200911
苦瓜のごつごつを採る軒端かな 杉本綾 200911
網登る苦瓜緑のカーテンに 松木清川 ぐろっけ 200912
苦瓜のグリーンカーテン朝日射し 田所昌代 201009
苦瓜の花付けし蔓木を覆ふ 岡田房子 酸漿 201010
苦瓜の下がるカーテン町工場 久世孝雄 やぶれ傘 201010
切り開き苦瓜のわた深く取る 長崎桂子 あを 201010
夕風に苦瓜の影ゆらゆらと 長崎桂子 あを 201010
初捥ぎの苦瓜ジュース作りけり 川原典子 酸漿 201010
苦瓜熟れ夕焼いろの種こぼす 三枝正子 万象 201011
苦瓜のさはやかにして苦きこと 笠置早苗 火星 201011
見るからに苦瓜といふ肌をして 山下美典 ホトトギス 201012
苦瓜の成り続けたり九月尽 須賀敏子 あを 201012
苦瓜の一夜の太り見せにけり 網野茂子 酸漿 201012
初生の苦瓜に夫呼びにけり 夏目満子 酸漿 201012
苦瓜の遊び心のぶらさがる 桑名さつき ろんど 201101
苦瓜の蔓奔放に延びてゆく 田下宮子 201109
那覇市場(まち)の苦瓜粒の粗きかな 呉屋菜々 万象 201109
苦瓜を壁に這はせてITビル 品川鈴子 ぐろっけ 201109
苦瓜の葉裏に一日過しけり 高田令子 201110
苦瓜に没り日の責め苦まぬがれて 宮崎左智子 201110
苦瓜を割り分身にめぐり逢ふ 山中志津子 京鹿子 201111
苦瓜の窓に赤子のぐづるこゑ 平野みち代 201112
尼連禅河苦瓜の種真つ赤なり 雨村敏子 201112
苦瓜やなんくるないさの言の葉よ 和田政子 201207
苦瓜の伸びる蔓みな左巻き 松木清川 ぐろっけ 201208
苦瓜の花はまことに小さきかな 佐藤喜仙 かさね 201210
細蔓に大き苦瓜吊しけり 佐藤喜仙 かさね 201210
苦瓜(ゴーヤー)の終焉赤く染まりけり 田下宮子 201211
芭蕉布織る苦菜苦瓜島の婆 佐藤美紀 ろんど 201211
苦瓜や昔話に自慢もちらり 丹生をだまき 京鹿子 201212
苦瓜の疣の造形輸切りにす 史あかり ぐろっけ 201212
ともしびのもれて苦瓜熟しけり 服部早苗 201212
子規の忌の苦瓜のわた隈なく取る 伊丹さち子 馬醉木 201212
苦瓜→2      

 

2021年10月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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