涅槃 3      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
涅槃図の嘆きの声と思ふ雨 蔭山一舟 ホトトギス 200307
涅槃会や青き瞳の祈りあり 大久保樹 ホトトギス 200307
アーナンダ何処に居るや涅槃像 吉村ひさ志 ホトトギス 200307
涅槃図を抜け出て咳をこぼしたる 十河波津 200307
金箔の竹落葉布く涅槃像 宮村フトミ ぐろっけ 200308
百千鳥老若男女涅槃絵図 井上良久子 帆船 200310
涅槃図へとどく生活の水の音 藤井昌治 200401
慈愛ゆたか涅槃図に猫加へあり 望月晴美 要滝 200403
涅槃図のうら側なんとなく覗く 望月晴美 要滝 200403
涅槃絵の嘆き暮色を深うせり 鈴鹿仁 京鹿子 200404
涅槃仏見て濡れて行く時雨かな 丸山敏幸 200404
ひとひらの雲は不惑に涅槃の日 鈴鹿仁 京鹿子 200404
大寒より涅槃へ灸つづけけり 松崎鉄之介 200404
全身で悲しむ獣涅槃絵図 川角としえ 築港 200405
大寺の涅槃図裾は床這はせ 柴田咲子 築港 200405
その面のあはや号泣涅槃絵図 清水伊代乃 酸漿 200405
涅槃図や生者等しく命持ち 久保田雪枝 雨月 200405
涅槃図を芯に醍醐のさくらかな 神蔵器 風土 200405
涅槃図の前の仏舎利まづ拝す 久保田雪枝 雨月 200405
涅槃哭き身を掻きむしる者もあり 川角としえ 築港 200405
涅槃図を大きくおろし山の音 蓮尾あきら 風土 200405
涅槃会の僧のこつくりを見たりけり 西山美枝子 酸漿 200405
涅槃会の襖に笑まふ吉祥天 西山美枝子 酸漿 200405
にはとりの考ふる皃涅槃変 立石萌木 雨月 200406
涅槃会やみる間に湖の荒れて来し 高橋千美 京鹿子 200406
涅槃図や嶺は夕日を差出せり 沼田巴字 京鹿子 200406
涅槃図をこぼれて遊ぶ群雀 深田雅敏 200406
お涅槃の日より月輪欠くるかな 西村しげ子 雨月 200406
涅槃通夜青きつむりの僧の来る 東川弘子 築港 200406
涅槃哭く阿難のうしろすがたかな 八染藍子 200406
涅槃会やいたち威しのあわび殻 南一雄 200406
お涅槃の仰臥の像をいまだ見ず 八染藍子 200406
方位なき涅槃の雪となりにけり 高橋澄子 200406
死をいたむ色はみづいろ涅槃像 沼田巴字 京鹿子 200406
涅槃図の欷歔の呼びたる雨ならむ 高千夏子 200406
涅槃図の一巻ほどく広間かな 高松由利子 火星 200406
木の芽風大涅槃図に真向へり 布施まさ子 風土 200407
不断着の舞妓連れ立つ涅槃寺 川勝春 馬醉木 200407
涅槃図の裏に長椅子置かれあり 谷口佳世子 200407
涅槃絵を掲げ追悼茶会かな 二瓶洋子 六花 200407
涅槃図に子供泣きして白兎 佐藤花都代 200407
流木に涅槃の姿冬夕焼 森竹昭夫 遠嶺 200503
潮騒の寄せては返し涅槃寺 岡田真利子 200503
元旦や湖の真中の涅槃像 石脇みはる 200503
涅槃図に入り来る翅音ありにけり 須佐薫子 帆船 200504
涅槃図に適ふ照度は如何にせむ 能村研三 200504
涅槃会の僧に縁談もたらさる 田中藤穂 あを 200504
涅槃図の百余を越せる畳皺 広岡仁 200504
百禽のこゑの満ちをり涅槃寺 門脇なづな 対岸 200504
町を練るお涅槃像の揺れやまず 門田陽子 200505
涅槃寺釈迦の花供御よく売れる 杉丸君子 築港 200505
玲羊の筆や涅槃の風の音 雨村敏子 200505
涅槃像守り来し家失せにけり 松崎鉄之介 200505
象の図体涅槃図に入り切れず 伊藤白潮 200505
涅槃会の団子や犬と鳩と蛇 林和子 万象 200505
涅槃絵図穏やかな波漂はせ 牧野睦子 200505
涅槃絵図燭の火絶えず揺らぎゐて 杉丸君子 築港 200505
斑野を鳥影行ける涅槃かな 村越化石 200505
涅槃図を咫尺に拝む龍光寺 杉丸君子 築港 200505
倶会一処涅槃団子もいただけり 村越化石 200505
竹山の夕ベ明るき涅槃かな 野口みどり 酸漿 200505
でで虫の殻吹かれくる涅槃かな 南うみを 風土 200506
涅槃図に見入りて独り残さるる 谷村祐治 雨月 200506
涅槃像かた耳埋む肘枕 栗原公子 200506
照明に金の浮き立つ涅槃絵図 谷村祐治 雨月 200506
涅槃図の象より大き駱駝かな 田畑幸子 200506
二車線を真つすぐに来て涅槃かな 大島翠木 200506
豆畑を抜け涅槃図に来たりけり 丸山照子 火星 200506
あまりにも大きく涅槃し給へる 柴田佐知子 200507
涅槃の図より極彩の地獄の絵 三浦如水 ぐろっけ 200507
涅槃図の虎の尻つ尾を踏まむかな 伊藤希眸 京鹿子 200508
涅槃図を解き潮騒をひろげたる 遠藤真砂明 「波太渡し」 200510
涅槃図の嘆きの裏は繕はれ 田所節子 「涼しき嵩」 200511
鳩や椋鳥庭に来てゐる涅槃の日 田所節子 「涼しき嵩」 200511
涅槃会の鐘韻余呉の湖渡る 中原吟子 雨月 200601
巻皺をあやぶみ開く涅槃絵図 能村研三 200603
潮の引くごとく僧去り涅槃像 今瀬剛一 対岸 200604
浅き夢見て涅槃図の外にあり 今瀬剛一 対岸 200604
本尊は隠さず涅槃図を垂らす 今瀬剛一 対岸 200604
涅槃餅食(とう)べたる身を横たへる 村越化石 200604
涅槃図の入口に人吹き溜り 今瀬剛一 対岸 200604
涅槃図の映るまで床磨きけり 今瀬剛一 対岸 200604
涅槃図に釈迦より小さく象の哭く 千田百里 200604
涅槃図にあり小波のごとき皺 今瀬剛一 対岸 200604
たたまれて行く間も泣いて涅槃絵図 今瀬剛一 対岸 200604
涅槃図の中にも柱風吹ける 今瀬剛一 対岸 200604
人一人分の潜り戸涅槃寺 今瀬剛一 対岸 200604
涅槃とは右腕のやや苦しかり 今瀬剛一 対岸 200604
涅槃図へ続いてゐたり雲雀の野 今瀬剛一 対岸 200604
涅槃図を外す柱のあらはれし 今瀬剛一 対岸 200604
号泣や真一文字に涅槃せり 今瀬剛一 対岸 200604
ごつごつと岩に日当たる涅槃かな 山田六甲 六花 200604
御仏の肘柔かく涅槃せり 野口みどり 酸漿 200605
大涅槃図地上の辺り明かるかり 城間芙美子 対岸 200605
南無仏と拝む衆僧涅槃通夜 古田考鵬 雨月 200605
ぬかるみを一跳びしたる涅槃かな 本多俊子 さくらの音 200605
善女ぶりしてお涅槃に合掌す 横田初美 春燈 200605
涅槃絵図自分の息を感じをり 安田青葉 対岸 200605
臘梅を辰巳に活けて涅槃かな 天野きく江 200605
涅槃像右手痺れて在しけむ 須原正三 200605
涅槃 →4      

 

2021年3月10日 - #EndDate --> 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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