涅槃 2      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風に揺る涅槃図釈迦のハンモック 中川濱子 ぐろっけ 200110
赤肉団のらま行けるなり涅槃像 岡井省二 200201
涅槃図ををろがみ過ぐる妊婦かな 阪上多惠子 雨月 200201
声があり父亡き年の涅槃図に 能村研三 200202
涅槃圖も一緒に全燒(も)えてしまひしか 中原道夫 銀化 200203
朝の日に清けく涅槃し給へり 西山美枝子 酸漿 200204
涅槃会や貝ははがねの声放つ 石原歌織 銀化 200204
星の出の山に囲まれ涅槃寺 森田旅舟 200204
教典を激しく振つて涅槃変 板倉勉 六花 200204
涅槃図へひたと正座の人のをり 西山美枝子 酸漿 200204
涅槃図の傍で住職塔婆書く 松崎鉄之介 200204
涅槃図を拝すも入りてよき齢 松崎鉄之介 200204
鳴龍の天井に泣く涅槃変 西山美枝子 酸漿 200204
雲腸に焦目の付きし涅槃變 中原道夫 銀化 200204
学僧の手際も朝の涅槃寺 西山美枝子 酸漿 200204
涅槃の日箪笥の上に猫の耳 山田六甲 六花 200204
涅槃図の木に薬袋の懸かりしまま 佐藤輝子 200204
涅槃會のこんにやくの膚黒かりき 中原道夫 銀化 200204
涅槃図の残像朝の空澄めり 西山美枝子 酸漿 200204
涅槃像いづれの幹も濡れてをり 水野恒彦 200205
涅槃会や篁に風鳴つてをり 池内淳子 春耕 200205
さかな等のなみだ涅槃の海膨る 柳川大亀 銀化 200205
涅槃図のとくとくと見る猫の貌 大橋敦子 雨月 200205
涅槃図にたおやけき僧指這はす 岸はじめ ぐろっけ 200205
涅槃図の虫どち見るに虫眼鏡 梅原美子 200205
涅槃会の餅をつまんでをりにけり 男波弘志 200205
涅槃絵の動物図鑑見るごとし 梅原美子 200205
右往左往するのみ鯛の涅槃変 柳川大亀 銀化 200205
もてなしの精進料理涅槃寺 池田光 200205
天井に龍横たはる涅槃寺 吉岡洋子 200206
涅槃図の多分裏側でも嘆く 後藤立夫 ホトトギス 200206
梵妻の早逝悼み涅槃寺 植村よし子 雨月 200206
老杉を背に江北の涅槃寺 菅谷弘子 雨月 200206
囀を聞きたまふかに涅槃像 小野喬樹 馬醉木 200206
床下ににはとりを飼ひ涅槃寺 朝井きよ子 200206
涅槃図へ置く饅頭の小さくなる 青山丈 200206
涅槃会やみづ枝は雲に揺れあへる 小林奈々 百鳥 200206
涅槃図を掛け鎮れる一寺かな 金森教子 雨月 200206
涅槃図の鬼は棍棒抛り泣く 金森教子 雨月 200206
美しき鳥を余白に涅槃絵図 朝井きよ子 200206
ぼんやりと涅槃図見えてをりにけり 谷口佳世子 200206
園児には園児言葉で涅槃説く 樋野恵美子 築港 200206
釈尊は大き身の丈涅槃絵図 安達風越 雨月 200207
涅槃図に百人の目の動きけり 折原烈子 帆船 200207
力なき月の出でをる涅槃絵図 安達風越 雨月 200207
羽のあるものも地に伏し涅槃絵図 福場朋子 200207
星空の果ては涅槃図かもしれぬ 小澤克己 遠嶺 200210
地震の来て涅槃図の中騒ぎ出す 小西瑞穂 ぐろっけ 200211
鴨南蛮食うべて涅槃図に侍る 浜口高子 火星 200303
涅槃図の傷みはげしくなつてをり 大木よしえ 築港 200304
涅槃会のだんご撤く人拾ふ人 高野荘司 築港 200304
磨り膝し寺宝涅槃図魅入りたる 大木よしえ 築港 200304
涅槃和讃老僧共に唱へらる 大木よしえ 築港 200304
二月堂涅槃図掲げしづかなり 萩谷幸子 雨月 200305
涅槃寺鴉も声を落としけり 坂本たま子 200305
涅槃図に紛れ込んだる絵解僧 山田弘子 円虹 200305
涅槃図の釈迦取り囲む愚者賢者 塩川雄三 築港 200305
涅槃図の裏にも声のありさうな 山田弘子 草の蝉 200305
雀らのすぐに飛び去る涅槃像 山田美恵子 火星 200305
涅槃像雨しとしとと涙雨 上岡末喜 築港 200305
涅槃図に雨やどりとは勿体なや 山田弘子 草の蝉 200305
涅槃会のさなか馬穴の水撒かれ 浜口高子 火星 200305
涅槃図の嘆き涙も見せずして 塩川雄三 築港 200305
動の修二会静の涅槃会果てにけり 萩谷幸子 雨月 200305
母の忌の膝ですり寄るお涅槃図 坂本たま子 200305
はみ出でし足直したる涅槃かな 中島陽華 200306
涅槃像の足のとほくに茶を賜ふ 風間史子 200306
菓子鉢の螺鈿が光る涅槃寺 矢崎すみ子 200306
禽獣の涙も染みに涅槃絵図 廣井良介 円虹 200306
等伯の涅槃図三丈まみえたり 林裕子 風土 200306
山寺の巻き雛古ぶ涅槃の図 市川十二代 ぐろっけ 200306
百態の号泣こもる涅槃絵図 仙石君子 雨月 200306
独裁者の亡命願ふ涅槃かな 川崎光一郎 京鹿子 200306
涅槃図へ今生の影重ねたり 阪上多恵子 雨月 200306
廃寺より名の寺に来し涅槃絵図 萩谷幸子 雨月 200306
涅槃図にまたとなき良き日 猿渡青雨 ホトトギス 200307
おんあうら重ねて涅槃し給へる 田崎令人 ホトトギス 200307
山門をくぐれば浄土涅槃通夜 慈幸杉雨 200307
大涅槃図に百畳の広からず 高瀬竟二 ホトトギス 200307
涅槃像御衣(おんぞ)一枚掛けたかり 北川英子 200307
塵捨ててより涅槃図を見に行けり 西川五郎 馬醉木 200307
想像を超えて鮮烈涅槃絵図 坂本玲子 ホトトギス 200307
名刹の不許の門とくお涅槃会 十河波津 200307
すがり伏す深き嘆きの涅槃絵図 蔭山一舟 ホトトギス 200307
寺町の小字は残り涅槃の日 山下接穂 ホトトギス 200307
梁よりの大涅槃図の裾余る 中沢司枝 200307
涅槃図に息の触るるを畏れけり 山田弘子 ホトトギス 200307
曼陀羅華濯ぎ涅槃の楽生まる 吉村ひさ志 ホトトギス 200307
涅槃図の蟹が動きしかと思ふ 小川修平 ホトトギス 200307
涅槃図にたどり着きたる暗さかな 小川修平 ホトトギス 200307
沙羅の樹の空七彩に涅槃像 吉村ひさ志 ホトトギス 200307
涅槃絵図心怯える嘆きあり 坂本玲子 ホトトギス 200307
涅槃図に適ふ照度となりにけり 能村研三 200307
涅槃図の暗さありがたかりしかな 小川修平 ホトトギス 200307
涅槃図の風に嘆きに耳澄ます 大久保樹 ホトトギス 200307
涅槃図をしまふ尼僧の背に夕日 大久保樹 ホトトギス 200307
涅槃図の円弧三千世界かな 猿渡青雨 ホトトギス 200307
みづからの光に涅槃したまへり 十河波津 200307
限りある命でありし涅槃の日 谷本房子 ホトトギス 200307
涅槃 →3      

 

2021年3月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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