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死にたしと言ひたりし手が葱刻む    加藤楸邨
作品
作者
掲載誌
掲載年月
包丁を研いで下さい葱二本 二瓶洋子 六花 200205
ふつふつと別れ霜なり葱畑 近藤きくえ 200205
きさらぎの星を見上げて葱さげて 金澤明子 火星 200205
大寺に湯の滾りをり葱刻む 元田千重 火星 200205
葱畑の畝高々と日の光 梅田秀子 酸漿 200206
葱一把流しに妻の入院す 戸栗末廣 火星 200207
庫裡の裏塀に立て掛け雇ひ葱 村田さだ子 酸漿 200212
葱を買ひ過ぎ老人の無分別 伊藤白潮 200301
見下すや葱青々と御師の畑 永見博子 酸漿 200301
葱きざみゐるものごころつきしより 浜口高子 火星 200302
母と寝る葱の匂ひの母と寝る 城孝子 火星 200302
栗林の端いささかの葱囲ひ 田中美智代 200302
長葱をひとまづ埋めむアリバイと ハルツォーク洋子 銀化 200302
糠雨や団地に隣る葱畑 山口マサエ 雲の峰 200302
葱掘りにでたる真上の冬銀河 藤井昌治 200302
真青な海の広がる葱畑 栗虫信子 200302
長電話要約するに葱のこと 野中啓子 200303
暮方に朝市に出す葱洗ふ 榎本みや 築港 200303
身を硬くせしは薬味の葱のせい 宇垣みきえ 200303
三十年同じところに葱囲ふ 神蔵器 風土 200303
葱刻む音に始まる母の朝 百瀬虚吹 風土 200303
夕波や水吸い上げし葱のいろ 雨村敏子 200303
氷上葱雨の来さうに空ふくる 杉浦典子 火星 200303
膝の上の葱と真昼の車中なり 伊藤多恵子 火星 200303
葱きざむ座を守ることのひとつとす 豊田都峰 京鹿子 200303
葱一把ざつくり置かれ火宅とや 直江裕子 京鹿子 200303
葱育て学校裏に棲みつけり 松本鷹根 京鹿子 200303
根深とは葱目深とは冬帽子 亀丸公俊 銀化 200303
黒土の技とも葱のぼかし染 佐藤みほ 200303
西陣の格子戸に立つ葱の束 高橋照葉 ぐろっけ 200303
葱の香の中の懐奘と唯円と 高橋将夫 200304
鋤焼の最後の葱の熱かりし 堀川千代子 百鳥 200304
塀囲ひして尼寺の葱畑 斉藤由美子 ぐろっけ 200305
とれたての葱丸かじり甘かりし 鈴木多枝子 あを 200307
滞在の三日の自炊きざみ葱 稲畑汀子 ホトトギス 200312
みそ汁に欠かせぬ葱でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200312
きざみ来し葱の匂ひの抜けぬ指 稲畑汀子 ホトトギス 200312
下仁田の葱と出されてクリスマス 中村房枝 六花 200312
風が拭ふ空や蜂起の葱畑 岡本まち子 馬醉木 200401
泥葱を一親等のやうに埋む 伊藤白潮 200401
石垣の町に波音葱青し 大沢敦子 雲の峰 200401
山小屋の味噌汁の葱シヤキシヤキと 森理和 あを 200401
十善寺葱植ゑられて支那火鉢 築城百々平 馬醉木 200402
山畑の葱の葉先のみな折れて 杉浦典子 火星 200402
やすやすと人を逝かしめ葱刻む 嵯峨根鈴子 火星 200402
この村のつつぬけの空葱畑 杉田さだ子 対岸 200402
葱活けて被せる藁の日の匂ひ 磯野たか 風土 200402
上州の土を馴染ませ葱囲ふ 能村研三 200402
海鳴りや小さき島の葱畑 三枝きぬ子 帆船 200402
限りなく続く深谷の葱畑 篠藤江 帆船 200402
葱の畝寄せその夜の安らけし 朝妻力 雲の峰 200402
葱を背に峠越え行く狩の衆 北吉裕子 雲の峰 200402
葱畑の青く広がる島の朝 森木久美 雲の峰 200402
泥葱の香り商ふ店のあり 関まさを 酸漿 200402
洗ひ場に葱屑匂ふ一山家 淵脇護 河鹿 200403
土寄せて畝新しき葱畑 東芳子 酸漿 200403
葱提げて不動に朔日詣かな 玉置かよ子 雨月 200403
黒土を光らせ越の葱の束 木下節子 雲の峰 200403
他京して京の味知る九條葱 岩崎憲二 京鹿子 200403
白葱の暗のぼりつめ折れやすし 直江裕子 京鹿子 200403
月の出を葱の香すこし葱畑 中村恭子 200403
山峡のひかりを諸に葱囲ふ 青野れい子 200403
働ける今がたいせつ葱刻む 生方ふよう 200403
「土方」てふ同姓多し葱囲ふ 神蔵器 風土 200404
葱買ひて妻に戻りし月の道 新海りつ子 馬醉木 200405
鴨葱の話あひるが岸離る 禰寝瓶史 京鹿子 200407
寝入りばな葱の白さに摶たれたる 八田木枯 夜さり 200409
独眼流正宗の地の曲がり葱 伊藤白潮 200412
ぬれぬれと雨後の夕日や葱畑 岡本眸 200412
葱囲む忘却期間置くために 伊藤白潮 200501
植木棚葱の一鉢交へたる 品川鈴子 六香 200501
葱刻む音に変調なかりけり 小林朱夏 200502
うね高き葱畑続く矢切かな 木暮剛平 万象 200502
青空につんつんつくと葱の列 鏡山千恵子 帆船 200502
葱引くや鐘韻長くはるかなり 水野恒彦 200502
九条葱瑞々し束積みあげて 青垣和子 雨月 200502
雨止めばすでに夕日や葱畑 岡本眸 200502
曳売りの朝深谷の葱の艷 田村すゝむ 風土 200502
迷ひゐし泥つき葱の置きどころ 栗原公子 200502
鳥打帽かぶりて夜の葱畑 竹内悦子 200503
年歩む日々充実の葱畑 岡本眸 200503
一畝の葱を残して耕さる 三井公子 酸漿 200504
葱牛蒡寄り添ひて立つ厨口 柿沼盟子 風土 200504
葱抜くや稜線しかと赤城山 高橋烝 200505
冷え込んですき焼にする葱白し 中山純子 万象 200505
葱刻む音や独りになりし母 清水雅子 栴檀 200508
海の日の厨に葱を刻みをり 西畑敦子 火星 200510
深ぶかと上のふところ矢切葱 坂本京子 200512
葱畑川風荒くなりにけり 大串章 百鳥 200601
きざんでもきざんでもからつぽの葱 栗栖恵通子 200602
いさかひて葱の貼り付く鍋の底 木村みかん 200602
葱さげて灯ともしごろを男坂 藤井寿江子 馬醉木 200602
葱刻む音牛蒡そぐ音年つまる 吉田明 200602
一畝の下仁田葱も尼の畑 石垣幸子 雨月 200602
葱束を夫が下げ来る風の中 小松鈴子 酸漿 200602
寒満月歓喜のごとく葱畑 神蔵器 風土 200602
泥葱を積みこむ海の渡しかな 平田紀美子 風土 200602
最澄の山懐に葱にほふ 浜口高子 火星 200603
片方の頬の冷たし葱畑 河崎尚子 火星 200603
捨てられし葱白骨のごときかな 平田倫子 百鳥 200603
葱 →3      

 

2021年11月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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