1       99句

折鶴のごとくに葱の凍てたるよ    加倉井秋を

作品
作者
掲載誌
掲載年月
うさぎ罠仕掛けて一と日葱を掘る 保坂加津夫 自在抄 199600
風花は村の童話よ葱を掘る 保坂加津夫 自在抄 199600
素うどんに葱たつぷりと送り梅雨 水原春郎 馬醉木 199809
葱抜くや流星の尾の匂ひして 神蔵器 風土 199901
大束の葱立てかけし土間の艶 皆川盤水 春耕 199901
ひかひかに葱を洗いて温もる家 中村裕子 海程 199902
墓所おくつき斜畑なぞへつながる葱の畝 中原道夫 銀化 199902
葱きざむ哀しみの日の明け暮れも 鈴木まゆ 馬醉木 199903
初夢に妻が来てゐて葱刻む 神蔵器 風土 199903
立てかけて厨に大名葱囲ふ 鈴木とおる 風土 199903
寸土なる日をあつめては葱囲ふ 長尾康子 風土 199903
猫連れて媼小出しの囲ひ葱 藤原たかを 馬醉木 199904
葱畑松虫駅といふがあり 中路間時子 火星 199904
やはらかき葱が自慢の父なりし 尾崎九一 遠嶺 199904
すぐ泣く児と葱の二三は折れ曲る 加川憲一 海程 199904
一皮を剥ぎたる葱の瑞々し 大西正栄 雨月 199904
こころみに葱の微光を束ねては 岡崎るり子 銀化 199904
妻のゐるやうに音たて葱きざむ 神蔵器 199905
まつさをに葱の空洞胎児ひそみ 丸山海道 京鹿子 199906
夕月の葱少年になる予感 関田誓炎 海程 199907
群鳥や葱の白さの旅めくを 田口満代子 海程 199909
葱植ゑて終切り仕舞ひと致したり 保坂加津夫 いろり 199909
葱の香の後さびしさも流れくる 能村登四郎 芒種 199911
百人の白き姿や葱畑 伊藤翠 船団 199912
葱畑の畝ふかぶかと影引きぬ 内藤八重 俳句通信 200001
葱にたっぷり土かけている農夫である 鴻巣又四郎 海程 200002
母の忌の近し厨に葱白く 塩田博久 風土 200002
下仁田の太葱溢れ夕市場 田中藤穂 水瓶座 200002
あの人も朝市帰り葱を提げ 田中藤穂 水瓶座 200002
落し穴ほどの深さに葱囲ふ 鷹羽狩行 200002
島裾の葱畑かこむ野面石 新家豊子 馬醉木 200002
葱起こし畑の蒲団はがす朝 尾上有紀子 わがまま 200002
納豆の奏でる糸に葱うんざり 尾上有紀子 わがまま 200002
葱吊れば鬼が百匹飛び出して 尾上有紀子 わがまま 200002
あおあおと葱も畠で笑い居り 尾上有紀子 わがまま 200002
葱引いておのれ可愛いい古着かな 山田六甲 六花 200003
葱買うてひらりと舟に戻りけり 小澤克己 遠嶺 200003
次の世のうすうす見ゆる葱月夜 大野英美 風土 200003
葱大根賜り今日をある余生 大橋宵火 雨月 200003
うどんに盛る葱のゆたかに世紀逝く 北原志満子 海程 200004
葱畑越えて明るくなりにけり 高橋将夫 200004
葱大根火影も湯気をたてて煮ゆる 富田美和 200005
天を指す葱幾畝の淑気かな 川上美穂子 酸漿 200005
葱折れて紐のごとくに影流る あべりち 銀化 200005
味噌汁の葱の甘さを独り言 小高布く子 200005
かくもわが胃の腑に圍ひ芽葱かな 中原道夫 銀化 200006
立読みの足元に葱光りけり 荻野美佐子 船団 200006
山畑や葱につまずく霧のなか 金子兜太 海程 200007
葱苗を取りかけしまま人居らず 熊谷みどり いろり 200007
朝採りの胡葱を買ふ浜の市 森重夫 春耕 200007
閑かさや女人禁制葱畑 宇田蓋男 海程 200008
葱畑の青き剣研ぐ戻り梅雨 岩崎きゑ子 馬醉木 200009
台風の進路に気をもむ葱畠 小川花久 いろり 200010
葱の畝土よせなほす白露かな 野口みどり 酸漿 200012
葱育つ金沢文庫の日溜りに 神蔵器 風土 200101
手探りで葱引いて来し晦日そば 山田六甲 六花 200101
葱畑に欠けし蛸壺積まれたる 中川冬紫子 春耕 200101
どの葱か深みにはまり蒼白に 中原道夫 銀化 200101
混むバスに葱の香りの流れけり 笹原紀世子 200102
奈邊かな葱の浮足立つ時分 中原道夫 銀化 200102
刻み葱たつぷり加へ信濃蕎麦 田渕匡子 200103
葱の束抱き遠くまで車椅子 藤田宏 200103
葱買うてよりを家路と思ひけり 戸田喜久子 200103
葱刻む哀しきときは音立てず 高橋たか子 馬醉木 200104
妻の手を引くごと囲ひ葱を抜く 神蔵器 風土 200104
太葱の水のごときを抜きにけり 武井美代子 風土 200104
葱掘りし土に鳥来る雪の庭 伊藤一枝 酸漿 200104
火を埋めるやうに日暮れて囲ひ葱 岡本眸 200105
一本の葱を抜けば湖国かな 小澤克己 遠嶺 200105
泥葱を並べて作戦会議かな 福原實 海程 200106
生き延びし思ひ胡葱膾かな 二瓶洋子 六花 200107
葱の香が怒りの最中ながれくる 能村登四郎 200108
葱の根の白さしのぼるごとくなり 能村登四郎 200108
泥の葱足裏きれいな感触です 滝沢環 京鹿子 200109
葱抜きし穴の中より山の声 木曽岳風子 六花 200109
病医食葱ぬたうれし母の味 関口ゆき あを 200111
捨鉢に月下の葱を拔きよこす 中原道夫 銀化 200111
葱もらふぽろぽろ土をこぼしつつ 坂本俊子 200201
メモになき葱買ひにけり白すぎて 宇利和代 雲の峰 200201
取り返しつかぬ日暮の葱を抜く 櫂未知子 銀化 200201
妻の忌へ大名葱をねかしおく 神蔵器 風土 200202
駐車場に葱一束の落し物 吉田政江 200202
葱剥き機八方に香を飛ばしけり 関章子 百鳥 200202
通りすがりに招かれてゐる葱畑 加古みちよ 火星 200202
深谷葱電車の隅に立てかけて 竹川美佐子 いろり 200202
葱抜きしあとの匂ひの真暗がり 藤井昌治 200202
怠け癖挺で持ち上ぐ葱の筒 木戸渥子 京鹿子 200202
逞しき五本の畝の葱畑 鷹羽狩行 200202
葱効かし討入蕎麦をすすりけり 三村純也 円虹 200202
奉納の福ねぎとして矢切葱 石渡芳枝 200203
葱買うて葱の匂ひの新車かな 竹内悦子 200203
葱伏せて後ろめたさの何処より 岡崎るり子 銀化 200203
窮屈な足跡葱の畝間かな 小林とみゑ 百鳥 200203
旅果つる下仁田葱の甘さかな 田村玲子 200203
夢の世の日向なりけり葱作る 水野恒彦 200204
近江の葱下仁田にとて劣るなし 大橋敦子 雨月 200204
大寒の土より葱の真白なる 柿沼盟子 風土 200204
巷間や長葱同士すれ違ふ 山野みどり 銀化 200204
葱抜いて流行風邪など寄せつけぬ 金田きみ子 200204
葱→ 2      

 

2021年11月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。