苗 代     53句

苗代や鞍馬の桜ちりにけり    蕪村

苗代  苗田

作品
作者
掲載誌
掲載年月
筑波路に苗代祭の酒匂ふ 皆川盤水 春耕 199806
上総掘りの井水に満たす苗代田 中江恵子 199905
眼に血見たるおどろき苗代寒 大橋敦子 雨月 199907
うつくしくいま苗代に入る足 中原道夫 銀化 200006
旅疲れに夜鴉が鳴く苗代寒 大橋敦子 雨月 200107
百姓の何時も振り出し苗代寒 岩尾みち子 京鹿子 200207
糠雨の降るや陸稲の苗代に 春田淳子 雲の峯 200207
苗代水きつぱり張りて浅みどり 河合笑子 あを 200208
苗代時溝を浚ふに村総出 斎藤ヒデ子 200305
小半日苗代寒の書庫にをり 瀬戸悠 風土 200306
子に残すものは何んにも苗代寒 板倉幸子 築港 200307
山削る音がひねもす苗代寒 青山悠 200308
人形さま巡る苗代寒を言ひ 伊藤白潮 200406
苗代に扁平足の跡消えず 渡邉友七 あを 200406
花びらの影くつきりと苗代田 金川眞里子 百鳥 200407
喪の家の外は苗代月夜かな 芝生南天 河鹿 200407
苗代の田水明りを風散らす 栢森定男 風よ 200407
苗代田午前の時のきれぎれに 須佐薫子 帆船 200503
手抜とふ炊事の懈怠苗代寒 久保田雪枝 雨月 200507
山烏泳ぐ日かげの苗代田 渡邉友七 あを 200507
苗代に近く四五人諍へる 藤井昌治 200507
魚沼の雪を掻きたる苗代田 田中明子 万象 200508
苗代の声なき叫び「植ゑてよ」と 林翔 200508
苗代田猪水を浴びし跡 亀田やす子 万象 200509
苗代田満々として溢れざる 竹内弘子 あを 200606
苗代に水たつぷりと奥南部 佐々木とく子 200607
久闊の苗代寒を言ひ合ふも 伊藤白潮 200706
箱を田に苗代の色庭にあり 阿部ひろし 酸漿 200806
夕富士や苗代蛙こゑ澄みて 木下ふみ子 馬醉木 200807
苗代の水の按排老の作務 博多永楽 雨月 200807
箱を田に箱苗代の苗を植う 阿部ひろし 酸漿 200807
浮びたる箱苗代のみどりかな 阿部ひろし 酸漿 200906
苗代寒犬嗅ぐ水のさざなみす 山本耀子 火星 200907
苗代に細かき風の生まれけり 山下美典 ホトトギス 200909
作付けの展望見えず苗代寒 中島霞 ぐろっけ 201108
ふるさとに苗代蛙の一夜かな 柴田志津子 201110
木曽谷は苗代どきのあをさかな 豊田都峰 京鹿子 201208
濃く点す苗代寒の終バスは 定梶じょう あを 201208
煙草火の点々とゆく苗代寒 竹内弘子 201212
苗代を青き画布とし十二橋 神田恵琳 跫音 201303
奥能登の苗代荒れの続きけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
甲斐駒のあはき苗代月夜かな 根岸善雄 馬醉木 201707
苗代の風みつみつと海より来 江澤弘子 201707
苗代や晝餉を蕎麦ときめし徑 石川桂郎 風土 201710
苗代の話題出てくる夕餉かな 茂木なつ 春燈 201808
苗代の水から曇る山河かな 熊川暁子 201808
苗代の籾蒔き終へし便りかな 今井充子 202008
叡山の風になびきて苗代田 浅田光代 風土 202107
苗代へ朝の日向の移りけり 荒川心星 202108
苗代にとどめおきたる雲の影 根來隆元 202109
箱といふ小さき苗代種を蒔く 岡安紀元 ホトトギス 202111
海風を溜めて青あを苗代田 亀卦川菊枝 やぶれ傘 202207
苗代に映りしビルに灯の入りて 菅原末野 風土 202208

 

2023年5月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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