夏 椿 2     58句

雨戸繰る間も夏椿落つる音   若泉真樹   あらまほし

沙羅の花  夏椿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
訪ふ家のチャイムのそばの夏椿 長久保郁子 かさね 201210
勤行の卒寿の単座夏椿 岡井しげ女 春燈 201210
原節子のその後は知らず夏つばき 小倉正穂 末黒野 201210
青空に染まることなし夏椿 五ヶ瀬川流一 六花 201212
今ここに生くもたまたま夏椿 鈴木セツ 201307
夏椿黄昏泣きの保育園 篠田純子 あを 201308
古九谷の徳利に一枝夏椿 武生喜玖乃 雨月 201310
夏椿視力落ちしと気付くとき 吉田陽代 201408
築城の石切場なし夏椿 森理和 あを 201409
友からの便り途絶えし夏椿 山荘慶子 あを 201409
抹香の座敷小暗し夏つばき 垣岡瑛子 火星 201409
蘂光る地に着く一瞬の夏椿 古川忠利 ろんど 201410
繭玉の秘めし哀史や夏椿 池田光子 201410
夏椿浮く湧水のすすぎ場に 曽根満 万象 201410
夏椿ほとりはたりと時つかひ 深澤鱶 火星 201410
山門に「悩みききます」夏椿 田代貞枝 201410
四方の風じつと耐へゐる夏椿 池田光子 201509
塔頭に人声のあり夏椿 古川夏子 201510
さびさびと落ちて深山の夏椿 今井妙子 雨月 201510
夏椿掛花入れに朝の茶事 武生喜玖乃 雨月 201510
帰るときいつも路上に夏椿 藤井美晴 やぶれ傘 201607
夏椿余震のあした花こぼす 富永小谷 馬醉木 201608
知らぬ間に咲いては散つて夏椿 森直子 あを 201608
夏椿散るに力のありつたけ 平野みち代 201609
夏椿はじめの花を風に伸べ 中根美保 風土 201609
夏椿白を尽くして落花かな 多方清子 雨月 201609
夏椿落つイーハトーブの目覚め 雨宮桂子 風土 201610
蓬莱山よりの水音夏椿 亀井福恵 京鹿子 201707
一雨に咲き二雨に夏椿 和田照海 京鹿子 201709
夏椿いち枚岩のかかる橋 天野美登里 やぶれ傘 201708
待ち合はす辻や落花の夏椿 鈴木礼子 末黒野 201710
夏椿諸行無常を生きてをり 志方章子 六花 201711
夏椿一日花を惜しむかに 安部和子 雨月 201809
散るたびにしじま深むる夏椿 佐藤保子 馬醉木 201809
塔頭の梵鐘重き夏椿 伊吹之博 京鹿子 201811
夏椿母たる吾の矜持とも コ田千鶴子 馬醉木 201908
バス一団ぽつくり寺の夏椿 中田禎子 201909
夏椿ころんころんと眠りけり 時澤藍 201909
閑かさやぽとりぽとりと夏椿 平野秀子 末黒野 201909
戦禍あり変のありたり夏椿 延川笙子 六花 201909
だまりゐて嘴ふく鳥や夏椿 和田照美 京鹿子 201909
夏椿ひらいてみたいドアがある はしもと風里 201910
薄紅のまま落ちゆくや夏椿 種田利子 春燈 202008
夏椿散り改めて仰ぎけり 平野秀子 末黒野 202009
筆ペンの般若心経夏椿 深川敏子 春燈 202009
今生の闇を照して夏椿 和田華凛 ホトトギス 202010
夏椿まっさらな闇拡げをり 山中志津子 京鹿子 202010
夏椿質実といふ坊暮し 亀井福恵 京鹿子 202010
はらからは住所が呼び名夏椿 田中とし江 202010
一花散り一花ほころぶ夏椿 加藤静江 末黒野 202011
ちりぬるを和紙の音して夏椿 菊池和子 京鹿子 202108
夏椿雨の匂ひの石階段 小泉里香 やぶれ傘 202110
念仏は心の出水夏椿 菊池和子 京鹿子 202110
過去帳に師の名加はり夏椿 和田華凛 ホトトギス 202112
雨足のはげしき音や夏椿 滝口洋子 末黒野 202210
夏椿ぽとりと落つる石畳 鈴木千恵子 末黒野 202210
川音に散華惜しまぬ夏椿 藤森すみれ 202301
夏椿 →1

 

2023年8月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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