夏の月 4     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
精霊の漂うてをり夏の月 加藤みき 201508
潮引くや鳥居全容夏の月 長崎桂子 あを 201508
かぐや姫も寝苦しからむ夏の月 高橋将夫 201509
可惜夜の夢ふくらまし夏の月 柴田靖子 201509
天金の蒼む聖書や夏の月 後藤眞由美 春燈 201509
夏の月管むき出しのビルの裏 大崎紀夫 虻の昼 201510
篠笛に果つる宴や夏の月 堀田順子 馬醉木 201510
億年の虚空に楚々と夏の月 吉田順子 201510
ほとぼりの冷めぬビルより夏の月 松本三千夫 末黒野 201510
茅屋の格を上げたる夏の月 中島芳郎 201510
魚跳ぬる音にゆらぎぬ夏の月 八代洋子 万象 201511
砂踏めばサ音出す砂夏の月 織田高暢 201511
夏の月ふり向かぬ子を見送りぬ 田口萬智子 201511
夏の月雲かたよせて上りけり 戸栗末廣 201604
衛星のよぎるを見たし夏の月 稲畑汀子 ホトトギス 201607
川風のほどよき強さ夏の月 白石正躬 やぶれ傘 201608
金堂の鴟尾を照らして夏の月 山田春生 万象 201608
おとうとはいつしか他人夏の月 栗原公子 201608
夏の月なんだか背中熱っぽい つじあきこ 201609
夏の月おほかた退きし通夜の客 宮川みね子 風土 201609
魚河岸に名残惜しむや夏の月 藤代康明 201609
水甕に音なく棲まふ初夏の月 伊藤希眸 京鹿子 201609
茶屋街の三味の音響く夏の月 大上充子 馬醉木 201610
夏の月真田系図に友のゐて 門伝史会 風土 201610
夏の月涼しげに笑む木の間から 水谷直子 京鹿子 201610
宵はまだ灼けゐるいろに夏の月 片山喜久子 雨月 201610
千早振る寄席の打出し夏の月 相良牧人 201610
山の端に今日を鎮むる夏の月 茂木なつ 春燈 201611
流木に母国はひとつ夏の月 原友子 201612
水槽の泡のとぎれて夏の月 渡部ひとみ 船団 201701
街角に消えゆく人や夏の月 沼田巴字 京鹿子 201706
連結のまま車庫に入る夏の月 広渡敬雄 201708
真夜中の窓煌々と夏の月 山口地翠 春燈 201708
人工知能何するものぞ夏の月 加藤みき 201709
遠波に乗りくる何か夏の月 田中藤穂 あを 201709
夏の月母の亡骸娘の添ひ寝 木下圭子 ホトトギス 201710
夏の月記憶の糸をたぐりけり 太田慶子 春燈 201710
観音へ灘が差し出す夏の月 和田照海 京鹿子 201710
客人の流し目よけれ夏の月 加藤みき 201711
死後硬直までに退院夏の月 木戸渥子 京鹿子 201712
アイーダ哭く野外劇場夏の月 森なほ子 あを 201801
愛犬を抱いて水やる夏の月 東英幸 船団 201805
ああそしてあとは無口に夏の月 陽山道子 船団 201805
宇野港といとこのように夏の月 坪内稔典 船団 201805
銭湯に老いたやくざと夏の月 東英幸 船団 201806
街路樹の上枝のゆれに夏の月 笹村政子 六花 201807
またたくまに過ぐる一日や夏の月 西岡啓子 春燈 201808
舞妓らの裾摘みてゆく夏の月 秋津令 201808
彫刻の肌の温もり夏の月 江島照美 201809
湯治場の引戸の音や夏の月 市村明代 馬醉木 201809
スポーツもニュースの主役夏の月 鈴木としお 春燈 201809
夏の月母は静かに湯を使い 松井季湖 201809
夜になり赤くなりたる夏の月 佐藤喜孝 あを 201809
島唄の流るる渚夏の月 西村渾 201810
さりさりと包丁研ぐや夏の月 下田奉枝 雨月 201810
夏の月背もたれ少しずらしけり 池田光子 風土 201810
夜に入り赤くなりたる夏の月 佐藤喜孝 あを 201810
外ばかり見てゐる病衣夏の月 森田明成 201811
断捨離の果ての西行夏の月 田中信行 201811
身の火照り隠しきれざる夏の月 押田裕見子 201812
吹抜けの窓いつぱいの夏の月 小林紫乃 春燈 201812
播州や明石のあげし夏の月 山下健治 春燈 201812
夏の月灯りを消してノクターン 中山惠子 201909
夏の月赤しゆらりと小さき地震 栗原公子 201909
一冊に短編十二夏の月 須賀敏子 あを 201909
さみどりの稲のそよぎや夏の月 須賀敏子 あを 201909
年老いて子どもの瞳夏の月 おーたえつこ 201910
生きものに居場所死に場所夏の月 大畑善昭 201910
夏の月頭に戴きて男山 村上悦子 雨月 201911
ひとり覚め命ひとつと夏の月 阿部さちよ 201911
オムレツをぽんと返して夏の月 土谷倫 船団 201912
捨鉢をひろって帰る夏の月 つはこ江津 船団 201912
エルメスの騎士像に触れ夏の月 服部早苗 201912
オムレツをぽんと返して夏の月 土谷倫 船団 201912
捨鉢をひろって帰る夏の月 つはこ江津 船団 201912
叢雲に因へられたる夏の月 前田美恵子 202008
焦点は希望に合はせ夏の月 卯木尭子 春燈 202009
一切を決むるは己夏の月 大室恵美子 春燈 202009
駆け込みし夜汽車の窓の夏の月 山浦紀子 春燈 202009
焼け残る守礼の門や夏の月 辻泰子 春燈 202009
夏の月海の家無き砂浜に 伊藤美緒 末黒野 202009
ほろ酔ひの軽きステップ夏の月 吉田幸恵 やぶれ傘 202009
マネキンの瞑らざる眼や夏の月 中村重幸 202010
寝そびれて庭に佇み夏の月 小原紀子 末黒野 202011
洪水で流れし街夏の月 渡辺節子 202011
水に記す悠久の文字夏の月 楠本和弘 202011
上りても縮まらぬ距離夏の月 酒井たかお 202011
夏の月どこかで傷口がひらく 井上菜摘子 京鹿子 202107
山賊も海賊も群れ夏の月 柴田佐知子 202108
奥院の古刹の風情夏の月 植村蘇星 京鹿子 202108
一捻り言葉の綾や夏の月 植村蘇星 京鹿子 202108
夏の月ほのと空家に静心 植村蘇星 京鹿子 202108
七曜を確かむ独居夏の月 植村蘇星 京鹿子 202108
夏の月自問自答の止め刺す 植村蘇星 京鹿子 202108
超高層ビルの真横の夏の月 きくちきみえ やぶれ傘 202109
白きもの白極めたり夏の月 上月智子 末黒野 202109
ひつそりと一誌鎖され夏の月 中根美保 風土 202109
夏の月マングローブが動き出す 野村昌代 202109
十年経てなほ知らぬ路地夏の月 森なほ子 あを 202109
薄雲の向うに夏の月昇る 湯本正友 やぶれ傘 202110
夏の月 →5

 

2023年6月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。