夏の月 3     100句

やね葺が我屋ね葺や夏の月   夕兆

作品
作者
掲載誌
掲載年月
海鳴や重く昇れる夏の月 ことり 六花 201006
はかりごと内緒にならぬ夏の月 稲畑汀子 ホトトギス 201007
ふるさとの夜空ゆたかに夏の月 鴨下昭 201007
欠くることなき阿字観の夏の月 高橋将夫 201008
たそがれの武漢牌楼パイロウ夏の月 塩路隆子 201009
夕顔の井戸守る町家夏の月 荒井書子 馬醉木 201009
夏の月さびしき町の刺青師 辻直美 201009
宿下駄の砂利ふむ音や夏の月 皆川千佐恵 末黒野 201009
店先のタイヤの臭ひ夏の月 渡邉孝彦 やぶれ傘 201009
暮れそむる土手の上なる夏の月 白石正躬 やぶれ傘 201009
たそがれの武漢にくもる夏の月 塩路隆子 201010
日のほてり冷めやらぬ間の夏の月 笹井康夫 201010
強がりを言うても独り夏の月 柴田志津子 201010
こころもち欠くるがよろし夏の月 大坪景章 万象 201010
敗れてても感動残し夏の月 島内美佳 ぐろっけ 201010
木偶小屋に鎚の音する夏の月 山田美恵子 火星 201010
老犬のあゆむ影ゆく夏の月 山本耀子 火星 201010
一日のほてり残れり夏の月 三井公子 酸漿 201010
喪帰りの門に鴉や夏の月 三枝正子 万象 201011
地下鉄にゐる間にやせし夏の月 石田きよし 201102
今日無事に過ぎしと母や夏の月 高倉和子 201107
山の端を離れまん丸夏の月 宇治重郎 201108
夏の月柵崩れゐる薬草園 浜口高子 火星 201108
人嫌ひの一族であり夏の月 篠田純子 あを 201108
湯上りの胸元緩し夏の月 小林久子 201109
アイーダの果つるや浪速夏の月 小林成子 201109
どん底をいく度見たる夏の月 酒本八重 201109
青をもて描く闇あり夏の月 宮内とし子 201109
節電せよといふやうな夏の月 仁平則子 201109
全集の一冊足りず夏の月 田中藤穂 あを 201109
振り出しに戻る銀婚夏の月 松岡和子 201110
セコイアの切つ先の風夏の月 辻井ミナミ 末黒野 201110
通夜帰り中天夏の月歪み 土屋実郎 末黒野 201110
国生みの神話はむごし夏の月 あさなが捷 201110
酔い痴れて独りとぼとぼ夏の月 樋口正輝 ぐろっけ 201110
解かれたる帯が結界夏の月 高橋将夫 201110
夏の月漫ろになぞる李白の詩 茂木なつ 春燈 201110
海底の漁網と漁船夏の月 田中藤穂 あを 201110
夏の月赤く巨きく顔出しぬ 稲岡長 ホトトギス 201111
仕舞湯の泡沫にゐる夏の月 高野春子 京鹿子 201111
見上げればあの世の標夏の月 村元香須子 ぐろっけ 201111
暮れてより波音高し夏の月  今橋眞理子 ホトトギス 201112
中空に紅失したる夏の月 稲岡長 ホトトギス 201112
東京の臍無機質に夏の月 児玉有希 京鹿子 201112
今宵泊つ湖畔に夏の月いづこ 稻畑汀子 ホトトギス 201207
五十年てふ歳月なりし夏の月 中嶋昌子 春燈 201208
おおいなる立夏の月や酒を買ふ 岡田史女 末黒野 201208
夏の月囃して躱すほどでなし 松川悠乃 ろんど 201208
岩山の穴きはだたす夏の月 米田文彦 かさね 201209
亡き人の気配を肩に夏の月 森岡恵子 万象 201209
江の電の腰越を行く夏の月 北崎展江 くりから 201209
たつぷりと植木へ水を夏の月 森理和 あを 201209
妻は旅物干台の夏の月 神田惣介 京鹿子 201210
明日食ぶる飴ぱん買ひに夏の月 原田小芝 春燈 201210
ボヘミアングラスに捕ふ夏の月 前田恵美子 青鷹 201210
夏の月河口へ水の押されゆく 中村洋子 風土 201210
夏の月上りて風の届きけり 根岸善行 風土 201210
みなまたの水なめてゐる夏の月 梶浦玲良子 六花 201210
夏の月玉蘭売の女立つ 福島せいぎ 万象 201210
海峡にとろりと赤し夏の月 堀田清江 雨月 201210
酒蔵に葉の影落とし夏の月 中山良子 末黒野 201211
夏の月黄肌まぐろと遣り取りす 瀬川公馨 201211
手をつなぎ寝ねて夢あり夏の月 酒井秀郎 返り花 201211
下駄音の高き露地裏夏の月 高田風信子 京鹿子 201301
まだ濡るる黒髪の香や夏の月 神田恵琳 春燈 201307
語らひにほどよき光夏の月 大島みよし 201310
夏の月さほど命の惜しからず 中嶋昌子 春燈 201310
黒雲の走りの早き夏の月 廣瀬雅男 やぶれ傘 201309
夏の月探し見上ぐる吟行会 後藤克彦 かさね 201310
箱根路の湯宿を照らす夏の月 吉田博行 かさね 201310
物音に怯ゆる妻や夏の月 小川玉泉 末黒野 201310
宝塔の影のまさしく夏の月 田中文治 火星 201310
草の香のそこはかとあり夏の月 藤岡紫水 京鹿子 201310
大寺はしじまの中や夏の月 山口弘子 201310
夏月の赤らみ夜の更けゆけり 安藤久美子 やぶれ傘 201310
夏の月川舟低く括られて 杉浦典子 火星 201309
引き潮のあとの石ころ夏の月 浜口高子 火星 201309
夏の月あつしあつしの声も無く 瀧春一 花石榴 201312
夏の月アスパラガスを素揚げして ふけとしこ 船団 201401
神いまだ人を殺めて夏の月 あさなが捷 201407
夏の月へと亀の首のびにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201408
野ざらしを心に江戸の夏の月 神蔵器 風土 201408
逆立つる柳眉など無し夏の月 宮井知英 201409
宿泊は鴎外旧居夏の月 能勢栄子 201409
夏の月水の匂ひの佃島 中村洋子 風土 201409
風落ちて山湖に夏の月の影 青木由芙 末黒野 201409
まだ誰も帰って来ぬよ夏の月 種田果歩 201409
夏の月ひとつの命おもひをり 布施まさ子 風土 201409
波の上の波くづれゆく夏の月 宮川みね子 風土 201409
オレンジの色なり夏の月丸し 上辻蒼人 風土 201409
千年の甍の波や夏の月 江見悦子 万象 201410
シャワー浴び二階より見る夏の月 久世孝雄 やぶれ傘 201410
六代目のグリコ走者や夏の月 阪本哲弘 201410
死ぬるまで私でゐたし夏の月 大室恵美子 春燈 201410
浮世絵のポーズに非ず夏の月 宮崎高根 201410
二心あれば楕円に夏の月 高橋将夫 201410
御神輿の庫に納まり夏の月 土井三乙 風土 201411
解体のビルの全貌夏の月 古川夏子 201412
夏の月一つに闇の広すぎて 高橋将夫 201504
仕舞湯になりて白狐と夏の月 杉本薬王子 風土 201508
夏の月→4      

 

2021年6月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。