夏の月 2     122句

蚊屋を出て又障子あり夏の月    丈草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏の月そこにゐるのはどなたかな 高橋将夫 200410
夏の月壺より出でしエイリアン 延広禎一 200410
なぞなぞのいつしか途絶え夏の月 谷村幸子 200410
夏の月身を泳がせて畳拭く 湯橋喜美 200410
温室明り消え潮騒と夏の月 宮本啓子 200410
夏の月気球のごとく夜半を浮く 滝川あい子 雨月 200410
公園にペットボトルと夏の月 射場智也 六花 200410
麻酔覚め見とどけ帰る夏の月 中川英子 百鳥 200410
ぬくと出で枕辺明るき夏の月 田代ヨシ 河鹿 200411
まぼろしや倉の上なる夏の月 中島陽華 200411
車椅子行交ふ廊も初夏の月 山田耕子 京鹿子 200411
かの傷者も窓開け眺む初夏の月 山田耕子 京鹿子 200411
一人居に門限も無き夏の月 松浦途子 ぐろっけ 200411
野外ライブの夜更けて仰ぐ夏の月 伊藤浩子 200505
書割の月のそびらに夏の月 鷹羽狩行 200508
夏の月手足を洗ひ眠りけり 中山純子 万象 200508
鎌倉や古鏡に似たる首夏の月 石川笙児 200508
盗人に内緒のはなし夏の月 内山まり子 風土 200508
夏の月あら煮の目玉つつきけり 杉浦典子 火星 200509
夏の月首に添はざる羽根枕 山田美恵子 火星 200509
泪目の蔵六にして夏の月 雨村敏子 200510
神の子のパイプオルガン夏の月 本多俊子 200510
鉢植ゑの雫してゐる夏の月 廣畑忠明 火星 200510
静けさと思ふ物音夏の月 高尾豊子 火星 200510
夏の月もろみの匂ふ島の端 丸山照子 火星 200510
吉報に思はず潤む夏の月 永田歌子 遠嶺 200510
忠臣の眠る岬や夏の月 宮川迪夫 遠嶺 200510
部活終へ近道帰る夏の月 山下唐泉 百鳥 200510
夏の月わたしの為に出たまふか 浜田久美子 六花 200510
寝る時が我が身なりけり夏の月 濱崎惠美子 河鹿 200510
夏の月穂高は夕日とどめけり 大室恵美子 春燈 200511
夏の月徒然草にある余白 野口香葉 遠嶺 200511
彼の人も甲斐の国より夏の月 大槻球子 遠嶺 200511
夏の月火照る言葉は忘れたり 山元志津香 八千草 200511
夜をこめて障子を渡る夏の月 山田治美 四葩 200512
礼文島へと白き航跡夏の月 石川等 200512
夏の月いまあがりたるばかりかな 久保田万太郎 春燈 200603
夏の月貝の釦の潤みをり 松本きみ枝 遠嶺 200606
山紫水明暮れて濡れ身の初夏の月 北川英子 200608
点眼や落ちてきさうな夏の月 野澤あき 火星 200609
眉ほどの夏の月とはなりにけり 関根洋子 風土 200609
ナホトカヘ向ふ列車に夏の月 秋田直己 ぐろっけ 200609
遺影笑むことのかなしも夏の月 大橋敦子 雨月 200609
夏の月シャネルの枕匂ひけり 岸田爾子 200610
逝く夏の月に突出す馬の貌 坂ようこ 200610
水底のあをき豆腐や夏の月 横松しげる 遠嶺 200610
船影の入江にありて夏の月 青木久子 遠嶺 200611
命ある故に酔ひたり夏の月 村田文一 遠嶺 200611
鋤荷ぎて淵明夏の月浴びし 松崎鉄之介 200611
読み終へて日付変りぬ夏の月 宮田千優 京鹿子 200612
軒・庇なき世となりぬ夏の月 鷹羽狩行 200708
夏の月明日の服を決めてから 倉持梨恵 200708
夏の月「河童に餌をやらないで」 小林和子 万象 200708
大堰の水の全き夏の月 山尾玉藻 火星 200708
討死の蛸を祀れり夏の月 次井義泰 200709
皓皓と夏月監視カメラめく 峰尾秀之 200709
山湖に掌沈めて痛し夏の月 浜口高子 火星 200709
パスポートにまこと縁なし夏の月 垣岡暎子 火星 200709
城山の日暮静かに夏の月 矢崎暉文 酸漿 200709
病む夫の少年めける夏の月 若槻妙子 200709
月光の曲奏で山の端に夏の月 須藤トモ子 200710
終電の音の遠のき夏の月 倉持梨恵 200710
麻酔より醒めてまことの夏の月 佐藤博美 200710
二夫送りなほある余生夏の月 伊藤真代 200710
更くる夜を雲遊ばせて夏の月 青木陽子 酸漿 200710
大草原余さず照らす夏の月 浦野裕司 酸漿 200710
雑踏を抜けて病室夏の月 大西洵子 遠嶺 200711
森一つ袂に入れて夏の月 上田敬 遠嶺 200711
天象儀観ての帰路なり夏の月 渡邉紅華 酸漿 200711
沸点の違ふシチューや夏の月 藤井久仁子 ぐろっけ 200802
物置けば楽しき影や夏の月 林友次郎 天帝 200806
逝く人の無苦を思へり夏の月 小澤克己 遠嶺 200808
刺すこともできる笄夏の月 柴田佐知子 200808
無重力を飛ぶブーメラン夏の月 冨松寛子 200808
死ぬ人の視界に入る夏の月 辻直美 200808
夏の月抜けないとげのありにけり 倉持梨恵 200808
夏の月降りたいけれどをりられぬ 富沢敏子 200808
夏の月どこにも売つてゐない色 倉持梨恵 200808
機の窓につきくる赤き夏の月 夏目満子 酸漿 200808
庭に出て二階を呼べり夏の月 鷹羽狩行 200809
葬一つ出したる路地の夏の月 曽我啓子 200809
興福寺の僧に道問ふ夏の月 稲見寛子 炎環 200809
億年の謎ときめくや夏の月 本多俊子 200809
夜叉面や添ひ寝の猫と夏の月 朝日正人 200809
海峡を照らす晩夏の月青し 中村悦子 200810
夏の月引越しといふ旅じたく 小林奈穂 200810
星一つ先に上げたり夏の月 根岸善行 風土 200810
ややこしき話は延ばし夏の月 高倉恵美子 200810
ほろ酔の身の重たさや夏の月 大槻きみ 200810
夏の月木霊が湖へ出て遊ぶ 湯浅夏以 遠嶺 200811
夏の月双魚となりて泳ぎたし 東良子 遠嶺 200811
孤心とは湖上に仰ぐ夏の月 東良子 遠嶺 200811
医学舎に実習の灯や夏の月 岡敏恵 ぐろっけ 200811
水音のかすかに聞こえ夏の月 陽山道子 船団 200901
山姥も捨子寝かせて夏の月 佐藤眞隆 京鹿子 200901
消ゆる日も会ひたき人や夏の月 松田都青 京鹿子 200901
尽くされし数々謝して夏の月 稲畑汀子 ホトトギス 200907
神宮の森が真つ黒夏の月 鷹羽狩行 200907
鐘楼に物語あり夏の月 千田敬 200907
羊水の揺れの覚えや夏の月 栗栖恵通子 200908
胸反らせ仰ぐ式根の夏の月 三輪初子 炎環 200908
夏の月づけづけと言ふ占師 田中藤穂 あを 200908
夏の月新幹線のひた走る 宇治重郎 200909
夏の月湖を照らせり月出の浜 池田加寿子 200909
抽斗の犬の首輪や夏の月 鈴木友寄枝 炎環 200909
ぺージ閉づときの屈託夏の月 小嶋泰家 炎環 200909
陶片の伊万里を語る夏の月 秋場貞枝 春燈 200909
父の忌や出羽三山に夏の月 渡辺若菜 春燈 200909
夏の月全速力の屋形船 佐藤喜孝 あを 200909
夏の月酔ひどれ天使にもならず 川崎光一郎 京鹿子 200909
梢冥き後方に夏の月うかぶ 荻野千枝 京鹿子 200909
キャプテンの居残つてゐる夏の月 川口襄 遠嶺 200910
胸に抱くぺースメーカー夏の月 藤沢愃 炎環 200910
こめかみの泣きたさうなり夏の月 新井みゆき 炎環 200910
姉妹便り間遠に夏の月 芥川多喜子 200910
鼓打つ両津の浜に夏の月 藤本一城 200910
ついて来る猫の鈴音夏の月 早崎泰江 あを 200910
関東と昏るる時間差夏の月 千原叡子 ホトトギス 200911
浮御堂水底深く夏の月 田中裕美子 200911
夏の月ボリュームを上げバッハ聴く 坂本知子 酸漿 200911
軽石の帰るとすれば夏の月 小嶋洋子 泡の音色 200912
白樺の風の葉擦れや夏の月 中山良子 末黒野 201004
夏の月 →3      

 

2021年5月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。