夏野/夏の野 2      82句

多摩川の河原の内の夏野かな    松本たかし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
御岳は頂上見せぬ夏野かな 池田友之 夏雲 201603
夏野いま育ち盛りや風渡る 久染康子 201607
置き去りのやうな夏野の一輔車 千田百里 201607
売地札しばしたのしむ夏野かな 七郎衛門吉保 あを 201608
エイヤッと跳び越す小川大夏野 たかはしすなお 201609
とめどなく雲の生まるる夏野かな 山田春生 万象 201609
花かんむりの少女夏野のプリンセス 加藤静江 末黒野 201609
濡れてゐる夏野の端に乳搾る 柴田佐知子 201609
溶けてゆく水玉模様大夏野 鈴鹿呂仁 京鹿子 201609
醒め遣らぬ夏野の影や雲ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201609
砲台の眠りは永き夏野かな 前田美恵子 201609
日を返す馬の肉叢大夏野 橋本順子 201610
横ばかり長き紀の国大夏野 上辻蒼人 風土 201610
夏野行く遊行はじめの一歩かな 北川孝子 京鹿子 201610
人生に好機はいくつ夏野行く 北川孝子 京鹿子 201610
過ぎ去れば皆些事なりし大夏野 北川孝子 京鹿子 201610
夕電車夏野の景を置去りに 高橋道子 201610
7夏野原ここにあるから空缶蹴る 井上菜摘子 京鹿子 201611
白い花夏の野菜の実り待つ 長崎桂子 あを 201610
艸の字や夏野の草の生きる状 芦田しずく 京鹿子 201701
白雲の影が翳追ふ夏野かな 石原孝人 京鹿子 201701
まづ椅子を広げ夏野を描きはじむ 安居正浩 201708
百噛んでかんで夏野の牛であり 千田百里 201708
呼び戻す過去などなけれ夏野ゆく 水野恒彦 201708
ぴんと張る夏野へはやる犬の貌 加藤峰子 201708
少年に未踏の夏野天球儀 火箱ひろ 201709
山頭火分けし夏野と思ひけり 小林共代 風土 201709
岐路隆路あればこそ行く夏野まで 高橋道子 201709
真うしろの夏野に騒ぐ草の丈 成田美代 201710
錫杖の欲しき夏野や徒ゆかむ 石田阿畏子 馬醉木 201710
先立ちて犬の歩ける夏野かな 成田なな女 春燈 201710
霊山をつつみて余る夏野かな 成田なな女 春燈 201710
八木節の鳴つて夏野へ動き出す 中村千久 万象 201710
引率の旗のみ動き大夏野 森清堯 末黒野 201711
病癒へ青き夏野をこころざす 五十嵐貴子 末黒野 201711
Trainitalia樹々奔放に大夏野 森なほ子 あを 201801
岩のごと牛の座れる大夏野 倉和子 201712
なびきては発掘を待つ夏野かな 河原敬子 201804
黄の花を点描として大夏野 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
赤き鉄鎖白い夏野に横たはる 高橋龍 201807
青年にたてがみ与へたき夏野 柴田佐知子 201809
ひとすぢの瀬音に憩ふ夏野かな 安立公彦 春燈 201809
町外れ夏の野の花馨しき 長崎桂子 あを 201810
重機置く夏野に道の尽きにけり 山内碧 201811
三瓶への旅の近づく夏野かな 稲畑汀子 ホトトギス 201906
子等減りて夏野広々あるばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201906
亡き友と歩きし夏野偲ぶ日に 稲畑汀子 ホトトギス 201906
悲しみは心に秘めて夏野歩す 稲畑汀子 ホトトギス 201906
何やかや湧き立つてゐる夏野かな 高橋まき子 風土 201908
日輪の追ひかけてくる夏野かな 野村宏 201909
まつすぐに夏野を行けり振り向かず 本多俊子 201909
すっと来て夏野の蝶となりゐたり 足立典子 雨月 201909
飛行機雲は根の国行きか大夏野 波戸辺のばら 201910
大夏野窓にひき寄せ着陸す 竹内喜代子 雨月 201910
遠き旅三瓶の夏野近づけて 稲畑汀子 ホトトギス 202006
何か鳴き風の添ふとて夏の野よ 稲畑汀子 ホトトギス 202006
風渡る夏野の広さありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
かつて子の机ひろびろと夏野 井上菜摘子 京鹿子 202008
D51の据ゑられてゐる夏野かな 広渡敬雄 202009
夏野にも区画ありけり馬防ぎ 森岡正作 202009
大夏野両の手ひろげ風となる 安田優歌 京鹿子 202010
早寝して夏野漕ぎゆく夢をみし 土井ゆう子 風土 202010
地震の跡残る夏野に牛放つ 高倉和子 202010
濃淡の雲の流るる夏野な 秋山文子 末黒野 202011
トラックを出で大夏野へと走者 中村襄介 ホトトギス 202012
夏野行く限り青空蹤いてくる 稲畑汀子 ホトトギス 202106
さみどりの夏野の果の浅間山 安立公彦 春燈 202108
夏野へと白き線路の走る朝 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
夏野ゆく天つく宇宙電波塔 宮内とし子 202109
ふるさとの夏野や父の匂ひして 川高郷之助 202110
木道の果ては何処や大夏野 大西由美子 春燈 202110
来し方の捨てし夢ふと大夏野 清水佑実子 202208
わだかまり夏野の風にほどけゆく 辻本俊子 京鹿子 202209
鳶の羽音まぢかに聞こゆ大夏野 尾崎と代子 京鹿子 202209
山彦や腹の底まで夏野なり 平松うさぎ 202209
太陽光のパネル並ぶや夏野原 村田敦子 末黒野 202210
雲を置く夏野に遠心力生まれ 兵藤惠 202210
寝転べば蒼に溺るる夏野かな 菅原健一 202210
ケータイが胸で震へてゐる夏野 村井良永 京鹿子 202210
夏野行く貨物列車の音遥か 長尾タイ 末黒野 202211
照り返す海の眩しき夏野かな 六崎正善 末黒野 202211
脱走のエミューに揺るる夏野かな 柴田佐知子 202211
雨分けて放哉が来る夏野かな 戸栗末廣 202304
夏野→ 1

 

 

2023年6月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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