夏 草 4     95句

夏草に粒そろひたる線路の石  杉本幽鳥  天狼

夏草  夏の草  青草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏草に坐して遠嶺の名を辿る 松本鷹根 京鹿子 201608
夏草をかくれ家としてせせり蝶 箕輪カオル 201609
夏草や芭蕉立ちしはこの辺り 平野みち代 201609
夏草の湿つてゐたり軍馬の碑 三屋英俊 万象 201609
夏草や埋もれし舟の朽ちきれず 田川美根子 201609
夏草のそこだけ刈られ崩御の碑 山内碧 201609
夏草や城址の虎口行き止り 西村しげ子 雨月 201609
夏草のうつすらとあり転轍機 大島英昭 やぶれ傘 201609
夏草の中より雀飛びたてり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201609
夏草の短かく刈られ滑走路 高田令子 201610
瓦礫声あげ夏草は直立す 岩岡中正 ホトトギス 201611
夏草の乱となる庭風やはし 岡山敦子 京鹿子 201611
明るかり夏草刈りしあとの土手 志方章子 六花 201611
夏草のかくしてしまふ水位標 柴田志津子 201611
夏草や宅地開発待つ荒地 増田みな子 やぶれ傘 201612
大錨大鎖錆び夏草に 田中藤穂 201612
夏草に山と積まるる漁網かな 赤堀洋子 万象 201701
捨て碇錆びし歳月夏草長け 大山夏子 201701
渡しへと夏草おほふ土手の径 黒滝志麻子 末黒野 201708
夏草の茂る力や吾に欲し 早川八重子 末黒野 201708
夏草や興亡語る登り窯 滝澤圭子 雨月 201708
夏草を手繰る慟哭の野生群 鈴鹿呂仁 京鹿子 201709
夏草のじやれ合ふやうに揺れにけり 安藤久美子 やぶれ傘 201708
夏草を刈る容赦なく小気味よく 森岡正作 201710
夏草の手入およばぬ狭庭かな 池田節 春燈 201709
夏草の隙間すきまに魚を釣る 宇都宮敦子 201710
夏草を負かして肉刺を数へけり 時澤藍 201710
夏草や幾度の別れ越え来り 海村禮子 春燈 201710
夏草や屯田兵の上陸地 中嶋久登 万象 201710
夏草の面倒臭げに白い花 田尻勝子 六花 201710
夏草の底に潜んでゐる歴史 伴明子 ホトトギス 201711
夏草を敵陣のごと刈りてをり 川内谷育代 馬醉木 201711
夏草を刈るや雀の散りぢりに 志方章子 六花 201711
夏草の上転げゆく決勝打 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
夏草に羽音水音吸はれゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
夏草の中に斜めに駐車する 大島英昭 やぶれ傘 201807
夏草や天保五年の標石 大石よし子 雨月 201809
夏草や豊岡藩主の裔眠る 石谷淳子 雨月 201809
夏草の中の蕉翁終焉碑 城戸ひろみ 雨月 201809
瓢々と夏草群れて滑走路 笹村恵美子 201809
夏草や奥へと沈みゆく径 湯川雅 ホトトギス 201811
夏草の名を一つづつ教はりぬ 岩井京子 201812
息つめて夏草の中通りけり 高倉和子 201812
絡む蔓引きて夏草薙ぎ倒す 河口知重 末黒野 201812
火葬待つ夏草強くかをりをり 岡部名保子 馬醉木 201901
夏草やここは馬産地碑の多く 千葉惠美子 末黒野 201904
夏草や人に七難八苦あり 沼田巴字 京鹿子 201904
夏草の中の一輪すみれ草 佐藤恭子 あを 201906
夏草や閉ぢしままなる艇庫の扉 石本百合子 馬醉木 201908
夏草を行くは水中歩行めく 千田百里 201908
夏草や古墳守りたる供の塚 木村純子 末黒野 201909
夏草や神馬の蹄濡れてをる 竹中一花 201909
夏草の茂みに隠す捨て猫や 大日向幸江 あを 201909
夏草のどつと蔓延る売地かな 西村しげ子 雨月 201910
夏草や鉄路に鉄の継目音 福井ひでとし 雨月 201911
夏草や集団といふ向う見ず 畑佳与 京鹿子 201911
夏草や富豪商家の屋敷跡 岡野里子 末黒野 201911
夏草にひかる雨粒玉・勾玉 篠田純子 201912
ぐいと一と伸び夏草も少年も 角野良生 201912
夏草のつんつん当たる逢瀬かな 津田このみ 船団 201912
次のバス待つ夏草に荷を下ろし 吉田万喜子 雨月 201912
夏草の匂へる人と雨宿り 岩永みはる 追伸 202003
夏草や墓あれば墓眺めをり 岸洋子 202003
夏草やローマを語る石と石 成瀬櫻桃子 京鹿子 202008
夏草やわが墓石とわが命 加藤法子 春燈 202009
夏草やほつたらかしの強さあり 近藤喜子 202009
夏草や我もしぶとく生きてをり 時澤藍 202009
夏草や耳しか見えぬコーギー犬 奥田茶々 風土 202009
夏草や缶蹴りちやんばら知らない子 上村葉子 風土 202009
逃げ出した馬ゆったりと夏草を たかはしすなお 202009
夏草や三草の山の戦あと 延川笙子 六花 202010
夏草に名もなき墓標隠れゐて 延川笙子 六花 202010
夏草や夕日まみれの忠魂碑 工藤邦子 202011
夏草や錆びし鋳物の水飲場 篠田純子 202011
夏草や缶蹴りちやんばら知らない子 上村葉子 風土 202102
この夏草抜くにはなれぬ花を抱く 吉川隆 春燈 202108
夏草を毟り喰して山の牛六甲山 山田六甲 六花 202109
夏草になつてしまつたかくれんぼ 高村令子 風土 202109
朝明けの夏草鎌に香りけり 荒井ハルエ 春燈 202110
夏草の中に消えたりサヨナラ打 金子正道 京鹿子 202111
夏草の伸びて天下や捨畑 大川暉美 末黒野 202112
夏草の階隠す廃墟かな 秋山文子 末黒野 202112
夏草をまき込むやうに列車過ぐ 森田明成 202112
夏草はそのまま伸びて背丈超え 石原健二 やぶれ傘 202112
夏草のかなた友呼ぶ故山かな 安立公彦 春燈 202208
夏草の刈られて野辺の真つ平 秋山信行 やぶれ傘 202209
夏草の向かうにハイウエー続く 安藤久美子 やぶれ傘 202209
夏草や水無川の石間より 岡野里子 末黒野 202209
主なき庭夏草の背丈越え 秋川泉 あを 202209
夏草や墓碑に絡みて匂ひ立つ 大山みさ子 末黒野 202210
伝承の碑あり夏草丈をなす 牛島晃江 202211
夏草の息の荒さや日照雨 尾崎千代一 末黒野 202211
夏草は子らの遊び場かくれんぼ 渡辺富士子 末黒野 202211
夏草を分けつつ入りぬ鎌の音 田中由紀子 末黒野 202211
夏草を掻き分け供花を摘みにけり 梅津まり子 末黒野 202211
夏草 →1

 

2023年8月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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