9    100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
樹々動き山動きをり夏に入る 高橋瑛子 河鹿 200608
少年のコロンのにほひ夏来る 尾堂Y 河鹿 200608
真青なる空に鯱夏来る 大久保恵美子 遠嶺 200608
石と杖傍らにあり夏迎ふ 村越化石 200608
洗ひたてのシャツ匂ひをり夏来る 近藤きくえ 200608
帯求め西陣小路朱夏小路 小澤克己 遠嶺 200608
茶蕎麦の昼餉・門前の夏始め 小澤克己 遠嶺 200608
朝市の魚あをあをと夏に入る 小泉万里子 200608
湯中の体ゆだねて夏の宿 鎌倉喜久恵 あを 200608
豆腐切る刃の手ざはりや夏立ちぬ 尾辻のり子 河鹿 200608
踏ん張れる張子の虎や夏兆す 青山悠 200608
日本丸の総帆展帆夏来たる 佐渡谷秀一 春燈 200608
風なごむ三里ヶ原の立夏かな 松元末則 酸漿 200608
墓壊す重機の唸り夏に入る 伊勢ただし ぐろっけ 200608
明日香にはあすかの香り夏来る 金山藤之助 200608
立夏かな信濃は水の生るる国 矢崎すみ子 200608
毀れもせず夏を迎へし蝉の殻 早崎泰江 あを 200608
羽ばたかず夏の虚空に美しく翔ぶ 吉弘恭子 あを 200608
はつ夏や鳥語いよいよ翻り 木内憲子 200609
ひたひたと自死三万の国の夏 村本真由美 遠嶺 200609
庵治石の数の霊標夏灼けて 羽田岳水 馬醉木 200609
夏なりけり傾き育つ水辺の木 山田美保 200609
夏の昼もみほぐしたる臍周り 永田勇 六花 200609
夏めくや暮れ方近き寝台車 蓮尾あきら 風土 200609
夏闇の金剛窟に菩薩かな 下山田美江 風土 200609
夏果つる忙しさに倦みゐたりけり 岡本眸 200609
夏病むや囚徒のごとき腕輪して 酒本八重 200609
夏本番北の南の祭かな 木村茂登子 あを 200609
夏来るきらきら若き喉仏 清水明子 遠嶺 200609
夏立てり味噌汁の具をきざみをり 中山純子 万象 200609
丸刈にして少年の夏来る 内田稔 遠嶺 200609
三つの海俯瞰の丘に夏惜しむ 村上光子 馬醉木 200609
紙礫仁王に乾く立夏かな 佐藤三男 万象 200609
若夏や足長乙女に追ひ越さる 丹生をだまき 京鹿子 200609
樟大樹伐られてさびし夏迎ふ 早崎泰江 あを 200609
畳替えして夏が来し集会所 達山丁字 200609
川風に夏の香のせて里の朝 豊田作二 遠嶺 200609
早起きのつもりの二度寝夏はじめ 倉持梨恵 200609
退院の妻へ微笑み夏立つ日 松本文一郎 六花 200609
天井の未完の龍に夏惜しむ 能村研三 200609
桃色のヒマラヤ岩塩夏兆す 延広禎一 200609
法輪を廻して終ふる夏の旅 平野貴美 四葩 200609
頬骨が蓬髪が夏始めたり 小形さとる 200609
岩百合咲く荒磯の夏は短しと 有働亨 馬醉木 200609
森少しあり少年に夏の来ぬ 吉永寿美子 四葩 200609
万端をととのへ夏の宴待つ 小澤克己 遠嶺 200609
ゆく夏や背中合せの駅の椅子 櫨木優子 200610
クレソンの育つ水音夏初め 松澤秀昭 200610
異常なる寒冷前線夏来る 稲岡長 ホトトギス 200610
夏一と日青年牧師日まみれに 椿和枝 200610
夏立つや古き哀しみ忘るべく 柳生千枝子 火星 200610
夏闌くる苑や水舞ひ水唄ひ 坪井洋子 200610
火の色の石をケルンに夏惜しむ 丹羽啓子 馬醉木 200610
癌を知る姉は気丈に夏を越す 松元末則 酸漿 200610
笈摺に朱印の濃ゆく夏さびぬ 近藤きくえ 200610
銀座七丁目八丁目十五番街盛夏 鈴木榮子 春燈 200610
後ろ向き歩く先生夏が来る 森津三郎 京鹿子 200610
向田邦子と生年月日同じ夏 鈴木榮子 春燈 200610
取り外し自在な乳房盛夏来る 和田照子 200610
他人事と思ひし卆寿の夏迎ふ 瀬尾幸代 200610
団子虫ひつくり返つて笑ふ夏 近藤公子 200610
朝日すぐ褪せて真夏の口の色に 金山千鳥 酸漿 200610
富山より朱夏の薬を背負ひ来る 合川月林子 ぐろっけ 200610
本所・熊谷二度罹災して戦後の夏 鈴木榮子 春燈 200610
落丁の地図かと生地夏果つる 竹生田勝次 風土 200610
立夏てふ今未だ残る風邪心地 柳生千枝子 火星 200610
梛の樹に霊気のひそみ夏果つる 能村研三 200610
誰もゐないバスに乗り込む次は夏 吉弘恭子 あを 200610
はつ夏のベランダに来し番鳩 桑原泰子 八千草 200611
オーボエをひびかせて夏終りけり 遠山みち子 200611
阿吽とはいかぬ夫婦や夏をはる 畑絹枝 馬醉木 200611
夏のゆめ墨書に鳥のこゑのして 水野恒彦 200611
夏果つる鋼の音の冷凍魚 白井友梨 馬醉木 200611
夏果ての空恋果ての忘れ潮 三橋泥太 遠嶺 200611
夏果や歩む少年草の丈 木内憲子 200611
夏行くや遠目に緊まる海の紺 成智いづみ 馬醉木 200611
夏盛ん大河のごとき雲ありて 高倉恵美子 200611
夏惜しむ大渦潮に手をかざし 前田陽子 200611
夏惜しむ津軽にねぷたねぶたかな 愛澤豊嗣 馬醉木 200611
三三が九夏のをはりは掛算で 辻直美 200611
児の声が増えて我家の夏来る 森下康子 200611
時計ぶつこわれ真夏のフェステバル 中島陽華 200611
耳に貝過ぎゆく夏の声を聴く 三沢蘭 遠嶺 200611
潮入りの池に魚跳ね夏旺ん 館容子 200611
東京の日かげ四角く夏果つる 浜口高子 火星 200611
毘沙門に祈る連覇や虎の夏 大久保白村 ホトトギス 200611
霊水を一口飲みて夏惜しむ 松本静江 遠嶺 200611
瞑目の黝ずむ如来夏深し 万城希代子 200611
夏逝かす橋の袂に小魚見て 松本鷹根 京鹿子 200612
夏逝くや地球の丸く見える丘 西山春文 200612
夏兆す腕章留める安全ピン 中嶋陽子 風土 200612
三三が九夏のをはりは掛算で 辻直美 200611
児の声が増えて我家の夏来る 森下康子 200611
時計ぶつこわれ真夏のフェステバル 中島陽華 200611
耳に貝過ぎゆく夏の声を聴く 三沢蘭 遠嶺 200611
潮入りの池に魚跳ね夏旺ん 館容子 200611
東京の日かげ四角く夏果つる 浜口高子 火星 200611
毘沙門に祈る連覇や虎の夏 大久保白村 ホトトギス 200611
霊水を一口飲みて夏惜しむ 松本静江 遠嶺 200611
瞑目の黝ずむ如来夏深し 万城希代子 200611
夏→ 10

 

2021年7月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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