8     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
逝く夏のひと日難波の寄席に在り 河合佳代子 栴檀 200511
逝く夏の真つ赤な月を喰い残す 栗栖恵通子 200511
大いなる聖岳に立てり夏の果 須賀敏子 あを 200511
仲麻呂や真備とともに夏の星 林日圓 京鹿子 200511
白地図に色塗り分けて夏果つる 藤井智恵子 百鳥 200511
八十の口紅ぐいと夏さかん 木田千女 200511
美作の山河うるはし夏に入る 山田をがたま 京鹿子 200511
庖丁に水垂直に当てて夏 栗原公子 200511
はえすしといふを食べて夏送る 浅井青二 雨月 200512
わたつみへ鐘を撞きをり夏果つる 上薗シヅ子 河鹿 200512
鞍擦れの貸馬遊ぶ夏の果 乗光雅子 雨月 200512
夏過ぎて友逝く詳細知らさるる 奥村香都子 四葩 200512
夏惜しむ海の色あり観音灯 伊藤律子 四葩 200512
家族寝しあと音も無く夏去る雨 柳生千枝子 火星 200512
行く夏の何見るとなき海の翳 藤原和子 200512
病名を幾つも借りて夏疲れ 達山丁字 200601
横文字の店また一つ暑い夏 桂妙子 八千草 200602
草書体の如き暮しの夏過す 藤原りくを 八千草 200602
草書体の如き暮しの夏過す 藤原りくを 八千草 200602
この森の追憶夏の旅心 稲畑汀子 ホトトギス 200605
ちぎれたる翅あり夏は死の季節 ことり 六花 200605
わが臍は腹の真ん中夏来る 滝沢伊代次 万象 200605
雨が来て風が来て夏来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200605
夏めくやいつまで続くタイガース 稲畑廣太郎 ホトトギス 200605
而して都心色濃く夏来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200605
信濃路の縁を謝して偲ぶ夏 稲畑汀子 ホトトギス 200605
戦乱を遠くに聞いて夏来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200605
滞在は旅の自由よ夏に入る 稲畑汀子 ホトトギス 200605
着迷ふも楽しみのうち夏に入る 稲畑汀子 ホトトギス 200605
旅衣身軽に夏へ入りにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200605
お力をいただきしこと偲ぶ夏 稲畑汀子 ホトトギス 200605
一と夏の汗の背廣や白芙蓉 瀧春一 常念 200606
夏そして白い樂隊過ぎ行けり 吉村たけを 海市蝶 200606
夏はじめ大愚良寛出雲崎 中島陽華 200606
夏時間に入るやえにしだ黄に団(かたま)る 瀧春一 瓦礫 200606
夏立ちて噂の通す勝手口 鈴鹿仁 京鹿子 200606
橋ひとつ湖を跨ぎて夏めかす 鈴鹿仁 京鹿子 200606
真夏の卵を焼いてくれた少女も患者さん 瀧春一 瓦礫 200606
制服はかたまりやすく夏きざす 鷹羽狩行 200606
耐へし日々震災十年偲ぶ夏 稲畑汀子 ホトトギス 200606
本堂のたたみ百畳替へて夏 内海良太 万象 200606
哺乳瓶洗ふ水音も夏に入る 荒井千佐代 200606
山は夏水音八方より集ふ 松村多美 四葩 200606
おむすびの塩を多めに夏浅し 赤木真理 ぐろっけ 200607
この街に蝮屋ありて夏来る 定梶じょう あを 200607
この浜に立ちし虚子あり蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 200607
そこここにラフといふ罠夏はじまる 鷹羽狩行 200607
カッコーが棲む交差点夏は来ぬ 佐藤喜孝 あをかき 200607
ゼッケンの文字くつきりと夏始め 赤木真理 ぐろっけ 200607
テレビの上に折鶴三羽夏はじめ 吉原一暁 200607
ネックレスこつんと夏の来りけり 佐藤郭子 200607
夏きざす沓脱ぎ石の端座して 服部早苗 200607
夏ながしオキシドールの泡のおと 佐藤喜孝 あを 200607
夏めくや運動場の白く見え 河島和子 六花 200607
夏本番くきくき朝の皿拭いて 岡本眸 200607
夏立ちて麻のクロスに糊きかせ 赤木真理 ぐろっけ 200607
夏立てりルネ・ラリツクの砂時計 神蔵器 風土 200607
蝦夷の夏とはこの広さこの大地 稲畑汀子 ホトトギス 200607
腰掛けて石と一つや夏に入る 村越化石 200607
座席から役者とび出し夏来る 坂ようこ 200607
若夏の眞砂つぶやく濱の精 鈴鹿仁 京鹿子 200607
主なき部屋の灯点し夏来る 頓所友枝 200607
松葉掻くことに執着夏の午後 定梶じょう あをかき 200607
男にもゆたの黒髪夏来たる 林翔 200607
竹に竹木に木の匂ひ夏立ちぬ 片山由美子 200607
姫街道三歩の先の立夏かな 林いづみ 風土 200607
明け方の空の匂ひも夏めけり 横田初美 春燈 200607
Tシヤツが踊の衣装夏立ちぬ 中嶋陽子 風土 200608
いきいきと今日が来てゐる夏始 冨田正吉 200608
はや立夏光と水の大水車 沼口蓬風 河鹿 200608
ふり向けば海せりあがる立夏かな 平居澪子 六花 200608
まづ辿り着きし草加の河岸は夏 小澤克己 塩竃 200608
まな板をすべる熱湯夏立てり 浅田光代 風土 200608
グラウンドの真白きライン夏来る 北川キヨ子 200608
コンパスの大回転や夏来る 中嶋陽子 風土 200608
フルートの息を大きく夏はじめ 村田美代子 馬醉木 200608
モーツァルト流れ牛小屋夏兆す 延広禎一 200608
ラブラドール十五の夏の息荒し 東亜未 あを 200608
一幹の雄松すらりと夏に入る 小澤克己 塩竃 200608
駅ごとに尾瀬のポスター夏めける 和田一 雨月 200608
音立てて暦剥がすや夏きたる 原田しずえ 万象 200608
夏きざす波音砕く波の音 七種年男 200608
夏は来ぬ一指をふれて見るピアノ 小林奈美 春燈 200608
夏めくや潮の香届く交差点 小泉万里子 200608
夏めくや膨らんでをる頭陀袋 植木戴子 200608
夏旺む伊藤忠セシール近江人(びと) 鈴木榮子 春燈 200608
夏匂ふ石積み塀の蜑の路地 能村研三 200608
夏来るUVカツトの化粧かな 安永圭子 風土 200608
夏来る一列に置く試合球 中嶋陽子 風土 200608
夏立ちて国生みの島潮碧し 和田一 雨月 200608
夏立つや自惚鏡見つけ出す 稲嶺法子 遠嶺 200608
家中のカーテン洗ひ夏立つ日 山口順子 200608
海鳴りにほとぼる首夏のイヤリング 吉田明子 200608
絵手紙の便りと共に夏に入る 矢嶋みつ江 遠嶺 200608
学ぶこと多くて死ねず夏に入る 泉田秋硯 200608
隅田川俯瞰して過ぐ夏の旅 芝宮須磨子 あを 200608
航跡のやがては雲となる立夏 加藤京子 遠嶺 200608
高千穂の峰に笠雲夏立てり 宮脇ちづる 200608
佐渡の海夏の太陽くはへたり 宮崎重信 四葩 200608
自動扉の白きブティック夏は来ぬ 泉田秋硯 200608
夏 →9      

 

2021年7月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。