4   100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
季寄せ手に前に立つ人夏の電車 山荘慶子 あを 200207
出窓あり夏のはるけき山に開く 中原道夫 銀化 200207
帆の縛を解かれ練習船の夏 鷹羽狩行 200207
望遠鏡でけもの径にも夏が立つ 丸山佳子 京鹿子 200207
すずろなる歩や夏影を曳きゆかむ 中原道夫 銀化 200207
夏の沢大きな叱り声聞こゆ 大串章 百鳥 200207
錦秋湖はるかな夏を秘めてをり 菅原康 風土 200207
夏の夢崖を滑りて空を飛び 須佐薫子 帆船 200207
鉄柵に母子のチマの引攣る夏 竹内弘子 あを 200207
総帆に夏の日張りて日本丸 近藤暁代 馬醉木 200208
獲れたての蛸塩で揉む瀬戸の夏 芝尚子 あを 200208
雪舟画観てより朱夏の森に入る 小澤克己 遠嶺 200208
くるくると紙切りの馬生れて夏 滝本正史 帆船 200208
夏の鯉楊貴妃像の影に寄る 河内童楽 六花 200208
四月馬鹿その次の日が夏日とは 塚本務人 京鹿子 200208
野獣派を自認の夏の来たりけり 戸田悠 銀化 200208
曲家の夏の昏さの子守籠 木内憲子 200208
箒目に朱夏の日の斑や公方の碑 玉川悠 遠嶺 200208
夏の夢羽化して吾は美人妻 須佐薫子 帆船 200208
物干して鳩を叱つて日々の夏 岡本眸 200208
海胆えさにふとりし利尻の夏 早崎泰江 あを 200208
夏青き遠野や刻のゆらめける 木内憲子 200208
夏や敗者ののひとしずく 赤座典子 あを 200208
青年たりし塚原こうじ獄中夏 堀内一郎 あを 200208
うしろのボタンはめてもらつて夏の街 吉弘恭子 あを 200208
地図に夏広げ何処まで行くつもり 槻木珠美 銀化 200208
航跡の白さが速さ瀬戸の夏 鷹羽狩行 200208
積丹の開拓史聞く夏の旅 芝宮須磨子 あを 200208
ゆつくりと夏の林に入りにけり 竹中一花 200209
海風の息づき止まずデッキ夏 坂井建 ホトトギス 200209
横たはる錨の錆や島の夏 仲川康子 春耕 200209
空気にも味ある夏の来りけり 石井麗火 ホトトギス 200209
娘らの二の腕媚を夏に売る 藤井基史 帆船 200209
朱夏にして土佐の潮のしたたりし 石脇みはる 200209
毒薬といへど鼻腔に愉楽の夏 吉弘恭子 あを 200209
渚にも夏の来てゐる蹠かな 鷹栖美代子 ホトトギス 200209
鳴りつづく隣りの電話朱き夏 柴田靖子 200209
緋の糸の杼の行き来して真夏かな
高橋将夫 200209
夏に逝き父炎帝になりたまふ 能村研三 200209
夏過ぎぬ一つ年取る鏡の顔 早崎泰江 あを 200210
うぶすなの風の目立師杉の夏 奥田筆子 京鹿子 200210
夏好きのゲノムを継げり海も好き 前田陽子 200210
夏バーゲン妊婦もっとも勇ましく 達山丁字 200210
星々のあはひを夏の帆船行く 小澤克己 遠嶺 200210
世にそむく気あらじ夏を太りゐて 西村しげ子 雨月 200210
刺草に指の痛みし夏了る 関洋子 200210
贋物のプラダでいいや真夏なら 泉田秋硯 200210
子と孫と豪州の夏鞄閉づ 久保田鼓笛 京鹿子 200210
形見増え猛りし夏のおとろへぬ 田中藤穂 あを 200210
水音は獅子の口より夏 曷川克 遠嶺 200210
紙使ふ音囁きに似て盛夏 木内憲子 200210
屋上のわがジヨッキより夏は来ぬ 田中武彦 六花 200210
夏すでに一の鞐をゆるめをり 宮京子 銀化 200210
夜半の夏ほんとの僕はかものはし 久保田鼓笛 京鹿子 200210
わたつみに夏の扉の自在かな 松原仲子 200210
一列に十二神将夏旺ん 深川知子 雲の峰 200210
チェンバロの音さんざめきロビー首夏 滝川あい子 雨月 200210
ネクタイと名刺男に暑い夏 鎮田紅絲 200210
ランチョンもライオンも好き夏旺ん 今村恵子 200210
鋭角に熱気もまがる首夏の道 坂井法 200210
捜神や沖辺は夏の盛りにて 瀬川公馨 200211
ひと夏にポートレートの髪伸びし 泉田秋硯 200211
沈下橋夏の名残りを雲にみて 黒田咲子 200211
島影や愛する夏が去つてゆく 永田哲心 遠嶺 200211
父の世の夏を畳みて仕舞ひけり 佐藤多恵子 銀化 200211
夕風に人動きそむ夏の市 柴田久子 風土 200211
写真立ひとつ増やせる夏了る 山田三江子 200211
看板に馬刺し牛刺し夏盛ん 伊藤トキノ 200211
もの忘れ確実にふえ夏了る 斎藤道子 馬醉木 200211
ゆく夏や猫の残せる鈴の音 大谷茂 遠嶺 200211
髭たくはへて夫の夏百日終る 千田百里 200211
子規旧居訪ふ約束の夏過ぐる 田中藤穂 あを 200211
少年の日々逞しく夏旺ん 岡淑子 雨月 200211
ホチキスの針やはらかく夏を閉づ 小野島淳 200211
夏つづく神にませばの軸かかり 蔦三郎 ホトトギス 200212
髪染めて女子高生の夏きらめく 鈴木喜三郎 ぐろっけ 200212
わらわらと人を吐き出す夏の駅 武田深雪 六花句集 200302
ワープロのはなはとまめや母の夏 角田信子 六花句集 200302
夏青き遠野や刻のゆらめける 木内憲子 200302
紙使ふ音囁きに似て盛夏 木内憲子 200302
曲家の夏の昏さの子守籠 木内憲子 200302
そこのみがぎんぎら夏のライヴショー 泉田秋硯 鳥への進化 200303
夏は女の干し物潜り毛語録 佐藤喜孝 「青寫眞」 200304
白壁に風鐸の影夏ちかし 佐藤喜孝 あを 200305
炉話を夏のものとし奥信濃 鷹羽狩行 200305
夏も炉を焚き山中に老い知らず 鷹羽狩行 200306
大声に鴉も夏を迎へけり 村越化石 200307
馬柵越しに声をかけられ風は夏 中野了一 200307
朱夏の坂下りて一膳飯屋かな 須佐薫子 帆船 200307
夏はそこちょつとそこらで待っておれ 松山律子 六花 200307
星見むと身を弓なりに少女の夏 岡本眸 200307
カルデラの夏貸馬の尻あそぶ 伊藤白潮 200307
わんど群の調査進みて風は首夏 二宮桃代 雨月 200307
丹田にひびく船笛夏の航 伊藤白潮 200307
致死量のガスいただかな夏火口 伊藤白潮 200307
おもむろに膝抱きこめば海は夏 小澤克己 遠嶺 200307
大判の作務衣の干さる夏の寺 泰江安仁 百鳥 200308
透明なエレベーターに夏展く 小林和子 風土 200308
勝つために退く将棋夏浅し 苑実耶 200308
夏も寒き木曽の馳走の漉油 松崎鉄之介 200308
夏期訓練騎馬戦の中子を探す 細井隆子 200308
百円のバス百円の夏の景 塩川雄三 築港 200308
ペタル踏む若き乳房にどんと夏 滝本香世 百鳥 200308
デジカメより夏の色吐くプリンター 安井和子 200308
アングルの中で笑顔の母の夏 鎌倉喜久恵 あを 200308
雲は夏手を洗ふべく雪掴み 岡本眸 200308
投げた石水面をすべり夏は来ぬ 江頭信子 馬醉木 200308
砂浜に崩る波音聞きて首夏 仙石君子 雨月 200308
この夏を越したら亡母はは)の年を越す 松山律子 六花 200309
夏→ 5

 

2021年5月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。