夏 1 100句 |
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作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
夏といふ開放感を置く旅路 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199805 |
目覚めよき夏朝焼の鳥羽の海 | 能村登四郎 | 沖 | 199808 |
幸か夏八十路なる伊勢詣 | 能村登四郎 | 沖 | 199808 |
足弱の旅やかにかく夏生きて | 能村登四郎 | 沖 | 199808 |
熊の胆のくろより黒し夏旺ん | 神蔵器 | 風土 | 199809 |
武神の夏をんなは和鏡奉じたる | 丸山海道 | 京鹿子 | 199809 |
鍬入れの末席に祝ぐ真夏の日 | 中山政代 | ホトトギス | 199810 |
振る鍬に亡き友の顔うかぶ夏 | 大辻眞喜夫 | ホトトギス | 199810 |
少女に夏輝く髪を一束ね | 前田千枝子 | 朝 | 199810 |
趣味読書山羊座A型夏の恋 | 小倉喜郎 | 船団 | 199811 |
放尿してまた夏の日の始まれり | 小倉喜郎 | 船団 | 199811 |
釈台の扇の響き夏を呼ぶ | 金子里美 | 船団 | 199811 |
濡れてゐる空の重たさ夏の闇 | しおやきみこ | 船団 | 199811 |
御堂筋とや携帯電話に夏ひざし | 廣嶋美恵子 | 船団 | 199811 |
選挙の夏二十二歳に手紙来る | 葉月ひさ子 | 船団 | 199811 |
出戻りの夏もあらむにそれつきり | 中原道夫 | 銀化 | 199811 |
病室といふ方形の白き夏 | 冨田竹子 | 朝 | 199811 |
この夏を玩具のやうな腕時計 | 内田美紗 | 船団 | 199812 |
夏神戸六甲山がせまりくる | 黒田さつき | 船団 | 199812 |
那覇の夏戦時を知るは吾のみか | 鈴木浩子 | ぐろっけ | 199812 |
嬰に夏目にするものの知恵となり | 久崎富美子 | 朝 | 199901 |
あをあをと水押し合ひて川に夏 | 久崎富美子 | 朝 | 199901 |
タバスコの効いて真夏の別れかな | 松永史子 | 船団 | 199902 |
白壁にインドの様な夏があり | 望月和子 | 船団 | 199902 |
念力で凹ます真夏のアルミ缶 | 小倉喜郎 | 船団 | 199902 |
携帯電話の着信記録沈む夏 | 尾上有紀子 | 船団 | 199902 |
夏の恋存在理由はキス百回 | 尾上有紀子 | 船団 | 199902 |
造影剤ストップ夏は骨の腐蝕 | 高桑聡 | 船団 | 199903 |
郵便車起伏に消えぬ牧の夏 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199905 |
しぼりたててふ牛乳に蝦夷の夏 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199905 |
もう聞けぬ秋田ことばを偲ぶ夏 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199905 |
案内状よりはじまりぬ阿波の夏 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199906 |
夫恋うて逝かれしやただ偲ぶ夏 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199906 |
美濃仁輪加邂逅のごと聞くも夏 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199907 |
健康を取り戻されし人の夏 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199907 |
老斑の出でて久しや夏となる | 倉田岩魚男 | 沖 | 199907 |
在ることが夏の寒さにほかならず | 水内慶太 | 銀化 | 199907 |
あなどりて穂高の夏に震へけり | 岩木茂 | 風土 | 199908 |
夏の闇空也の口となりゐたり | 岡井省二 | 槐 | 199908 |
ちからある谺に夏とおもひけり | 吉野のぶ子 | 遠嶺 | 199908 |
朱鷺の雛生れて祝ふ夏の日に | 豊田作二 | 遠嶺 | 199908 |
日向灘人馬の夏の影身近か | 金子兜太 | 海程 | 199908 |
円環の夏よ抱かれてゐるわたし | 田中亜美 | 海程 | 199908 |
一夏、二夏、三夏もありて痙攣す | 宇都宮滴水 | 京鹿子 | 199908 |
髪あげし少女に夏が匂ひたち | 山田弘子 | 円虹 | 199908 |
夜や夏の傘寿祝ひのさいたら節 | 松崎鉄之介 | 濱 | 199908 |
途中下車する生き方もありし夏 | 桑垣信子 | いろり | 199908 |
送受信メールに夏の時候なく | 桑垣信子 | いろり | 199908 |
酢につけて酢を抜きてより真夏かな | 高橋将夫 | 槐 | 199909 |
今年遂に白靴穿かず夏すぎし | 能村登四郎 | 沖 | 199909 |
夏熾ん神の動悸の太鼓鳴り | 林翔 | 沖 | 199909 |
夏旺んなり恐竜の小さき骨 | 藤田宏 | 澪 | 199909 |
鎌研げば無意の草から夏もらふ | 宇都宮滴水 | 京鹿子 | 199909 |
博労の夏百日の金冷法 | 小川真理子 | 銀化 | 199909 |
捨い読む夏なり湾に鯨来る | 田口満代子 | 海程 | 199909 |
此の夏も坂東太郎ひと暴れ | 保坂加津夫 | いろり | 199909 |
帰り来て雨の手数や夏の午後 | 桑垣信子 | いろり | 199909 |
夏半は乙女の脚のまぶしかり | 松沢久子 | いろり | 199909 |
少女に夏泉のやうな鏡持ち | 岡本眸 | 朝 | 199909 |
旅立ちや白き夏に地図を描く | 朝日千尺 | 船団 | 199909 |
一岳の夏や大三角仰ぐ | 小澤克己 | 遠嶺 | 199910 |
花束のこんなに重し夏の宴 | 小澤克己 | 遠嶺 | 199910 |
夏を惜しみ雷神空を駈けめぐる | 林翔 | 沖 | 199910 |
淡海かな一羽の鳥も夏を画く | 豊田都峰 | 京鹿子 | 199910 |
夏光るベッドで聴いてるラビアンローズ | 安井よしこ | ヒッポ千番地 | 199910 |
白とるこききょうしきりに夏の節度 | 神田夏果 | 海程 | 199911 |
同席の四角四面の夏の男 | 金子兜太 | 海程 | 199911 |
雲に雲夏の尊敬重ねます | 神田夏果 | 海程 | 199911 |
長き夏カフカの虫のやうに臥す | 野口香葉 | 遠嶺 | 199911 |
白上布一夏一度に終りけり | 能村登四郎 | 芒種 | 199911 |
一人の夏西瓜割る日もなく過ぎし | 北原志満子 | 海程 | 199912 |
一片のチーズゆるびて夏よさよなら | 榎本祐子 | 海程 | 199912 |
その夏の流砂のように白立葵 | 神田夏果 | 海程 | 199912 |
夏の日に青く黙せる真珠湾 | 三村禮子 | 酸漿 | 199912 |
青春をまるく生きてる君の夏 | 川副民子 | 船団 | 199912 |
生命の樹夏は梢に爬虫類 | 佐々木峻 | 船団 | 199912 |
ひとしづく涙こぼれて妻の夏 | 岩田ひろあき | 船団 | 199912 |
幸せよと目をみひらいて妻の夏 | 岩田ひろあき | 船団 | 199912 |
濡れ落葉マークの車夏に這う | 岩田ひろあき | 船団 | 199912 |
思いきり寝たいよ妻のそばで夏 | 岩田ひろあき | 船団 | 199912 |
マンレイの絵葉書にのり夏便り | 川島ひとみ | 船団 | 199912 |
カーテンをスパッと開けて夏を斬る | 黒田さつき | 船団 | 199912 |
夏本番カラスの三三七拍子 | 黒田さつき | 船団 | 199912 |
丹は腦父は内臓とろけし夏 | 柴田いさを | 船団 | 199912 |
九十本夏の浅間に相まみゆ | 長谷川登美 | ぐろっけ | 199912 |
胸に櫂置く取り残されし夏の終わり | 立岩利夫 | 海程 | 200001 |
啼いて啼いて鴉は夏を淘汰せり | 鈴鹿百合子 | 京鹿子 | 200001 |
裸木となり夏の日の擦過傷 | 波多洋子 | 銀化 | 200002 |
樹の骸見てきて夏を寡黙にす | 田中藤穂 | 水瓶座 | 200002 |
この夏の短かかりしよ服たたむ | 田中藤穂 | 水瓶座 | 200002 |
ゲル状の箱の中から夏を出す | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
色褪せた魚が欠伸す夏の午後 | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
千々に酔う遙かトルコも夏かしらん | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
夜の底夏は膨らみ落下する | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
ドガの描く女に逢いにこの夏へ | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
ゲル状の箱の中から夏を出す | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
強くてもやわらかいものさがす夏 | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
夏は来る予期せぬ握手のその先に | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
交差点ピンクのペディキュア夏気分 | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
携帯電話 |
尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
夏 →2 |
2021年6月25日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。