茄子の花 1      100句

森閑と乃木邸一隅茄子の花   松本米子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
茄子の花徒手空拳は親ゆずり 武井康隆 船団 199812
海に落つ鳥海山の裾茄子の花 三代川次郎 俳句通信 199908
茄子の花茄子に映つてをりにけり 木暮陶句郎 ホトトギス 199911
この辺でかみ合ふ話茄子の花 稲畑汀子 ホトトギス 200006
名苑の一劃にして茄子の花 稲畑汀子 ホトトギス 200006
葉に茎に花に主張の色の茄子 稲畑汀子 ホトトギス 200006
一つ身に仏と鬼と花茄子 柴田由乃 風土 200008
一姫も二太郎もなし茄子の花 小野島淳 200008
初七日や雨をいただく茄子の花 小川真理子 銀化 200008
下駄ばきの患者が覗く茄子の花 波田美智子 火星 200009
畑まで来たる友人茄子の花 三井孝子 六花 200009
渦潮の渦の真青に茄子の花 織野健一 馬醉木 200010
思ひつく端から口に茄子の花 市川英一 遠嶺 200010
茄子の花長男一家梨の礫 小池弘子 海程 200010
大利根の雨に色濃き茄子の花 山下功 春耕 200109
大江戸線情にもろくて茄子の花 堀内一郎 あを 200109
うつむきて雨やり過ごす茄子の花 向山雅子 200110
恙なき一日を送る茄子の花 福永みち子 馬醉木 200111
老いの手に資本論古り茄子の花 降矢郊二 百鳥 200111
もう空を飛べるはずです茄子の花 小野裕三 海程 200112
花も実も刺もいじらし悪茄子 網野茂子 酸漿 200112
着てみれば乙女の頃に茄子の花 江倉京子 あを 200207
腕白や籠一杯に茄子の花 石山民谷 遠嶺 200208
茄子の花咲かせ余生といふ生活 和田一 雨月 200208
子離れの時ゆるやかや茄子の花 伊藤一枝 酸漿 200208
茄子の花官舎育ちの子が集ふ 関薫子 百鳥 200209
フランスパンパリパリかじり茄子の花 林裕美子 六花 200209
昼まではバスの便なし茄子の花 村田さだ子 酸漿 200209
茄子の花室の泊の油凪 嵯峨根鈴子 火星 200210
花嫁の来る日決まりぬ茄子の花 大東由美子 火星 200211
茄子の花夫の残せし農日誌 石川照子 万象 200212
ベランダに夜風のありて茄子の花 石川貞子 対岸 200308
村ぬちを渡る朝風茄子の花 生田作 風土 200309
茄子の花不意に変りし風の向き 細田いずほ 遠嶺 200310
上の児のまた叱られて茄子の花 戸村よねこ 遠嶺 200310
茄子の花虫の歯形の残りをり 天野きく江 200310
もてあます嬰の重さや茄子の花 高倉恵美子 200310
茄子の花上千本に生活あり 関根洋子 風土 200407
聞き籠めし母の言葉や茄子の花 窪田粧子 馬醉木 200408
茄子の花咲かせいつもの惣菜屋 志水芳秀 雲の峰 200408
貝殻の光る畑や茄子の花 高野清風 雲の峰 200408
茄子の花ふるさとに母一人住む 堀一郎 雲の峰 200408
永劫のたまゆらを生き茄子の花 河西みつる 草の花 200408
姉がゐて妹がゐて茄子の花 三浦てる 風土 200409
茄子の花子はそれぞれに子を育て 川野喜代子 京鹿子 200409
茄子の花蟻の小さきが歩きをり 藤原浩 栴檀 200409
茄子の花咲き追肥をひとにぎり 岸本林立 雨月 200409
茄子の苗花つけたまま売残る 鈴木多枝子 あを 200409
梵唄に日のひろがれる茄子の花 本多俊子 200410
芭蕉曾良の旅立ちの図や茄子の花 米須あや子 遠嶺 200410
あこがれは晴耕雨読茄子の花 石山惠子 遠嶺 200410
灯台に茄子の花咲く坪畑 近藤幸三郎 風土 200410
茄子の花糠床種を子に持たす 中川悦子 酸漿 200410
茄子の花落さぬやうに水を遣る 植竹美代子 雨月 200501
もて余す独りの時間茄子の花 横井澄子 築港 200507
面長は父似と言はれ茄子の花 森永敏子 河鹿 200508
唐臼の庭の展示に茄子の花 阿部ひろし 酸漿 200508
よき土と思ふ畑あり茄子の花 渋谷ひろ子 酸漿 200508
何ごともらしくありたし茄子の花 市川玲子 春燈 200509
新しき野良着匂ふや茄子の花 柳生千枝子 火星 200510
不意に来し雨の大粒茄子の花 江崎和子 栴檀 200510
欲を捨て生きむ晩節茄子の花 玉置かよ子 雨月 200510
わらべ歌唄ひつないで茄子の花 宮川迪夫 遠嶺 200511
五本植ゑし茄子にそれぞれ花二つ 松崎鉄之介 200607
刈草をたつぷり敷きて茄子の花 長田秋男 酸漿 200609
茄子の花てんとう虫のこぼれ落つ 坂本幸子 酸漿 200609
この方のお話聞こう茄子の花 丸山佳子 京鹿子 200609
鶏鳴のほかはひそかや茄子の花 宮尾直美 200609
何か書くことのたのしさ茄子の花 岡本尚子 200609
遠き日の母の一言茄子の花 大久保寛子 遠嶺 200610
矢継ぎ早茄子花をつけ生りつづく 岸本林立 雨月 200610
花茄子の棘やはらき師弟かな 山元志津香 八千草 200612
花茄子の添え木してありプランター 中島英子 八千草 200612
烈風に曲りし畝や茄子の花   百瀬七生子 海光 200705
先生と遂に呼ばれて茄子の花 堀内一郎 あを 200707
戦世を生き来て老いぬ茄子の花 柴野静 200708
鉋屑たんと敷かれて茄子の花 上原重一 200708
植ゑてじき茄子にはなすの花咲けり 椿和枝 200708
よく遊びよく学ぶこと茄子の花 後條さと子 200709
茄子の花あまた咲かせて母死にし 高尾豊子 火星 200709
茄子の花背筋正してゐたりけり 加藤みき 200709
今にして親爺の小言茄子の花 上田繁 遠嶺 200709
峠路の家の庭さき茄子の花 阿部ひろし 酸漿 200709
鶏が勝手に鳴いて茄子の花 柴田佐知子 200710
長雨や濡葉に落ちし茄子の花 木内美保子 六花 200710
数うれば良き事もあり茄子の花 斉藤裕子 あを 200710
傘寿後のひと日大事や茄子の花 上林孝子 200710
ぶつきら棒な紺のひといろ茄子の花 宇都宮滴水 京鹿子 200807
晩学の気弱になる日茄子の花 和田政子 200808
美容室日除の下の茄子の花 田中藤穂 あを 200808
茄子の花孝を尽せと藤樹説く 森竹昭夫 遠嶺 200809
いつかある自適の日々や茄子の花 土井三乙 風土 200809
青蓮院通りぬけたり茄子の花 谷村幸子 200809
賞罰のなき生涯や茄子の花 彩響子 200810
遊びせむ茄子はなすの花さかせ 井上菜摘子 京鹿子 200810
茄子の花咲きて次々育ちをり 牧原佳代子 酸漿 200810
茄子の花意見通らぬ世となれり 高倉恵美子 200810
雨雲の風吹き寄こす茄子の花 大崎紀夫 やぶれ傘 200810
余生なほ膨らむ夢や茄子の花 関まさを 酸漿 200811
茄子の花想定内のむらさきに 坂上香菜 200908
茄子の花→2      

 

2021年6月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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