茄 子 3  136句

茄子買うてまた縫ものや祭前    清原枴童

茄子の花  茄子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
暁闇の少壯の茄子漬けむかな 鳥居おさむ ろんど 200907
茄子漬けて一と日の終はる厨仕事 塩千恵子 200908
てのひらに庭よりひとつ初茄子 山荘慶子 あを 200908
揚げ茄子の陶器の如き藍の色 斉藤裕子 あを 200908
水茄子の天麩羅御膳夫を待つ 奈佐幸子 200909
糠床に紫紺の茄子を沈めけり 大松一枝 200909
男時とは地酒と茄子の一本漬 延広禎一 200909
茄子の子や茄子のかたちをしてゐたる 藤本る衣 炎環 200909
良妻のふりの漬茄子藍濃くて 乗光雅子 雨月 200909
あかときのまづひかりだす茄子かな 南うみを 風土 200909
棘秘めて金銀茄子熟れゐたり 石井邦子 酸漿 200909
茄子漬や手塩と言へる塩加減 濱田カノエ 酸漿 200909
茄子の葉の大きく育ち雨止まず 小野木雁 酸漿 200909
指裂きの水茄子あれば足る昼餉 品川鈴子 ぐろっけ 200909
茄子の紺懸命に生き八十路なる 柴野静 200910
茄子漬けてなすべきことのなくなりぬ 小澤克己 遠嶺 200910
天と地の恵みたつぷり茄子トマト 池田光子 200910
前方のダリア後円の茄子畑 浅田光代 風土 200910
木屋町やまづは一皿走り茄子 松山三千江 春燈 200910
真髄は弘法茄子の種にあり 延広禎一 200910
夕日まだ峠はなれず茄子の馬 梶浦玲良子 六花 200910
初茄子は捥ぎて嫁にと手渡して 伊勢ただし ぐろっけ 200910
茄子をもぐその先にゐる山頭火 本多俊子 200911
初生りや葉陰の茄子がながながと 北原由樹 200911
朝採りの茄子を仕分くる老夫婦 金子清孝 ぐろっけ 200911
茄子瓜を畑にさがす盆支度 三浦カヨ子 酸漿 200911
孫の留守小さな茄子を捥がずをく 東亜未 あを 200910
種茄子わづかに進む忘れ癖 細川和子 炎環 200912
単純な仕事大事や茄子曲る 竹島勝代 200912
名残茄子雲の中より父のこゑ 井尻妙子 京鹿子 201001
焼き茄子に手作り味噌を添へやらむ 斉藤小夜 風土 201001
茄子焼いてさつと生醤油匂はせり 布川直幸 201006
煮びたしの汁ひんやりと茄子料理 布川直幸 201006
茄子トマト怠け教師の連絡帳 鴨下昭 201006
茄子漬や古き話を新しく 市村健夫 馬醉木 201008
棘痛き茄子買ふ無人販売所 井上美智子 201008
朝採りの茄子の盛り籠朝の市 福本スミ子 201009
妻の座に何時も妻ゐて茄子太る 穐好樹菟男 馬醉木 201009
長茄子の雨の光りを吸ふてをり 久津見風牛 201009
茄子の紺父には遠き捕虜時代 高橋泰子 201009
賀茂茄子のまうこれいじやう膨らまぬ 南うみを 風土 201009
蒸茄子に甘味噌少し箸やすめ 安部里子 あを 201009
宿坊の精進料理茄子の艶 清水侑久子 201010
母ゆづり糠床今日も茄子漬ける 小林成子 201010
茄子南瓜ねつとりと煮て盆の家 谷田部栄 万象 201010
紫といふか茄子はなすび色 丸井巴水 京鹿子 201010
ベランダの色よき茄子を貰ひけり 渋沢武子 酸奬 201010
朝市の艶よき茄子や棘持てる 伊東和子 201011
おかか削つて焼茄子の相模かな 中島陽華 201011
湧水の脇に盛塩茄子洗ふ 樋口みのぶ 201011
雷鳴の降るほどでなし茄子に水 菊谷潔 六花 201011
茄子など黒く煮られて太宰の忌 竹内弘子 あを 201011
茄子焼いて旨し一人の餉の寂し 辻直美 201012
茄子漬けて明日を信じてゐる不思議 森苿明 京鹿子 201101
虫籠の中胡瓜峨々茄子峨々 後藤比奈夫 ホトトギス 201105
管理職退きて堂々茄子を植ゑ 年森恭子 ぐろっけ 201107
楽しみは夫の植ゑたる茄子トマト 高倉恵美子 201108
添へ木まで育てと茄子を植ゑてをり 山本久江 201108
蔕帯の確かと離るる茄子かな 森理和 あを 201108
初生りや親指ほどに茄子の紺 小川玉泉 末黒野 201109
朝どりの茄子に新車の光あり 成宮紀代子 201109
加茂茄子の朝の湿りを持ちゐたり 石脇みはる 201109
茄子の色壊しにかかるフライパン 黒澤登美枝 201109
一献に豆腐一皿と茄子煮かな 新実貞子 201110
塩振つて日日の指先茄子の紺 生田恵美子 風土 201110
初採りの茄子の紫紺を漬けにけり 鈴木一三 末黒野 201110
へぼ茄子も野菜カレーの主役なり 中田寿子 ぐろっけ 201110
たつぷりと茄子に水やる安堵かな 井上静子 201110
長茄子成りすぎですと新農夫 山口ひろよ 201111
取れ立ての茄子の煮浸し志野の皿 辺田たか子 ろんど 201111
ベランダに育てて茄子の二本かな 土井三乙 風土 201111
漬け茄子の色のまぶしき母の石 片田きく 201112
もぎたての茄子の紺に日のさして 國保八江 やぶれ傘 201112
かむなびの森の果の種茄子 加藤みき 201112
尻に手を添へれば温し残り茄子 鎌倉喜久恵 あを 201112
袈裟懸けの傷二ところ種茄子 松本三千夫 末黒野 201201
茄子漬の紺濃かりけり朝餉の膳 松本信子 かさね 201207
茄子漬洗へば誕生石ひかる 丸山佳子 京鹿子 201207
茄子漬を取り分けてあり手塩皿 坂上じゅん かさね 201209
水を弾きし初茄子を奉る 雨村敏子 201209
大茄子規格外れと疎まるる 寺田すず江 201209
辛うじて心折れずに茄子を焼く 北川英子 201209
一畝に茄子と蕃茄と母長生き 定梶じょう あを 201209
ごろ寝する癖のつきたり長茄子 田中藤穂 あを 201209
茄子漬や祖母は終生京言葉 小澤菜美 201210
油揚と茄子の煮物や多佳子の忌 石脇みはる 201210
浅漬の水茄子さくつと檀尻男 安田一郎 京鹿子 201210
浅漬の茄子を朝餉に喜雨亭忌 中島芳郎 201210
わが優柔汁の茄子の浮きやすし 竹内弘子 あを 201210
あかつきの茄子の貴き紫紺かな 原友子 201210
茄子料理親から子へと受け継がれ 竹内悦子 201211
不揃の茄子のひと山ワンコイン 辻香秀 201211
湯上りや食べごろとなる冷し茄子 村上倫子 201211
重陽や尻もち茄子蒸しもして 南うみを 風土 201212
茄子トマト捥ぎてなぐさみ畑終ふ 菅野蒔子 末黒野 201301
漬け込めば溶けるかにこの初茄子 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
貧相な茄子が育ちぬプランター 塩路隆子 201310
菜箸に長短出来て焼茄子 佐用圭子 201310
茄子漬の紺澄み朝餉賑ぎ合はす 久保東海司 201310
糠漬の小茄子の紺をきゆうと食む 江草礼 春燈 201310
米茄子のたいくつさうに太りたる 大川ゆかり 201310
ドアノブに小さきメモと大茄子 石田静 201310
初茄子色よく潰かる朝餉かな 山形悦子 万象 201310
皆がまづ箸を伸ばして水茄子漬 山野美賛子 ぐろっけ 201310
水茄子や女将尚なほ艶な声 吉田宏之 201311
採れたての茄子キユツキユツと発信す 岩佐英子 京鹿子 201311
賀茂茄子の素生正しき眉目かたち 谷岡尚美 201311
茄子焼きてこれからのこと黄泉のこと 伊藤紀子 ろんど 201311
異国にて炊き茄子祖母の味がして 伊吹之博 京鹿子 201312
吾子はまた茄子の牛にて帰りけり 國保八江 やぶれ傘 201312
茄子漬の色で占ふ今朝の運 石川かおり 福袋 201404
今を選り未来を選るや茄子の苗 常田創 201407
濃紫溜めてか細き茄子の苗 榊原ヨリ子 201407
夜の雨水茄子の苗五六寸 雨村敏子 201408
和讃果てこの世のトマト茄子カレー 火箱ひろ 201409
洋皿にオランダ風の茄子炒め 能勢栄子 201409
意に添はぬ色に仕上がる茄子料理 黒澤登美枝 201409
糠漬の茄子紺の此の深きかな 井上石動 あを 201409
茄子の色移る煮物のがんもどき 篠田純子 あを 201409
焼茄子や八丁味噌の独壇場 大西よしき ろんど 201410
茄子漬の皿を片手に盗み酒 小林正史 201410
種茄子となる先々を考へず 山尾玉藻 火星 201410
加茂茄子のべつぴん振りの紫紺かな 藤井明子 馬醉木 201410
日のぬくみ仄かに残る茄子を捥ぐ 水谷靖 雨月 201410
糠漬けの茄子には茄子の時間差を 川上久美 ろんど 201410
プランターに実りし茄子を捥ぎにけり 國保八江 やぶれ傘 201410
引き売りの暗算力や茄子トマト 斉藤マキ子 末黒野 201411
初茄子のさくりと食めば是至福 川井秀夫 ろんど 201411
悪茄子居心地よくて良く育ち 会田三和子 201411
鷹山の小粒茄子とて藍濃かり すずき巴里 ろんど 201411
茄子にトゲ胡瓜にトゲや精霊馬 きくちきみえ やぶれ傘 201411
白茄子の料理の思案なすは茄子 伊東和子 201411
茄子の色移る煮物のがんもどき 篠田純子 あを 201411
百円を筒に落して茄子を買ふ 杉本綾 201412
駅中の八百屋で探す十全茄子 赤座典子 あを 201412
茄子苗にか黒き客土選びけり 湯橋喜美 201506
茄子→ 4      

 

2021年7月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。