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梨腹も牡丹餅腹も彼岸かな    正岡子規     

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ひとり子の人恋ふ窓辺梨届く 和田政子 201510
なだらかな多摩丘陵や梨育つ 鈴木庸子 風土 201511
試食梨細かく切られ置かれけり 溝渕弘志 六花 201511
梨むいて一人の午後の長きこと 森真二 201511
棲み古りて梨の長者に囲まるる 相良牧人 201512
梨の汁蟻の溺るるほどであり 今井春生 201512
梨園のはちきれさうな尻を捥ぐ 和田政子 201512
夕方の梨剥くさむらい父さんは 林田麻裕 201512
梨りんご食器を洗う音が好き 林田麻裕 201512
思ひ出をたして味はふ郷の梨 山口郁子 末黒野 201601
お礼にと友は日本の梨一つ 伊吹之博 京鹿子 201603
大梨をいただきましたほとけさま 山田六甲 六花 201609
お手並の同工異曲の梨であり 瀬川公馨 201611
昼灯の黙の和みに梨を剥ぐ 松本鷹根 京鹿子 201611
仮小屋に梨と大書の直売所 山本無蓋 201611
どの箱もふなつしーゐる梨出荷 相良牧人 201612
梨を剥く子規の頭は横を向く 荒木甫 201612
梨売りやひとつおまけの声飛ばし 堺昌子 末黒野 201612
梨喰みて夫の笑ひを目の辺り 久保田優子 末黒野 201612
梨を剥く二人の午後のティータイム 松田ひむれ 201612
まず供へ夫に語りし梨の出来 板橋昭子 201701
洋梨を二つ離して置いてみる 根橋宏次 やぶれ傘 201701
梨畑伐られそのまま又の秋 佐々木秀子 201702
浮雲がきて洋梨の食べごろに 佐々木秀子 201702
火の鳥の糞を抱へて愛后梨 中島陽華 201704
梨食らう世紀末はまだなのか 甲斐いちびん 船団 201707
ダリだったころの青梨ころがって 坪内稔典 船団 201707
ころがって梨の三つとこのオレと 坪内稔典 船団 201707
ふるさとの梨は青梨夢つづく 火箱ひろ 船団 201707
日向臭き梨の実一つ転がりぬ 大日向幸江 あを 201709
黒板の一行消すや梨出荷 成宮紀代子 201711
梨たべてふるさとの夜半みづみづし 本多俊子 201711
嫁御等の臀部豊かに梨を売る 荒木甫 201712
霜受けし猿梨であり旨かりし 大畑善昭 201801
梨と供華有馬芸者の手向けける 廣畑育子 六花 201712
赤梨のざらりと口に父恋し 服部早苗 201801
梨食べて少し体の重くなる 横田敬子 201804
梨提げた隣りの男ベル鳴らす 陽山道子 船団 201806
男運悪しと笑い梨齧る 中井保江 船団 201806
オーロラの端っこもらう梨もらう 中原幸子 船団 201806
南無南無と色紙に書けり梨月夜 雨村敏子 201808
梨剥いてやりながら子に何いへる 久保田万太郎 春燈 201808
一日を眠るばかりの父に梨 苑実耶 201811
梨を剥く音のみが音夜の家 千田百里 201811
大風の無事通り過ぎ刈屋梨 藤波松山 京鹿子 201812
梨売の幟はためくニュータウン 西村渾 201812
梨剥くや被災画面の泥の床 森なほ子 あを 201812
いつとなく梨の畑も冬の空 望月晴美 201901
梨一つ食べて明日もひとり者 高木晶子 京鹿子 201901
踊る字の梨完売と農家前 石黒興平 末黒野 201902
寂たるは受粉終りし梨畑 能村研三 201906
木洩日に育てられたる梨を剥く 谷口摩耶 201910
終着の据り心地よ箱の梨 高木晶子 京鹿子 201911
文よりも梨に実のある便りかな 出牛進 201911
梨畑すぎれば道はのぼり坂 大崎紀夫 やぶれ傘 201911
しゃっくりに胸をたたくよ梨の前 谷さやん 船団 201912
梨剥いて共に食べたしノボさんと 松井季湖 201912
小梨咲く女の強さ面に出ず 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
風の音家軋む音梨噛む音 池田澄子 船団 202003
梨農家の粒を摘みぬ夏の空 宮地静雄 末黒野 202008
鞄には梨一玉の重みかな 小山よる やぶれ傘 202010
朝日うけ梨もぐ腕黒光り 矢野美沙子 202011
道すがら梨の捥ぎたて買ひにけり 浜崎喜美子 202011
梨園や風にゆるるよ重さうに 堺昌子 末黒野 202011
口つける泉のごとく大梨に 佐藤喜孝 あを 202011
梨を剥き朝日に今日を始めた 長崎桂子 あを 202011
梨の実の重さう園の上の空 堺昌子 末黒野 202012
梨スムージー甘しバーボン少し足す 篠田純子 あを 202012
梨売りの来てゐる駅のロータリー 丑久保勲 やぶれ傘 202101
洋梨のどつしりしたるおゐどかな 松下道臣 202101
梨を剥く畑仕事のお茶請けに 木村瑞枝 やぶれ傘 202101
梨を剥く妻に上手とはやされて 森清堯 末黒野 202102
手のひらで量りし梨の重さかな 横田敬子 202102
梨→ 1

 

2021年9月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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