南天の実 2     60句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一枝に犇めきゐたる実南天 永田万年青 六花 201504
重たげに身を揺すりけり実南天 松田泰子 末黒野 201505
実南天寺の小さな池に垂る 山田六甲 六花 201511
鬼門除けの実南天の見え隠れ 黒澤登美枝 201512
剃髪の雛僧生れし実南天 井上静子 201601
実南天毛並荒れたる猫がゐて 藤井美晴 やぶれ傘 201602
実南天祖母の小言を思ひ出す 國保八江 やぶれ傘 201602
無住寺に人の気配や実南天 野畑さゆり 201602
見向かれぬ不浄の方位実南天 松本文一郎 六花 201602
古屋敷見守つてゐる実南天 丹羽武正 京鹿子 201604
実南天一粒づつの雪の嵩 青木朋子 201606
南天の実のあかあかと希みあり 武藤嘉子 201702
ほんたうは人恋しくて実南天 犬塚李里子 201702
尼さまはいまも健やか実南天 石田阿畏子 馬醉木 201702
句の道に学歴要らず実南天 小川玉泉 末黒野 201702
ときに来て鳥のついばむ実南天 白石正躬 やぶれ傘 201703
いつ見ても濡れてゐる色実南天 戸栗末廣 201703
南天の実にすきすきの囲ひして 中川句寿夫 ここのもん 201705
石置きて庭際立ちぬ実南天 加藤榮一 末黒野 201802
動かざる運河の芥実南天 小林愛子 万象 201802
実南天添へれば松の凛凛しかり 塩貝朱千 京鹿子 201803
和の心伝ふ野点や実南天 伊吹之博 京鹿子 201803
無人家の庭彩りぬ実南天 藤波松山 京鹿子 201803
たつぷりと焼板塀の実南天 廣畑育子 六花 201803
酒蔵の桶に投げ入れ実南天 延川五十昭 六花 201804
営々と継ぐ酒蔵や実南天 柴田佐知子 201801
鳥籠の鳥は宙吊り実南天 柴田佐知子 201803
生家また終の住処よ実南天 宮井知英 201804
土壁のひびの伸びゆく実南天 高倉和子 201806
実南天如来を守る四天王 中山未奈藻 201811
白壁に影遊ばせて実南天 藤岡紫水 京鹿子 201901
実南天真っ赤になって小鳥待つ 須賀敏子 あを 201901
二三粒地蔵手水の実南天 山田六甲 六花 201902
卵塔や赤々映ゆる実南天 西村しげ子 雨月 201902
実南天駅まで二度の立話 赤座典子 あを 201902
新前のパパの抱つこや実南天 時澤藍 201903
狭庭なれどたわわに成りし実南天 長谷仁子 春燈 201903
御手洗の処を得たる実南天 菅野日出了 末黒野 201904
逆縁の義母が触れいく実南天 渡部恭子 201905
いつまでも見送られたる実南天 吉田葎 201905
子守唄途絶えし里や実南天 西住三惠子 201906
南天の実の傍らに手水鉢 廣瀬雅男 やぶれ傘 202002
古民家の軒の雨滴や実南天 岡野里子 末黒野 202003
哲学の道の籬の実南天 針谷忠郎 202003
実南天こころ真つ赤に透き通る 吉田順子 202003
自生の南天の実に病みし日思ふ 長崎桂子 あを 202003
鳥の食み残し幾粒実南天 志方章子 六花 202004
外つ国へ発つ子を送る実南天 小河原清江 梛の木 202007
晴るる日の南天の実の赤きかな 亀岡睦子 やぶれ傘 202101
帰宅する目印になる実南天 北村ちえ子 六花 202102
実南天難を転ずと啄めよ 本多遊方 春燈 202103
人住まぬ家またふゆる実南天 鬼頭博 春燈 202103
戦争はいつも置き去り実南天 須賀敏子 あを 202112
空をゆく鳥の目ざとく実南天 山田六甲 六花 202202
実南天生りてゐるかと出てみたり 志方章子 六花 202202
池の面へ天守を映し実南天 森清堯 末黒野 202203
トンガ島再起を願ふ実南天 七郎衛門吉保 あを 202203
松に添ふ枝振りの良き実南天 岡山敦子 京鹿子 202205
実南天恋人だつたひとの家 木暮陶句郎 ホトトギス 202206
南天の実 →1

 

2022年12月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。