流れ星〈流星〉2〈含他季)  206句

流星の針のこぼるるごとくにも    山口青邨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
流星のあそびヴィシュヌの手足かな 栗栖恵通子 200512
流星の生涯の尾を確めよ 伊藤希眸 京鹿子 200512
流れ星女盛りを拒まるる 尾堂Y 河鹿 200601
流星や時差さかのぼり東航機 金山藤之助 200601
流星や我の居場所を吾が問うて 島元文 遠嶺 200602
反魂香加へふたたび流星群 栗栖恵通子 200606
流星を眼下に山の暮れゆける 稲畑廣太郎 ホトトギス 200608
流星に君との過去を流しけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200608
流星や仰ぐてふことくり返す 稲畑汀子 ホトトギス 200608
夜空には置くてふ心流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 200608
流れ星いま見しやうな見ぬやうな 稲畑汀子 ホトトギス 200608
死ぬるとき流星の謎とけるかな 田尻勝子 六花 200609
流星や深海に産卵始まりぬ 近藤公子 200610
穂高嶺に在り流星に手が届く 泉田秋硯 200611
流星や一筋の風こめかみに 米澤光子 火星 200611
北満の曠野の祷り流れ星 島田山流 春燈 200611
流星や唯直感を信じをり 飯田明己 遠嶺 200611
流れ星ふとしたはづみなりしかな 高橋将夫 200611
流星や神の寝息の乱れたる 近藤喜子 200611
手裏剣のごとき流星山を打つ 柴田久子 風土 200611
さよならと流星の海抜き手きり 奥田茶々 風土 200611
漆黒の闇の流星礼文島 井口淳子 200612
美しきふたことみこと流れ星 鷹羽狩行 200612
地球にも最期のあらん流れ星 林直入 ホトトギス 200612
流星や一瞬来世見るごとく 西川五郎 馬醉木 200612
流星や藻屑と消えし平家悲話 小田切明義 春燈 200612
流星やロフトの隅の玩具箱 栗栖恵通子 200612
産み月の馬が耳立て流れ星 定梶じょう あを 200612
流星やこころにも尾を長く曳き 山口速 200701
流星や彼の地に欲しき救世主 谷越勝司 200701
願ふことまだ残りをり流れ星 塩田博久 風土 200701
シスターの裳裾に泛ぶ流れ星 玉川悠 遠嶺 200702
流星や自づと襟を正したり 小宮山勇 遠嶺 200702
流星に夜空の舞台開け放つ 稲畑汀子 ホトトギス 200708
流星のありし気配の闇仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200708
蛍火のいましも獅子座流星群 松本圭司 200708
流れ星打出の小槌もう要らず 品川鈴子 200708
流星やもつと知りたい星のこと 稲畑汀子 ホトトギス 200709
流星をバケツに入れて洗つてみやう 新関一杜 京鹿子 200709
流星を今度は妻が見つけしよ 山田六甲 六花 200709
流星を真夜に見に出る姉妹 城戸愛子 酸漿 200710
流星やウルの天球より一つ 泉田秋硯 200711
流星や宴の余韻の独り唄 泉田秋硯 200711
流星を八個もみしと得意気に 山本漾子 雨月 200711
流星の異国に消ゆる宗谷かな 七種年男 200711
ペルセウス座流星群のよく遊び 渡邉紅華 酸漿 200711
流星の独りの夜半をたのしうす 渡邉紅華 酸漿 200711
流星も冬の夜空を飾るもの 稲畑汀子 ホトトギス 200712
今宵また掴みそこねて流れ星 関根洋子 風土 200712
流星の滝が紅葉の中にあり 長田秋男 酸漿 200712
流れ星おかめひよつとこ手をつなぐ 梶浦玲良子 六花 200712
夭逝の匂ひ同じや流れ星 栗栖恵通子 200801
流れ星神の落せし耳飾り 宮本幸子 京鹿子 200801
沈黙の流れ星まつ懐手 四條進 200802
流星を観んとて一人着ぶくれる 森山のりこ あを 200802
流星群凍つ夜を深くとほくせり 椿和枝 200803
流星を指差す君の息白し 坂本知子 酸漿 200803
手をつなぐ夫をり冬の流星群 岩崎真理子 遠嶺 200805
ぬかるみは果てしなくあり流れ星 谷山花猿 頂点 200806
流星は八月十三日未明 稲畑汀子 ホトトギス 200808
流星を見しかと問うてみることに 稲畑汀子 ホトトギス 200808
山頂の池に集まる流れ星 中田禎子 200808
神々の交信獅子座流星群 宮崎すみ 神々の交信 200808
星も旅したきときあり流れ星 鷹羽狩行 200810
乾くまで哭き貌さらす流れ星 宇都宮滴水 京鹿子 200810
4H鉛筆握る流れ星 新関一杜 京鹿子 200810
漁火の沖の賑はひ流れ星 久保久子 春燈 200811
流星の消えて大きく闇を吸ふ 泉田秋硯 200811
流れ星満濃池にいだかれて 近藤きくえ 200811
流星や夫の家系図など知らず 川島澄子 酸漿 200811
叱声も今は一会の流れ星 石田きよし 200811
山巓に大の字に寝て流れ星 葛西茂美 200812
小面の泣きたき唇や流れ星 梶浦玲良子 六花 200812
木曾谷の木の宿深く流れ星 野畑小百合 200812
流星や朱き砂漠に人眠る 浜田はるみ 遠嶺 200901
射ぬかれし黒き島山流星群 鹿島釣人 炎環 200901
流星に託すものなし湯浴せる 中田禎子 白猪 200901
見たい子になかなか見えぬ流れ星  大久保白村 ホトトギス 200902
子が見つけ父が見落とす流れ星  大久保白村 ホトトギス 200902
冬の流星靴音の尖りくる 井原美鳥 200903
消してゆく闇の大きさ流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 200908
夜は更けて待ち続けをり流れ星 山田六甲 六花 200909
空と海分かたぬ方へ流れ星 山仲英子 200910
願ひごとみなまで聴かぬ流れ星 木村茂登子 あを 200910
流星を浴びてこの世の贅となす 中川すみ子 200911
此の年の訣れいくたり流れ星 益本三知子 馬醉木 200911
己れ入る穴はどこやら流れ星 栗栖恵通子 200911
流星やくつがへりたる天動説 近藤喜子 200911
満天を仰ぎ流星二つ三つ 近藤豊子 雨月 200911
流れ星あれはふるさと辺りかな 近藤豊子 雨月 200911
流れ星いとしい象の死亡記事 森理和 あを 200911
己が顔映る車窓や流れ星 石川かおり 200912
流星に旅愁昂ぶる山の宿 村上昌子 200912
眼鏡小さし流星を待つてゐる 近恵 炎環 200912
皺の手の最期の握手流れ星 稲見寛子 炎環 200912
流星の億光年を見届ける 三川美代子 201001
流れ星一つが消えて又一つ 増田一代 201001
流星にたった一つの願ひ事 三川美代子 201001
空を截る径一ミリの流れ星 柳川晋 201001
明日つかふ大釜ふたつ流れ星 丸山照子 火星 201001
流星が塵払ひせし遠嶺晴れ 田中貞雄 ろんど 201001
流れ星消えし後なほ願ふなり 坂本知子 酸漿 201001
流星群青いしつぽが空走る 高野綸 201002
流星や樽に眠りし赤ワイン 環順子 遠嶺 201002
父と子の永き沈黙流れ星 曷川克 遠嶺 201002
流星を待つ屋上のしづけさに 石田邦子 遠嶺 201002
出発の合図はこれだ流れ星 松田都青 京鹿子 201002
地の底の叫びに獅子座流星群 石黒一憲 201002
高台の家より冬の流れ星 坂口三保子 ぐろっけ 201003
四次元へ消えゆく春の流れ星 松本圭司 201007
流星に間に合ふ夜空ととのへり 稲畑汀子 ホトトギス 201008
木星を見て流星は見えざりし 稲畑汀子 ホトトギス 201008
流星や身につかざりし微積分 水原春郎 馬醉木 201010
今宵より話題広がる流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 201010
流星を見る身ごしらへ大袈裟な 稲畑汀子 ホトトギス 201010
オリオン座よりの流星見つけねば 稲畑汀子 ホトトギス 201010
流星に夜を明け渡す家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 201010
オリオンの辺り流星待つことに 稲畑汀子 ホトトギス 201010
一枚の夜空待たるる流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 201010
流星を見るきざはしを解放す 稲畑汀子 ホトトギス 201010
流星や琥珀色なる食前酒 田中文治 火星 201010
流れ星音無く流れペガサス座 常田創 201011
流星や叶はぬ思ひ日にいくつ 太田佳代子 春燈 201011
流星を見て饒舌の人となる 稲畑汀子 ホトトギス 201011
朝焼の白馬山はくばに堕つる流星 田中敬 201011
流星やこの世に生まれきしは何故 近藤喜子 201011
流れ星子は子の家に帰りけり 杉浦典子 火星 201011
流星へむかしと同じ願ひ言 高野春子 京鹿子 201011
流星の残像いまに赫々たり 浅井青二 雨月 201011
流れ星使ひし桶は伏せて出る 甲州千草 201012
流星の一つは神のたよりかも 水井千鶴子 風土 201012
流星や死者は生者の胸にあり 大木清美子 201012
命燃え尽し消えたる流れ星 本田保 春燈 201101
流星の消える力が尾となりぬ 松本圭司 201101
流星の元日の夜を過ぎりけり ことり 六花 201101
流れ星すべてそこから始まりし 高橋将夫 201102
宇宙よりの便り流星八方へ 刈米育子 201103
ふたご座流星オリオン星座を袈裟斬りに 田中芳夫 201103
流れ星高層ビルを抜けきれず 笹村政子 初鼓 201105
今宵こそ冬の流星見たかりし 稲畑汀子 ホトトギス 201111
宇宙よりの贈物なる流れ星 片岡良子 雨月 201111
流れ星一瞬言葉失ひて 本多正子 雨月 201111
三人の一人見逃す流れ星 山本浪子 風土 201111
流星や海に真珠の育ちをり 工藤はるみ 風土 201111
手繰り得ぬ夫と覚ゆる流れ星 西川みほ 末黒野 201112
陸奥と言ふ戦艦ありし流れ星 土屋青夢 ぐろっけ 201112
流れ星まだ捨て切れぬ文の束 川上久美 ろんど 201112
流星や地軸のわれの傾ける 水野恒彦 201112
正体を塵と知つても流星雨 内藤呈念 ホトトギス 201201
流星や横たはりたる荒箒 浅木ノヱ 春燈 201201
流れ星一期一会といふ言葉 貝森光洋 六花 201201
流れ星夢見る被災の子を照らす 池田光子 201202
流星や二十六聖人天へ地へ 大森尚子 風土 201202
流星の森へ落ちたる速さかな 川口利夫 ホトトギス 201203
流れ星どこかで遇つたはずのひと 丸井巴水 京鹿子 201203
目を凝らす竜座流星四日かな 山田夏子 雨月 201204
余裕なき時間やりくり流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 201208
雲よ去れペルセウス座の流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 201208
流星を共に仰ぎし友逝きし 稲畑汀子 ホトトギス 201208
われ残し音なく消えし流れ星 竹貫示虹 京鹿子 201208
流星や針四本を見届ける 赤座典子 あを 201210
流れ星乾きの早き老の髪 高橋照葉 ぐろっけ 201210
流星や灯台ひかりもて応へ 松本三千夫 末黒野 201211
アラームをすり抜けて来し流れ星 町山公孝 201211
流れ星カクテルグラスの青き泡 宮内とし子 201211
星空を振り捨ててゆく流れ星 長節子 201212
裏阿蘇の風となりたる流れ星 野上杳 201212
流れ星幸多かれと願ふのみ 宮崎きみ枝 201212
裏阿蘇の風となりたる流れ星 野上杳 201301
着ぶくれて流星数ふ明け間近か 斉藤裕子 あを 201301
アラームをすり抜けて来し流れ星 町山公孝 201301
神々も口角泡を流星群 甕秀麿 201301
願ふこと止めて久しき流れ星 松井洋子 ぐろっけ 201302
流星に目の焦点の合ひ初めし 小川龍雄 ホトトギス 201304
音を秘め「流星」「銀河」の滝凍つる 森田節子 風土 201306
宇宙より見し一過客流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 201310
流星を湿原に撒く尾瀬の闇 北郷和顔 末黒野 201311
睡眠薬切れし夜流星また流星 北川英子 201311
流星の早さに旅の終りたる 岩月優美子 201311
双塔の右に左に流れ星 山田春生 万象 201311
いづくより何処へ吾も流れ星 鈴木セツ 201311
流星や国なき民の神いづく 伊東和子 201311
わが胸に一つ留る流れ星 寺岡ひろし 雨月 201312
流星の降る飛騨の夜の忘我かな 水野節子 雨月 201312
天空をメスで真二つ流れ星 高品正敏 201312
暁の地球をかわし流星群 松川悠乃 ろんど 201312
黎明の夢を占う流星群 松川悠乃 ろんど 201312
流星は願いあつめて光り増す りいふ ろんど 201312
流星や銀のフォークをとり落とす 宇都宮敦子 201312
流星や九十年を生きし空 大橋伊佐子 末黒野 201312
星流れ星座はめぐり賢治の忌 遠山風 馬醉木 201401
方言の優しさ聞きつ流れ星 笹井康夫 201401
凍天に流星ゆると弧を描き 土井久美子 201402
流れ星賜り数へ日一つ消ゆ 熊川暁子 201403
流星と聞きて旅路でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201408
流星が夢に飛び入る山泊り 北川英子 201410
流れ星追悼文のペン置けば 中原吟子 雨月 201410
流れ星子等と一夜の峡泊り 吉田きみえ 末黒野 201412
流れ星夜釣の竿の鈴が鳴り 定梶じょう あを 201412
流れ星拾ひし石のぬれてをり 杉浦典子 火星 201412
流星やZippoの蓋の閉まる音 藤田素子 火星 201412
この街もあの人も好き流れ星 浜福恵 風土 201412
能面の打たるる音や流れ星 武田巨子 春燈 201501
筆休流星丈を余しけり 神蔵器 風土 201501
流星やあうらに砕く貝の殻 前田貴美子 万象 201501
流星の青き名残りや幽回忌 鳥居美智子 ろんど 201502
まほろばの夜空の親.し流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 201508
流れ星→ 3      

 

2021年8月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。