流れ星〈流星〉 1〈含他季)   200句

大空の青艶(えん)にして流れ星   高浜虚子   七百五十句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
流星に万物音を断ちにけり 山田弘子 春節 199503
流星といはれて仰ぐ夜風かな 稲畑汀子 ホトトギス 199808
流星や口には出さぬ願ひごと 稲畑汀子 ホトトギス 199808
雨上り親しむ夜空流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 199808
ハイウエイ流星群にまぎれこむ 山田禮子 きらら 199810
流星や窓辺の壷のギリシャ文字 小澤克己 遠嶺 199811
流星の軌跡一瞬蒼かりし 柳生千枝子 火星 199811
流星群近づく夜々を数ふべし 山田弘子 円虹 199811
流星の室戸観音びらきかな 栗栖恵通子 199901
湯ざめしてしし座流星痕とらふ 神蔵器 風土 199901
葱抜くや流星の尾の匂ひして 神蔵器 風土 199901
流星群観る客のみの冬の宿 山田弘子 円虹 199901
冬空に流星燃えて一文字 山田弘子 円虹 199901
流星に白息はづむ軽患者 山岸治子 馬醉木 199902
流星の矢が飛ぶ世紀末の冬 中森百合子 199903
北指して流星の剣基地の闇 柴田いさを 船団 199903
流星のあまたの光り疾走す 田中俊弥 船団 199903
「ヒ」が言えぬあいつ私の流れ星 朝日彩湖 船団 199903
流星にだまされて風邪ひきにけり 岩田ひろあき 船団 199903
五線紙に流星たちのノクターン 尾上有紀子 船団 199903
ココア飲む流星群を待ちながら 黒田さつき 船団 199903
ベッドにて流星群かな腎不全 近藤憙治 船団 199903
流星の使ひきれざる空の丈 鷹羽狩行 船団 199903
流星をあまた聚めて冬仕度 神田夏果 海程 199904
ハイウェイ流星群にまぎれこむ 山田禮子 遠嶺 199905
流星やゴビ砂漠より娘の便り 遠藤和彦 遠嶺 199905
流星を見つけし声の重なれり 金國久子 青葉潮 199907
漁火を見てゐたる目に流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 199909
流星やその曩の距離嬰ねむる 鈴鹿仁 京鹿子 199909
天帝の放てし矢あり流れ星 森景ともね 船団 199909
うるま島に蛇皮線流れ星涼し 斉藤利雄 遠嶺 199910
流星のかけらをためてゐる山湖 豊田都峰 京鹿子 199910
流星群見しを語れば寒さ言ふ 稲畑汀子 ホトトギス 199911
つながりし話題は冬の流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 199911
流星やきのふのうちに帰らねば 奥田筆子 京鹿子 199911
西空に流星飛べり直子逝く 水野節子 雨月 199911
我寝ねしより流星の続きしと 山田夏子 雨月 199911
元気ですと言いたい鏡に流れ星 奥野ちあき 海程 199912
十七歳流星のごと唾を吐く 工藤康夫 海程 199912
瞬きをせし間に流れ星の消ゆ 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
流星を見付けるまでと夜を明かす 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
流星や盃に溢るる中乗りさん 能勢京子 船団 199912
安産を祈るや冬の流れ星 白鳥婦じゑ 酸漿 200001
宇宙葬骨百年後は流れ星 吉田多美 京鹿子 200001
流れ星どの鍵穴を抜けやうか 岩崎法水 京鹿子 200001
流星や倉庫群よりジャズ洩るる 上田希実 遠嶺 200001
手で拭ふ霜夜の窓や流れ星 平しげる 酸漿 200002
獅子座流星群まだまだ荷物積みのこし 神田夏果 海程 200002
夫恋ひの他は知らざり流れ星 上田希実 遠嶺 200002
流星や送つてみたき恋の詩 上田希実 遠嶺 200002
流星の生まれた闇で君を待つ わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
てのひらに生まれたばかりの流れ星 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
木琴となりし大地や流星群 吉川真実 海程 200004
コップより水があふれる流れ星 三宅やよい 玩具帳 200004
水音に突き当たりたる流れ星 稲辺美津 夏椿 200007
六甲の深き夜空や流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 200008
カシオペア流星も見ぬ家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 200008
流星や口には出せぬ言葉あり 吉野のぶ子 八重櫻 200008
流星や古代女人の金耳輪 中川二毫子 夏木立 200008
流星の海の明けゆくししびしほ 栗栖恵通子 200011
流星や灯りて暗き峡三戸 清水節子 馬醉木 200012
流星に匂ひのありと山男 志鳥宏遠 ホトトギス 200101
流星や川の中なる高圧塔 石橋萬里 ぐろっけ 200101
流れ星ありし星空ありにけり 嶋田一歩 ホトトギス 200102
とんでゆく途中のなくて流れ星 嶋田一歩 ホトトギス 200102
竪琴に弦あり獅子座流星群 栗栖恵通子 200103
獅子座流星群妖しく乱れ世紀末 西田もとつぐ 船団 200105
流星に咳く寢の刻の貧しかり 渡邉友七 あを 200107
どの星の欠けることなく流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 200108
西国の幸ある方へ流れ星 鷹羽狩行 200108
夜遊びは神にもありて流れ星 鷹羽狩行 200109
流星を見む寝袋にくるまりて 石田邦子 祭笛 200109
そのたびにわが残されて流れ星 鷹羽狩行 200110
声出せばもう消えてゐし流れ星 前田達江 200110
山国に寝て流星を知らざりし 大串章 百鳥 200110
流星や桟橋になほ日のぬくみ 高野清風 俳句通信 200110
あなただけ先に逝きしか流れ星 柴田美佐子 いろり 200110
流れ星氷上郡より飛んできし 加藤真起子 火星 200111
戦争はやめて下さい流れ星 竹川美佐子 いろり 200111
倅たちの流星群を見てをるや 松沢久子 いろり 200112
流れ星手綱こんにやく煮あがりて 加藤みき 200112
流星や岩を褥にビバークす 宮澤美和子 百鳥 200112
流星に乗る生き物を案じおり 小田さやか 船団 200112
流星や午前二時からカフェオーレ 須賀敏子 あを 200112
獅子の恋か冬の流星何故紅い 林翔 200201
流星や軒には鮎の一夜干し 深田雅敏 200201
流星を見る集りの知らせあり 永田あき 酸漿 200201
流星雨迎へし夜から冬定まる 宮津昭彦 200201
クリスマス流星群を見たといふ 山田六甲 六花 200201
父と子の指して一つの流れ星 郷坪敏幸 200201
糸杉の穂先かすめて流れ星 龍神悠紀子 200201
冬雲の去るや流星ファンタジー 刈米育子 200202
人の世の丑三つ刻を流星群 岩瀬良子 円虹 200202
天網の全開となる流星群 岩瀬良子 円虹 200202
旅終へし冬の流星尾の長き 天野きく江 200202
われに降る一つ大きく流星雨 外川玲子 風土 200202
大菩薩峠だいぼさつへ笛吹川へ流星雨 藤原照子 200202
流星群果つ露天湯へ足さぐり 藤原照子 200202
数限りなく見て冬の流星群 小澤克己 遠嶺 200202
流星のシャワーを寝袋にて浴びる 金田美恵子 ぐろっけ 200202
流星群見知らぬ人と声交わす 金田美恵子 ぐろっけ 200202
流星群見る車椅子繰りて 金田美恵子 ぐろっけ 200202
流れ星数えるひまに亦流れ 原田圭子 ぐろっけ 200202
獅子座からこんこんと湧く流星雨 山陰石楠 200203
一瞬の祈り届くや冬流星 阿部正枝 遠嶺 200203
山眠る視野をはみ出す流星群 安原ときこ 遠嶺 200203
生まれ日を重ねて冬の流星群 大曽根育代 遠嶺 200203
流星群観し満足にオーバー脱ぐ 嶋田摩耶子 ホトトギス 200204
露寒の流星群をかくす雲 安原葉 ホトトギス 200204
流れ星見た見たみました胸噪ぐ 安部美和子 ぐろっけ 200204
たまゆらの獅子座流星冷まじや 藤浦昭代 ホトトギス 200205
流星群追ふ眦にまたも飛ぶ 藤浦昭代 ホトトギス 200205
流星雨虚子も年尾も父母も 大槻右城 ホトトギス 200206
流星の乱舞この世の空ならず 宮原みさを 花月亭 200208
賢治なら描く夜すがらの流れ星 鷹羽狩行 200209
流星や机上の球の楕円形 小澤克己 遠嶺 200209
ペルセウス闇へ流星発しけり 横林誠二 200210
一瞬の天のことづて流れ星 山田弘子 円虹 200210
流星群見むと残りのジンを干す 泉田秋硯 200211
流星や弥撒の往き来は舟に乗り 辻本みえ子 馬醉木 200211
カサブランカ枕頭に置き流れ星 本山卓日子 京鹿子 200211
流星群瞠れば夢を零しけり 岩田育左右 遠嶺 200211
ふる里やわが身一つに流れ星 酒井康正 百鳥 200211
天上に故里もたぬ流れ星 河内童楽 六花 200211
流れ星拾うと少年走りだす 河内童楽 六花 200211
馬上杯を手に流星を待ちゐたり 金山藤之助 200212
流星の相逢ふ縁なりしかな 滝青佳 ホトトギス 200212
流星の吸ひ込まれゆく埴輪の眼 上田祥子 遠嶺 200212
流星の生まるる闇と消ゆる闇 加藤あけみ 円虹 200212
楼蘭の木乃伊の睫流れ星 半澤佐緒里 百鳥 200212
深酒の夢に流星くれてやろ 栗栖恵通子 200212
流星に傷つけられし夜の帳 波多洋子 銀化 200212
流星に乗つて屈託なき王子 小澤克己 遠嶺 200212
流星の空青年の夢のする 大塚和子 遠嶺 200212
流星をはるか卵黄ゆれてをる 栗栖恵通子 200301
初冬の流星見むと露天の湯 阿部文子 酸漿 200301
ハーメルンの笛吹こ獅子座流星群 栗栖恵通子 200303
流星群見て黎明の石と化す 泉田秋硯 鳥への進化 200303
国生みの島へ流星矢継ぎ早 上崎暮潮 ホトトギス 200304
忘れゐし夜空を仰ぐ流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 200308
予告などして流星の見えぬ夜 稲畑汀子 ホトトギス 200308
さよならを言ふ間なかりし流れ星 竹貫示虹 京鹿子 200308
鵺かすかなりペルセウス流星群 根岸善雄 馬醉木 200310
投げられし槍のごとくに流星群 島谷征良 風土 200310
流星の遺痕失意を慰めし 泉田秋硯 200311
流れ星虫の知らせの訃報受く 中山砂光子 200311
流星や木霊人魂中の空 加藤みき 200311
流星のひとすぢに世の移りつつ 長沼三津夫 200311
嫁ぐ子の二階の音や流れ星 高尾豊子 火星 200311
流れ星言葉めきをり尾を曳きて 三浦永子 京鹿子 200312
流れ星流れのま々に流れゐて 平松かをる 六花 200312
金平糖舌にとろけて流れ星 藤田かもめ ぐろっけ 200312
方違へせし流星の不覚かな 秋葉雅治 200401
流星に音なき不思議波騒ぐ 松井志津子 200402
山峡の七戸に冬の流れ星 湯浅夏以 遠嶺 200405
神の目くばせに応へて流れ星 鷹羽狩行 200409
流れ星沖待船の汽笛鳴る 志水芳秀 雲の峰 200410
露天湯のあふるる音や流れ星 高野清風 雲の峰 200410
流星や一つとどろく礁波 中川晴美 雲の峰 200410
流星やテレビを置かぬ峡の宿 中御門あや 雲の峰 200410
流星や海に張り出す野天風呂 原茂美 雲の峰 200410
流星の消えし辺りが幽界か 泉田秋硯 200411
流星や吾が青春に戦の日 野中啓子 200411
流星に四方の山々高からず 長谷川閑乙 馬醉木 200411
高原に寝て流星を手に受くる 閑田梅月 馬醉木 200411
流星や今宵の願ひ待ちぼうけ 橋本並子 帆船 200411
天宮や流星おほひなる壁画 近藤喜子 200411
蠍座の尾に跳ねられし流れ星 内藤ゑつ ゑつ 200411
教室に泊り流星観測会 藤井啓子 ホトトギス 200412
流星や闇持ち上ぐる波頭 林昭太郎 200412
流れ星胸射るごとく飛びにけり 守屋井蛙 酸漿 200412
瞬きのひとつ惜しめり流れ星 鳴海清美 六花 200412
地球につかまつて寝る流れ星 木村みかん 200501
ソロモンの指環きつくて流れ星 栗栖恵通子 200501
蛍火の流れ星めくかくれ里 築城京 馬醉木 200502
流星に空固まつてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502
話ほど飛ばず双子座流星は 守屋井蛙 酸漿 200503
流星を見てきて炉火にあたたまり 中條睦子 万象 200504
流星の遺痕をとこの迷ひ断つ 泉田秋硯 黄色い風 200505
流星や手にパンドラの箱の鍵 高橋将夫 星の渦 200507
流星に月は黙してをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508
願ひごとありさうでなき流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 200508
流れ星見えぬ夜空を仰ぎけり 稲畑汀子 ホトトギス 200508
流星の消える瞬時に残るもの 稲畑汀子 ホトトギス 200508
消えしよりそこに流星ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200508
旅終へし心の余白流れ星 稲畑汀子 ホトトギス 200508
流れ星宇宙を泳ぐことにする 堀内一郎 あを 200508
流れ星追はねば夢のふくらまず 深澤厚子 馬醉木 200510
流星や音一つなき島の宿 稲畑汀子 ホトトギス 200510
流星や星の王子は海の底 大串章 百鳥 200510
織姫の織り乱してや流れ星 得田武市 河鹿 200510
神秘なる石になれなれ流れ星 近藤喜子 200511
過去ながく未来みじかし流れ星 吉田かずや 春燈 200511
流星や大きく夜間飛行の灯 伊藤百江 春燈 200511
流星や弟妹三人病得て 中上照代 火星 200511
流星や山の形に闇迫る 鈴木實 百鳥 200511
天界の何振り切りし流れ星 志水美紀子 四葩 200512
寝ころんで見る束の間の流れ星 有吉桜雲 200512
鹿川ししがわに釣宿一つ流れ星 佐々木新 春燈 200512
駒ヶ岳こまの影と流星ひそむ湖の国 大塚初江 200512
流れ星→ 2      

 

2021年8月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。