永き日 3    95句

永き日や寝ても起ても筧かな 許六

作品
作者
掲載誌
掲載年月
永き日の漏刻門を潜りけり 生田恵美子 風土 201306
永き日や伸びたる足の爪を切る 橋本修平 かさね 201306
永き日の捨て身の構へ児の涙 鴨下昭 201306
永き日や老衰といふ大往生 瀧春一 花石榴 201312
永き日の海へ出てゆく川の鳥 中田みなみ 201405
永き日よ外出の妻に待たさるる 水原春郎 馬醉木 201405
永き日の終活などと軽々し 大日向幸江 あを 201405
永き日の丸の内向く駅時計 細川洋子 201406
永き日や春雨匂ふ木版画 安永圭子 風土 201406
ずる休みして永き日をもてあます 佐津のぼる 六花 201406
永き日の動かす夫の重き尻 貝森光洋 六花 201406
永き日の夕日赤々気もゆたに 原田たづゑ 春燈 201406
永き日の梯梧を映す円鑑池 呉屋菜々 万象 201407
永き日や唐獅子睨む水平線 永田圭子 ろんど 201407
永き日や少し苦めにママレード 須賀敏子 あを 201407
永き日や豚の尾つぽを切る話 比嘉半升 万象 201408
永き日や母は多弁にして多才 森清信子 末黒野 201408
永き日のからくり時計正午打つ 奥名房子 201410
永き日や速水御舟の写生帳 矢口笑子 春燈 201505
永き日の出船の波の届きけり 円城寺清 201506
永き日の焙じ茶匂ふ商店街 青谷小枝 やぶれ傘 201506
永き日の坂越えて坂あらはるる 小林愛子 万象 201506
永き日や鮫泳がせて茶の時間 比嘉半升 万象 201507
永き日の永き停車や山陰線 松田都青 京鹿子 201508
永き日や象の花嫁檻で行く 松田都青 京鹿子 201508
永き日やはくたかに乗り軽井沢 有賀昌子 やぶれ傘 201508
永き日や死のかげといふ谷を訪ふ 中杉隆世 ホトトギス 201508
永き日や幾山河といふ言葉 中杉隆世 ホトトギス 201508
永き日を短く使ひ切る吉野 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
永き日や君と二人で居ればなほ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
永き日や御守男の子の笛買うて 田村初枝 春燈 201605
永き日の仏足石に鳥の糞 田代民子 201605
永き日の立ち寄る路上ライブかな 塩野谷慎吾 201606
永き日や川は堤に導かれ 林昭太郎 201606
永き日や目鼻を探すピカソの絵 岩月優美子 201606
永き日を使ひ切りたる春夕焼 伊吹之博 京鹿子 201607
永き日や妻と分けあふ加賀の菓子 山田春生 万象 201607
永き日やベッドの兄の無精髭 久世孝雄 やぶれ傘 201608
永き日や仲見世といふ玩具箱 細川洋子 201608
永き日の微熱とゆらり昼下がり 陽山道子 船団 201701
永き日の偉そうにするいなり寿司 早瀬淳一 船団 201701
永き日や真砂女の海を見て飽かず 安立公彦 春燈 201705
永き日や糸瓜瓢箪縁側へ 佐藤やすこ 風土 201706
永き日の書斎を留守にしてをりぬ 大畑善昭 201706
永き日や竹の香強き四つ目垣 黒滝志麻子 末黒野 201706
永き日や隙間だらけの野面積 戸栗末廣 201707
永き日のポケットの中の甘露飴 足立良雄 201707
永き日や過ぎにし年の何と短か 江木紀子 雨月 201707
永き日や檜皮師の吹く竹の釘 田中とし江 201707
永き日の公園ライブ大きな輪 遠山のり子 201708
永き日の燃え尽くるとき来るべし 中杉隆世 ホトトギス 201708
永き日の歩いて降りる百二階 竪山道助 風土 201801
永き日の校長室の鹿の角 谷さやん 船団 201802
永き日の楽句楽座へ九十九折 鈴鹿呂仁 京鹿子 201804
永き日の指へなじませゆく紙縒 村田あを衣 京鹿子 201805
永き日や無い袖振れぬ陶狸 鈴鹿仁 京鹿子 201805
永き日やゆつくりかざす術後の手 西住三恵子 201807
永き日のガードレールを跨ぎけり 根橋宏次 やぶれ傘 201807
永き日や羽毛つけたる一卵 松尾龍之介 201807
永き日の用事ひとつを加へたり 木村瑞枝 やぶれ傘 201808
余生など無し永き日を使ひきる 柴田佐知子 201809
永き日や病棟跡に波郷の碑 七郎衛門吉保 あを 201904
永き日を東京芦屋鎌倉に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
永き日や荷風旧居の路地寂と 安立公彦 春燈 201906
永き日や若き海人の背夕日浴び 丸山千穂子 末黒野 201907
永き日の川の上なる雲ながめ 白石正躬 やぶれ傘 201907
永き日の海峡にある白い月 藤井美晴 やぶれ傘 201907
永き日のどぶ板通りカレー食ぶ 今村千年 末黒野 201907
永き日の鉄橋を塗り直しけり 小島良子 201907
永き日の剣玉遊びすぐ飽きて 布施由岐子 末黒野 201908
永き日やいのちあるだけそれでいい 江島照美 発火点 201909
永き日や古木の樹齢推し測り 遠山のり子 201909
永き日のナースと交はす二三言 本田武 やぶれ傘 202006
永き日の猫も躯け寄る宅急便 岡井マスミ 末黒野 202006
永き日の老人パスの物見かな 今村千年 末黒野 202007
永き日のポストに届くマスクかな 近藤真啓 京鹿子 202008
永き日の修行のごとき籠りかな 池乗恵美子 末黒野 202008
新型コロナで自粛生活永き日を 大山夏子 202009
永き日や雄猫庭を巡回す 青木朋子 202010
永き日を石を動かし昏にけり 佐藤喜孝 あを 202102
永き日や島の岬を飛ぶ孔雀 沼田巴字 京鹿子 202104
永き日のぴんと張りたる舫ひ綱 根橋宏次 やぶれ傘 202105
永き日のたづねては海めざしけり 西岡啓子 春燈 202105
永き日の名残のひかり名の木の秀 森清堯 末黒野 202107
永き日や気儘に降るるバスの旅 喜田君江 末黒野 202107
永き日の川はゑくぼの渦を巻き 牛島晃江 202107
永き日の笑ひ閻魔と怒る閻魔 内藤静 風土 202107
永き日の太鼓に合はせ湯もみ歌 佐藤稲子 やぶれ傘 202108
永き日の退屈な貨車長く長く 本郷公子 京鹿子 202108
永き日の雀の声のまだ庭に 今橋眞理子 ホトトギス 202109
永き日や入り日まで畑を打つ人 長崎桂子 あを 202206
永き日の波音はいつしづまれる 立竹人 春燈 202207
永き日やむかし会社にタイピスト 塙誠一郎 家系図 202211
永き日や這ふ子を阻む段ボール えとう樹里 202302
永き日の句座思ひ出を語りつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
永き日 →1

 

2023年3月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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