零余子 2    124句

音のして夜風のこぼす零余子かな   飯田蛇笏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
平らなる夜の空よりむかご落つ 城孝子 火星 200602  
零余子採る指に手練のありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610  
仏壇の学位記へ湯気零余子飯 品川鈴子 ぐろっけ 200610  
炊きくれし阿蘇のぬかごの甘煮かな 大橋敦子 雨月 200611  
曾祖父母祖父母父母零余子飯 篠田純子 あを 200611  
故郷の素朴なる味むかご飯 渡邊由江 200612  
零余子引く大方土に還しつつ 岡本崇 200612  
週に一度帰り来る子にぬかご飯 城戸愛子 酸漿 200612  
躊躇ためらいもなしに二杯目むかご飯 楯野正雄 200701  
ありし日の父の笑顔やむかご飯 尾崎貞 春燈 200701  
まなじりに又ひとり増ゆ零余子採り 出来由子 200701  
むかご蔓力まかせに引く女 内海良太 万象 200701  
畑じまひして山盛の零余子飯 宮口文泰 万象 200701  
十三夜少しの零余子飯にして 内山芳子 雨月 200701  
直会や長を覚悟のむかご飯 禰寝瓶史 京鹿子 200701  
枯れきつて夕日を留め零余子蔓 伊東恵美子 馬醉木 200702  
拍手を打てばこぼるる零余子かな 関口幹雄 遠嶺 200702  
庭になるむかごで足りる夕仕度 足利ロ子 ぐろっけ 200703  
懐石の〆は伊万里のむかご飯 山元志津香 八千草 200704  
まつ先に風つかみたり零余子蔓 田中久仁子 万象 200708  
零余子粒水車しぶきを煌めかす 品川鈴子 ぐろっけ 200708  
零余子選る指が躍つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710  
零余子てふ蔓の先なる天地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710  
零余子蔓垂れて急湍魚躍る 中島玉五郎 200711  
町内の生垣にて摘みむかご飯 手嶋小夜子 200711  
ほくほくとまた良からむやむかご飯 大橋敦子 雨月 200711  
ぬかご採るみちびく蔓は小豆色 森理和 あを 200711  
むかご飯父誕生の日なりけり 水原春郎 馬醉木 200712  
音立てて零余子こぼるる畑かな 池田いつ子 酸漿 200712  
立話垣根にむかごみつけたり 三入久子 酸漿 200712  
健脚の幸をつくづく零余子 飯田中敬 200801  
棲み古りていまだ余所者むかご飯 白井友梨 馬醉木 200801  
喪ごころの月日に零るむかごかな 夏秋明子 船団 200803  
ぬかごまで来たる夫婦の二十年 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804  
漱石の散歩どこまでぬかごまで 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804  
ひとにぎりほど焚き増えしむかご飯 竹内弘子 あを 200810  
むかご引く遠き日手繰り寄するごと 千手和子 馬醉木 200811  
小粒でも零余子を見れば蔓を引く 川原典子 酸漿 200811  
日溜りにひとり遊びの零余子はね 池元道雄 馬醉木 200812  
手のひらのむかご飯には足りぬ嵩 笠井敦子 200812  
この国の浮かれてゐるやむかご飯 久津見風牛 200812  
身の内に思ひふくらむむかご飯 芝尚子 あを 200812  
ひと握りむかご貰ひて零余子飯 醍醐季世女 200901  
おほかたはよき道なりし零余子飯 冨松寛子 200901  
零余子飯炊くにはあまりにも少な 伊藤トキノ 200901  
零余子採る空き缶に音走らせて 前川明子 200901  
吟行のあとの夕卓むかご飯 鹿島釣人 炎環 200901  
むかごむかご日はまた今日も東に 関根誠子 炎環 200901  
石垣を這ふて零余子のよく育ち 渡邊米子 ぐろっけ 200901  
夜の川の水脈のひかりや零余子飯 大崎紀夫 やぶれ傘 200901  
ふる里を語り合ひつつ零余子採る 小山徳夫 遠嶺 200902  
零余子飯供へ濫掘詫び申す 佐藤山人 200902  
てのひらに零余子の形みな違ふ 清水幸治 200902  
近寄れば零余子こぼるる冬の畑 富田志げ子 酸漿 200902  
零余子飯母の命日なれば欲る 野沢しの武 風土 200906  
征くこころ嫁ぐこころやむかご汁 八田木枯 晩紅 200908  
ふんはりと大盛りにしてぬかご飯 新関一杜 京鹿子 200909  
縁切寺拝して零余子飯ぬくき コ田千鶴子 馬醉木 200912  
零余子飯太き母の手なつかしき 松田洋子 200912  
独り居のむかご拾ひしひと日かな 岸崎華堂 炎環 200912  
零余子落つ不揃ひの影こぼしつつ 卜部黎子 春燈 200912  
零余子摘むほろほろこぼる日の匂ひ 佐治奈津 雨月 200912  
零余子飯夫は在所を聞きたがり 小幡喜世子 ろんど 200912  
零余子落つ火入れ真近き登り窯 田中佐知子 風土 200912  
零余子蔓肥後もつこすを母に持ち 浅田光代 風土 200912  
拾ひ来し零余子にたよる夜の膳 中村ツヤ子 酸漿 200912  
頬張りて嫁に来る娘とむかご飯 和田森早苗 201001  
鈴生りの零余子の宿す夕明かり 小野口正江 末黒野 201001  
束の間の夕日捉へて零余子落つ 小野口正江 末黒野 201001  
里山の空の明るさ零余子摘 橋本良子 遠嶺 201001  
山の端に星またたきぬ零余子飯 徳井節子 馬醉木 201001  
父母のこと知りゐる人と零余子飯 間宮あや子 馬醉木 201001  
山形の零余子つややか買ひにけり 斉藤裕子 あを 201001  
零余子飯高島茂のおほきな手 吉弘恭子 あを 201001  
料亭の風流めける零余子飯 田中藤穂 あを 201001  
死にどきは食べるまへあとむかごめし 佐藤喜孝 あを 201001  
粒毎に面構へあり零余子飯 米田正弘 201001  
零余子飯叱咤激励受けに行く 島内美佳 ぐろっけ 201001  
立冬の夕日捉へてむかご落つ 小野口正江 末黒野 201002  
今さらに知ること多しむかご飯 藤田素子 火星 201002  
玉入れに奥の手のあり零余子飯 近藤倫子 ぐろっけ 201002  
ねつとりが子には不評のむかご飯 吉田和子 ぐろっけ 201002  
ひとつづつつまんでとりしむかごかな 滝沢伊代次 万象 201011  
地に落ちて薯の貌するむかごかな 十川たかし 201012  
むかご飯能登の粗塩ひとつまみ 山田六甲 六花 201012  
独居の老に届きし零余子飯 久保田嘉郎 酸漿 201012  
一握のむかご手にしてしたり顔 福本スミ子 201101  
零余子飯一人の夜を永く生き 福田漣 201101  
零余子蔓豆電球をひくやうに 辻直美 201101  
まどろみし夫が置き去る零余子かな 阿部文子 酸漿 201101  
零余子採り翁詣でしお薬師へ 尾崎みつ子 雨月 201102  
留守たのむ夫へ昼餉の零余子飯 山崎稔子 末黒野 201102  
と見かう見のひまに零余子の終の福 土居通子 ろんど 201103  
取りこぼす零余子の粒の歪なる 山田六甲 六花 201110  
ほろほろと零余子こぼるる雑木山 田下宮子 201111  
ああ言へば斯ういふ友や零余子飯 コ田千鶴子 馬醉木 201111  
城下町を見晴らす荘に零余子垂れ 川崎利子 201112  
幸せもひとつ器にむかご飯 安武晨子 201112  
むかご摘むたうべて詩嚢こやさむと 定梶じょう あを 201112  
まず噛みて零余子一粒むかご飯 松本周二 かさね 201201  
むかご飯猪が出さうな夜なりけり 岩木茂 風土 201201  
顔文字のごとく並びて零余子なり 三輪慶子 ぐろっけ 201201  
むかご掌に語る句友の声やさし 岡野ひろ子 201202  
いにしへの人の香りか零余子飯 山本エリカ ろんど 201202  
零余子飯炊けたところに出会せり 三橋早苗 ぐろっけ 201203  
世辞言へぬ似た者夫婦むかご飯 和田郁子 粥の味 201209  
卓袱台は今死語となり零余子飯 橋本靖子 201211  
もの忘れ気づかぬふりや零余子飯 野畑さゆり 201211  
ふるさとや墓参のあとの零余子飯 石脇みはる 201211  
むかごぽろぽろ大空に昼の月 中島陽華 201211  
すぐこぼる零余子の蔓を風が訪ふ 上田玲子 201212  
高階に零余子こぼるる暮しなる 西畑敦子 火星 201212  
夕風のぱらぱらこぼす零余子かな 日下部亞こ ろんど 201212  
具沢山汁にむかごの実を加へ 伊庭玲子 201301  
一握の零余子門辺に届きをり 山本町子 風土 201301  
ほろほろとむかごこぼるるむかごかな 杉浦典子 火星 201301  
零余子摘み一番大き粒こぼす 細川知子 ぐろっけ 201301  
住み古ればここも故郷むかご飯 河合とき 末黒野 201301  
むかご飯大きな零余子当りけり 佐藤喜孝 あを 201301  
クラス会馳走の締めのむかご飯 十時和子 201302  
零余子黄葉旗立山の日を返す 田中貞雄 ろんど 201302 鎌倉扇ヶ谷吟行
不揃ひの粒を楽しみ零余子飯 尾崎みつ子 雨月 201302  
零余子蔓かかる窓辺や赤ワイン 貫井照子 やぶれ傘 201302  
蔓零余子こぼして役の小角かな 田岡千章 201303 零余子 →1

2013年9月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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