麦 茶   102句

讀みさしのチャップリン自傳麥茶のむ   高島茂   鯨座

麦茶  麦湯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
麦茶飲む父ひっそりと休肝日 里村奈美 ぐろっけ 199901
待たされてをりて又注ぐ麦茶かな 稲畑汀子 ホトトギス 199907
先づ旅の心放ちて麦茶飲む 稲畑汀子 ホトトギス 199907
会場にセルフサービスてふ麦茶 稲畑汀子 ホトトギス 199907
麦茶出しカルピスを出し死者の前 山田六甲 六花 200007
雲水の合掌高く麦茶飲む 武田禅次 春耕 200009
配られし麦茶の癒す旅疲れ 稲畑汀子 ホトトギス 200107
座りたる人より麦茶配らるる 稲畑汀子 ホトトギス 200107
応援にゆく水筒の麦茶かな 山本潤子 いろり 200107
喉走る麦茶田舎の午後三時 能城檀 船団 200109
窯攻めの麦茶ごくりと火入れせる 堀田清江 雨月 200208
本題にしばし入れず麦茶つぐ 柴田節子 帆船 200209
病名をさらりと言ひし麦茶かな 柴田節子 帆船 200209
行く末を語り尽して麦茶かな 柴田節子 帆船 200209
高齢者集ふ館の冷麦茶 芝宮須磨子 あを 200209
麦茶苦しぼつちやん団子となりにけり 浜麻衣子 六花 200211
麦茶炊き朝のはじまる大家族 塩路隆子 花衣 200307
麦茶持ち仕上がり眺む植木職 赤座典子 あを 200308
ガリバーめく園児の椅子に麦茶飲む 萩谷幸子 雨月 200309
客のため麦茶のための大薬缶 山田弘子 円虹 200310
天気予報あたらぬ麦茶濃く淹るる 高田令子 200311
語り部のさし出す麦茶香ばしき 福島ゆき子 ぐろっけ 200312
商都一望手を腰に当て麦茶飲む 中野薫 京鹿子 200409
坊ちやんの間で飲む麦茶旨かりき 藤原浩 栴檀 200409
笑み浮かべ麦茶どうぞと茶髪の娘 増田智子 帆船 200409
麦茶煮て心安まる香と思ふ 滝川あい子 雨月 200410
詐欺電話一件落着麦茶飲む 斉藤裕子 あを 200507
道普請ヤカンの麦茶廻しのむ 大西八洲雄 万象 200508
沖へ眼を戻す麦茶をごくと飲み 今井妙子 雨月 200509
川風を聞き一杯の麦茶かな 稲畑汀子 ホトトギス 200606
機嫌よく麦茶飲む子や乳母車 青木陽子 酸漿 200608
麦茶注ぐおつと危うき紙コップ 野中啓子 200609
麦茶適ふかな独り居となりし身に 大橋晄 雨月 200609
薬缶ごと置かれし麦茶草野球 石田玲子 200610
うまご来よひこも麦茶の冷えてあり 稲次登美子 雨月 200610
御自由に麦茶はいかが冷茶ケアー 丸山冬鳳 京鹿子 200612
まだ冷えてをらぬ麦茶に客集ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200707
まとまりし話メモして麦茶かな 稲畑汀子 ホトトギス 200707
岬路は雲もろともに飲む麦茶 豊田都峰 京鹿子 200709
麦茶飲む登壇五分前の喉 加藤峰子 200709
巡礼に麦茶ふるまふ結願寺 大西八洲雄 万象 200710
歯切よき候文や冷麦茶 金山千鳥 酸漿 200710
へつついの大釜に沸く麦茶かな 小泉喬 万象 200711
セミナーの講師は巡査麦茶汲む 平野みち代 200711
峠路は雲もろともに飲む麦茶 豊田都峰 草の唄 200805
家庭訪問麦茶の色に飽きてをり 坂本緑 幸せのかたち 200808
薬罐ごと卓に置きたる麦茶かな ことり 六花 200808
麦茶飲む川より低き家に住み 遠藤実 あを 200808
祖父までが土葬の村に麦茶煮る 遠藤実 あを 200809
麦飯に麦茶掻つ込み昭和生れ 中山純子 万象 200810
うたた寝の夢に麦茶のかをりかな 大坪景章 万象 200811
真夜中に目覚めペン執り麦茶のむ 小野寺節子 風土 200909
真夜更けて麦茶を酌めば麦茶の香 飛高隆夫 万象 201009
恙なしと便り書き終へ麦茶飲む 中原敏雄 雨月 201009
喉仏突き上げて呑む麦茶かな 大島みよし 201010
麦茶煮て一人暮らしの予行とす 吉田希望 201010
虚心に聞き話まとまり麦茶のむ 東野鈴子 雨月 201010
女面取りて麦茶を呑んでをり 橋本美代 やぶれ傘 201011
銀行の窓口麦茶ふるまわれ 宮村フトミ ぐろっけ 201012
大薬缶煮出し麦茶を作る日々 濱田ヒチヱ ぐろっけ 201012
麦茶煮てをりお隣りのその隣 井上信子 201107
ともかくも麦茶二升を沸かしさて 出口賀律子 雨月 201110
夏が来た君が麦茶をだしたから 上村美翔 うらら 201202
母が居て麦茶の匂ふ厨かな 小林朱夏 201208
昭和遠し麦茶を沸かす大薬缶 藤見佳楠子 201209
「出ぼけ」てふ峡の労役冷麦茶 松岡和子 201211
回し飲むぬるき麦茶やサッカー部 広渡敬雄 201306
投句して俎板の鯉麦茶飲む 布川直幸 201307
結論の出ている会議麦茶飲む まつのたく ろんど 201309
麦茶煮る薬缶の蓋につまみ無く 天野美登里 やぶれ傘 201310
身の丈の暮し守りて冷麦茶 北川孝子 京鹿子 201311
ともかくも麦茶の冷えてをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201407
麦茶飲み干してより又考ふる 稲畑汀子 ホトトギス 201407
いつもある三角定規麦茶飲む 丑久保勲 やぶれ傘 201408
麦茶飲むのどより雲のわく湖国 豊田都峰 京鹿子 201411
もろともに峠の風と麦茶飲む 豊田都峰 京鹿子 201411
麦茶ひと息よくぞ日本に生まれたる 井上石動 あを 201510
こだはりの初案ともかく麦茶のむ 生方義紹 春燈 201609
もくもくと鮭弁ごくごくと麦茶 たかはしすなお 201709
古薬缶まだ現役の麦茶沸く 岡田正義 雨月 201710
一区切りして蕎麦茶飲む小晦日 赤座典子 あを 201802
先づワイン次に麦茶が減る我が家 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
夫麦茶私麦酒の祝婚日 竹内喜代子 雨月 201809
到着の順に麦茶を配らるる 永田万年青 六花 201809
職人の麦茶の薬缶まはし呑み 永田万年青 六花 201809
麦茶かな嬰のストロー吸ひ始め 升田ヤス子 六花 201809
厨ごと麦茶作りに始まりぬ 平居澪子 六花 201809
駐在の飲まずに帰る麦茶かな 赤松赤彦 六花 201809
まっいいか麦茶ごくごく一気飲み 火箱ひろ 201809
新任の教師飲み干す麦茶かな 藤生不二男 六花 201810
麦茶飲む引越しの荷に囲まれて 住田千代子 六花 201810
浄域に浸り麦茶の黄金色 高木晶子 京鹿子 201811
麦茶出す手に揺れてゐる数珠の房 住田千代子 野に遊ぶ 201811
結局は麦茶選びし販売機 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
丸の内麦茶一杯にて去りぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
冷蔵庫麦茶煎じる影を見る 大日向幸江 あを 202110
朝一番沸かす麦茶や大薬缶 秋山文子 末黒野 202111
遠き日の麦茶絶やさぬ大薬缶 小澤えみ子 202112
汗ながる甘味を含み麦茶のむ 長崎桂子 あを 202210
主義主張少し異なりまづ麦茶 秋川泉 あを 202210
うめえぞと飲み干す麦茶海人ら 喜田君江 末黒野 202210
麦茶煮るしづかに齢重ねゐて 高村令子 風土 202210

 

2023年8月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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