3   100句

軒下に「寒餅搗き升」寒も過ぎ   飯島晴子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
とめどなく餅搗きゐたる丸めたる わかやぎすずめ 六甲 200703
餅焼の児ら七厘を校庭に 数長藤代 200704
餅搗くや明けの明星残るころ 樋口みのぶ 200704
柊を挿して二軒の餅屋かな 中島陽華 200705
かにかくにときを過ぎても黴びぬ餅 戸田和子 200705
晒しある餅や大根や塞の神 百瀬七生子 海光 200705
人垣に餅搗く寺の檀家衆 今井忍 ぐろっけ 200705
核家族二つばかりの餅を焼く 正木泰子 ぐろっけ 200705
また餅を焦す匂ひの書屋まで 大和勲 ホトトギス 200706
子どもの日罅割れ臼にて餅を搗く 笠井操 200708
切餅のなほ脇腹に刃入れ焼く 鈴木榮子 春燈 200801
鋭き影に禽発ちにけり餅筵 山尾玉藻 火星 200801
平成もふた昔過ぐ餅を焼く 伊藤白潮 200801
二人ゐて一人の如し餅を焼く 堀内一郎 あを 200801
餅切るへ口出しをして嫌はるる 伊藤白潮 200802
杭あまたお供へ餅のやうな鴨 富沢敏子 200802
若手の杵古老が返し餅を搗く 大橋晄 雨月 200802
濃口の砂糖醤油や餅を焼く 山田六甲 六花 200802
餅食べてサンドイッチ食べ三ヶ日 鈴木榮子 春燈 200803
おのづから餅焼く役と決まりをり 塩田博久 風土 200803
隣家より早や餅搗きの杵の音 須藤トモ子 200803
餅つきの姑きびきびと声とばし 須藤トモ子 200803
餅搗に関はりなくて年守る 石脇みはる 200803
元日の汁粉翁の搗きし餅 松崎鉄之介 200803
餅搗の薪割る音に始まれり 前川明子 200803
搗き餅の廊下にあふれゐしことも 中条さゆり 200803
史実とはボタンで餅を掲くことも 斉藤實 200803
餅搗に声かけ搗きたて供さるる 鎌倉喜久恵 あを 200803
餅つくや木吊り聖鐘ひびきゐて 築城京 馬醉木 200804
簗ありし雪間に遊ぶ餅あはひ 深澤鱶 火星 200804
千本餅つき宝前の五円玉 中島陽華 200804
事務机にはなびら餅の一つづつ 竹中一花 200804
餅搗大会背ナにほっこり日のありて 田所洋子 雨月 200804
爺が手をそへて少女の餅搗 田所洋子 雨月 200804
ひとつ家に孫と子と住み年の餅 水谷靖 雨月 200804
湯の宿に掲きし小餅は児がひねり 水野弘 ぐろっけ 200804
何はともあれ定形の餅を焼く 小林正史 200804
発心の形に餅のつきあがる 加藤峰子 200804
臼の中搗き上げし餅白玉(はくぎょく)めく 滝村みさ子 200804
角のある餅の角より食べ始む きくちきみえ やぶれ傘 200804
餅焼きて太公望の昼休 藤井彰二 馬醉木 200805
鉈をもて割る八貫の鎧餅 中石紀美代 万象 200805
掲き餅の廊下にあふれゐしことも 中条さゆり 200805
片意地を無くせし餅より膨れ初む 松田都青 京鹿子 200805
餅爆ぜて七福神の出で来たる 近藤公子 200808
次の間にはみ出してゐる餅筵 鷹羽狩行 200901
平つたく生きむ平たく餅焼きて 小澤克己 遠嶺 200901
炉に肘を突いて餅焼く夕べかな 山田六甲 六花 200901
佳き睡り餅の白さを枕辺に 岡本眸 200901
伸し餅の黄金分割してゐたり 辻直美 200902
餅搗きの音なつかしき垣のうち 鎌倉喜久恵 あを 200902
万葉のテレビ講座や餅を焼き 藤見佳楠子 200903
目の高さおんなじにして餅を食ぶ 堀本悠 遠嶺 200903
連れ立つてスズメ来てをり餅の音 近恵 炎環 200903
餅搗きや一人十打ちの列に従く 佐々木暢 炎環 200903
祝ごとのあれば村挙げ餅を搗 水谷靖 雨月 200903
三代の餅のし棒の黒光り 佐藤山人 200903
この縁のここ母がりの餅筵 深澤鱶 火星 200903
身の内の昭和力が餅を搗く 松本圭司 200903
ふるさとの丸餅届く小晦日 井口初江 酸漿 200903
遠き日の賑はひをのせ餅届く 井口初江 酸漿 200903
供餅幼器用に丸めたり 伊藤公子 酸漿 200903
餅飾る役目を父は譲らざり 高倉和子 200903
白紙に山の匂ひや餅開く 雨村敏子 200904
幼子が母の手を借り餅を搗く 長谷川としゑ ぐろっけ 200904
餅を搗く音のしたしき天満宮 塩見治郎 雨月 200904
罅黴の無き餅といふひ弱さや 能村研三 200904
餅搗くやむかしむかしの力瘤 岡澤田鶴 200904
木の臼の当りやはらか餅を搗く KOKIA 六花 200904
音立てて噛む畑のもの餅あはひ 杉浦典子 火星 200904
餅搗の音和やかに老仲間 島崎久美子 酸漿 200904
故郷は遠くにありて餅を焼く 岡垣佳子 遠嶺 200905
逆も又真なり餅を裏返す 木村公子 花貝母 200911
餅焼いて旅の余白を埋めけり 稲畑汀子 ホトトギス 200912
餅搗の音大土間にひゞくかな 滝沢伊代次 万象 200912
小さくとも書斎に飾り餅据ゑぬ 伊藤敬子 201002
餅搗を器械に任せ龍馬読む 笠井清佑 201003
日本の裏や表や餅を焼く 上谷昌憲 201003
餅搗くや海の朝日に杵をあげ 遠藤真砂明 201003
威勢よき声を城址に餅を搗く 足立典子 雨月 201003
校庭の餅搗き湖の光もて 山崎靖子 201003
喪中なる今年切り餅買ひしのみ 大西八洲雄 万象 201003
餡餅の試作続けて三個食ぶ 佐方敏明 ぐろっけ 201003
餅つきに杵臼不用器械音 出所昌代 201003
寮生の故郷のみやげ餡の餅 宮崎左智子 201004
餅搗いて百歳までを鍛へけむ 小澤克己 遠嶺 201004
境内の餅搗きしばし見て来たり 橋本良子 遠嶺 201004
餅搗きの音も佳境となりにけり 曷川克 遠嶺 201004
子は疾うに父の背を越え餅を搗く 苑実耶 201004
迎へ待つ子の顔餅粉つけしまま 矢野百合子 201004
普天間より鬼餅来たる吊るさうぞ 大坪景章 万象 201004
中今なかいまに在りて餅食ふ夫婦かな 千田百里 201004
いつとなくパソコン脇の飾餅 田中貞雄 ろんど 201004
捻り餅作って呉れし杜氏来る 塩出眞一 ぐろっけ 201004
餅搗の順に打ち込む杵三つ 島内美佳 ぐろっけ 201004
豆餅の豆をこぼして焼きあがる きくちきみえ やぶれ傘 201005
掻餅食ぶ五徳・十能弄び 田中貞雄 ろんど 201005
憂さ少し餅にからめて食つちまへ 大沼遊魚 倭彩 201009
餅臼を洗ふを終えし藁に湯気 山田六甲 六花 201012
伸し餅を撫でては膚をととのふる 山田六甲 六花 201012
餅→ 4      

 

2021年1月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。