2   100句

暮れ暮れて餅を木魂のわびねかな   芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
餅膨れ膨れ大息吐きにけり 飯島きみい 対岸 200403
餅搗きの始めは土間を掃き清む 及川茂登子 対岸 200403
風見鶏餅ふつくらと焼けてをり 渡辺美代 対岸 200403
餅の黴もはらに削ることもかな 伊藤白潮 200403
搗き上げし餅を臼より抱き上ぐる 河村岳葉 築港 200403
気短に餅裏返しうらがえし 中田寿子 ぐろっけ 200403
逃げまどふ餅をなだめて相取女 藤井圀彦 200404
餅搗きや臼にも打ちて力水 藤井圀彦 200404
伸し餅のいやがる湯気を丸め込み 藤井圀彦 200404
空耳か餅搗唄のそれっきり 安達実生子 200404
餅搗器遠心力の蹈鞴踏む 宮川秀穂 200404
切餅の耳いまはなし夫もなし 藤原照子 200404
餅掲きの捏ね手姉さん被りかな 小松誠一 200404
善哉にお餅をひとつ沈めをり 市川伊團次 六花 200404
余り餅焼いて正月明けとせむ 中谷喜美子 六花 200404
赤犬が迎へに出たる餅配 戸田和子 200404
台湾の餅をいただきふるさとを 名取富子 帆船 200404
狸顔狐顔して餅を焼く 秋千晴 200405
餅のびるどこで打たうか句読点 伊藤希眸 京鹿子 200406
祭壇の厄除餅に罅はしる 櫻井多恵 200407
命がけかついで来た餅火にふくれ 栢森定男 風よ 200407
荒縄にお神酒と餅と山開き 森山よね子 帆船 200408
家々はうつむきがちに夜の餅 八田木枯 夜さり 200409
餅を焼く愛に大小あるごとし 木村みかん 200410
商家より餅蒸す匂ひ高めけり 長村雄作 栴檀 200501
艪の軋み餅搗く音を奪ひ去る 長村雄作 栴檀 200501
炭で焼く餅打ち返し打ち返し 木村茂登子 あを 200502
唇を浮かして食いし餡ころ餅 斉藤裕子 あを 200502
餅搗く子竹笛吹く子収穫祭 松原三枝子 万象 200502
餅を搗くカルヴアン派なる新教徒 須佐薫子 帆船 200502
餅をつく分校課外授業かな 佐伯盈 帆船 200502
曲がりなりにも板の餅切り分くる 伊藤白潮 200502
もう少し生きるつもりの餅を焼く 伊藤白潮 200502
方円の餅を沈めて甕の底 鷹羽狩行 200502
餅啜る口中に生る白き闇 うまきいつこ 200503
土間に藁敷きて餅臼据ゑにけり 木暮剛平 万象 200503
傘寿てふ自祝の餅を少し搗く 大西八洲雄 万象 200503
杵高く宮司も餅を搗かれたり 榎本文代 万象 200503
亥の子餅賜び炉火恋ほし嬰恋ほし 池田倶子 雨月 200503
住み馴れて縁に置きゆく配り餅 紺野とも子 200503
熨斗餅の延ばし不足の厚さかな 菅沢陽子 春燈 200503
母の手の覚え確かに年の餅 伊藤早苗 200503
養生やすぐだらしなく黄粉餅 中山純子 万象 200504
初日差しゐる椀の数餅の数 杉浦典子 火星 200504
並び立つ本家と元祖ひねり餅 星加克己 ぐろっけ 200504
師も頑固弟子もがんこや餅膨る 坂井法 200504
仮の世を二人で生きて餅を焼く 生方ふよう 200504
とんど火の海より餅を釣りあぐる 吉円邦幸 遠嶺 200505
凍み餅の海老・海苔・黍で赤青黄 升田ヤス子 200505
右顧左眄しての中立餅を焼く 泉田秋硯 黄色い風 200505
老いの歯によろしき固さ粳う餅 星加克己 ぐろっけ 200505
川渡餅送って孫の便り待つ 笹川イツ子 200505
智慧の餅いづれが本家山笑ふ 山本康夫 200506
年毎に手の皺増えし餅を伸す 中野英歩 八千草 200506
言ひ出した我から餅をつきかける 高橋将夫 星の渦 200507
神輿庫まだ柔らかき祝餅 岡崎桂子 対岸 200511
機上にて月夜月餅賜はれり 桑久保奈美子 酸漿 200512
木曾谷や蕗味噌の香の五平餅 小林優子 酸漿 200512
自衛隊から餅付案内憂国忌 堀内一郎 あを 200512
イベントは新米の餅列長し 瀬尾幸代 200601
餅搗の抜く手も見せぬ谺かな 鷹羽狩行 200601
餅搗くや一番二番星も出て 鷹羽狩行 200601
夜仕事の更けて餅焼くならひかな 鷹羽狩行 200601
風の夜や石より硬き供へ餅 鷹羽狩行 200601
鎌祝ひ炉端に供ふ餅と鎌 山田節子 万象 200601
搗き立ての餅の楕円になりたがる 大森慶子 母衣 200602
餅届く農家手づくり品とあり 伊藤白潮 200602
餅を切り分くる正座を崩すなく 伊藤白潮 200602
目つむれば餡入餅手に母小言 黒沢宮雄 四葩 200602
やはらかきのし餅一枚届きたる 須賀敏子 あを 200602
偕老の餅を飾るに橙載す 土田祈久男 200603
搗上げし餅とりどりが茣蓙の上 加藤正子 酸漿 200603
湯気登るふけ餅米をつまみけり 加藤正子 酸漿 200603
消炭を作り餅搗終りけり 加藤正子 酸漿 200603
餅くるむ海苔にもありて裏表 西郷利子 200603
餅を搗く音退屈な日でありぬ 青山丈 200603
餅を搗く湯気豊かなり川の音 浜崎芙美子 対岸 200603
戦時下の元パイロット餅を焼く 野中啓子 200604
雪に餅のせて少年義士の墓 鈴木まゆ 馬醉木 200604
紅白の餅の膨らみ冬木の芽 植木戴子 200604
餅箱で餅箱蓋す雪もよひ 城孝子 火星 200604
餅を搗く青年団の腰高し 秋千晴 200604
弘法の御下がりの餅いただきぬ 西村しげ子 雨月 200604
餅焼いて火点し頃の膳となす 赤松赤彦 六花 200604
不揃ひな餅捏ねてゐる隣の手 赤松赤彦 六花 200604
三日はや二人となりて餅を焼く 高倉恵美子 200605
餅搗きの助つ人猪の肉提げ来 佐藤山人 200605
受継ぎし家風に砕く供へ餅 佐藤山人 200605

悼望月ひろゆき君

ひろゆきの別れの餅のあたたかし

松崎鉄之介 200605
飢の記憶かすかや餅のふくれきし 本橋墨子 200605
餅を焼く時はいつでも一人かな 青山丈 200605
優形のお地蔵様に母子餅 浮田宏子 四葩 200606
やすらひのあぶり餅屋の街道めく こばやしきょうこ 200606
餅米を洗へば水の響きけり 鷹羽狩行 200701
町内会豚汁添へて餅配 杉谷文江 200702
三人目の男の子授かり餅真白 谷榮子 雨月 200702
小言ばかり言はれて餅を搗いてゐし 大西八洲雄 万象 200703
昼灯す裸電球餅筵 大山文子 火星 200703
餅搗や看取りを抜けて来し人も 相良牧人 200703
取り巻きの弾ける笑顔餅を搗く 永田勇 六甲 200703
餅→ 3      

 

2021年1月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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