桃の花 5   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
膨らみを日毎見定む桃の花 藤田宣子 ぐろっけ 201307
放射能住みつく常陸桃の花 鴨下昭 201307
付き合ひは素顔が宜し桃の花 安田とし子 ぐろっけ 201307
倖せに過ぎ来て脆し桃の花 荒木治代 ぐろっけ 201307
桃の咲く蔭に万葉乙女顕つ 品川鈴子 ぐろっけ 201402
桃の花少女大人の目を持ちて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
お隣りのご不在ながし桃の花 井上信子 201404
箸を取る母の背まろし桃の花 坂根宏子 野山の道 201404
離れ住む姉妹の月日桃の花 松田明子 201405
畔川の水を畑へ桃の花 根橋宏次 やぶれ傘 201405
三輪山の麓でこぼこ桃の花 岩下芳子 201405
乳張つて牛の泪目桃の咲く 神蔵器 風土 201405
日だまりに畳む嬰の衣桃の花 堀田順子 馬醉木 201405
同齢の癒えし足取り桃の花 鈴木良戈 201405
桃の花突如の風に舞ひにけり 井上石動 あを 201405
金泥の屏風ふるびし桃の花 中村紀美子 春燈 201405
献立の墨書一枚桃の花 宮川みね子 風土 201406
厄介な老いにもむかし桃の花 直江裕子 京鹿子 201406
眠たさは桃の花枝活けてより 奥田茶々 風土 201406
百年を明るく生きて桃の花 中井いろは 201406
緋桃咲くうしろ明るき寿齢かな 鈴木藤子 ろんど 201406
桃の花母も覚えの小栗栖灸 伊東和子 201406
桃の花手首がすこしやはらかく 宮川みね子 風土 201406
桃の花若き妊婦の細い腕 たかはしすなお 201406
桃の花甲斐路おぼれんばかりかな 橋添やよひ 風土 201406
桃の花わが背丈越す孫娘 國保八江 やぶれ傘 201406
甲斐はいま投網展げし桃の花 鈴木庸子 風土 201406
これ正に桃源郷や桃の花 松田和子 201406
川舟のどれも急がず桃の花 柴田佐知子 201407
蕾みな夕日の色や桃の花 河合とき 末黒野 201407
瀕死かもしれぬ地球や桃咲いて 楠原幹子 201407
スカイプの会話弾めり桃の花 三川美代子 201407
眠気さし来ぬ一面の桃の花 森清信子 末黒野 201408
家ごとに鳥屋あるむかし桃の花 塩路隆子 璦別冊 201408
桃の花百三歳の祝ひ膳 野畑さゆり 201408
桃が咲けば母の魂いろづくよ 堀内一郎 堀内一郎集 201412
扇状地に桃咲き赤いスト指令 堀内一郎 堀内一郎集 201412
まだ濡れてゐる八ヶ岳の桃の花 樋口英子 201501
甲斐駒に白き残りて桃の花 岡本尚子 風土 201501
自分史の古希に彩ほし桃の花 上家弘子 ろんど 201502
屏風絵に楽市楽座桃の花 広渡敬一雄 201504
桃の花枝剪ることを躊躇うて 竹内悦子 201504
二人目の曽ぢぢとなる桃の花 水原春郎 馬醉木 201505
桃咲いて誕生会のナポリタン 辻美奈子 201505
ひとの世の喜怒を遠くに桃の花 菅谷たけし 201505
桃咲くや年を重ねるほど御洒落 細川洋子 201505
福耳の飛鳥大仏桃の花 大沢美智子 201505
秘すれども児は親思ふ桃の花 中田とも子 201505
向こう三軒老人がゐて桃の花 柴田佐知子 201505
山廬より坂をくだつて桃の花 大崎紀夫 やぶれ傘 201505
飯台のすし飯にほふ桃の花 根橋宏次 やぶれ傘 201505
夢追ひし頃の前栽桃の花 溝内健乃 雨月 201506
もがれたる仏陀のかひな桃の花 辻水音 201506
命名の「はる」の一字や桃の花 森田節子 風土 201506
傷痕の幹あらあらし桃咲けり 飯田ひでを 201506
桃の花母はしづかに老いてゆく 小山繁子 春燈 201506
桃の花泣いて笑つて子の育つ 大日向幸江 あを 201506
楊貴妃とクレオパトラと桃の花 岩月優美子 グピドの瞳 201506
子はいつか離れてゆくよ桃の花 河口仁志 201506
農道の轍が濡れて桃の花 酒本八重 201506
桃咲いて男やさしくなりにけり 本多俊子 201507
桃の花昨日の鬱の消されゆく 岩月優美子 201507
桃咲くや空き家に午後の日の廻る 工藤ミネ子 風土 201507
捨てられて水田にひらく桃の花 吉中愛子 万象 201507
桃咲いて儚きことをはかなくす 直江裕子 京鹿子 201508
信玄の故事の武者行く桃の花 中村三郎 京鹿子 201508
桃咲いて髪美しく老いにけり 篠藤千佳子 201510
桃の花飾りて客を待つ心 稲畑汀子 ホトトギス 201604
山裾の風あまくして桃の花 饗庭悳子 末黒野 201604
よく笑ふ人はよく泣く桃の花 高橋将夫 201605
こつぽりや笑ひころげて桃の花 雨村敏子 201605
真昼間の月が真上に桃の花 藤井美晴 やぶれ傘 201605
桃の花個性豊かに三姉妹 今井妙子 雨月 201605
小太りをほめられてをり桃の花 橋本順子 201606
神棚は見上ぐる高さ桃の花 樋口みのぶ 201606
はらからの絶ゆるふるさと桃の花 伊藤百江 春燈 201606
海を透く林炎の桃の花 田中臥石 末黒野 201606
土手よりも低き家並桃の花 大石よし子 雨月 201606
三姉妹の懐古尽きざり桃の花 大石よし子 雨月 201606
目の合へば笑む孫娘桃咲いて 岡村彩里 雨月 201606
吊鐘の飛天に桃の花明り 太田昌子 馬醉木 201606
木戸門をあける音して桃の花 渡邊孝彦 やぶれ傘 201608
土間広き友の家なり桃の花 青木朋子 201608
姥捨や桃の花咲く目出度さに 中島陽華 201609
喜寿傘寿それがどうした桃の花 南北佳昭 船団 201612

 宮岡計次逝く

握手の手離さざりしよ桃の花

大坪景章 椿垣 201612
応分の寄付を乞はるる桃の花 中川句寿夫 ここのもん 201705
催促はしないつもりの桃の花 中川句寿夫 ここのもん 201705
身ぐるみの体重測定桃の花 中川句寿夫 ここのもん 201705
団子屋の甕に活けられ桃の花 丑久保勲 やぶれ傘 201705
桃の花咲いて青空駐車場 渡邊孝彦 やぶれ傘 201705
大桶に水たつぷりと桃の花 柴田志津子 201705
老人の指体操と桃の花 酒本八重 201705
桃の花泣きだす前の口ゆがみ 栗原公子 201705
ハイタッチ小さき手のひら桃の花 持田信子 春燈 201705
つんつんとしなつくらずに桃の花 石森理和 あを 201705
信玄の国やいづれも桃の花 高木邦雄 末黒野 201706
谷戸道の海一望や桃の花 田中臥石 末黒野 201707
徳利に短く挿して桃の花 奥田茶々 風土 201706
髪を切る鏡と会話桃の花 落合絹代 風土 201706
桃の花→6      

 

2021年4月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。