桃の花 3   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
声にして嬰の名よろし桃の花 百瀬七生子 海光 200705
桃咲くや記憶に遠き人ばかり 安部和子 雨月 200705
桃の花花舗に開いてしまひけり 野路斉子 200705
大勢の気配ある家桃の花 百瀬七生子 海光 200705
雲間より母の顔見ゆ桃の花 宇田喜美栄 200705
誕辰の桃咲く堤たもとほる 池田倶子 雨月 200706
このごろの睡眠浅し桃の花 飯塚ゑ子 火星 200706
桃咲くや心に弱き鬼棲ませ 渡邉友七 あを 200706
茣蓙に子を遊ばせ桃の摘花かな 田村愛子 万象 200706
振付けの声よく通る桃の花 飯塚ゑ子 火星 200706
冠木門構へし庭の桃の花 東福寺碧水 万象 200706
桃咲くや七つの犬の甘え癖 藤田素子 火星 200706
桃の花古墳の裏に村一つ 松崎鉄之介 200706
天山は空を埋めて桃の花 大西淘子 遠嶺 200706
ぷつくりと頬膨らませ桃の花 津田礼乃 遠嶺 200706
フフホトに昨日見ざりし桃咲けり 松崎鉄之介 200707
息をのむ色と思ひし桃の花 加藤君子 火星 200707
桃咲いて観光バスの来たる郷 森茂子 火星 200707
おほかたは土着の村や桃の花 青山悠 200707
生涯に一男一女桃の花 須藤美智子 風土 200707
緋桃咲く下に八十路の身を立たす 村越化石 200707
無骨なる越後誰や桃の花 井島郷雲 万象 200707
豊頬なる窟の仏に桃咲けり 三輪洋子 200707
おほかたは摘み落されし桃の花 森茂子 火星 200707
桃咲きて些事は忘れてしまひけり 須藤美智子 風土 200707
一望の桃咲く村となりにけり 田村玲子 200707
霊峰を空にあづけて桃の花 遠藤和彦 遠嶺 200708
知らぬ鄙歩いてみたし桃の花 宇田喜美栄 200708
桃咲くやカッパドキアの三姉妹 星輝子 遠嶺 200708
暮れなずむ車窓に甲斐の桃の花 真木早苗 八千草 200710
桃の花咲いて遠くも咲いてゐし 嶋田一歩 ホトトギス 200710
踊るごと桃の花抱き妻戻る 松嶋一洋 200804
桃の花活けて雛の心はも 稲畑汀子 ホトトギス 200804
桃の花脚立の上で画いてをり 鈴木多枝子 あを 200805
先づ一枝活けてととのふ桃の花 栗城静子 200805
小さき手の温もりを引き桃の花 小城綾子 200805
久々に恩師に会ふや桃の花 鈴木多枝子 あを 200805
桃の花巨大裸婦像制作中 鈴木多枝子 あを 200805
桂郎の蕎麦のすすり音桃の花 神蔵器 風土 200806
遠雪嶺近くは桃の花盛り 神蔵器 風土 200806
あの濃さは桃の花なり遠目にも 駒井のぶ 200806
桃咲いて火の見櫓の村しづか 上原重一 200806
ふと寄りしジャムエ房や桃の花 青木政江 酸漿 200806
まつすぐに抱かれにくる子桃の花 浅田光代 風土 200806
桃咲くや微かに揺るる天と地と 安田久太朗 遠嶺 200807
空白く烟れる昼を桃の花 藤井美晴 やぶれ傘 200807
銀嶺の裾野を染むる桃の花 鈴木漱玉 馬醉木 200807
寝入る児の夢ごと抱く桃の花 松野睦子 遠嶺 200807
捨て鍋の蓋光りゐる桃の花 新井徳子 万象 200807
花あとのあれよあれよと桃咲けり 加藤君子 火星 200807
桃咲いて人降りて来る石畳 山田ひさし 馬醉木 200807
雲速き教会の丘桃の花 村田文一 遠嶺 200807
全身にひびく胎動桃の花 坂本緑 幸せのかたち 200808
桃の花下照る道や徒遍路 岩崎眉乃 万象 200808
桃の花おしやべりはづむ園児かな 中山静枝 200904
天地の間に満ちて桃の花 片山由美子 200904
忌の母の知らぬ曾孫や桃の花 長谷川翠 馬酔木 200905
子の家の庭飾りをり桃の花 戸谷たみ子 酸漿 200905
女児生るる旧家や桃の花盛り 宮田香 200905
安産の電話ありけり桃の花 四條進 200905
後ろ手の肩幅広し緋桃咲く 長田曄子 火星 200906
潮騒に落人の桃咲きにけり 高橋芳子 火星 200906
藁帽深々被り桃摘花 阿部悦子 酸漿 200906
涙ぐむやうに咲きをり桃の花 酒井秀穂 炎環 200906
味噌倉の跡に家建つ桃の花 鈴木朗月 万象 200906
あたらしき閼伽照つてをる桃の花 雨村敏子 200906
桃の花真偽の程は知らざりし 石脇みはる 200906
桃の花道は雁坂峠へと 大崎紀夫 やぶれ傘 200906
桃の花咲ける広場に雀くる 飯塚ゑ子 火星 200906
桃の花帰巣本能疼くなり 鈴木良戈 200906
チョコボール分け合ふ二人桃の花 岡谷栄子 200906
厩より雀飛び立つ桃の花 竹内水穂 火星 200906
銀行のどの窓口も桃の花 秋千晴 200907
鎌倉や鄙の十二所桃の花 下山田美江 風土 200907
裏富士を見上ぐる小橋桃の花 藤本一城 200907
賜りし桃咲く朝の風の彩 佐藤ナオ子 遠嶺 200907
緋桃咲く史話に聞き入る不破の関 小澤淳子 200907
山のべの閼伽照つてをる桃の花 雨村敏子 200907
遠山はまだしろがねに桃の花 田口紅子 200907
桃の花それと見えけり遠目にも 橋本リエ 春燈 200907
桃さくら咲けり応へのなき家に 大山里 200907
家ごとに鶏屋あるむかし桃の花 塩路隆子 201004
昼夜なき焦燥梅咲き桃咲き過ぎ 木村風師 馬醉木 201005
桃の花に日差しととのひ尼が庭 関根喜美 201005
干物屋のバケツに挿せる桃の花 山尾玉藻 火星 201005
細りたる舟釘を抜く桃の花 荒井千佐代 201005
桃咲いて百の小鳥の歌垣に 中村恭子 201005
桃の花密に開きて力あり 鎌倉喜久恵 あを 201005
桃の花上手な嘘を付かれけり 上山永晃 春燈 201005
ひらがなの絵本よめるよ桃の花 森田節子 風土 201006
桃の花外来診に小半日 磯田せい子 ぐろっけ 201006
熟寝児の拳開きて桃の花 野坂民子 馬醉木 201006
烈風に詩の種こぼす桃の花 柴田朱美 京鹿子 201006
母方の流れを汲めり桃の花 柴田朱美 京鹿子 201006
緋桃咲き海を鎮めの供養塔 渡辺和子 馬醉木 201006
遠出して足重くなる桃の花 柴田朱美 京鹿子 201006
桃摘花の農婦と交す二た三言 川崎利子 201006
桃咲いて大発の水ふくらめる 緒方佳子 火星 201006
桃の花灯せば風がまるくなる 柴田朱美 京鹿子 201006
桃の花女らしさに憧がるる 竹内悦子 201006
桃の花 →4      

 

2021年4月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。