水 鳥 3     129句

水鳥のおもたく見えて浮きにけり   上島鬼貫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水鳥の数てふ沼の機嫌かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
石蕗咲きて水鳥の声もるる池 三谷ゑい 末黒野 201202
水鳥の遊びきつたるお濠かな 亀井紀子 201203
水鳥の曳かれし水脈を消しにゆく 相良牧人 201203
水鳥の走る近江は水の町 田村すゝむ 風土 201203
朝曉や水鳥己が影に浮き 藤岡紫水 京鹿子 201203
お澄ましを決めて水鳥背を向けし 伊吹之博 京鹿子 201203
浮島の隅に水鳥丸くなる 福島松子 ぐろっけ 201203
水鳥の一羽を見つむ少女の目 掛井広通 201204
水鳥に日向とぼしき后陵 川端俊雄 火星 201204
水鳥の海とは違ふ重さかな 直江裕子 京鹿子 201204
水鳥や潜りもぐりて城守る 中田寿子 ぐろっけ 201204
水鳥の群れ遊びけり舟溜 難波篤直 201205
水鳥の一岸の水温めおり 鎌田悟朗 ろんど 201205
水鳥の首細く伸び日が上る 中山純子 万象 201205
水鳥はみずのかたちを眠りおり 木村和也 船団 201212
水鳥の光巻きあげ発ちにけり 藤生不二男 六花 201212
水鳥の群翔ち夜網打つ影に 塩貝朱千 京鹿子 201301
避寒せる水鳥群れるビオトーブ 伊藤和子 201302
水鳥の声真似をれば寄つて来し 杉浦典子 火星 201302
水鳥の声のとほきを眩しめる 蘭定かず子 火星 201302
水鳥の夕影落す浮御堂 大橋伊佐子 末黒野 201302
水鳥の眠る町なり住み古りぬ 井上信子 201302
半周を来て水鳥を観る穴場 坂場章子 201303
風の中水鳥むつみ泳ぎけり 筒井八重子 六花 201303
水鳥に影の生まれる夕日かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201303
水鳥の絶滅危惧種守る水面 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
水鳥に水和らいで来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
わが旅路とも水鳥の越冬地 稲畑汀子 ホトトギス 201311
水鳥の数多こゑ抱き蓮枯るる 柿沼盟子 風土 201401
水鳥の寄り来し堂の日和かな 渡辺数子 火星 201402
水鳥の水尾消す風の出できたる 柴田佐知子 201403
水鳥や世には浮くもの浮かぬもの 佐藤喜仙 かさね 201403
水鳥を四方に遊ばせ浮御堂 横山昭子 雨月 201403
水鳥の河口に夕日集まれり 松岡凌 201404
水鳥の浮き出るまでのしじまかな 大野芳久 やぶれ傘 201404
水鳥の啼き交し飛ぶ初景色 平居澪子 六花 201404
水鳥の波紋彩なす雨の紋 伊藤厚子 ろんど 201405
水鳥を浮べて固し隅田川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
水鳥に沼の表情緩びけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412
水鳥を見る物語つぎつぎに 堀内一郎 堀内一郎集 201412
大淀の岸辺水鳥輪をなして 辰巳あした 雨月 201501
水鳥や水かげらふに浮き沈み 熊岡俊子 雨月 201501
たれ言ふとなく水鳥へ下りゆけり 蘭定かず子 火星 201501
水鳥の喧嘩売るごと飛び立てり 小林朱夏 201503
水鳥の翼地球を羽ばたかす すずき巴里 ろんど 201503
水鳥の群るる水際や陽のたまり 中川すみ子 201503
水鳥の平和をよそに軍用機 田中一美 ろんど 201504
水鳥の水脈に群がり巨船出づ 森清尭 末黒野 201505
水鳥の声を放ちて小競り合ひ 田伏博子 ろんど 201505
水鳥の陣を解き初む朝日かな 河原昭子 万象 201508
水鳥に引きこもり派とエンジョイ派 津田このみ 船団 201508
水鳥の水脈は岸へと届きけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
水鳥の声は険しく木霊する 小林朱夏 201601
水鳥の嘴紅く湖暮るる 鶴岡紀代 春燈 201602
たまきはるいのち水面に水鳥来 小林文良 春燈 201602
ジャズ低く流れ水鳥観察所 浅田光代 風土 201602
水鳥の魔法解かるるまで待つか 菊川俊朗 201603
水面揺れ水鳥それに逆はず 西村操 雨月 201603

 伊藤通明先生逝去

水鳥の闇の大きくなつて来し

柴田佐知子 201603
あふみの海平ら水鳥長寝して 塩貝朱千 京鹿子 201604
水鳥の光となりて旋回す 松井佐枝子 万象 201605
水鳥の羽交重ねのひとところ 永淵暫子 201607
水鳥の沈んで浮いて川忙し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
うっかりと水鳥になりまあいいか 鶴濱節子 船団 201612
水鳥は淋しき沼に又潜る 田村すゝむ 風土 201701
水鳥の胸の押し合ふ夕日かな 近藤牧男 春燈 201702
水鳥の嘴に魚鱗のぴらぴらす 大湾宗弘 万象 201702
水鳥や仲間気にする若い衆 平井奇散人 船団 201702
声もなく水鳥岸を離れたり 安斎久英 末黒野 201703
水鳥は水を離るる時に鳴き 廣瀬雅男 やぶれ傘 201703
水鳥の乱舞してをり漁舟 西村渾 201703
水鳥のとりわけ盗みたき一羽 菊川俊朗 201704
水鳥の一羽離るる流れかな 秋津令 201705
水鳥や運河縦横なるお江戸 河野美 ホトトギス 201705
輪講の輪と水鳥の水の輪と 川島由紀子 船団 201707
水鳥のすべて帰りし名古屋城 佐藤花木 雨月 201708
水鳥の数に大琵琶嵩上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
水鳥の即かず離れず湖中句碑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
水鳥の千羽に水面引き締まる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
水鳥の水昏れ残す川中洲 鷺山珀眉 京鹿子 201801
水蹴りて水鳥一羽離れけり あさなが捷 201801
水鳥を追うてこれより湖西線 井尻妙子 京鹿子 201803
水鳥を上下させゐる冬波涛 田尻勝子 六花 201803
水鳥の日差しにひらく初暦 南うみを 風土 201803
水鳥の一羽一羽を日の囲ふ 浅田光代 風土 201803
水鳥に浮くてふしづけさありにけり 梅村すみを 201803
水鳥の水脈のしづかに消えにけり 善野行 六花 201804
水鳥は波の起伏をたどりをり 能美昌二郎 201804
水鳥の水尾のあかるき湖北かな 藤生不二男 六花 201804
雅なる水鳥二羽や万歩計 山荘慶子 あを 201804
水鳥の遊びしところ花いかだ 秋川泉 あを 201806
水鳥や比叡颪へ並び向き 岡村彩里 雨月 201902
水鳥のふんばりしまま流れをり 石井秀一 風土 201903
水に置くごと水鳥の来てをりぬ 石井秀一 風土 201903
水鳥の羽より寒さ展ごりぬ 小林共代 風土 201903
水鳥の何ごともなくすれちがふ 栗山恵子 雨月 201903
水鳥の声平成を惜しみつつ 片山煕子 京鹿子 201904
水鳥の水引きずつて翔ちにけり 岸洋子 201909
水鳥のさびしき数の昨日今日 木村嘉男 201912
別々に座し水鳥に目を凝らす 増成栗人 202001
浜風や杭の水鳥動かざる 佐俣まさを 京鹿子 202002
途中まで水鳥数ふ句碑のまへ 谷口摩耶 202002
点描の水鳥岸に鷭一羽 飯塚トシ子 202002
水鳥の影紫に余呉の湖 木村傘休 京鹿子 202002
水鳥の群れたるままに遠ざかる 橋本順子 202002
水鳥に聞き惚れる声なかりけり 亀田虎童子 202003
水鳥の万を養ひ湖暮るる 竹中一花 202003
水鳥の遠鳴く湖の広さかな 藤生不二男 六花 202004
水鳥のこゑの集まる浮見堂 中村洋子 風土 202004
着水をして水鳥となりにけり 石黒興平 末黒野 202004
われは言の葉水鳥は水尾のこす 岩岡中正 ホトトギス 202006
水鳥の吹かれて丸くなりにけり 高倉和子 202007
水鳥の羽根より軽く別れけり あさなが捷 202007
水鳥の総立ちとなる空の青 吉田葎 202007
水鳥に攻め落されし城の濠 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
水鳥に大琵琶の景狭められ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
昼の陽のなかで水鳥鳴きにけり 枝みや子 やぶれ傘 202101
水鳥に曳かれゆく水ありにけり 柴田佐知子 202102
大円に水鳥あまた余呉の湖 西村洋平 春燈 202103
水鳥にあをあをと冬来てゐたり 荒川新星 202103
水鳥の日暮るるほどに鳴きにけり 藤生不二男 六花 202104
水鳥に囲まれてゐて鷺孤高 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
水鳥の群れて輪となる御堂晴れ 松本鷹相 京鹿子 202201
水鳥の澪のくづして逆さ富士 森清堯 末黒野 202203
水鳥や湖面綾なす朝日影 森清信子 末黒野 202203
水鳥の動けば同心円の波 栗原京子 202208
水鳥の日向の色となりにけり 高倉和子 202210
水鳥の水に魂預けゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
水鳥→ 1

 

2023年1月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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