水澄む 5      200句

静さに堪えて水澄たにしかな   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
沼の名のいろの水澄む五色沼 黒坂紫陽子 馬醉木 201210
姉川や野望渦巻く水澄めり 前田恵美子 青鷹 201210

 悼・岡本高明氏

澄む水のほかに泳ぎをせざるまま

山田六甲 六花 201210
散骨の出雲の水も澄みにけり 山田六甲 六花 201210
櫛塚の薄暗がりや水澄めり 古川夏子 201210
渦巻いてうづまいて水澄みにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
水澄めり隠し鏡のやうな池 大島翠木 201211
水澄みて風が妬心の皺寄する 千田敬 201211
青空を沈めて水の澄みにけり 栗原公子 201211
湖澄みて空は水いろ一途なり 塩貝朱千 京鹿子 201211
臥舟の朽ちて近江の水澄めり 西村節子 火星 201211
「宗祇水」の澄めるを掬す旅の朝 酒井秀郎 返り花 201211
明石海峡跨ぐ大橋水澄めり 斉藤裕子 あを 201211
水澄むや白馬村角大黒天 須賀敏子 あを 201211
水澄みて知足のおもひひろごりぬ 犬塚李里子 201211
萩咲くや禊の水の澄むなへに 大竹淑子 風土 201212
水澄みて一重瞼の子がひとり 浅田光代 風土 201212
宗祇水澄みて郡上に灯の点り 小林共代 風土 201212
水底に光るもの有り野川澄む 三枝邦光 ぐろっけ 201212
水澄めり昔諍ひありし村 三輪慶子 ぐろっけ 201212
水澄みて烏の呼応響き含ふ 安田とし子 ぐろっけ 201212
目に見えぬものに畏怖あり水澄めり 酒本八重 201212
誰もみな遺されし人水澄めり 栗原公子 201212
澄む水に浸しそのまま指櫛に 成田美代 201212
澄みし瀬に水草揺れて児の走る 羽賀恭子 201212
水澄むや野末を伝へる風もきて 豊田都峰 京鹿子 201212
澄む水に逃げもかくれもせぬ一樹 藤岡紫水 京鹿子 201212
石包丁よりの生活や水澄めり 荒尾茂子 京鹿子 201212
地の形に怺へ怺へて水澄めり 直江裕子 京鹿子 201212
水澄むや古代の貌の井守ゐて 戸田春月 火星 201212
澄む水に込みあふ鯉のぶつからず 佐津のぼる 六花 201212
水澄めり魚の渦巻き進み行く 永田万年青 六花 201212
澄む水に火の色流す百の稚魚 矢野百合子 201212
洞窟の内は迷路や水澄める 伊藤純子 201301
街道の気品と古格水澄めり 小西和子 201301
水澄むや小江戸巡りの乗車券 浅木ノヱ 春燈 201301
隠し事できぬ木賊の水澄めり 近藤喜子 201301
群青の沼群青に水澄めり 森岡正作 201301
澄み切つてダムの形にダムの水 林昭太郎 201301
人情に国境はなし水澄める 丸田信宏 京鹿子 201301
水澄むやバックパッカー荷を下ろし 藤田素子 火星 201301
清滝の風澄み水の澄みにけり 小原登志春 雨月 201301
大空を映し水澄む山上湖 宮原悦子 雨月 201301
水澄んで魚も睡つてゐるやうな 岩岡中正 ホトトギス 201302
道化師の目の十字架や水澄めり 雨村敏子 201302
澄む水に手を浸したる初心かな 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
水澄んで名前呼ばれたような気が 陽山道子 船団 201304
澄む水の統べゆく芦屋川の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
玉苗の根付きて田水澄みわたり 古川京子 万象 201609
聖堂の見下す川の水澄める 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
澄む水を引き絞り句碑甦る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
山国のちやぼは紅白水澄んで 山田六甲 六花 201610
街騒を溶かして水の澄みゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
水澄むや亡き夫にくる誕生日 栗原公子 201611
神坐す船形石や水澄めり 竹中一花 201611
米を磨ぐ水の澄みけり秋祭り 杉本薬王子 風土 201611
流木を洗うて音の澄める水 山田六甲 六花 201611
水澄むや青き地球の安らかに 宮沢治子 春燈 201611
秋澄むや身うち透きゆく水の音 都丸美陽子 春燈 201611
空澄むや黒部の水のきらきらと 黒滝志麻子 末黒野 201611
水澄むや浅瀬に浮かぶ石の紋 塩野谷慎吾 201612
澄む水にうつす顔省二の忌 竹内悦子 201612
空澄みて水より昏れる河童橋 阪倉孝子 201612
洗ひ場の今も水澄む海野宿 白澤よし子 馬醉木 201612
水澄むや大人命となりたまふ 野中亮介 馬醉木 201612
水澄むや齢を重ぬ山毛欅林 林いづみ 風土 201612
澄む水に澄む水を足す比良山麓 潮貝朱千 京鹿子 201612
水澄むや橅の倒木苔むして 森清信子 末黒野 201612
丹波竜絶滅以後を水澄めり 火箱ひろ 201612
水澄むや平穏無事といふ不安 栗原公子 銀の笛 201612
誰もみな遺されしもの水澄めり 栗原公子 銀の笛 201612
水澄むや水にもありぬ肌触り 湯川雅 ホトトギス 201701
澄む水の音無き音や隅田川 橋本くに彦 ホトトギス 201701
水澄むや千年灯る火を守り 有松洋子 201701
昼暗き渓や秋澄む水のこゑ 森藤千鶴 馬醉木 201701
亀棲むとふ弁天池や水澄める 茂木なつ 春燈 201701
水澄んで私のなりたい木が見える 直江裕子 京鹿子 201701
水澄むや水車は水を落としては 升田ヤス子 六花 201701
水澄めり己の奥におのれをり 甕秀麿 201701
水澄みてすばやき魚の動きかな 竹重富子 万象 201701
石積むは祈りの形水澄めり 今井春生 201701
水澄むや大河三本甲斐の国 野畑さゆり 201701
観世音守る水郷の水澄めり 下平しづ子 雨月 201702
壇ノ浦悲劇ありたる水の澄む 和田華凛 ホトトギス 201702
澄む水を心に引きて歩むべし 高橋道子 201702
別格本山貫く水の澄みて迅し 角野良生 201703
橋渡るたび澄む水を見てをりぬ 苑実耶 201704
水澄むや疎水遡上の魚の影 高木邦雄 末黒野 201704
水澄みて洗って乾くものばかり 中居由美 船団 201707
澄む水の統べゆく芦屋川の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
玉苗の根付きて田水澄みわたり 古川京子 万象 201609
聖堂の見下す川の水澄める 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
澄む水を引き絞り句碑甦る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
山国のちやぼは紅白水澄んで 山田六甲 六花 201610
街騒を溶かして水の澄みゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
水澄むや亡き夫にくる誕生日 栗原公子 201611
神坐す船形石や水澄めり 竹中一花 201611
米を磨ぐ水の澄みけり秋祭り 杉本薬王子 風土 201611
流木を洗うて音の澄める水 山田六甲 六花 201611
水澄むや青き地球の安らかに 宮沢治子 春燈 201611
秋澄むや身うち透きゆく水の音 都丸美陽子 春燈 201611
空澄むや黒部の水のきらきらと 黒滝志麻子 末黒野 201611
水澄むや浅瀬に浮かぶ石の紋 塩野谷慎吾 201612
澄む水にうつす顔省二の忌 竹内悦子 201612
空澄みて水より昏れる河童橋 阪倉孝子 201612
洗ひ場の今も水澄む海野宿 白澤よし子 馬醉木 201612
水澄むや大人命となりたまふ 野中亮介 馬醉木 201612
水澄むや齢を重ぬ山毛欅林 林いづみ 風土 201612
澄む水に澄む水を足す比良山麓 潮貝朱千 京鹿子 201612
水澄むや平穏無事といふ不安 栗原公子 銀の笛 201612
誰もみな遺されしもの水澄めり 栗原公子 銀の笛 201612
水澄むや水にもありぬ肌触り 湯川雅 ホトトギス 201701
澄む水の音無き音や隅田川 橋本くに彦 ホトトギス 201701
昼暗き渓や秋澄む水のこゑ 森藤千鶴 馬醉木 201701
亀棲むとふ弁天池や水澄める 茂木なつ 春燈 201701
水澄んで私のなりたい木が見える 直江裕子 京鹿子 201701
水澄むや水車は水を落としては 升田ヤス子 六花 201701
水澄めり己の奥におのれをり 甕秀麿 201701
水澄みてすばやき魚の動きかな 竹重富子 万象 201701
石積むは祈りの形水澄めり 今井春生 201701
水澄むや大河三本甲斐の国 野畑さゆり 201701
観世音守る水郷の水澄めり 下平しづ子 雨月 201702
壇ノ浦悲劇ありたる水の澄む 和田華凛 ホトトギス 201702
澄む水を心に引きて歩むべし 高橋道子 201702
別格本山貫く水の澄みて迅し 角野良生 201703
橋渡るたび澄む水を見てをりぬ 苑実耶 201704
水澄むや疎水遡上の魚の影 高木邦雄 末黒野 201704
水澄みて洗って乾くものばかり 中居由美 船団 201707
水澄みて水尾を歪めてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
水澄むや細波に山暮れ残る 前田美恵子 201711
森かげを映して鯉の水澄めり 鎌田光恵 201711
森深き泉の水の澄みにすむ 堀田こう 雨月 201711
隅っこのboyの坐禅水が澄む たかはしすなお 201712
びくの水澄みこねまはす糠だんご 辻水音 201712
水澄むや大人になつたらハイヒール はしもと風里 201712
潺々と大正池や水澄める 松本三千夫 末黒野 201712
ウェストン碑へ飛び石三つ水澄める 松本三千夫 末黒野 201712
ありがたうすんなり言へて水澄めり 山崎靖子 201712
水澄むや底になにやら尖るもの 荒井和昭 201712
転調の琴や筧の水澄めり 内山花葉 201712
冥界の入口なるや水澄める 前田美恵子 201712
水澄むや遠州信楽手になじみ 岡尚 風土 201712
山気澄み水澄む里の曼珠沙華 落合絹代 風土 201712
恬淡と水澄む池を裁つ真鯉 松本鷹根 京鹿子 201712
夫逝きし日ごと厨の水澄めり 笹村政子 六花 201801
澄む水の音の激しき水路閣 升田ヤス子 六花 201801
誰もみな遺されしもの水澄めり 栗原公子 201801
木の葉あまた沈めて池の水澄めり 江木紀子 雨月 201801
人の名を聞いて忘れて水澄めり 島田万紀子 馬醉木 201801
澄む水を眺めてをれば考と妣 浜崎素粒子 ホトトギス 201802
大緋鯉澄みたる水に静止して 鈴木良戈 201802
フェルメールの青より澄みて秋の水 七田文子 201802
澄み切つた水に毀れた父の椅子 直江裕子 京鹿子 201802
水澄みて心の綾の映りけり 藤田美耶子 201802
水澄めり軒のしづくの音さへも 笹村政子 六花 201803
水澄むや風のささやく浄土池 及川照子 末黒野 201804
水澄みて心の綾の映りけり 藤田美耶子 201808
沼といふ水澄む広さありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
誰もみな遺されしもの水澄めり 栗原公子 201801
木の葉あまた沈めて池の水澄めり 江木紀子 雨月 201801
人の名を聞いて忘れて水澄めり 島田万紀子 馬醉木 201801
水澄みて心の綾の映りけり 藤田美耶子 201802
水澄めり軒のしづくの音さへも 笹村政子 六花 201803
水澄むや風のささやく浄土池 及川照子 末黒野 201804
水澄みて心の綾の映りけり 藤田美耶子 201808
沼といふ水澄む広さありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
水牢や紅黒の鯉水澄んで 山田六甲 六花 201810
水澄めり家郷の廃れゆくままに 森岡正作 201811
神さぶる森の小川の水澄めり 城戸ひろみ 雨月 201811
幾度も水澄む橋を渡りけり 平居澪子 六花 201812
憂きことの何もなき日や水澄めり 池乗恵美子 末黒野 201812
水澄むや仏の眼なほ澄みぬ 藤田美耶子 201812
水澄むや墓を買うのにいい天気 波戸辺のばら 201812
水澄みてざぶざぶ洗ふ婚約指輪 おーたえつこ 201812
水澄むや小学校の授業中 鈴木直充 春燈 201812
仏足石の曼陀羅絵図や水澄めり 持田信子 春燈 201812
水澄みて水といふ色見たりけり 大石喜美子 雨月 201901
水澄むや翡翠は色残し飛ぶ 森高さよこ 風土 201901
水澄むや帯状に魚遡上して 永田万年青 六花 201902
水澄んで人は果無しごとをする 直江裕子 京鹿子 201902
水澄めり音合はせゐる鼓笛隊 鷺山珀眉 京鹿子 201902
人影を恋うてや鯉の水澄める 前田美恵子 201902
水澄むや揺るる草影雲の影 森清信子 末黒野 201902
水澄むや伊勢に購ふ朱印帳 岡井マスミ 末黒野 201902
水澄める石放れども放れども 直江裕子 京鹿子 201903
昨夜星に磨かれて水澄みにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
水澄むや水禍の記憶鎮めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
澄む水に溶かしてしまひたき一事 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
水澄むや記憶にしかと竹生島 安立公彦 春燈 201911
さざなみをたゝみて水の澄みにけり 久保田万太郎 春燈 201911
水澄んでまだ咲いてゐる未草 田中藤穂 あを 201912
水澄みて人を揶揄すること愚か 松井季湖 201912
水澄むや水輪大きく跳ねる魚 本郷美代子 やぶれ傘 201912
深吉野や水の澄みゆく行在所 川村清子 馬醉木 201912
水澄むや流れのままに藻のゆらぐ 柴田昭子 雨月 201912
江戸の贅偲ぶ藩邸水澄める 大島寛治 雨月 201912
沼は今水八景に澄むみかり 小林共代 風土 202001
譲り合ふ小流れの橋水澄めり 山崎稔子 末黒野 202001
水澄む→ 6

 

2022年9月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。