水澄む 2       100句

水澄んで墓のうしろを流れけり    高柳重信

作品
作者
掲載誌
掲載年月
御社の森深くして水澄めり 佐野布娑 雨月 200212
水澄みて眠たくなつてしまひけり 竹村悦子 銀化 200212
稚魚の群行きつ戻りつ水澄めり 小石秀子 酸漿 200212
渓流の石玲瓏と水澄めり 古川さかえ 酸漿 200212
水澄んで陽のきらめきを流しけり 井村健一 百鳥 200212
青みつつしぶきつつ水澄みゆけり 及川茂登子 対岸 200212
正面に穂高連峰水澄めり 押尾弘子 対岸 200212
水澄むや石の碁盤に向ひ合ふ 高村洋子 遠嶺 200212
金鉱址あくまでも水澄みゐたり 泉田秋硯 200301
橋二つ架かる江水澄めり 松崎鉄之介 200301
水澄める東関橋に悟空の絵 松崎鉄之介 200301
日輪を浮かべ湧水澄みにけり 狩野みほ 百鳥 200301
笛の音の水澄むやうに夜半の秋 的池遙 百鳥 200301
言の葉の鉾を収めて水澄めり 鉄山幸子 銀化 200301
水澄むや日光月光菩薩像 石脇みはる 200301
この村に神と歌あり水澄める 加古みちよ 冬菜畑 200301
水澄むやニンフ居さうな樹のうねり 山越勝美 遠嶺 200302
水澄んで分け知り顔に目つむりぬ 荒井和昭 200302
回遊をさびしがらせて水澄めり 坂本敏子 京鹿子 200302
畦行くや水澄む余呉の湖を見に 阿部正枝 絵具箱 200304
水澄むや影はそれぞれ稚魚を連れ 西山美枝子 酸漿 200305
狂ふまいはんざきに水澄みはじむ 男波弘志 200309
教典のやうな波紋や水澄めり 小澤克己 遠嶺 200310
めんどりとをんどりのゐて水澄めり 山尾玉藻 火星 200310
噴煙を映し水澄む姿見池 大沼トシ子 200310
木のこぶの目鼻口とも水澄めり 加藤峰子 200311
言ひ出せぬことのいくつか水澄めり 江頭信子 馬醉木 200311
水澄むや人を褒めしは粋と意氣 鈴鹿仁 京鹿子 200311
水澄みの里とふ三隅小鳥来る 長谷川史郊 馬醉木 200312
山頭火の故郷の小径水澄めり 松崎鉄之介 200312
甲斐金山ありし源流水澄めり 望月喜好 200312
ほのぼのと鳥浮くダムの水澄めり 小林正史 200312
水澄むや十六井戸の漲れり 水井千鶴子 風土 200312
七曲り七つ曲りて水澄めり 中村洋子 風土 200312
水澄みしままに茗荷の泥落とす 保田英太郎 風土 200312
鳥の影よぎり一水澄みにけり 大串章 百鳥 200312
水澄めるごと穏やかに銀婚へ 池田崇 200401
水澄めり毬藻まつりの済めばなほ 片田千鶴 馬醉木 200401
滝壺の修羅より出でて水澄める 阪上多恵子 雨月 200401
一間の武山杉戸絵水澄めり 藤田さち子 対岸 200401
新幹線開業の街水澄めり 徳田正樹 河鹿 200401
水澄みし里よりの水売られけり 大房帝子 酸漿 200401
水澄むや鯉の錦の改まり 石井芳子 草の花 200401
金星も月も映して水澄めり 筒井圭子朗 ぐろっけ 200401
水澄むや人は大樹に身を寄せて 矢野千佳子 京鹿子 200402
白光となるせきれいに水澄める 井口初江 酸漿 200402
水澄めり指差す間なき魚の影 小林れい 酸漿 200402
田水澄みどぢやうに髭のまだ見えず 三輪閑蛙 対岸 200407
順路とは逆に流れて水澄めり 丁野弘 200409
水澄みて空澄みてダム天端かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
ビーバーの大枝運ぶ水澄めり 赤座典子 あを 200410
水澄むにさきがけ山河澄みにけり 鷹羽狩行 200411
歳三の愛刀拝し水澄めり 石井秀峰子 遠嶺 200411
重吉の愛せし小川水澄めり 八木葉子 酸漿 200411
水草を丸く映して水澄めり 恒川絢子 対岸 200411
神名備の水澄みわたる朝かな 武田巨子 春燈 200411
方丈記糺の森の水澄めり 谷村幸子 200411
水澄むや渓深ければ橋高し 高野清風 雲の峰 200411
水澄むや釣人は皆物言はず 井上紘 雲の峰 200411
水澄むや臼杵深田の満月寺 山内須磨子 草の花 200411
我が足が洗ふ片足水澄めり 安藤ヒサ子 河鹿 200412
一茶一行昼餉の里や水澄めり 柴崎甲武信 春燈 200412
水澄むや中洲に鷺の帆をたたみ 千田百里 200412
瀬の石に触るる棹音水澄めり 白井剛夫 200412
先人の辿りし道の水澄めり 山田怜子 遠嶺 200412
面影の近江八幡水澄めり 高橋将夫 200412
水澄める池に影おく能舞台 関戸文子 酸漿 200412
安曇野や山葵田青く水澄めり 鈴木良子 酸漿 200412
経筒を回す水車の水澄めり 梶井和呼 酸漿 200412
水澄みて湖底倒木そこに見ゆ 梶井和呼 酸漿 200412
水澄むや魚影が走る九寨溝 梶井和呼 酸漿 200412
牛の声人の声水澄みにけり 大串章 百鳥 200412
本棚に手つかずの本水澄めり 林裕美子 六花 200412
水澄めり病後のいのちひと掴み 岡本眸 200412
水澄みて友禅流しの浅野川 池田加代子 風土 200501
水澄めり鳳鳳堂に来迎図 陣野今日子 風土 200501
水澄むや立木観音笑みたまふ 陣野今日子 風土 200501
水澄むや肌荒れ知らず愛知らず 玉川梨恵 200501
奥の院銀の柄杓に水澄めり 工藤進 200501
利尻富士映す姫沼水澄めり 木暮剛平 万象 200501
旅人の胸中深く水澄めり 亀ヶ谷照子 遠嶺 200501
水澄みて遺構の影の濃かりけり 高原純徳 河鹿 200501
悔ひとつ流せるあとの水澄めり 山本康夫 200501
大内宿石の稲荷に用水澄む 松崎鉄之介 200501
飯桐の真つ直ぐ高く水澄めり 斎藤博子 対岸 200501
水澄むや毀誉褒貶に遠く住み 甲斐遊糸 百鳥 200501
伐らるると決まりしポプラ水澄めり 酒井康正 百鳥 200501
水澄めり河童ひとつを翳として 吉村一郎 百鳥 200501
片々に陶工の息水澄めり 伊藤希眸 京鹿子 200501
句碑の文字くつきりと水澄みにけり 高橋さえ子 200501
人棲まぬ生家の池の水澄めり 徳田正樹 河鹿 200502
櫓もて漕ぐ矢切の渡し水澄めり 木暮剛平 万象 200502
淋しさの果の口笛水澄めり 糸井芳子 200503
雨はれて水澄みゐたり神の淵 山口耕堂 万象 200504
残雪の脇の水路は水澄めり 高木武人 百鳥 200505
水澄皇帝円舞曲奏で 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506
水芭蕉見ゆる限りの水澄めり 三関浩舟 栴檀 200508
雨に耐へ水澄む淵でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
木樵小屋額の花枯れ水澄めり 瀧春一 菜園 200509
水澄めり今日何ほどを働きし 岡本眸 200510
水澄む→ 3      

 

2021年9月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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