松手入 4    102句

行人にたれたる綱や松手入    月魄   俳句大観

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月の出や手入れの松の傾ぎぶり 豊田都峰 京鹿子 201111
松手入根との勝負始まれり 北尾章郎 201112
松手入れ止みさうもなき雨の中 安藤久美子 やぶれ傘 201112
松手入れ威儀を正せる大手門 豊田都峰 京鹿子 201112
意のままの鋏使ひや松手入れ 堺昌子 末黒野 201112
堀に沿ひ松本城の松手入れ 山崎稔子 末黒野 201112
松手入終へし御苑の公開日 山口キミコ 201201
樹木医の松の手入れや小鳥くる 谷村幸子 201201
手入すむ松のかむさる絵師の墓 大西八洲雄 万象 201201
松手入哀しみひとつづつ捨てる 安武晨子 201201
訪ふ人に関せず城の松手入 大橋晄 雨月 201201
金色の菩薩を前に松手入 田所洋子 雨月 201201
ほかの木の日当つてゐる松手入 高松由利子 火星 201201
一人居の屋敷に二人松手入れ 須賀敏子 あを 201201
手際よき庭師や城の松手入 山口キミコ 201202
眼前の枝まづ払ひ松手入 織田高暢 201202
枝先は舟の上より松手入 小川玉泉 末黒野 201202
池の面に波紋広がる松手入れ 國保八江 やぶれ傘 201202
三代目なりしお宮の松手入 嶋田一歩 ホトトギス 201203
三人のいつも二人の松手入 嶋田一歩 ホトトギス 201203
松手入音山にゆき海に散り 嶋田一歩 ホトトギス 201203
イマジンの流るる松の手入れかな 怱那みさ子 やぶれ傘 201203
松手入さなかのにほひ浮御堂 岩田公次 ホトトギス 201204
反転の鯉のくろがね松手入 柴田久子 風土 201212
FMに替へ午後の部の松手入 菊地光子 201212
鯉跳ねて百万石の松手入 藤井君江 馬醉木 201301
真昼間の星見定めむ松手入 中田禎子 201301
木の股に老匠一服松手入 山本町子 風土 201301
なだらかな丘に日の差す松手入 涼野海音 火星 201301
梯より世情をなげく松手入 三浦澄江 ぐろっけ 201301
天を指す葉先を残し松手入れ 小川玉泉 末黒野 201301
高きより声の落ち来る松手入 岡淑子 雨月 201301
二代目の法被の匂ふ松手入 岡淑子 雨月 201301
安全帽見えかくれして松手入 臼村喜久代 万象 201302
松手入れ済みたる小島鷺遊ぶ 小川玉泉 末黒野 201302
一服の間も見上げをり松手入 大橋伊佐子 末黒野 201302
園丁は雲の仙人松手入 細川知子 ぐろっけ 201302
松手入れ終へし境内茶筅塚 三橋早苗 ぐろっけ 201302
松手入半分残し日の暮るる 福島せいぎ 万象 201303
おほかたは松に隠れて松手入 柴田佐知子 201303
松手入終へ名苑に加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201310
松手入されて江戸の世近付けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
浜離宮三百年の松手入 古川千鶴 かさね 201311
茣蓙敷いて松手入れする梯子かな 竹内悦子 201312
半纏の物言ふ技や松手入れ 山口郁子 末黒野 201312
枝に伸び枝に屈みて松手入 金森教子 雨月 201312
地下足袋の機敏な動き松手入 石川かおり 201312
岬晴を讃へ始まる松手入 佐久間由子 201401
高層の囲む御苑や松手入 岡田史女 末黒野 201401
また別の風のとどまる松手入 山本耀子 火星 201401
バリカンの刈上げ頭松手入 根橋宏次 やぶれ傘 201401
夕日のかがやき一段と松手入 柴田靖子 201401
海見ゆる梯子の高さ松手入 杉浦典子 火星 201401
練塀の内のあかるき松手入 林範昭 火星 201401
清澄の香り放てる松手入 中本吉信 201401
結界に蓆四五枚松手入 深澤鱶 火星 201401
一本に五日かけたり松手入 高橋明 末黒野 201402
松手入空ふかぶかと武蔵かな 福島せいぎ 万象 201402
職人の身軽き動作松手入 安田とし子 ぐろっけ 201402
脚立から地下足袋伸びて松手入 井手本恭子 201402
青空を広げゆくかに松手入 杉本綾 201402
庭師には庭師の都合松手入 小野寺節子 風土 201402
庭少し広くなりけり松手入 國保八江 やぶれ傘 201402
松手入よりはじまりし庭仕事 稲畑汀子 ホトトギス 201410
松手入地下足袋の人ちらし食ふ 大場光よし 風土 201411
手入れよき松に色なき風渡る 木戸宏子 201412
枯れながら姿ととのふ松手入 今澤淑子 火星 201412
山のせて終りとしたる松手入 高倉和子 201501
新弟子と向かひ合はせに松手入れ 井浦美佐子 201501
松手入鋏の音の降つてきし 七種年男 201501
松手入庭師老いの背しやんと立て 近藤鉦子 201501
園丁の松の手入れや六義園 加P伸子 末黒野 201501
庭すべて熟知の庭師松手入 片岡良子 雨月 201501
てつぺんの締つてきたる松手入 山尾玉藻 火星 201501
「加賀宝生」降りくみ声の松手入 祖山正子 風土 201501
無名庵に茶菓の置かれて松手入 岡本尚子 風土 201501
垂れ枝に小舟出したる松手入 志方章子 六花 201501
矍鑠たる友と崇めて松手入 北尾章郎 201501
名園の役者ぶりなる松手入れ すずき巴里 ろんど 201501
二代目の方が不器用松手入 杉本綾 201502
社殿より洩るる笙の音松手入 森清信子 末黒野 201502
楽しみは晩年に置き松手入 丸井巴水 京鹿子 201502
松手入松はいのちの香を放ち 望月晴美 201502
池の面の照りを背に松手入 河村啓花 ろんど 201502
三人が空に並んで松手入 辻村拓夫 船団 201505
虚子館に一枝舞ひ込み松手入 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
松手入風喜んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
松手入海岸線を傾けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
手入れして二三転がる新松子 稲畑汀子 ホトトギス 201510
ラジオから落語聞こゆる松手入 中谷富子 201512
松手入れ表門より始まれり 中村洋子 風土 201512
別格の南禅寺なる松手入 中村洋子 風土 201512
雨一つ二つ三粒や松手入 根岸善行 風土 201512
頭上より加賀の言葉や松手入 遠藤逍遙子 風土 201512
支柱かな三百年の松手入 数長藤代 201601
松手入天から音を零しけり 佐藤山人 201601
松手入間合ひよろしき夜の雨 諸岡孝子 春燈 201601
鯱の空晴れわたる松手入 戸栗末廣 201601
松手入れ終り香りにもてなされ 石川叔子 201601
松手入れ植木屋さんは眼鏡かけ 國保八江 やぶれ傘 201602
長髪の若者なりき松手入れ 松田泰子 末黒野 201602
留守の家に庭師入りをり松手入 野沢しの武 風土 201607
松手入済みて青空降りて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201610
松手入→5      

 

2021年10月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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