松手入 3    107句

行人にたれたる綱や松手入    月魄   俳句大観

作品
作者
掲載誌
掲載年月
拳骨のやうなる指図松手入 荒川清司 遠嶺 200801
人まかせできぬ遺愛の松手入 北島智子 200801
松手入終へたる足の下りて来し 加古みちよ 火星 200801
二代目の後姿の松手入 金澤明子 火星 200801
木犀は早や姿よし松手入 金澤明子 火星 200801
松手入終へし堅田に灯のともる 助口弘子 火星 200801
和洋相和せる名苑松手入 大島寛治 雨月 200801
松手入合点ゆかぬと腕組めり 石田嘉江 200801
一日中松脂匂ふ松手入 小泉良子 200801
松手入筋金入りの指捌き 野中啓子 200802
高きより声の落ち来る松手入 岡本芳子 馬醉木 200802
俳句とは鋳型にあらず松手入れ 布川直幸 200802
呼びかけて見しが夢中の松手入 藤井佐和子 200802
松手入脚立の上の缶珈琲 宮津昭彦 200802
嫁取りの近きと父が松手入 廣畑忠明 火星 200802
ひと鋏ずつの思案や松手入 秦和子 200804
松手入攻め入る足裏数へて十 岡本幸枝 ぐろっけ 200804
一人増えけふの山居の松手入 浅井青陽子 ホトトギス 200805
青空に手をひらひらと松手入 稲畑汀子 ホトトギス 200810
静けさの極みにすすみ松手入 丁野弘 200810
松の意をつねに酌みつつ松手入 丁野弘 200810
遠くより見る昼高き松手入 井上信子 200811
松手入さ中の携帯電話かな 北尾章郎 200812
松手入終へたる闇に松匂ふ 阪上多恵子 雨月 200812
松手入庭師も傘寿高梯子 勝野薫 ぐろっけ 200812
松手入鋏二丁の乱調子 西出俊子 酸漿 200812
身をうねり始めし臥竜松手入 八染藍子 200901
青空をまづゆすぶりて松手入 久保山満末 200901
男の手動きかろやか松手入 吉野さと 酸漿 200901
舟底を掃いて終へたる松手入れ 根橋宏次 やぶれ傘 200901
松手入時に遠嶺へ目を移し 岡本淳子 200902
腕組みを解きて始める松手入れ 松本善一 やぶれ傘 200902
松手入鋏の音のねむくなる 服部早苗 200904
口丸家親子三代松手入 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
天辺にゐし三代目松手入 稲畑汀子 ホトトギス 200909
松手入潮風といふ伽のをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
松手入とは青空を高くする 山田天 雨月 200911
梅花藻の流れに脚立松手入れ 小林玲子 ぐろっけ 200911
念入りな売家の庭の松手入 北尾章郎 200912
手品めく鋏さばきや松手入 林美与子 末黒野 200912
潮焼けの表札奥の松手入 関根洋子 風土 200912
留守番を松手入れせる親方に 山田六甲 六花 200912
納得のいくまで眺め松手入 北村礼子 201001
ピアスして見習弟子の松手入 宮川秀穂 201001
職人の手が持つリズム松手入 楯野正雄 201001
頼られてたより切つたる松手入 久津見風牛 201001
親方の年忌昨日に松手入 西山浅彦 春燈 201001
松手入幹をひと撫でして始む 峰幸子 200101
彩鯉に照る日翳る日松手入 川端俊雄 火星 201001
金閣に目もくれずして松手入 大石よし子 雨月 201001
松手入済みし禅林開山忌 塩見治郎 雨月 201001
松手入空がまばらに降りかかる 竹内弘子 あを 201001
松手入一隅の闇にほひけり 村上すみ 201001
民塾の始祖なる御寺松手入 矢田かずこ 201001
町内会副会長来松手入 嶋田一歩 ホトトギス 201002
松手入すみたる庭の小洋館 田中涼平 201002
秩父嶺に眼を休まする松手入 根岸善行 風土 201002
小品は眼鏡はづして松手入 根岸善行 風土 201002
松手入せる名園へ船で着く 大西八洲雄 万象 201002
義仲寺や句碑を大事の松手入 出口貴美子 雨月 201002
松手入地下足袋の裏降りてくる 浜口高子 火星 201002
松手入降りて離れて眺めては 中島ひろし 末黒野 201003
命綱一本恃む松手入れ 苑実耶 201003
枝ばつさり決闘の松手入れ中 鈴木浩子 ぐろっけ 201003
松手入枝振り美しき山廬かな 小澤昭之 201004
総門の開きをり冬の松手入 遠藤和彦 遠嶺 201005
松手入してゐる下を通りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201010
松手入して留守番も兼ねてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201010
時々は妻の監視下松手入 北尾章郎 201012
中島へ梯子を渡し松手入 森清堯 末黒野 201012
松手入通りすがりの褒め上手 小林正史 201012
この家と年経し松の松手入 川端郷思 雨月 201012
松風を聞きつ無心の松手入 笹井康夫 201101
松手入ついでに頼む椅子修理 井上正子 春燈 201101
松手入れ馴染の庭師老いにけり 棗怜子 春燈 201101
深空より光糸ひく松手入 佐藤いね子 馬醉木 201101
松手入れ今宵の星と何話そ 谷村幸子 201101
片足は大鯉のうへ松手入 南うみを 風土 201101
向き合うて音立つるのみ松手入 赤松郁代 万象 201101
松手入終へたる皇居前の空 戸栗末廣 火星 201101
松手入掘抜き井戸にあかの蓋 深澤鱶 火星 201101
定年のにはか覚えの松手入 垣岡暎子 火星 201101
松手入松の香の中に終ふ 林昭太郎 201101
力綱垂れて人見ず松手入 藤岡紫水 京鹿子 201101
木に一人梯子に一人松手入 川崎良平 雨月 201101
機嫌よき鋏の音や松手入 樋口みのぶ 201101
舟よりの鋏で了へる松手入 根橋宏次 やぶれ傘 201101
ゆるやかな日の透く風透く松手入れ 田中一美 ろんど 201102
松手入最中でありし浮御堂 和田崎増美 雨月 201102
六甲山ろっこうの透けて見え来し松手入れ 内藤三男 ぐろっけ 201102
松手入すみたる幹のしづもれる 今橋眞理子 ホトトギス 201103
蒼天へ顕るる枝振り松手入 刈米育子 201103
枝間の脚だけ見えて松手入 荒尾茂子 京鹿子 201103
松手入れ辨当箱の蓋に白湯 篠田純子 あを 201102
松手入梯子が邪魔になることも 立石萠木 雨月 201107
松手入忌日の寺の装ひに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
命綱脱ぎて終りぬ松手入 稲畑汀子 ホトトギス 201110

松手入→ 4

     

2021年10月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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