マスク 3      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
マスクして平常心を保ち待つ 上坂渥子 雨月 201603
マスクして安堵してをり人の中 犬塚李里子 201604
素つぴんを隠す大きな白マスク 大木清美子 201604
マスクして弱気のわが身隠しみる 鈴木阿久 201604
マスクして手ぶり大きくなりにけり 三輪敏夫 201604
世の中を遠くしてゐるマスクかな 矢口笑子 春燈 201604
半分を見落としてをり大マスク 高野春子 京鹿子 201605
マスクして目でもの言へり春の風邪 福島せいぎ 万象 201606
マスクして己れの息を反芻す 青木朋子 201606
マスク外して饒舌となりにけり 岩岡中正 ホトトギス 201606
マスクする間を待たせ散歩道 野中圭子 京鹿子 201607
清らかなマスクに眼秀でし子 竹下陶子 ホトトギス 201609
郷の秋問ひたげ叔母のデスマスク 小林輝子 風土 201701
終わりなき旅マスク一枚ずつ使う 若林武史 船団 201701
思案とはマスクに口紅つけぬ術 卯木堯子 春燈 201702
マスクした応援席の選手かな 溝渕弘志 六花 201702
一斉に横断歩道を来るマスク 菊地光子 201702
マスクしてひと日己に籠りをり 林昭太郎 201702
北国やマスクの上の大きな目 森田明成 201703
捨てマスク何か叫んでゐるやうな 相良牧人 201703
マスクして犬にひかれて行く散歩 白石正躬 やぶれ傘 201703
深会釈享けてマスクを外しけり 大沼遊魚 201703
眉と目の化粧念入り大マスク 金子正道 京鹿子 201703
吹く風にマスク美人もありにけり 高野昌代 201703
バス停にマスクばかりが集ひをり 溝渕弘志 六花 201704
出た息をまた吸うてゐるマスクかな 佐藤喜孝 あを 201705
マスクして一身上の都合ありぬ 中川句寿夫 ここのもん 201705
マスクして帽子被りてあんた誰 横田敬子 201706
仮面めく春のマスクや大都会 小田嶋野笛 末黒野 201707
マスクしてゐても確かに彼なりし 稲畑汀子 ホトトギス 201712
マスク男マスク買ひ来る今朝も来る 黒澤佳子 あを 201801
マスクして外泊許可証四つ折りに 田村すゝむ 風土 201802
寒波来て森鴎外のデスマスク コ田千鶴子 馬醉木 201802
マスクして高麗人参みやげとか 内海良太 万象 201802
乗りてすぐ眼閉ぢたるマスクかな 森なほ子 あを 201802
マスクしてマスクの人と会釈して 安藤久美子 やぶれ傘 201803
マスクして小さき花屋の主かな 仲山秋岳 万象 201803
誰やらんマスクの人の瞳の笑める 浅井青二 雨月 201803
真ん中を鼻としマスク正しけり きくちきみえ やぶれ傘 201803
白マスク御影堂から付いて来て 辻響子 201803
会釈するマスクの我を訝しげ 須賀敏子 あを 201804
マスクしてマスクした人車押す 溝渕弘志 六花 201804
料峭や帽子にマスク行帰り 長崎桂子 あを 201804
唇に触れるマスクや紅のあと 黒澤佳子 あを 201804
マスクしてより旅人となりにけり 岩岡中正 ホトトギス 201805
大半は花粉マスクの花巡り 黒木東吾 やぶれ傘 201808
マスクして街の半分見失ふ 片桐紀美子 風土 201902
素つぴんを隠せるほどのマスクかな 小林輝子 風土 201902
ダッシュするスマホとマスク始発駅 布施由岐子 末黒野 201903
黙秘権行使してゐるマスクかな 本田保 春燈 201903
鼻当てを曲げてマスクの定まりぬ 賀鈴木崇 201904
マスクしてメガネのくもるバスの中 篠崎志津子 やぶれ傘 201904
マスクの目マスクに笑ふ古本屋 大政睦子 京鹿子 201904
マスクして笑はぬ顔となりにけり 小林朱夏 201904
情け知る男黙ってマスクする 伊藤昌枝 201905
香絶えぬ義士の墓前や大マスク 平野無石 201905
マスクして声なき会釈交はしけり 是松三雄 末黒野 201905
悔い悔いて大きなマスクの中にゐる 直江裕子 京鹿子 201905
病院の入ロマスク販売機 千原叡子 ホトトギス 201905
麗人はマスクをしてもしなくても 浜崎素粒子 ホトトギス 201905
マスクしてサングラスして夏帽子 丑久保勲 やぶれ傘 201910
マスクの眼にこにこ主治医男前 稲畑汀子 ホトトギス 201912
マスクして寺の書展のトンパ文字 中村世都 202001
マスクして漕ぐや挨拶おろそかに 長崎桂子 あを 202002
マスクして顔も心も略しけり 大矢恒彦 202002
有り難うとも言はで降り行くマスクかな 高橋寛子 京鹿子 202002
顎マスク腰曲げ覗く人だかり 野村宏 202003
マスクして七人よりも敵増やす 森岡正作 202003
手話で指示主治医大きなマスクして 辻響子 202003
新しいマスクに替へて友に会ふ 辻水音 202003
手洗は絶対よと妻マスク越し 七郎衛門吉保 あを 202004
マスクしてせはしなき眼で挨拶す 宮田豊子 春燈 202004
大マスク挨拶返し誰かしら 沼崎千枝 末黒野 202004
雑踏のひとつとなりてマスクかな 篠田大佳 あを 202004
青嵐マスクの口元抑へけり 大日向幸枝 あを 202005
春窮の列に加はりマスク買ふ 能村研三 202005
群衆の口元隠すマスクかな 磯野青之里 六花 202005
マスクしてマスクの人と話しけり 田中信行 202005
春の風邪ならぬ奇病の白マスク 亀田虎童子 202005
うつたへるごとき瞳や大マスク 高濱朋子 ホトトギス 202005
マスクしてうつ向きがちの春の町 大日向幸枝 あを 202005
日本中春のマスクに覆はれて 森なほ子 あを 202006
どの人もコロナのマスク春寒し 田中藤穂 あを 202006
マスクしてマスクの人を訝しむ 武藤節子 やぶれ傘 202006
右も左も春のマスクの車内かな 滝口洋子 末黒野 202006
マスクしてマスクの人の波となる 山咲和雄 末黒野 202006
名刹の僧の外さぬマスクかな 加藤静江 末黒野 202006
マスクして会釈は誰ぞ夕桜 田中臥石 末黒野 202006
マスクして拝む人あり深大寺 箕田健夫 やぶれ傘 202006
マスクしてヤツはななめに走る飛車 中原幸子 船団 202006
ぱっふんぱっふんマスクの呼吸冴返る おーたえつこ 202006
すれ違ふ春のマスクを深くして はしもと風里 202006
マスク外すさくらを謳歌するために 山田暢子 風土 202006
大阪のマスクの数に風乾く 立村霜衣 ホトトギス 202006
端午の日マスクの孫と小半時 赤座典子 あを 202007
花散るや顎にマスクの酔つ払ひ 湯本実 やぶれ傘 202007
ポスト迄行き交ふ春のマスクかな 鈴木友子 末黒野 202007
種を蒔く娘マスクの声くぐもる 田中臥石 末黒野 202007
春寒や子の手作りのマスクして 菅野日出子 末黒野 202007
窓硝子マスクハンカチ干しにけり 大内幸子 六花 202007
マスク→ 4

 

2021年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。