マスク 4      178句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
マスクせる埴輪ぞろぞろ春の闇 平居澪子 六花 202007
一日のマスクを外す春の宵 出口誠 六花 202007
大マスク挨拶交はし振りかへる 佐藤玲子 春燈 202007
妹の手づくりマスクとどく春 石橋邦子 春燈 202007
マスクいま今かと亀の鳴く夕べ 中村月代 末黒野 202007
マスクしてすこし孤独をたのしめり 岩岡中正 ホトトギス 202007
躱しあふマスクとマスク初燕 内藤静 風土 202007
日替りの都知事のマスク薄暑かな 赤座典子 あを 202007
緑蔭にグレイマスクの尼僧かな 中村嵐楓子 春燈 202008
地球儀に掛けてみたりし夏マスク 井上静子 202008
聖五月誕生祝ひのマスクかな 佐藤玲子 京鹿子 202008
永き日のポストに届くマスクかな 近藤真啓 京鹿子 202008
春マスク青き地球の震へをり 安田優歌 京鹿子 202008
会釈する夏のマスクは誰ならむ 今村千年 末黒野 202008
美しき夏のマスクは隣の子 今村千年 末黒野 202008
擦れ違ふ顔みな春のマスクかな 和田慈子 末黒野 202008
久々のミシンや春のマスク縫ふ 津野桂子 末黒野 202008
四月馬鹿コロナマスクと老眼鏡 大山夏子 202009
薄荷抽添え夏のマスクを贈らるる 渡辺節子 202009
誰も彼もコロナのマスク梅雨に入る 田中藤穂 202009
食はれさうなマスクの金魚梅雨に入る 岩藤礼子 やぶれ傘 202009
ぢりぢりと焦げる匂ひの夏マスク 谷口一献 六花 202009
柄物のマスクに合はす更衣 岩木茂 風土 202009
マスクしてマスクの街のアマリリス 竹村淳 202009
五月晴マスク離せぬ我等居て 出口誠 六花 202009
夏マスクにこころをそつと仕舞ひ込み 今村千年 末黒野 202009
段ボールに寝てる男の夏マスク 松本善一 やぶれ傘 202009
会えぬまま夏マスクヘと季は移り 松井季湖 202009
潮の香をかぐためずらす夏のマスク 渡辺節子 202009
マスク縫ふミシンの音や春の暮 横田敬子 202010
マスクして喧嘩の声のくもりけり 石橋幾代 202010
形代もマスクも白し祈りけり 辻美奈子 202010
子等マスク短く終はる夏休み 須賀敏子 あを 202010
コロナ禍のマスクばかりの親族葬 三井所美智子 202010
猛暑日を竹刀担ぎてマスクして 松村光典 やぶれ傘 202010
秋灯やマスクの下の薄化粧 西本花音 春燈 202011
マスクメロン当たり障りのない返事 鷺山珀眉 京鹿子 202011
すれ違ふ夏のマスクや心当て 今村千年 末黒野 202011
冷房車周りだれもがマスクして 大山夏子 202011
重々しい小池都知事の黒マスク 大日向幸江 あを 202012
マスクして検温済や菊人形 江見巌 六花 202012
つと寄せる眉根雄弁白マスク 井原美鳥 202101
純白はこよなき自愛マスクして 成宮紀代子 202101
マスクして手拍子打つて熊手かな 出牛進 202101
ケアマネに柄物マスク似合ひけり 飯塚トシ子 202101
マスクの中であつかんべえや疫の街 田口りさ 六花 202101
尖りたるマスクいろいろ人の波 柳田秀子 202102
マスクして会釈を交はす繁華街 佐藤まさ子 春燈 202102
爽やかにマスク外して深呼吸 重実ひとみ 春燈 202102
愛込むる手縫ひのマスクやや大き目 綱徳女 春燈 202102
マスクして始まる介護日誌書く 石井美智子 風土 202102
マスクして来年の日記買ひにゆく 田中藤穂 あを 202102
マスク白吐く息白し霜の朝 大日向幸江 あを 202102
願ひごとマスクに籠る初詣 七郎衛門吉保 あを 202102
マスクして誰が誰やら目が笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 202103
マスクしてものを云はざる人となる 中杉隆世 ホトトギス 202103
マスク外すやいつもの声のつややかに 松本峰春 春燈 202103
蒲柳には安堵のマスクLサイズ 卯木尭子 春燈 202103
マスクして片仮名文字の意味問はず 小嶋恵美 春燈 202103
マスクして越ゆる一年寅彦忌 栗原完爾 春燈 202103
愚直なるマスクに託す世過ぎかな 小林清彦 末黒野 202103
小春日の土手でマスクを外しけり 湯本実 やぶれ傘 202103
寒い朝マスク姿で目配せを 枝みや子 やぶれ傘 202103
マスクして自由と孤独といふ迫間 直江裕子 京鹿子 202104
月は友マスク外して仰ぐかな 木村享史 ホトトギス 202104
寒紅を引くこともなく日々マスク 橋添やよひ 風土 202104
マスクしてのつぺらぼうの雪をんな 柿沼盟子 風土 202104
目礼のマスクの下の笑顔かな 藤田美耶子 202104
目にものを言はせてマスク二重なり 千田百里 202104
万太郎句碑マスクのままに読んでをり 神山節子 202104
かまど猫マスクの主を威嚇する 小林朱夏 202104
眉をやや濃くかきマスクつけにけり 石橋幾代 202104
マスクして越ゆる県境姉の許 平居澪子 六花 202104
マスクして心の隈を隠しけり 内田梢 末黒野 202104
周辺を見渡す限り春マスク 沼崎千枝 末黒野 202104
国難をマスクに恃み年明くる 石黒興平 末黒野 202104
マスクして眼鋭き男かな 東小薗美千代 末黒野 202104
出逢ふ人皆マスクして街の中 太田チヱ子 末黒野 202104
マスクしてみんな麗人春の町 佐藤喜孝 あを 202104
つけ忘れ家に戻りてマスクして 佐藤喜孝 あを 202104
百人が百人マスク我もまた 亀田虎童子 202104
眼光の鋭くなりし黒マスク 松下道臣 202104
鬼やらひ心の鬼もマスクせり 藤田美耶子 202105
マスク着け歯科技工士のアイシャドウ 小島昭夫 春燈 202105
妙齢のマスクに屋号糶り落す 中田みなみ 202105
なりゆきや目に物言はす大マスク 直江裕子 京鹿子 202105
マスク越しお経が響くお堂かな 吉宇田麻衣 202105
梅見会人目気にしつマスクとる 石川東児 202105
春待つやマスクの残り数枚に 神山市実 やぶれ傘 202105
三密の自粛のマスク独り言 室井津与志 春燈 202106
三越の獅子のマスクや花ふぶき 山口地翠 春燈 202106
春麗マスク少女の膝小僧 七郎衛門吉保 あを 202106
片化粧などとたはむれマスクかな 佐藤喜孝 あを 202107
四月馬鹿マスクの隠す齢かな 菅野日出子 末黒野 202107
暑くとも予防のマスク離されず 稲畑汀子 ホトトギス 202108
読みさし本ふせて昼寝のアイマスク 菅澤陽子 春燈 202108
夏マスクみなつけ黙に流れ行く 西村白杼 京鹿子 202108
ナイターの捕手のマスクの横つ飛び 石田静 202109
半夏生マスクの中の半化粧 飯塚トシ子 202109
夏用のマスクといふを給はりし 稲畑汀子 ホトトギス 202109
マスク下げ泰山木の香を貰ふ 森高武 風土 202109
明眸を隠しマスクとサングラス 落合絹代 風土 202110
夏旺ん三越ライオンマスクして 津川かほる 風土 202110
潮浴をみてゐてさうだマスク取る 佐藤竹僊 あを 202110
初蝉やマスクを取りに戻りたる 佐藤竹僊 あを 202110
銀木犀マスク忘れて町歩く 佐藤竹僊 あを 202110
植込みにマスク捨てある残暑かな 篠田純子 あを 202110
盂蘭盆会マスクの僧の読経かな 秋川泉 あを 202110
マスク選ぶラッキーカラーの黄の色を 畑田久美子 202110
通勤のマスク行進渋谷駅 足立枝里 202110
剃刀の痕隠したるマスクかな 鈴木崇 202110
天井高き待合室の大マスク 森祐司 202110
マスクすることも忘れて出掛け来し 稲畑汀子 ホトトギス 202111
マスクせし人にマスクの目が笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 202111
皆マスクして挨拶の目が笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 202111
片耳にマスクを垂らす晩夏かな 鈴木直充 春燈 202111
不自由と自由を得たるマスクかな 今井康子 202112
マスクして出掛ける用意ととのひぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202112
マスクの眼やつぱり彼と彼女かな 稲畑汀子 ホトトギス 202112
近づけばやはりマスクの眼は彼女 稲畑汀子 ホトトギス 202112
マスクせし目の表情を見のがさず 稲畑汀子 ホトトギス 202112
マスクにもおしやれ心のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202112
眼で語るほかなき誰も彼もマスク 稲畑汀子 ホトトギス 202112
散歩にもマスクはなせぬ秋暑かな 菅野日出子 末黒野 202112
秋の薔薇マスクをしても香りけり 犬嶋テル子 春燈 202201
沿道のマスクの拍手大学駅伝 長崎桂子 あを 202201
運動会ぐるりとマスク囲みたる 山田健太 風土 202201
花柄のマスク浮き立つ八十路かな 奥田茶々 風土 202201
マスクして付添ひの無き入学式 塚原紀代子 風土 202201
サイリウムライトとマスクの五千人 赤座典子 あを 202202
マスクして少女の愁ひ去り遣らず 安立公彦 春燈 202202
マスクして身振り手振りの会話かな 佐藤まさ子 春燈 202202
マスクして口は挟まず些事は見ず 村上國枝 春燈 202202
ジーンズの破れ誇示して大マスク 日置游魚 202202
マスクして行き過ぎてより振り返る 山田暢子 風土 202203
古書市のマスクの顔の横並び 中村洋子 風土 202203
返礼すマスクの人を知らぬまま 橋添やよひ 風土 202203
マスクして遅刻の詫びは目と目もて 森田節子 風土 202203
日々の糧背負ふ人々マスクして 田中春江 末黒野 202203
ドラえもんの手作りマスク六地蔵 大庭美智代 末黒野 202203
マスクして見事あやつに謀られる 直江裕子 京鹿子 202203
桃の日を食み出して居るマスク連 井尻妙子 京鹿子 202203
眉に足すうれひマスクの隠す分 阪西敦子 ホトトギス 202204
マスクして肘のタッチの御慶かな 佐藤まさ子 春燈 202204
おどおどと渡る世間やマスク越し 小林清彦 末黒野 202204
宛名書くそれが書初めマスクとる 伊藤希眸 京鹿子 202204
節分会マスクの僧の大般若 秋川泉 あを 202204
百箇国競ふマスクも厚手かな 七郎衛門吉保 あを 202204
虚子詠みし「マスクして」の句時代はいつ 七郎衛門吉保 あを 202204
面々のマスクをかしき祝賀会 志方章子 六花 202204
マスクして瞼重くなりにけり 和田絢子 春燈 202205
マスクして見事あやつに謀られる 直江裕子 京鹿子 202205
明眸のしかと語りぬ大マスク 森清堯 末黒野 202205
マスクしてエレベーターを譲り合ふ 吉田悦子 202205
黙黙とマスクが通り過ぎてゆく 岩岡中正 ホトトギス 202206
大マスク破れジーンズで誇示して 日置瀞魚 202206
マスクして歌ふ校歌や卒業す 山口地翠 春燈 202206
マスクして市歌うたふ子ら卒業す 平田きみ 末黒野 202206
コーラスやマスクの下の声は春 平野秀子 末黒野 202206
道にあるマスクそのまま十二月 佐藤竹僊 あを 202206
躑躅園マスク外して深呼吸 須賀敏子 あを 202207
マスクして黙の行き交ふ花の道 亀卦川菊枝 やぶれ傘 202207
おぼろなる合唱曲のマスク越し 平居澪子 六花 202207
マスクして神輿担ぎし氏子かな 鈴木としお 春燈 202208
沈丁の香コスモマスクを物とせず 伊藤芙沙江 202209
マスク外し頬張る風はラムネ味 伊藤芙沙江 202209
マスク取り六月の海の風を嗅ぐ 森高武 風土 202209
時々はマスクを外し暑に耐ふる 山田暢子 風土 202209
夜濯ぎのズボンのポケットにマスク きくちきみえ やぶれ傘 202209
マスクふと外せば夏の夜の匂ひ 小山よる やぶれ傘 202209
マスクして自転車を漕ぐ青田径 田中臥石 末黒野 202209
マスクとりリラの香りを確かむる 野口希代志 やぶれ傘 202210
日焼けした顔にマスクの紐の跡 濱野新 やぶれ傘 202212
マスクするより饒舌となる漢 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
心まで閉ざしてをりしマスクかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
天の歩道にマスク踏まれおり 大山夏子 202212
院内はマスクマスクや秋扇 布施由岐子 末黒野 202212
マスク取り舌を出したる秋の朝 出口誠 六花 202212
マスク→ 1

 

2023年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。