マスク 2      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
マスク又外しては深呼吸して 稲畑汀子 ホトトギス 200612
マスクしてどこかが強くなつてをり 前川明子 200701
マスクしてうなじを細く会釈せり 高橋道子 200702
大筋は了解ずみのマスクの目 伊藤白潮 200702
ポケットを弄る人の大マスク 中井公子 200703
マスクして双耳たちまち血の通ふ 掛井広通 200703
日経新聞につけいを持つがファツションマスクして 坂上香菜 時流 200703
手術済んで風邪ひくまじの大マスク 鎌田篤 雨月 200703
問診にマスクとマスク小医院 高野幸次 200703
外来に呉るるマスクを貰ひけり 朝倉富次 酸漿 200703
青年と思ふ声するマスクかな 瀬下るか 200704
マスクして足早少女の眼千両 范友佳女 春燈 200705
微笑んで春のマスクを蔑ろ 伊藤早苗 200705
マスクして何か失せゆく心地あり 内山けい子 200801
マスクして逢ひたくなき人遣り過ごす 小城綾子 200802
耳遠き人に口寄す白マスク 四條進 200802
口紅のにじむ立体マスクかな 篠田純子 あを 200802
マスクして同じ眼をしてゐたり 代田青鳥 風土 200803
物の怪も驚くならむ大マスク 高橋道子 200803
目力の医師のマスクに向かひをり 宮島宏子 200803
会釈され誰とも知らぬ大マスク 芝宮須磨子 あを 200803
マスクしてマスクの友と立話 坂本知子 酸漿 200803
糶の声上ぐるにマスク顎に下げ 森川泰雄 200804
遅刻児の素早く外すマスクなど 柳生千枝子 火星 200804
マスクして待合室に小半日 村上沙央 200804
帽をとりマスクを除りて美女生まる 泉田秋硯 200805
枕経ヘマスクせる僧駈け込めり 坂本たま子 200805
マスクして人の痛みを眺めをり 松田都青 京鹿子 200806
まじまじとマスクしたまま旧同志 勝原文夫 ペン皿 200811
耳あつてこそのマスクと諾へり 小泉貴弘 筑波の道 200811
マスクして思はぬ愚痴のこぼれけり 水原春郎 馬醉木 200902
マスクして見るモナリザのアイシャドウ 中島玉五郎 200902
砦とも枷とも思ふマスクかな 片岡宏文 炎環 200902
時折は人間嫌ひ大マスク 宮川秀穂 200902
大マスク目が仕事する試験官 久染康子 200902
エレベーター開くぎつしりマスクの眼 古屋元 200902
改めて眉目美はしやマスクの娘 高橋照子 雨月 200903
マスクしてわが息深くありにけり 柿沼盟子 風土 200903
もろもろの愚痴封じ込むマスクかな 高橋照子 雨月 200903
マスクして天地のすこし端にゐる 浅田光代 風土 200903
マスクして好きとも嫌ひとも言はぬ 小林正史 200903
マスクして起抜素顔かくしけり 東芳子 酸漿 200903
マスクして漢も女もなかりけり 冨松寛子 200903
隠したき心もありてマスク掛く 北村礼子 200903
目差しの思はせぶりやマスクして 和田森早苗 200903
マスクしてマスクの女とすれ違ふ 高木智 京鹿子 200904
マスクしてわからずに亡夫がゐて 堀内一郎 あを 200904
ぶつぶつと文句を言ひしマスク越し 濱上こういち 200904
船室にマスク湿らせ熱に臥す 品川鈴子 龍宮の客 200904
マスクして睫重さうなりしかな 立村霜衣 ホトトギス 200904
マスクして言葉探してゐたりけり 増田守 炎環 200904
マスクしてマスクの人をいぶかしむ 安居正浩 200904
マスクしてこころを匿すことをせり 木下もと子 200904
マスクかけ美醜くもらす眼鏡かな 中村紀美子 春燈 200904
ひだマスク顔の大方隠しけり 加藤峰子 200904
河ふたつ越え働きに行くマスク 石井浩美 炎環 200904
締め切はすぐ来る使ひ捨てマスク 風間史子 200904
鉄橋やマスクの上の眼澄む 石井浩美 炎環 200904
マスクして悩むが如き眉目かな 稲岡長 ホトトギス 200905
マスクして思ひがけなき美人なり 稲岡長 ホトトギス 200905
マスクして言ひたき事を眼で言ひぬ 伊東恵美子 馬酔木 200905
ひいふうみい春の車内のマスクかな 山本孝夫 200905
彼岸会にマスク一族集ひけり 森下康子 200905
家族にもマスクガーゼ派立体派 坂場章子 200905
泪目でほほゑんで見すマスクかな 稲岡長 ホトトギス 200905
カレンダーに曜日確むマスクかな 橋爪隆 春燈 200905
糟糠の妻を看取れりマスクして 久保田由布 ぐろっけ 200905
マスクして烏天狗にみな似たる 山本無蓋 200906
類数多マスク選びに難儀せり 竹島勝代 200906
古書店に一書を探すマスクの目 木場田秀俊 200906
仮病とも風邪とも見ゆるマスクかな 竹内弘子 あを 200911
顔中のマスクが語りをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200912
美人かも知れぬマスクの大きさよ 稲畑汀子 ホトトギス 200912
マスクし合うて東京へ行く日和 山尾玉藻 火星 201001
マスクして検診皮膚科外科梯子 森理和 あを 201001
消毒とマスク対策夜の授業 松田和子 201001
マスクしてマスクの人を避けにけり 成宮紀代子 201002
雲版の二三打僧の大マスク 浜口高子 火星 201002
雪をんな白いマスクをして来る 堀内一郎 あを 201002
マスクして男一語を惜しみけり 堀内五齢 春燈 201002
片はづしのマスクに沖の座礁船 蘭定かず子 火星 201002
片耳にマスクを垂らし聴診器 松嶋一洋 201002
頬骨にごはごは添はす紙マスク 猪爪皆子 201002
守護神はマスク手洗いうがいかな 村瀬嘉子 ろんど 201002
幾度も替へてマスクの顔となる 稲畑汀子 ホトトギス 201002
飴玉にハッカの香りマスクして きくちきみえ やぶれ傘 201003
マスクせる医師に対せりマスクして 北川キヨ子 201003
マスクせし吾に気づかぬすれ違ひ 早崎泰江 あを 201003
マスクして目で分かり合ふ仲なりし 近藤きくえ 201003
まだ素顔知らぬ歯科医の大マスク 渡邊泰子 春燈 201003
はれやかにマスクをはづす寒の紅 谷中弘子 201003
浅草芝居かぶりつき占むマスク婆 品川鈴子 ぐろっけ 201003
団体は皆マスクして天守閣 内海保子 万象 201003
交差点マスクの群の押し寄する 斉藤雅子 末黒野 201003
校外学習全員マスクつけており 島本知子 ぐろっけ 201003
登園児みな顔いつぱいの白マスク 神田惣介 京鹿子 201003
マスクせぬ事に厳しき車内の目 涌羅由美 ホトトギス 201304
あまり多くてマスクの変と思ひけり 細川洋子 201304
マスクてふ砦の中の安らぎよ 村上倫子 201305
話し声の大きく力むマスク越し 古林田鶴子 ぐろっけ 201305
瑠璃鶲追ふやマスクのカメラマン 栗原恵美 万象 201305
赤松に対うてマスク外しけり 涼野海音 火星 201305
待ち人を探すマスクの目が動き 師岡洋子 ぐろっけ 201305
マスクして鞄いよいよ古びたる 岩岡中正 ホトトギス 201305
コンビニや春のマスクの追加中 甲州千草 201305
マスクして政治のことを考へる 岩岡中正 ホトトギス 201305
擦れ違ひざまに目の笑む大マスク 加藤八重子 末黒野 201306
マスク外して挨拶に来られけり 岩岡中正 ホトトギス 201306
炎天を来て鏡中のデスマスク 岩月優美子 201310
マスクの目帰らないでと言つてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
マスクして銀行の裏口に居り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
君に嘘つきたくなくてマスクする 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
マスクして自分を消してゆく女 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
マスクして六甲颪遠く聞く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
全員のマスクに埋まる会議室 中島玉五郎 201401
愚痴数多染み込んでゐるマスク捨つ 篠田純子 あを 201401
マスクしてだんだん自分らしくなる 小山田子鬼 201402
肩の凝る友情もありマスク白し 山本みち子 201403
マスクして地下三番の出口出づ 柿沼盟子 風土 201403
なるやうになるとマスクの高い鼻 だいじみどり 201403
深刻な話になりてマスクとる 落合紺代 風土 201403
本当も嘘も興味がないマスク 林田麻裕 201403
書庫にゐる司書補の大きマスクかな 定梶じょう あを 201403
河馬の檻洗ふマスクの飼育員 瀬島洒望 やぶれ傘 201403
時間空間光が動くマスクして 根岸善行 風土 201403
白い歌うんと生まれるマスクだね 林田麻裕 201403
マスクして後ろより声かけらるる 中村洋子 風土 201403
マスクして素知らぬ顔で通り過ぐ 木村茂登子 あを 201403
マスクより声や全く見逸れゐし 村上すみ子 201404
挨拶を交はすもはてなマスク顔 木戸宏子 201404
誰ととも妥協はしない白マスク 松田都青 京鹿子 201406
マスクして耳鳴りもして笑顔して 中井いろは 201406
皆マスクして横切りぬ大都会 稲畑汀子 ホトトギス 201412
マスクしてこめかみ動く一部始終 堀内一郎 堀内一郎集 201412
耳朶のさくら色なるマスクかな 成宮紀代子 201501
マスクの子昆虫館を出で来たる 山尾玉藻 火星 201501
マスクして人の世潤みきたりけり 山尾玉藻 火星 201501
名乗りつつマスク外せば人違ひ 大堀賢二 201502
マスクとり遅れたることまづ詫びる 山本無蓋 201502
黒白をつくるマスクをはづしけり 小倉陶女 春燈 201502
足の爪切るに邪魔なるマスクかな 小林正史 201502
リーダーは腕白さうなマスクの子 三川美代子 201502
大マスクまた小マスクの診療所 齋藤博 やぶれ傘 201502
上の子へ小走りマスク随へり 井上石動 あを 201503
マスクして化粧せぬ日の小買物 落合絹代 風土 201503
マスクしてマスクの群れの人となる 熊川暁子 201503
抱く嬰にマスク取られてしまひけり 高橋道子 201503
マスクしてマスクの医師の言葉待つ 落合絹代 風土 201503
マスクより飛び出してくる笑ひ声 黒住康晴 201503
大きめのマスクの似合ふ去年今年 中山静枝 201503
饒舌の口に蓋する大マスク 呂秀文 春燈 201503
マスクとり「よし完璧」と医師の声 来海雅子 201504
マスクして心の愁ひ隠しけり 池田光子 201504
マスクして神楽太鼓を打ちゐたり 山下良江 万象 201504
会釈してマスクの人の眼が笑ふ 田中藤穂 あを 201505
眼を細めしことが返事のマスクかな すずき巴里 ろんど 201505
マスクして気弱なこころ隠しけり 下平しづ子 雨月 201505
マスクして将棋指す目の鋭かり 住田千代子 六花 201505
マスクせしままのウインク気付かれず 高田菲路 ホトトギス 201506
登校児先頭の子の大マスク 神田惣介 京鹿子 201507
マスクして特定秘密保護法案 中谷三干子 船団 201508
露を描きマスク緊りぬ輪島塗 水原秋櫻子 馬醉木 201510
診療を待てりマスクの配られて 渡会昌広 馬醉木 201601
登校のマスク大きく頷けり 岡野ひろ子 201601
マスクして妻の不精は板に付き 鈴鹿呂仁 京鹿子 201602
しぐるる日酸素マスクの友見舞ふ 松村光典 やぶれ傘 201602
大きな瞳マスクの白さ際立たせ 鈴木セツ 201602
ただいまとマスクをはづすお父さん 赤座典子 あを 201602
マスク →3      

 

2021年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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