草 矢 1  100句

日を射よと草矢もつ子をそゝのかす    橋本多佳子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
逃げまはるゆゑ少女たり草矢射る
岡部玄治
199809
草矢うつきのふ見かけし古物商
市川英一
遠嶺
199809
草矢とて父と子しかと真顔なり
荒井千佐代
199810
草矢打つ山のわらしの眉の濃き
政木紫野
馬醉木
199908
意中なる人を逸らして草矢射る
能村研三
199908
日輪を串刺しにせし草矢かな
櫂未知子
銀化
199908
指の傷舐めては草矢吹きにけり
横倉由紀
船団
199909
ふり向かれあらぬ方へと打つ草矢
菰田晶
199910
つつましい声の裏側草矢飛ぶ
廣嶋美恵子
船団
199912
渦潮へ投げて届かぬ草矢かな
田中藤穂
水瓶座
200002
おっとっと幼い草矢が狩り立てる
高田游
海程
200005
着陸機目がけて子等は草矢打つ
中村祭生
ぐろっけ
200010
草矢打つ逆子をなおす体操して
柳生正名
海程
200011
わが草矢見えねばはるかはるかとも
木村風師
馬醉木
200101
草矢もて的を何にしようかと
熊谷みどり
いろり
200108
湖の入日に旅の草矢射る
伊東みのり
遠嶺
200108
草矢射る潰えし恋のありし方
市橋章子
ぐろっけ
200109
父の背は大きな的よ草矢打つ
千坂美津恵
200110
女にも七人の敵草矢打つ
刈米育子
200110
ストライクゾーンは昏し草矢射る
木戸渥子
京鹿子
200110
遠き帆へ少年の打つ草矢かな
赤川孝子
200110
草矢放つ吾にもありし少年期
伊田和風
円虹
200110
少年の放つ草矢に虚空あり
伊田和風
円虹
200110
速き歩の夫に草矢を放ちけり
川端和子
星月夜
200112
Eメール放つ草矢のすぐ落ちて
今城知子
船団
200201
水底の村の伝説草矢射る
菅原康
風土
200207
石鹸の匂ふ少年草矢射る
西村博子
馬醉木
200208
ひとしきり草矢を打ちて帰りけり
長谷川守可
百鳥
200208
標的はイエローハット草矢射る
泉田秋硯
200209
少年と少女ふたたび草矢射る
三崎由紀子
遠嶺
200209
家康の逃れし野なり草矢打つ
室伏みどり
雨月
200211
父に打つ草矢は永久に届かざり
遠野萌
200308
外れたる草矢が本音もたらせり
風間史子
200308
そんなに遠くては草矢打てません
宇垣みきえ
200308
草矢射し夜の話のはづみけり
藤田壽穂
雲の峯
200308
たはむれに草矢放てば野雲湧く
渡邉友七
あを
200308
草矢打つ骨といふもの伝授さる
辰巳あした
雨月
200308
草矢うつ二の矢三の矢用意して
大橋淳一
雨月
200309
草矢放てば木津川の大曲り
大山文子
火星
200309
敵多く草矢に指の傷増やす
苑実耶
200310
草矢射る吾が心中の遠嶺星
松本きみ枝
遠嶺
200401
通り名を郎に一郎草矢射る
朝妻力
雲の峰
200406
草矢射る一番好きな先生に
藤見佳楠子
200407
恋しくば天へ草矢を放つべし
伊藤白潮
200407
草矢打ち還らぬ友の声を待つ
喜多初枝
雨月
200408
試し射る的とてもなき草矢かな
若山実
雲の峰
200408
草の葉となりて草矢が水の上
木下野生
200409
草矢射る子等見守りて平和なり
鈴木えり子
百鳥
200409
草矢打つをみなのししを後ろより
淵脇護
河鹿
200409
口火切りしばかりに草矢攻めにあふ
飛鳥由紀
200409
空駆けるキリンめがけて草矢射る
鎌倉喜久恵
あを
200409
放たれし草矢の曳きし時間はも
稲岡長
ホトトギス
200410
遠き日の雲に放ちし草矢かな
池尻足穂
雲の峰
200410
紺青の空に消えたる草矢かな
遠野萌
200411
男など眼中になき草矢打つ
あさなが捷
200502
教はればすぐ試したく草矢かな
稲畑汀子
ホトトギス
200506
草矢まだ飛ばさずああだかうだかな
稲畑汀子
ホトトギス
200506
又笑ふ草矢へなへな落ちにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200506
必死より無心が強し草矢打つ
舩越美喜
京鹿子
200507
敵意ある草矢直ちに追尾せり
泉田秋硯
200509
遠き日の風や田川に草矢投げ
藤原たかを
馬醉木
200509
父さんが好きで草矢を向けにけり
坂ようこ
200509
ここまではとどかぬ草矢なりしかな
高橋将夫
200509
寝ねがてに北極星に草矢打つ
飛鳥由紀
200509
少年は雲へ放ちぬ草矢かな
坊城俊樹
ホトトギス
200510
里山の自然講座や草矢射る
中里とも子
百鳥
200510
激流に草矢ひと度起ちて消ゆ
佐々木碩夫
200511
熊野の子大斎原に草矢うつ
小林洋子
万象
200603
草矢射る信濃の空の深さかな
中田とも子
200608
草矢打つあつけらかんとした空に
高倉和子
200609
クラス会草矢飛ばして競ひけり
佐藤哲
万象
200610
草矢打つ柔き心を叱咤して
寺内佶
遠嶺
200610
草矢射る浄土の夫の胸元に
久保久子
春燈
200612
草矢射る敵も見方も高齢者
伊藤白潮
200707
草矢射り水平の野を怒らしむ
宇都宮滴水
京鹿子
200807
恋行方草矢飛ばして占へる
塩路隆子
200808
下手くそな草矢まじめに投げてをり
荒井和昭
200809
七十路に草矢を受くる歩のゆるみ
中野京子
200809
あてもなく空に草矢を放ちけり
北川とも子
ぐろっけ
200809
草矢とばすにしては力の入り過ぎし
伊藤白潮
200810
高くうつ草矢の戻り来たりけり
山田六甲
六花
200907
草矢うつB型同士旅が好き
鎌田慶子
ろんど
200908
草矢打つ自然観察指導員
鈴木浩子
200909
児童館のとんがり屋根へ草矢打つ
柿沼盟子
風土
200909
青空の芯が的なり草矢打つ
柴田久子
風土
200909
少年の父を追ひ越す草矢かな
柴田久子
風土
200909
草矢射るとき光りけり昼の星
竪山道助
風土
200909
始めから愛されてゐず草矢射る
浅井陽子
200910
大蝦夷の空の広さや草矢打つ
山内なつみ
万象
200911
矢面に立てば草矢も受けがたし
久津見風牛
201001
遠ざかるものに草矢と人の声
成田美代
201001
マシュマロをぐさり貫く草矢かな
中島玉五郎
201007
わたくしに遠き沖あり草矢射る
近藤喜子
201009
幾度も意図せぬところ草矢落つ
川上久美
ろんど
201009
親しさのあまり草矢の的とせり
宮入河童
201010
追ひ風にのせてつぎつぎ草矢打つ
岬雪夫
201010
絞る的なかりし草矢天へ射る
安武晨子
201012
まつすぐな目をして草矢打ちにけり 高倉和子 201107
大王崎の垂る日柱に草矢射る 丸山佳子 京鹿子 201108
旅ぞらへ草矢をはなつ気安さよ 丸山佳子 京鹿子 201108
故郷の空の青さへ草矢うつ 川崎良平 雨月 201109
草矢打つ万策にまだのこりあり 石川笙児 馬込百坂 201206
的を射る夫の苦言の草矢かな 高橋和女 春燈 201208
草矢射て子ら遊びをり関の跡 北崎展江 くりから 201209
高々と弧を描くまで草矢射る 上村光八 末黒野 201210
少年の夢は不確か草矢打つ 中野さき江 春燈 201211
よく飛びし草矢の腕も老いにけり 酒井秀郎 返り花 201211
音羽川越えよと打てる草矢かな 大橋淳一 雨月 201301
草矢 →2      

 

2023年6月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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