くさめ 2      112句

くさめ  くしゃみ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
まづ嚔落とす高座のざこばかな 浜口高子 火星 201202
嚔して電気鰻のボルト上ぐ 禰寝瓶史 京鹿子 201203
大嚔己鞭打つごとくにも 中島芳郎 201203
自分史など書く気もなくて嚔せり 松山三千江 春燈 201203
嚔して手水作法をお座なりに 田中貞雄 ろんど 201203
嚔して聞こゆ近さに隣家建つ 藤井久仁子 ぐろっけ 201203
真つ暗な夜空をたたく大嚔 小山田子鬼 201203
大くさめエレベータトの開きけり きくちきみえ やぶれ傘 201203
嚔して待針拾ふ畳かな 芝田幸惠 末黒野 201204
嚔して言ひたき言葉忘れけり 史あかり ぐろっけ 201205
嚔して潮入池の水位減る 服部早曲 201205
嚔して罫にはみだす鬱の文字 安田とし子 ぐろっけ 201303
芭蕉庵嚔しづまるまで入らず 田中貞雄 ろんど 201303
小説は佳境に厨よりくさめ 石田きよし 201303
林道を樵の放つ大くさめ 山本無蓋 201304
手も足も出してはならぬくさめかな 鴨下昭 201304
大嚔監視カメラに睨まるる 山田天 雨月 201304
図書館に轟く男の大くさめ 横内かよこ ぐろっけ 201305
くさめしてなにくはぬ顔通りけり 中島芳郎 201305
語り部は炉端で大き嚔して 有賀昌子 やぶれ傘 201306
風の中嚔の意味も楽しかり 松本アイ ぐろっけ 201307
大嚔きつと誰かが聞き耳を 大橋俊彦 201401
林道を樵の放つ大くさめ 山本無蓋 201402
八卦見の何の予兆か大嚔 桑名さつき ろんど 201403
大嚔いままで何を悩みゐし 田所節子 201403
信号の赤なるうちに嚔せり 中田みなみ 201403
良き晴れと洗ひ物干し嚔かな 紅谷芙美江 万象 201403
初雀けちらしてゐし子のくさめ 藤田素子 火星 201404
大いなる嚔の人に隣せり 島谷征良 風土 201404
くさめして棘もつ言葉呑みにけり 西川みほ 末黒野 201406
嚔や蝶ネクタイのドアボーイ 布川孝子 京鹿子 201407
大嚔顔の中心くづれけり 布川直幸 201412
嚔して少しやはらぐかなしみよ 樋口英子 201501
立止るポストの前にくさめかな 米澤光子 火星 201502
くさめして畦の痩せ犬走らする 米澤光子 火星 201502
大嚔怒りのほこ先失へり 半田稜 ろんど 201503
緞帳の帆船揺らぐ大嚔 円城寺清 201503
真夜中の無言電話や嚔落つ 井口光石 風土 201504
大宇宙体内宇宙大くさめ 熊川暁子 201504
嚔して庭の雀を飛ばしけり 鈴木鳳来 故山 201505
父に似し未明の大きくさめかな 佐渡谷秀一 対座 201505
くさめ三つ話の続きそれつきり 岡美智子 末黒野 201506
遠慮なき一人暮しの大嚔 安原葉 ホトトギス 201507
大くさめエレベーターの開きけり きくちえみこ 港の鴉 201510
老猫の大くさめして石蕗日和 秋川泉 あを 201601
鍋奉行木端微塵の大くさめ 阪倉孝子 201602
八十の嚔や噂などはなし 松崎雨休 風土 201603
釣堀や静寂を破る大くさめ 堺昌子 末黒野 201603
嚔してつぶりたる目を開けしとき 今井千鶴子 ホトトギス 201604
仁王の木の実降らしむ大嚔 高野昌代 201612
大くさめ振り向く先に若き祢宜 秋川泉 あを 201701
大嚔体内の水大揺れす 内山照久 201702
もう聞けぬ隣室よりの大くさめ 窪みち子 201703
嚔一つおろそかにせず暮しをり 森田明成 201703
異常無し嚔堪へし心電図 三木千代 201703
恋風を吹き飛ばしたる大嚔 大沼遊魚 201703
くさめしてをれば大型バイク過ぐ 大島英昭 やぶれ傘 201703
大嚔店が一瞬シンとなる 小山陽子 やぶれ傘 201703
大嚔して一年を脱ぎにけり 森岡正作 201703
大嚔満座の視線集めたり 石黒興平 末黒野 201704
床下に住む子狸や嚔せり 大日向幸江 あを 201704
くしゃみして仏の妻をおどろかす 中川句寿夫 ここのもん 201705
何回も嚔する夫煩はし 三井所美智子 201706
大くさめ死んで終わったわけでなし 山田六甲 六花 201712
蕉像の嚔しさうな鼻の穴 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
くさめして写楽の顔を思ひをり 中野あぐり 春燈 201803
嚔をしてモナリザと目の合ひぬ 田中佐知子 風土 201902
大吊橋嚔をしても揺るるかに 佐藤玲子 春燈 201903
煩悩のひとつ脱けたり大嚔 村上葉子 201903
大嚔はばかりのなき我が家かな 平野多聞 201903
嚔ならなんどでもする会えるなら 近藤かな 201903
嚔して今出来し句を忘じけり 三谷さかゆ 風土 201904
弁慶のせりふ忘れし大くさめ 長谷英夫 馬醉木 201906
寝違ひを起こしせし夜の嚔かな 山田六甲 六花 202002
くさめして記憶の粒の零れけり 小長谷紘 末黒野 202003
くさめしてやましきことを指折りぬ 久保夢女 202003
眠りたる赤児泣き出す大嚔 岩月優美子 202003
バスに乗る坐つた途端大嚔 中村洋子 風土 202004
月の路地行けばくさめの聞えたる 田尻勝子 六花 202011
寒気団来る予想図や大嚏 大日向幸江 あを 202102
絵の中のとどろき渡る嚏かな 秋川泉 あを 202102
目薬をさせば嚏の朝かな 高木邦雄 末黒野 202103
大嚏連射のあとの武者震ひ 布施由岐子 末黒野 202103
一瞬の黙のありけり大嚏 浅嶋肇 やぶれ傘 202103
大くさめして誰彼にするお辞儀 井尻妙子 京鹿子 202104
人過ぎてがまんの嚏つづけざま 森清堯 末黒野 202104
嚏して少し身軽になつてをり 押田裕見子 202107
浮御堂一辺よりの大嚏 浅田光代 風土 202203
分別の膝のくづるる大嚏 小原芙美子 風土 202203
コロナ禍や嚏の一発車内の目 梅原ひろし 京鹿子 202205
大嚏あるじ一人の陶器市 長尾タイ 末黒野 202304
信号の赤なるうちに嚏せり 中田みなみ 202304
くさめ→ 1

 

2023年12月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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