草 刈 1      235句

草刈に杉苗刈られ薫るなり   三橋敏雄   眞神

作品
作者
掲載誌
掲載年月
草刈るや一戸一人の村使役 神蔵器 風土 199807
草刈つて嶺の夕日を大きくす 小澤克己 遠嶺 199809
握り飯分け合つてゐる草刈女 久保木千代子 春耕 199809
草刈に草湧くごとく立上る 野路斉子 199809
一揆の地朝草刈るに山鳥立つ 松崎鉄之介 199811
地鎮祭先づ草刈つてよりのこと 稲畑汀子 ホトトギス 199906
草刈機と憩ふ木蔭の濃きところ 永井みどり 199908
草刈りのしんがりにくる大薬缶 三代川次郎 俳句通信 199908
草刈の心地よき音をたどりけり 池部久子 酸漿 199909
草刈や母ありし日の夏帽子 原静寿 酸漿 199909
草刈りや息整へてより励む 両角平 199909
草をもて髪結ふ樹下の草刈女 土田栄 199909
草刈りの匂いの中の乳母車 坪内稔典 船団 199909
ひぐらしの朝のこゑ降る草刈れり 阿部ひろし 酸漿 199910
草刈機末なり南瓜薙ぎ飛ばす 鈴木夢亭 塩屋崎 199910
鎌の刃でかまきりを追ふ草刈女 中川濱子 ぐろっけ 199910
草刈られ久女婚家の墓の道 水野節子 雨月 199911
流水でざぶと洗顔草刈女 三浦喜久子 ぐろっけ 199912
草刈女放牛の貌知り尽くす 小島左京 ホトトギス 200003
草刈女草の匂ひを落しゆく 木原不二夫 酸漿 200006
草刈つて村人の守る一里塚 山口秀子 酸漿 200009
明けやらぬ街道横切る草刈女 武田禅次 春耕 200009
草刈るやくりくり頭並びたる 荻原廣 200011
台湾の百合が増えしと草刈夫 宮津昭彦 200011
野鍛冶屋に立寄つてゐる草刈女 皆川盤水 春耕 200107
草刈つて妙によそよそしき旦暮 中原道夫 銀化 200107
草刈女親しき津軽訛かな 山田禮子 遠嶺 200108
多賀城趾の廃寺の跡の草刈られ 松崎鉄之介 200108
草刈機蛇も刈られし道の端 森理和 あを 200108
草刈つて草の香連れて夫かへる 山口秋子 酸漿 200109
文字摺草刈りのこしたる漢かな 駒井でる太 200110
炎天や唸りを上げて草刈機 鹿志村よしじ 200110
草刈りて来し手に受くる祝酒 閏間昌文 百鳥 200110
楽しくて妻の草刈り農そだち 堀内一郎 あを 200110
草刈つて草山のぼりやすきかな 冨田正吉 200110
僻村にひとり残りて秋草刈る 小堀眞由美 200112
石棺の略歴草刈鎌研がれ 奥田筆子 京鹿子 200202
草刈つて獅子を迎ふる道均す 古市文子 春耕 200206
草刈りの音ピタリ止む午後三時 木村幸子 帆船 200207
恥づかしくなつて草刈終りけり 下村志津子 銀化 200207
ほととぎす朝草刈の鎌かろし 阿部ひろし 酸漿 200207
草刈つて古墳を海へ押し出だす 大串章 百鳥 200208
草刈鎌提げて戻るは禰宜の妻 今井妙子 雨月 200208
草刈の唸り間遠に天守跡 伊藤月江 雲の峰 200208
草刈機草の匂ひを撒き散らす 宮原みさを 花月亭 200208
町会の草刈の皆化粧して 波田美智子 をりをりに 200208
草刈りて海風のやはらかくなり 吉原一暁 200209
草刈りは昔ばなしと碑にありぬ 金國久子 遠嶺 200209
風径に憩ひ鎌研ぐ草刈女 佐藤なか 遠嶺 200209
アカシアの花の下なる草刈碑 塩野きみ 遠嶺 200209
考ふるに足らぬ草刈る晴子の忌 志麻茜 銀化 200209
草刈の足場確かむなぞへ畑 鈴木美枝 酸漿 200209
草刈の石護りたる鎌の疵 岡本明美 春耕 200209
ジョギングや草刈りし土手香り立つ 伊藤いな栄 酸漿 200210
草刈女蛇も蜥蜴も逃げてゆく 大串章 百鳥 200210
草刈女鉢巻しかと鎌を研ぐ 藤井豊子 築港 200210
ひと朝は夏草刈りに起きにけり 植松美根子 200211
石橋に小昼拡げし草刈衆 朝妻力 雲の峯 200307
草刈の手を胸に組む彌撒の鐘 小森泰子 馬醉木 200308
草刈機時に空転してゐたり 塩川雄三 築港 200308
草刈機唸り通しや日の赫と 水原春郎 馬醉木 200309
踊子草刈られて置かれても踊る 内藤悦子 ホトトギス 200309
工場の庭の轟音草刈機 二宮桃代 雨月 200309
沿線の草刈られたる匂ひかな 長谷川守可 百鳥 200309
草刈つて木の切り株の残りけり 秋岡朝子 200310
草刈つて匂ひ重たきひと鎌目 坂本京子 200310
草刈のシャツの背中を虫が這ふ 松下幸恵 六花 200310
蓬の香立たせ国道草刈れり 及川茂登子 対岸 200310
草刈りの軍手の夫の若からず 生方ふよう 200310
音高く公園の草刈られゆく 坂井和子 酸漿 200311
草刈つて山国の空晴れわたり 影山わこ 百鳥 200311
草刈の音より匂ひ立ちにけり 岩村恵子 ホトトギス 200311
蜂の飛び交ひ草刈りの後退り 小橋末吉 対岸 200311
草刈り人お茶と弁当腰に下ぐ 佐藤斗星 200312
なだらかに草刈り上げて聖塚 浜福恵 風土 200312
草刈るや昨夜の集ひを遠くせる 土本展子 200312
梅の木の周りの穂草刈られあり 水野恒彦 200401
草刈つて西行を待つ庵かな 関根洋子 風土 200407
早春賦歌碑へ草刈るひびきかな 川口崇子 万象 200408
草刈りて風の道すぢ出来にけり 諸冨清子 対岸 200409
草刈られ捨田の畦の現はるる 室伏やすし 200409
朝明の夏草刈の鎌を研ぐ 永田あき 酸漿 200409
作務衣着て僧の草刈る日暮かな 松山正江 河鹿 200410
草刈の荷台に余る正十時 伊藤早苗 200410
草刈れば主なる墓も顔を出す 八木岡博江 酸漿 200410
草刈女背に日除けの柴挿せり 海野勲 万象 200411
草刈るや摘むあてのなき茶のほとり 長田秋男 酸漿 200411
草刈りて広しと思ふ捨畑 長田秋男 酸漿 200411
草刈機石の形を刈り残す 神谷孝子 対岸 200411
稲刈りて草刈りて村大きくなる 楢崎幸子 帆船 200412
刈り草の匂ひ草刈りどきの島 山仲英子 200507
草刈りて遠くなりけり雉子の声 神山テル 栴檀 200508
草刈機止めて伊勢路を教へけり 小山漂葉 酸漿 200508
米磨ぎに取つて返せし草刈女 吉田明子 200508
草刈りの三日目愚痴の出はじめり 村上和子 ぐろっけ 200508
草刈女鉄の熊手を使ひをり 小山國雄 百鳥 200509
雉の親子へ危ふく止まる草刈機 及川茂登子 対岸 200509
草刈の鎌丹念に研ぎ居たる 堀田綾子 築港 200509
隠し田に草刈の音鳴り響く 吉倉幸枝 築港 200509
草刈りて草の匂ひをともに伏せ 磯田富久子 200510
晴天や草刈あとの畦一本 小澤克己 遠嶺 200510
草刈つて仏の道を近くせり 鈴木栄子 酸漿 200510
朝まだき草刈機音肺腑衝く 山口二三雄 築港 200510
羽賀寺まで草刈りし香の案内僧 能村研三 200510
藺草刈る一人の音でありにけり 安原葉 ホトトギス 200511
草刈機草のにほひを広げゆく 山下とし子 万象 200511
でで虫のすがる青草刈り残す 高嶋宇多子 栴檀 200511
夏草刈る嫋やかなるも屈強も 岸本敬子 築港 200511
草刈つて空平らなり赤蜻蛉 谷合青洋 酸漿 200512
草刈の腰曲げしまま夫戻る 秋千晴 200601
草刈り機に手応へ蝮両断せり 石田砧女 200607
草刈りて乙女の顔のととのはず 中村邦彦 200608
米百俵送りし川岸の草刈られ 松崎鉄之介 200608
草刈女一升壜よりラッパ飲み 小林馨 万象 200608
草刈機草の微塵をはきながら 安田とし子 ぐろっけ 200608
隠密のごとき出で立ち草刈女 北川瀬通子 200609
草刈つて石投げて盆来たりけり 神蔵器 風土 200609
草刈女蟇ゐし畦をのこしけり 小山漂葉 酸漿 200609
草刈りの刃先に蟇のたじろがず 小泉豊流 酸漿 200609
草刈の夫に手を打つ昼餉かな 坂本幸子 酸漿 200609
休日を草刈る背中眩しめり 永田勇 六花 200609
一升の水飲み終へし草刈女 桑島啓司 200610
草刈機一乗谷にひびきけり 今越みち子 万象 200610
草刈女夕日の畦を子と帰る 穴澤光江 遠嶺 200610
遊び田の草刈ることも大仕事 岸本林立 雨月 200610
草刈つて草の匂ひの風吹けり 平田紀美子 風土 200610
草刈られ法要となる兵の墓 井関祥子 酸漿 200610
草刈るやまたすぐのびし梅雨最中 伊藤公子 酸漿 200610
草刈の夫が残せる男郎花 島崎勇作 酸漿 200611
電動の草刈る音と赤とんぼ 助口弘子 火星 200612
草刈ればおんぶばつたに飛びつかる 木内美保子 六花 200701
草刈つて真つ平らなる海となる 西畑敦子 火星 200708
丁寧に蕗刈り残し草刈女 西畑敦子 火星 200708
草刈つて水辺の風の鮮らしき 波塚照美 200709
肩で息ととのへて止め草刈機 布川直幸 200710
草刈りし香のただよへる雨催 波田美智子 火星 200710
草刈機音早朝に集中す 椿和枝 200711
高千穂峰たかちほを仰ぐ紺衣の草刈女 田下宮子 200712
与茂四郎民宿囲む草刈機 和田照海 京鹿子 200712
草刈りて廃水口の現るる 吉沢陽子 200808
草刈の首にタオルの男衆 仁平則子 200808
名刹に草刈る庭師雨霽れて 新実貞子 200809
草刈機草噛みしまま戻りけり 窪田粧子 馬醉木 200809
草刈機腰ひねりつつ畦すすむ 渡辺安酔 200809
草刈つて草の匂ひを湧き立たす 川崎光一郎 京鹿子 200809
十ばかり草刈鎌を研ぎ揃へ 博多永楽 雨月 200809
日の匂ふ水神さまや草刈られ 佐藤いね子 馬醉木 200810
神域や崖の草刈る氏子達 渡辺安酔 200810
草刈女草を掴んで立ち上がり 木田益穂 風土 200810
草刈るや水辺に乾ぶ縄束子 根橋宏次 やぶれ傘 200810
生かされて生き抜く八十路草刈女 林和子 200812
草刈つて草匂ひたつ下校どき 上原重一 200907
蛍袋草刈人に賜はれり 石川元子 酸漿 200908
草刈つて道現はれし天野原 冨松寛子 200909
大和塀を鎌で指しをる草刈女 近藤紀子 200909
草刈の尻大寺へ退りけり 坂口夫佐子 火星 200909
草刈りの鎌持つ僧の素顔かな 小野寺節子 風土 200909
草刈や野の花共に薙ぎ刈られ 石川元子 酸漿 200909
草刈って没り日華やぐ湖畔かな 田村加代 末黒野 200910
草刈の刈り残したる疑惑かな 柳川晋 200910
草刈女土手の急斜にさしかかり 岸本久栄 雨月 200910
草刈の遠音や草の香の届く 北島上巳 酸漿 200910
堂裏の崖に張りつき草刈女 清海信子 末黒野 200911
草刈られ木々の匂ひの杣の道 吉田きみえ 末黒野 200911
返照の日本海背に草刈女 川口襄 遠嶺 200911
せせらぎや朝草刈の後の土手 渡邊孝彦 やぶれ傘 200912
草刈の庭師の夫を客待てり 小浦榮子 酸漿 200912
草刈って青き匂ひを纏ひけり 鈴木礼子 末黒野 201004
とのぐもる草刈る音の出できたり 山尾玉藻 火星 201007
八十路とて機械操る草刈女 武司琴子 ぐろっけ 201008
草刈や野面に甘き風の吹き 田尻勝子 六花 201008
草刈の草の切れ端飛んで来し 志方章子 六花 201008
草刈の匂ひ広ぐる熊手かな 大坪景章 万象 201009
ひびきよき鎌の音して草刈らる 田中喜久子 酸奬 201009
雨脚の見えて音止む草刈機 岡本淳子 201010
十薬の匂ひ刈り込む草刈機 仁平則子 201010
草刈機の音途切れなし夏旺ん 藤原若菜 春燈 201010
立話草刈鎌を振りながら 大坪景章 万象 201010
山裾の鉄路をよぎる草刈機 鴨下昭 201011
登りゆく坂は草刈るにほひかな 大島英昭 やぶれ傘 201011
山国の昼の閑かさ草刈機 次井義泰 201012
草を刈る無縁仏の墓の山 長谷川鮎 ぐろっけ 201108
大山へ腰伸ばしたり草刈女 柳澤宗正 万象 201108
梅雨晴間草刈の音暴れ出す 谷口俊郎 201109
立札に草刈無用蛍川 今井淨子 201109
草刈機の音止みてより草匂ふ 小島昭夫 春燈 201110
しなやかな腰のバランス草を刈る 渡辺安酔 201111
草刈つて夜は宴会にカラオケに 渡辺安酔 201111
油照り草刈る人に容赦なく 藤波松山 京鹿子 201111
編み笠の影片頬に草刈女 佐藤山人 201112
夏草刈る積もりし憂さを晴らすごと 乗鞍三彦 春燈 201208
夏草刈る五尺四寸の身を埋め 乗鞍三彦 春燈 201208
夏草刈るなさけ無用の鎌をもて 乗鞍三彦 春燈 201208
草刈つて水音たかぶる千早村 浜口高子 火星 201209
素早きは草刈り人の昼御飯 井上信子 201209
銀色ライター草刈りて失くしたる 井上信子 201209
草刈を明日に持ち越す翁なる 西村節子 火星 201209
草刈ると薄荷どこかで香りけり 岩本紀子 201210
草刈の鎌の先には赤楝蛇 後藤克彦 かさね 201210
畦の草刈るやあらはにローム層 江草礼 春燈 201210
草刈りて園丁匂ひ撒き散らす 南奉栄蓮 風土 201211
草刈りて残りし萩の風に立つ 杉本薬王子 風土 201212
彼岸花を残す草刈事業団 秋岡美津子 京鹿子 201301
草刈女田に引く水で顔洗ふ 亀田やす子 ははのこゑ 201306
草刈女真白き花を残し去る 井島郷雲 万象 201310
草刈つて明日は己れの通る道 神蔵器 風土 201310
晴れ問みて草刈る畑や鳥騒ぐ 宮澤勇夫 末黒野 201310
お茶回し飲む草刈りのボランティア 今井忍 ぐろっけ 201311
草刈の手を休めれば村静か 石原健二 やぶれ傘 201407
草刈りて藩祖の墓の開かるる 栗原京子 201408
草刈るや夫が遺せし砥石痩せ 湯橋喜美 201409
バス停にバスは來るはづ草刈跡 佐藤喜孝 あを 201409
出始めの真竹抱へし草刈女 大村かし子 万象 201409
草刈や息吹き返す灘の風 小林朱夏 201409
草刈女青ほほづきは刈り残し 内海良太 万象 201410
草刈女すべて覆ひて伏し目かな 石川幸子 万象 201410
草刈の燻し銀なるネックレス 藤本千鶴子 火星 201410
草刈つてゐるらし草の匂ひをり 藤井美晴 やぶれ傘 201410
草刈られ土手道先へ伸びにけり 渡邊孝彦 やぶれ傘 201410
草刈りて草の匂ひを籠に詰め 伊東和子 201411
日向水草刈り鎌の荒すすぎ 吉武千束 太古のこゑ 201411
草刈つて鴉にお辞儀してもらふ 澤近栄子 京鹿子 201501
露けしや石に火花の草刈機 正谷民夫 末黒野 201502
草刈つて遠山ぐいと引き寄せる 峰崎成規 201508
草刈の工程表が土手に立ち 根橋宏次 やぶれ傘 201509
土手の草刈らるる中を犬つれて 白石正躬 やぶれ傘 201509
尻高く頭を低く草刈女 小張昭一 春燈 201509
刈られたる草かわきゆくにほひかな 大崎紀夫 虻の昼 201510
草刈つて野鼠の巣に日が当る 深川淑枝 201510
夏草を刈り残したる禰宜の庭 児玉有希 京鹿子 201511
秋草のあはれも刈つてしまひけり 岩岡中正 ホトトギス 201604
夏草の刈られてありぬ滑走路 稲畑汀子 ホトトギス 201606
研ぎし鎌手に切れ味を草刈女 大森道生 春燈 201607
刈草を積めば剪定鋏出て 田中とし江 201607
草刈→ 2      

 

2021年7月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。