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栗飯を子が食ひ散らす散らさせよ    石川桂郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鉈彫の仏に森の栗供ふ 中田みなみ 201611
飯椀の栗のみ食べて子の眠る 樋口みのぶ 201611
列逸れて万足平の栗拾ふ 吉田政江 201612
栗剥いて夫遠しとも近しとも 千手和子 馬醉木 201612
焼き栗に列なし吾は怖れなす 山田六甲 六花 201612
大杉を目の前にして栗ご飯 溝渕弘志 六花 201612
古民家の土間に日の差す丹波栗 藤生不二男 六花 201612
遺さるる習ひや末子栗を剥く 田村園子 201612
願はくは栗の甘露煮たんと召せ 田村園子 201612
母の忌のはひふへほほ張る栗ご飯 荒木甫 201612
かばかりの栗剥きかねて共に止む 齋藤晴夫 春燈 201612
父と来しこの尾根の径栗の飯 森和子 万象 201612
遅かりし右も左も虚栗 宮崎他異雅 末黒野 201612
御前に栗落つ白山本地仏 大坪景章 椿垣 201612
落栗を踏まねば行けぬところに墓 松本峰春 春燈 201701
今いちど踏み直したる虚栗 笹村政子 六花 201701
眼の端に自在鉤ある栗ご飯 升田ヤス子 六花 201701
虫喰ひの大きく目立つ栗拾ひ 江見巌 六花 201701
毬栗に引込み思案といふがあり 石田きよし 201701
栗拾ひ無口となりててんでんこ 宮崎高根 201701
ふるさとの思ひ出も食ぶ栗の飯 根山内洋光 201701
栗をむく関の小刀錆びつきし 小林愛子 万象 201701
神仏に艶よく炊けし栗強飯 大村かし子 万象 201701
洛北や丹波焼栗いかがどす 古川夏子 201612
てのひらにこの童顔の栗の虫 戸栗末廣 201701
毬栗を蹴つて思春期真只中 天谷翔子 201701
メイドインジャパンのわたし栗を剥く 千田百里 201701
毬栗の割れて青空ゆるぎなし 佐久間由子 201701
黙々と栗剥く母や我も亦 堀田清江 雨月 201702
焼き栗のポンと弾けて失せにけり きくちきみえ やぶれ傘 201701
植木屋が栗羊羹をつまむ午後 丑久保勲 やぶれ傘 201701
焼き栗とモーパッサンの短編と 青谷小枝 やぶれ傘 201701
旅空を思ふてをりぬ栗きんとん 犬塚芳子 201702
子ら招く金婚式や栗おこわ 松本文一郎 六花 201702
惹なきひと日となりぬ栗おこは 柳田美代子 やぶれ傘 201702
ゆで栗やことなきことをよしとして 白水良子 201704
井戸蓋に栗干してあり流人里 中川句寿夫 ここのもん 201705
言伝てのとどいて栗のおこはかな 中川句寿夫 ここのもん 201705
母のがり枡に足らねど早生の栗 中川句寿夫 ここのもん 201705
幸せの松竹梅や栗ご飯 黒川俊郎 201707
初物は長生きのもと栗御飯 赤塚篤子 末黒野 201711
栗拾ふ旅の信濃の風小僧 コ田千鶴子 馬醉木 201711
栗剥くや逢ひたき人はみな天に 長谷川翠 馬醉木 201711
青栗をもてあそびゐる女かな 延川五十昭 六花 201711
ねえねえと栗剥く吾の膝たたく 赤座典子 あを 201711
初物や店頭に大粒の栗 石森理和 あを 201711
茹栗は子等に不人気グミ・キャンデー 石森理和 あを 201711
栗飯をねだる夫が栗をむき 秋川泉 あを 201711
栗の実や川面にのびる枝の先 秋川泉 あを 201711
女丈夫な義母の十八番の栗おこは 松林依子 201712
毬栗の次男坊より殻を出づ 森岡正作 201712
パソコンと無縁なる指栗を剥く 田中藤穂 あを 201712
季題「栗」考へ皮剥く男の手 七郎衛門吉保 あを 201712
栗の実に転げる痛さありにけり 雨宮桂子 風土 201712
セピア色の家族写真や栗御飯 赤堀美恵子 風土 201712
落栗の毬にみどりの残りをり 藤岡紫水 京鹿子 201712
縄文の暮しを思ひ栗拾ふ 岡田正義 雨月 201801
学校のバザーへ栗を買ひにいく 藤井美晴 やぶれ傘 201711
栗の実やすとんと終る反抗期 佐藤千恵 京鹿子 201801
落栗のまだ青き毬被りゐし 福島せいぎ 万象 201801
栗ごはん零余子をちよつとだけ足して 奥田温子 やぶれ傘 201712
ほかほかや子の手作りの栗おこわ 小川玉泉 末黒野 201802
余命など忘れてをりぬ栗の飯 一民江 馬醉木 201802
栗むいてむいてかばかりなりしかな 今橘眞理子 ホトトギス 201803
大栗に空の蒼さや丹波山 太田利明 末黒野 201803
馳走ぜめ唐津くんちの栗おこは 三井所美智子 201802
凸凹に剥きし十粒の栗御飯 長尾タイ 末黒野 201804
柔らかき日差しの中に栗を剥く 曽根富久恵 201803
お母さんおこげできたよ栗ごはん 林豊美 船団 201806
正しくてずるくてそうだ栗ごはん 中原幸子 船団 201806
毬栗のみどりの針の錆びはじむ 大橋敦子 雨月 201810
おいおいね舌足らずだよ栗ご飯 大日向幸江 あを 201810
栗剥いてため息あとの土鍋かな 吉宇町麻衣 201811
栗を選る角突き合わすこともなく 若泉真樹 201811
父の忌の早々炊けり栗おこは 徳田千鶴子 馬醉木 201811
日を受けて温もる栗を拾ひけり 和田和子 馬醉木 201811
家中を栗の匂ひに炊き上がる 森岡正作 201811
並びけりランチメニューの栗釜飯 小張昭一 春燈 201811
武蔵野の今はむかしや栗拾ひ 小張昭一 春燈 201811
栗御飯のほのかな甘味病む人へ 秋川泉 あを 201811
栗を剥くアーミーナイフと萩の皿 七郎衛門吉保 あを 201811
敬老の祝膳なりし栗ご飯 石森理和 あを 201811
毬栗の落ちてる先や山の墓 藤波松山 京鹿子 201812
気を替へに厨程よし栗を剥く 白澤よし子 馬醉木 201812
寄り道の祠の栗のまだ青し 市村明代 馬醉木 201812
虚栗といへどこんなに多くては 柳川晋 201812
つま先の蹴つて集める栗の毬 時澤藍 201812
風の駅といふを上れば栗ごはん 辻水音 201812
栗煮るやうたた寝の母かたわらに 松井季湖 201812
無人駅舎に落栗のありにけり 有賀昌子 やぶれ傘 201901
信州の便りほろほろ栗きんとん 安田優歌 京鹿子 201901
栗煮るやうたた寝の母かたわらに 松井季湖 201901
大栗をほほばる今日は誕生日 延川五十昭 六花 201902
栗を剥く妻の鼻歌おほどかに 今村千年 末黒野 201902
栗飯や程良き妻の塩加減 柚木澄 末黒野 201902
栗飯の匂ふ夕餉や恙無き 松橋輝子 末黒野 201902
行列の豆餅栗餅冬隣り おーた一えつこ 201903
落人の里に旅寝や栗の飯 西住三惠子 201905
栗剥いて厨に季節呼び込める 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
毬栗の落ちて山気の深まりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
栗 →8      

2021年11月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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