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栗飯を子が食ひ散らす散らさせよ 石川桂郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
栗飯や屋号で通す母の郷 甕秀麿 201112
栗のいが拾うて今朝の一万歩 緒方佳子 火星 201112
栗剥くやいたづらに歳重ねきて 山路紀子 風土 201112
靴裏で踏みつけてより栗拾ふ ことり 六花 201112
あと一つあとひとつだけ栗拾ふ 加納淳子 六花 201112
栗を守る青毬のまだやはらかし 川上恵子 雨月 201112
手に負へぬ事多し栗甘く茹で 鷹崎由未子 花野 201112
栗をむくたのしみ指に夜を更かす 中山純子 万象 201112
綾子忌の近しと栗を拾ひけり 山田春生 万象 201112
毬栗の青々として匂ひけり 曽根満 万象 201112
渋皮をのこし小布施の栗を煮る 木村茂登子 あを 201112
栗餅や土佐街道の町家カフェ 鈴木照子 201201
アイフォンを自在にこなし栗の飯 北尾章郎 201201
渋皮のぽろり剥れし新種栗 小林久子 201201
ひさびさに来たる子に炊く栗の飯 大川暉美 末黒野 201201
かみさんの言ひ成り次第栗を剥く 石田きよし 201201
栗の鞠踏むやはらかき水の音 成田美代 201201
大の男の頬ゆるみけり栗羊羹 宮田豊子 春燈 201201
栗飯を炊いて吾子待つ夕べかな 加藤千春 春燈 201201
ふたりして虫喰ひ仕分け栗おこは 石田康明 春燈 201201
落栗の毬集められまた寂びし 柳田皓一 かさね 201201
父の手は魔法の様に栗を剥き 中田寿子 ぐろっけ 201201
連れ添ひて似て来た夫婦栗ご飯 永塚尚代 ぐろっけ 201201
京大に縁なき半生虚栗 久保田雪枝 雨月 201201
栗飯の丹波の味はいかにやと 博多永楽 雨月 201201
栗飯や食めば丹波の味ひしと 博多永楽 雨月 201201
齎さる栗のワイン煮粒大き 本多正子 雨月 201201
開山忌の昼餉典座の栗おこは 塩見治郎 雨月 201201
栗焼いて憶良の栗となりにけり 竹田ひろ子 ろんど 201201
虚栗拾ふも一期一会かな 池内結 ろんど 201201
青栗や山の音させ活けてみる 木山杏理 京鹿子 201201
青栗の小さな谺さそひ出す 木山杏理 京鹿子 201201
きちきちに栗詰まりゐる網袋 根橋宏次 やぶれ傘 201201
焼栗の弾ぜたるところ飛鳥かな 雨村敏子 201202
毬外し児の傍に置く栗拾ひ 堤節子 ぐろっけ 201202
焼栗の香し昼の中華街 中山良子 末黒野 201202
毬栗をかみし庭下駄甲斐の宿 村田とくみ ぐろっけ 201203
ヘルメットかぶり父と子栗の山 村田とくみ ぐろっけ 201203
栗の実の留まりゐたる茅の屋根 松下八重美 夢見の鐘 201203
棲みついて栗より白し栗の虫 きくちきみえ やぶれ傘 201203
栗むいて母が老先ばかり言ふ 近藤牧男 六月 201206
栗焼けば寝そびれあそぶ末子かな 水原秋櫻子 馬醉木 201209
木曽路より恵那に来てをり栗の飯 北崎展江 くりから 201209
取組は耳で見るなり栗を剥く 細野恵久 ぐろっけ 201209
校長の庭の毬栗ころがり来 小林朱夏 201210
栗食べるめがねの奥の優しい目 塩路彩奈 201211
よちよちと番の雉鳩栗実る 柳田晧一 かさね 201211
丸々と毬藻のごとき栗の毬 柳田晧一 かさね 201211
許されてゐる幸せや栗おこは 徳田千鶴子 馬醉木 201211
栗の虫東京に来て貌だして 千田敬 201211
栗の実の艶乾坤の光持つ 大橋敦子 雨月 201211
山道をゆづりゆづられ栗の毬 根本ひろ子 火星 201211
粕漬に相性のよし栗おこは 赤座典子 あを 201211
やまおろし網にはみ出る栗のいが 森岡陽子 かさね 201212
深山より拾ひて来たる栗の艶 花田心作 201212
晩年や夫亡く子無く栗をむく 折橋綾子 201212
エプロンに日課のごとく栗拾ふ 仁平則子 201212
地に落ちて今弾けたる栗かとも 上坂渥子 雨月 201212
落栗や猿と共有しつつ拾ふ 上坂渥子 雨月 201212
山猿も知らぬ栗落つ場を得たり 上坂渥子 雨月 201212
栗十個サイクリングの山越えに 上坂渥子 雨月 201212
熊除けの鈴鳴らしつつ栗拾ふ 上坂渥子 雨月 201212
台風の落し物なる栗の毬 北村ちえ子 六花 201212
青栗のまたも間引かれまたも落つ 古川忠利 ろんど 201212
毬踏んで子と競ひ合ひ栗拾ふ 川崎利子 201301
栗剥くや右脳をはしる五能線 山崎靖子 201301
栗剥くやひとりてふ刻引き寄せて コ田千鶴子 馬醉木 201301
栗飯の栗数へ合ふ兄妹 川崎真樹子 春燈 201301
笑栗や裡に鬼など囲ひをり 栗栖恵通子 201301
栗落ちて身軽くなりし一樹かな 久保東海司 201301
栗ごはん仏の母に味を問ひ 石井一石 京鹿子 201301
毬栗を踏んで木洩れ日歪みたり 浜口高子 火星 201301
高き空猿に負けたる栗ひろい 福田かよ子 ぐろっけ 201301
焼栗の爆ぜて民話の宿りかな 三枝邦光 ぐろっけ 201301
弔電を打ちひたすらに栗をむく 師岡洋子 ぐろっけ 201301
産声や老舗に走り栗おこは 浅岡麻實 末黒野 201301
毬爆ぜて栗誕生の光跳ね 大橋晄 雨月 201301
栗剥きし故なる文字の強張りぬ 宮平静子 雨月 201301
栗を煮る明治の人のやうに煮る 篠田純子 あを 201301
栗の皮剥く包丁と糸切り歯 きくちきみえ やぶれ傘 201301
木洩れ日の敷石道や栗の毬 山崎稔子 末黒野 201302
色染めし枝大瓶に栗御飯 福田かよ子 ぐろっけ 201302
生来の艶失せ栗の茹であがる 落合由季女 雨月 201304
栗飯のケースの前に戻りけり 松本アイ ぐろっけ 201304
青栗の多感なる棘人嫌ひ 神田恵琳 春燈 201310
ふるさとを丹波といふ児栗弁当 塩路隆子 201311
枝付きの栗を机の端に置く 市川伊團次 六花 201311
柴栗の踏まれ踏まれし天邪鬼 植田桂子 馬醉木 201311
野分過ぎゆき虚栗道塞ぐ 仁平則子 201311
役場用済みたる杣や栗飯入 桂樟蹊子 201311
青栗のイガイガ鎧兜かな 瀬川公馨 201311
青栗の一枝を卓に常の宿 松本美簾 馬醉木 201311
栗の飯炊きて母郷を遠くせり 壺井久子 馬醉木 201311
祖母偲ぶ昔ながらの栗おこは 増田甚平 ろんど 201311
待宵や青毬栗は高く活け 瀧春一 花石榴 201312
栗御飯炊く幸せを沁みじみと 白澤よし子 馬醉木 201312
この先に熊架あると栗拾ふ 土井ゆう子 風土 201312
熱つ熱つの丹波焼栗頬張れり 山口キミコ 201312
山栗を拾ひ熊架見に行かず 土井ゆう子 風土 201312
煮こぼして煮こぼして栗の渋皮煮 木村茂登子 あを 201312
毬栗の転がつてゆく浄土かな 前田美恵子 201312
毬栗の日差にをどり瑞々し 間宮あや子 馬醉木 201312
栗の実の渋皮までの三つ揃ひ 木村茂登子 あを 201312
栗の実の爆ずる音して夜のしじま 塩路隆子 201312
栗御飯同じ戦時を生きし人 田中藤穂 あを 201312
地の人に貰ふ山栗掌に余り 土井ゆう子 風土 201312
栗を剥く刃の切れ味をいひながら 根橋宏次 やぶれ傘 201401
熟れた毬より点睛の栗拾ふ 小泉欣也 ろんど 201401
毬をむき栗を見せ合ふ子供達 秋千晴 201401
茹栗の皮より柔し栗の虫 きくちきみえ やぶれ傘 201401
人去りて毬の山なす栗林 秋千晴 201401
栗おこはほつくり夫の喜寿を祝ぐ 橋場美篶 末黒野 201401
栗ご飯届きし友の塩加減 池田久恵 ぐろっけ 201401
栗の幹くねくね栗の毬落つる 安藤久美子 やぶれ傘 201401
栗むくやすでに厄年なき齢 黒滝志麻子 末黒野 201401
栗をむく越路吹雪を聴きながら 田中藤穂 あを 201401
栗を剥く包丁として古りにけり 今瀬一博 201401
栗飯の二合に季節あふれける 国包澄子 201401
大栗を生で食ふ児や山育ち 佐用圭子 201401
卓に置く毬栗の篭モカ香る 藤沢秀永 201401
古稀の夫を諭す母ゐて栗ご飯 川村清子 馬醉木 201401
故郷の香りを添へて栗ごはん 田中信行 201401
虚栗踏む山峡の休窯 塩見英子 雨月 201402
板前の丁寧に剥き丹波栗 竹内涼子 末黒野 201402
頑に生きて米寿の栗おこわ 荒木治代 ぐろっけ 201402
栗の落つ懸谷の見ゆ神の庭 元橋孝之 京鹿子 201402
焼き栗三つ食し卒塔婆小町かな 中島陽華 201403
道端に盗人気分の栗拾ひ 布川直幸 201409
皮むきて手間も味なり栗御飯 稲畑汀子 ホトトギス 201410
親指をずぶと沈めて栗を剥く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
先づ栗を避けて栗飯食べ始む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
栗剥きの角痛けれど夜や愉し 山田六甲 六花 201410
あの顔もこの顔もゐて栗の飯 佐橋敏子 春燈 201411
全き灯を点されにけり栗の虫 山尾玉藻 火星 201411
毬栗に腕白ことば詰まりゐる 森岡正作 201411
髪染めてきて踏んでゆく栗の毬 きくちきみえ やぶれ傘 201411
やはらかき青毬栗を拾ひけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201411
栗飯や栗だけ食べる孫二人 溝渕弘志 六花 201411
日曜日暇で淋しい栗を剥く 太田沙良 201412
虚栗踏んで濁世の音聞きぬ 林紀夫 春燈 201412
銀寄とふ栗一粒をたなごころ 近藤紀子 201412
栗落すふるさとの空深きより 橋本榮治 馬醉木 201412
楽しげに笑みて転げる山の栗 青野安佐子 201412
焼栗の温みじめりの袋抱く 山口ひろよ 201501
栗ひとつに及ぶ噺の猿と蟹 笹井康夫 201501
栗の里産屋につるす鋳びし鎌 人見洋子 201501
鬼皮は爪の固さや栗を剥く 佐用圭子 201501
栗羊羹合と匁の料理本 西郷慶子 201501
栗食めば小さき幸せ一つづつ ク大口堂遊 春燈 201501
子供等に山栗貰ひまづ供ふ 千葉惠美子 末黒野 201501
ことことと踊りはじめぬ鍋の栗 岩崎スミ子 末黒野 201501
丹波なれ山と積まれし栗の毬 大石よし子 雨月 201501
誰彼に分つ約束栗拾ふ 笹倉さえみ 雨月 201501
木喰仏へ栗山つづく丹波みち 滝澤圭子 雨月 201501
小半日山の影負ふ栗筵 小林輝子 風土 201501
栗の虫この世の光まぶしかり 岩下芳子 201501
栗めしを志野の茶碗にてんこもり 中道愛子 201501
焼栗やシンガポールの夜の匂い 山田佳子 201501
毬栗のチクリと胸の深さとも 園部早智子 ろんど 201501
栗飯を炊けば厨に福満ちて 長崎桂子 あを 201501
焼栗を売る影法師冬至晴 山田美恵子 火星 201502
栗を剥く刃二寸の肥後守 小川玉泉 末黒野 201502
たつぷりと眼鏡曇りぬ栗ごはん 飯塚ゑ子 火星 201502
栗飯は栗の話をして食べる 高橋将夫 201502
何事も無視する孫に栗を剥く 國保八江 やぶれ傘 201502
栗ごはん炊ける彼だし「了解」 梨地ことこ 船団 201505
栗蒸して菓匠高橋孫左衛門 ふけとしこ 船団 201505
栗茹でてテーブル囲む長い時間 吉宇田麻衣 201504
栗飯のもてなしありしスイス航空エア 遠藤迫遙子 風土 201507
笑栗や杣の子と入る文殊の湯 鈴木静恵 花こぶし 201508
山栗の落ちし許サの艶拾ふ 鈴木静恵 花こぶし 201508
栗の虫この世の光まぶしかり 岩下芳子 201508
兼題の栗に苦吟のイガ痛む 八木健 八木健俳句集 201509
北向観音お布施で食す栗ご飯 大日向幸江 あを 201510
幸せの一つに数へ栗の飯 中田みなみ 201511
あをぞらを痛めぬやうに栗落す 山本喜朗 雨月 201511
北斎の小布施の町に栗拾ふ 山本喜朗 雨月 201511
茹栗をむきてやる夜の無くなりぬ 井上信子 201511
三つ栗の押し合ひ圧し合ひ楽しけれ 能村研三 201511
栗飯の栗が顔出す炊飯器 安居正浩 201512
ゆで栗を剥けども食べる夫は亡し 長谷川友子 春燈 201512
山巓に金星栗飯のにほひ 高野春子 京鹿子 201512
焼栗を好みし母の剥き上手 谷岡尚美 201512
栗剥いて黄金色添ふ栗の飯 井島郷雲 万象 201512
朝栗を拾ひ集めて子に送る 山形悦子 万象 201512
泣き顔の君に届ける栗ごはん 秋川泉 あを 201512
自問自答鬼皮厚き利平栗 赤座典子 あを 201512
栗剥くや駄々つ子の服はぐごとく 黒澤登美枝 201512
皮を剥くまでの格闘栗ごはん 吉野夢宙 201512
庄兵衛を名告る果樹園虚栗 和田政子 201512
栗ごはん土鍋ちりちり歌ひけり 辻響子 201512
栗の実の落ちしばかりの艶拾ふ 片山喜久子 雨月 201512
栗拾ふ波郷友二の家族来て 神蔵器 風土 201512
ごろごろと栗沢山の男飯 田原陽子 201601
旅の身の拾うては捨つ珠の栗 松林依子 201601
縄文の子等は歯で剥く栗の皮 荒木甫 201601
大粒の栗じつくりと渋皮煮 板谷俊武 末黒野 201601
小布施堂栗の小径は風の径 割田容子 春燈 201601
焼栗の匂ひの中に露店の灯 柴田志津子 201601
廃校にランチビユッフェや栗おこは 森清信子 末黒野 201602
永遠に悲愴の父は栗を剥く 高橋龍 201602
栗爆ぜる音そのままに火炎土器 中島陽華 201603
マチュピチュをテレビに見つつ栗を剥く 田中藤穂 あを 201603
落毬に覗きし栗の艶やかさ 関 桂二 201603
焼栗の湯気をほのかに紙袋 志方章子 六花 201604
片栗や鴨飛び去りし沼の色 田中素直 201606
栗の飯死者は生者とともに生き 永淵暫子 201607
栗国忌丁雨忌五月来たりけり 田中臥石 末黒野 201608
大鳥のそばの芝栗落ち放題 内田郁代 万象 201609
青涼し雨に洗はる栗の毬 中村弘 末黒野 201610
栗飯や杉の箸置き杉の箸 山田六甲 六花 201610
栗 →7      

2021年10月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。