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栗しぐれなどと申すも溪住ひ    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
母と子にはなしは尽きず栗を剥く 窪田粧子 馬醉木 200912
栗落つる音に目覚むる坊泊 城台洋子 馬醉木 200912
丹波栗焼くときいつも童唄 塩路隆子 200912
栗食むや縄文人を偲びつつ 塩路五郎 200912
山栗を両手に盛りて児の笑顔 笠井清佑 200912
笑み栗の艶の格別丹波産 宮田香 200912
艶やかな栗五六粒拾ひけり 駒井のぶ 200912
艶やかに落ちゐし朝の丹波栗 中川すみ子 200912
遠き日の母の栗飯偲び炊く 松村富子 200912
栗煮るや四十代のああ眠し 田中まや 炎環 200912
あつさりと口を割りたる栗の毬 高橋将夫 200912
菓子にまづ見て栗の在りどころ 安居正浩 200912
栗を剥く母の包丁先丸し 前川明子 200912
向き合ひてゐて寡黙なり栗を剥く 中原吟子 雨月 200912
栗拾ふ与一やな場を視野に置き 松本三千夫 末黒野 200912
下草を刈りたる後に栗落す 坂口三保子 ぐろっけ 200912
道筋の栗一本や毬と子等 井上玉枝 酸漿 200912
軍手はめ幼子と栗拾ひけり 小浦榮子 酸漿 200912
笑栗に一撃与ふ日暮かな 林かよ 200912
落ち栗を木舟に乗せて渡し跡 黒部祐子 200912
父の忌に合せ栗剥く娘のをりぬ 鈴木多枝子 あを 200912
いが栗を叩き落して且つ踏んで 鎌倉喜久恵 あを 200912
コンコルド広場焼栗頬張りて 泉田秋硯 201001
猿人と繋がる糸や栗拾ふ 小嶋恵美 春燈 201001
京めぐり焼栗口にはふり込み 竹内慶子 春燈 201001
栗茹る家族そろひし日曜日 大西八洲雄 万象 201001
盆笊に山栗ひろげ縁におく 斉藤小夜 風土 201001
ビニールの袋くもらす栗の息 根橋宏次 やぶれ傘 201001
傘寿経て栗の渋剥く妻の指 宮地静雄 末黒野 201002
毬栗の殻の火だるま山に雪 大畑善昭 201002
てのひらの窪に焼栗おちつきぬ 荒井和昭 201002
共犯者得てもそわそわ栗拾い 入江節子 ろんど 201002
大英博物館門前の焼栗屋 さのれいこ 春燈 201002
地の栗もゴルフの記念品となる 鈴木浩子 ぐろっけ 201002
落されて毬はじきあふ栗林 鷹羽狩行 201010
俳諧のこころ即ち虚栗 鷹羽狩行 201010
毬栗のはじけむばかり井水汲む 小川玉泉 末黒野 201011
山栗の坂をまろべる月明り 杉浦典子 火星 201011
生栗を噛みつつ紅葉峠越ゆ 山田六甲 六花 201011
てのひらに計りては栗拾ひをり ことり 六花 201011
栗の実の弾けし山路豊かなり 久永つう 六花 201011
いが栗を器用に踏みて剥きにけり 中江月鈴子 201011
見つめゐる目にちかちかす栗の毬 大橋敦子 雨月 201011
郷愁の「ゲゲゲの女房」栗の飯 新実貞子 201012
栗ごはん販ぐビジネス街の昼 竹内悦子 201012
古きよき頃を思へり栗拾ひ 松田和子 201012
かあさんの栗をむく指美しき 太田昌子 馬醉木 201012
拾ひたる栗の実ひとつ捨てられず 松本桂子 201012
栗飯の栗はるかなる母の故郷くに 十川たかし 201012
夢に来てまた茹栗をむき呉るる 井上信子 201012
毬栗の大きな笑みを棒で打つ 伊藤紫水 風土 201012
継竿に鉤つけ栗を揺り落とす 筒井圭子朗 ぐろっけ 201012
狛犬にいが栗ひとつ供へある 鎌倉喜久恵 あを 201012
栗踏んで一つ拾へば一つ落つ 鎌倉喜久恵 あを 201012
知るだけの歌唄ひつつ栗を剥ぐ 松岡和子 201101
鼻唄の厨に香り栗の飯 小西和子 201101
風落ちてほのぼの甘き栗の菓子 斎藤道子 馬醉木 201101
たらちねの母は坐りて栗を剥く 荒木甫 201101
箸置は魚のかたち栗ごはん 箕輪カオル 201101
戦中の男丸刈り栗ごはん 足立良雄 201101
留守の間の仏壇にある栗ごはん 小野口正江 末黒野 201101
髪乾くまでを栗むく誰が来るか 小野口正江 末黒野 201101
大いなる落栗二つもらひけり 大坪景章 万象 201101
毬栗を点景にして小原流 千田百里 201101
適温の人と並びて栗の飯 荒川美邦 京鹿子 201101
栗の皮むく包丁の刃かな 藤波松山 京鹿子 201101
栗飯の湯気の向うに笑顔かな 永田勇 六花 201101
高枝に毬栗数多残りあり 永田勇 六花 201101
毬栗の中身をつると取り出しぬ 永田勇 六花 201101
栗拾ふ縄文人の腹をもて 年森恭子 ぐろっけ 201101
山栗を南無と言ひつつ捥ぎにけり 野口喜久子 ぐろっけ 201101
和紙貼りし笊に山栗売られけり 根橋宏次 やぶれ傘 201101
勝栗で卒寿と古稀の親子祝ぐ 関元子 ろんど 201101
栗拾ひ妙齢にして頰被り 園部早智子 ろんど 201101
焼栗をむきつつ遠き日なりけり 井上信子 201102
小指より小さき栗茸摘みにけり 荒木甫 201102
楽しみは通院帰りの栗拾ひ 宇田喜美栄 201102
石畳焼栗売りの影のびる 小林愛子 万象 201102
拾ひ来し白峰の栗炊き込めり 石川裕子 万象 201102
栗飯や句縁といふは有難し 中島知恵子 雨月 201102
縁結び叶ふや旅の栗丸し 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201102
妣の里たまたま拾ふ虚栗 林美智 ぐろっけ 201102
ポケットのニトロに替へて丹波栗 高谷栄一 嵯峨野 201107
火刑さながら熾に栗投げ落とす 布川直幸 201110
恭仁京の大粒の栗拾ひけり 山田春生 万象 201110
笑栗や親にも子にも叱られて コ田千鶴子 花の翼 201111
栗剥いて指先乾くひとりの夜 コ田千鶴子 花の翼 201111
とりとめのない話など栗を剥く 森下康子 201111
金婚も疾うに過ぎけり栗の飯 塩路五郎 201111
草むらの落栗にある旨さかな 仁平則子 201111
毬栗の目にちかちかと迫り来る 大橋敦子 雨月 201111
毬栗の辣荒々し恐ろしし 大橋敦子 雨月 201111
栗ご飯去年はいっしょに食べたのに 鎌倉喜久恵 あを 201111
武家屋敷濠端筋の栗拾ふ 川崎利子 201112
焼栗を剥きつつ歩く城下町 川崎利子 201112
石狩や石の重さの栗南瓜 小林千草 馬醉木 201112
茹で栗をむく外のこと皆忘れ 上原重一 201112
父母の年齢はるかに越えて栗を食む 丹生をだまき 京鹿子 201112
碧空や里の峠の栗笑まふ 堺昌子 末黒野 201112
栗を剥く夜の静寂や妣のこと 立野千鶴子 末黒野 201112
栗 →6      

2021年10月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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