3     100句

栗はみつ思ふは母の総入歯    金子麒麟草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
栗剥くや百年後のこと思ふ 神蔵器 風土 200411
栗剥の証となりし指の傷 鈴木多枝子 あを 200411
ありなしの風感じつつ栗拾ふ 須賀敏子 あを 200411
栗焼きていつかどこかの旅想ふ 水田清子 200411
毬栗の威嚇してゐる飾り棚 森佳子 遠嶺 200412
毬栗の落つ引力の音なりき 岩月優美子 200412
十五夜をひかへてとどく丹波栗 阿部文子 酸漿 200412
古里に拾ひし栗や今朝の膳 橋本光子 酸漿 200412
焼栗を剥いて友達増やしけり 久保知音 対岸 200412
山栗を拾ひ瀧径見失ふ 篠田たもつ 対岸 200412
栗林背負籠一つ置かれあり 羽根田和子 百鳥 200412
遠く来て姉の菩提寺栗拾ふ 田中藤穂 あを 200412
ポケットに落栗三つ山の音 鎌倉喜久恵 あを 200412
山栗のそのちいさきを好みけり 須賀敏子 あを 200412
「釈一茶退位」の墓に栗供ふ 南奉栄蓮 風土 200501
毬栗の少年の舞ふ里神楽 萩原みどり 雲の峰 200501
二階より大きな返事栗茹だる 野中啓子 200501
茅葺のバス停で食ぶ栗むすび 福田かよ子 ぐろっけ 200501
七人に喰べてもらはむ栗を剥く 野澤あき 火星 200501
虚栗どこか身につまされてゐて 大橋麻沙子 雨月 200501
痩我慢といふ体たらく虚栗 大橋麻沙子 雨月 200501
吾今の太ることなし虚栗 池田倶子 雨月 200501
光秀の地のばんばんと栗爆ずる 密門令子 雨月 200501
栗あまた拾ひ一夜の宿をとる 伊藤希眸 京鹿子 200501
ひととせの夫の忌近し栗を剥く 田代ヨシ 河鹿 200502
庭見世や柿栗盛りて宗和膳 築城百々平 馬醉木 200502
虚栗叩いてゆきし遍路杖 青山悠 200502
栗貰ふリスがお手して木魚音 禰寝瓶史 京鹿子 200502
荷を解くや栗八方へ転び出づ 坪井洋子 200502
正座して栗むいてゐる真顔かな 伊藤敬子 遠嶺 200502
転がつてゐる毬栗はわれのもの 玉川梨恵 200502
栗毬を挟むダビデの投石器 霧野萬地郎 200504
栗二つ茶碗の中に秋運ぶ 石山佳仙 200505
栗踏んで虚子の歩きし径を行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
秋天をかくさふ庭木栗も柿も 瀧春一 菜園 200509
或る友より栗を送らる 瀧春一 菜園 200509
ひろひためし栗を孤獨の灯にひろげ 瀧春一 菜園 200509
山里の子も毬栗も笑はざる 大串章 百鳥 200510
姉妹三人朝より栗の皮剥けり 松崎鉄之介 200511
風狂の鞠転々と虚栗 小澤克己 遠嶺 200511
柴栗の坂まろぶとき一心に 西山美枝子 酸漿 200511
栗はぜてデカンショのこゑ近づけり 谷岡尚美 200512
母の植ゑし栗なり父母の墓に落ち 三村武子 酸漿 200512
栗の毬弾けてゐたる山雨かな 廣畑忠明 火星 200512
山日和はじけころころ栗笑ふ 木内美保子 六花 200512
色つやに衝動買ひの里の栗 小牧弘治 河鹿 200601
こどもらと右往左往の栗拾ひ 峯桜子 遠嶺 200601
考へは一旦中止栗を剥く 松本綾子 四葩 200601
今日明日を思ふともなく栗を剥く 伊賀山ひでを 春燈 200601
栗笑みて父の十三回忌かな 高千夏子 200601
栗のいが踏みて車が停止せり 井上加世子 ぐろっけ 200601
よきことは褒めやう栗の皮を剥く 飛鳥由紀 200601
病室の夜景を褒めて栗の菓子 高橋道子 200601
栗を売る農家の庭の俄店 木村迪子 酸漿 200601
留守の間に栗の一笊置かれあり 早水秀久 河鹿 200602
栗むいて忘れ上手の二人かな 西川五郎 馬醉木 200602
おほかたは虫食ひばかり老いし栗 安部康子 万象 200602
鏡中の次第に深き栗落葉 今瀬剛一 対岸 200602
七栗の温泉のまろやかに年忘 三輪温子 雨月 200604
過保護は厭いがより栗の落ちにけり 物江晴子 八千草 200605
妻とあれば澎湃として栗を燒く 吉村たけを 海市蝶 200606
焼栗の片割れ供ふ旧婚日 品川鈴子 ぐろっけ 200609
炉に栗を埋めて話弾みだす 丁野弘 200610
笑栗に見惚れてゐたる女の子 滝沢伊代次 万象 200610
片割れの栗を霊供とする婚日 品川鈴子 ぐろっけ 200610
焼栗を食べ食べ歩みここは西安 鈴木榮子 春燈 200611
栗好む末子も諭せし淵明なる 松崎鉄之介 200611
子の一家待つ忙しさに栗を剥く 島崎勇作 酸漿 200611
雨の中栗商へる長屋門 片野美代子 酸漿 200611
長雨や栗の渋皮煮にトライ 竹内弘子 あを 200611
黙々と栗むき孤独にはあらず 小林成子 200612
栗ゆすりゐる猿の知恵まのあたり 黒坂紫陽子 馬醉木 200612
落栗や若草山の野天風呂 馬場宏 春燈 200612
考へる人の隣に栗を剥く 瀬下るか 200612
夕日よりころげて来たる丹波栗 植木戴子 200612
陶潜の子等梨・栗を廬山に得し 松崎鉄之介 200612
すぐそこに峠を置きて栗の秋 村越化石 200612
栗の実を探すまだらな木洩れ日に 北村すなほ 200612
この土地の利平と言ひて栗を剥く 北村すなほ 200612
栗林猿は神出鬼没らし 山崎辰見 ぐろっけ 200612
栗茹でて立つも座るも一人なり 加古みちよ 火星 200612
山見えずなりけり栗を拾ひつつ 小林和子 風土 200612
栗の木に猿の来てをり薄月夜 田中藤穂 あを 200612
栗の木をゆすぶつてゐる秋の旅 田中藤穂 あを 200612
栗拾ふ熊そっくりの四つん這ひ 泉田秋硯 200701
丹波栗一キロ婚礼日取り添へ 荒木甫 200701
革靴にねずみがくれた栗ふたつ 小宮山哲朗 200701
毬栗の一つ落ちゐし道夕べ 道給一恵 遠嶺 200701
てのひらに一粒の艶丹波栗 中山純子 万象 200701
茹で栗の偶数師系似たるかな 中山純子 万象 200701
栗落つるかたへ漉き紙乾きゐて 山内なつみ 万象 200701
風止むを待ちて村人栗拾ふ 大山清 200701
山栗のこぼれしままの世阿彌道 本間勇 酸漿 200701
卒寿過ぎの姉に栗生る誕生月 野沢しの武 風土 200702
子の一家待つ忙しきに栗を剥く 伊藤一枝 酸漿 200705
夜もすがら栗剥く小さき台所 北川美美 200705
かゞやかに鷺の下りたる栗林 瀧春一 200706
長旅の掌に焼栗をまろばせる 品川鈴子 200708
退屈な殻より栗の弾けたる あさなが捷 200710
栗食めり皮山盛りに積みながら 赤座典子 あを 200710
栗 4      

 

2021年10月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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