雲の峰 5             100句

鰻まつ間をいく崩れ雲の峯    正岡子規

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雲の峰すべて海へと島のみち 中元英雄 河鹿 200412
余生なほ真つすぐ歩く雲の峰 石神洋行 河鹿 200412
蒼然と城壁は反り雲の峰 山田をがたま 京鹿子 200412
雲の峰意志のある如く崩れけり 平尾信一 帆船 200412
切り岸は垂直にして雲の峯 伊藤トキノ 200412
草千里バックミラーに雲の峰 都留嘉男 八千草 200412
突然に犬走り出す雲の峰 安永圭子 風土 200501
脱走兵を生む咎もあり雲の峰 山元志津香 八千草 200501
草山に馬放ちけり雲の峰 鈴木勢津子 200503
雲の峰高層ビルの縮みゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
雲の峰ビル黒々と彩れり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
雲の峰崩るる早さありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200507
着陸のいつ抜けしとも雲の峰 稲畑汀子 ホトトギス 200507
雲の峰目ざす旅路となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200507
雲の峰道の起点の日本橋 直井たつろ 風土 200507
都庁ビルの二本の角や雲の峯 大高芭瑠子 炎夏 200507
菜園で科学の話雲の峰 小澤克己 遠嶺 200508
本流へ舳先を向けて雲の峰 花島陽子 遠嶺 200508
湧く力形に見せて雲の峰 渡部節郎 200508
草の香の雀斑の少女雲の峯 飛鳥由紀 200508
あたたかき酪駝の背中雲の峰 斧田綾子 対岸 200508
こんこんと水湧いてをり雲の峰 田中千枝子 対岸 200508
露坐仏の光背として雲の峰 安陪青人 雨月 200508
雲の峰海が育てて海に消ゆ 塩川雄三 築港 200508
雲の峰レッカーの腕伸びてゆく 山川涛石 築港 200508
海坂に白帆散らして雲の峰 石本百合子 馬醉木 200509
一拍を未来に拓き雲の峯 上田繁 遠嶺 200509
旅宿の遠き瀬音や雲の峰 田中清子 遠嶺 200509
もう一つ空振りできる雲の峰 高木嘉久 200509
上りより下り優先雲の峰 高橋将夫 200509

 悼塚本邦雄先生

シチリアの白き石段雲の峰

加藤みき 200509
船釣の河豚は外道よ雲の峰 浜明史 風土 200509
誰よりも青に染まらむ雲の峰 伊藤早苗 200509
雲の峰舟は吊られて舳先上げ 望月澄子 対岸 200509
沸き上がりパントマイムの雲の峯 三浦如水 ぐろっけ 200509
セスナ機も鳥の類ひよ雲の峰 光野昌平 築港 200509
親子して山村留学雲の峰 徳田正樹 河鹿 200510
老の艪の舳先真向ふ雲の峰 塙三千男 馬醉木 200510
口紅のはみだしてをり雲の峰 吉田明子 200510
雲の峰つまらぬ男になつてゐる 小澤克己 遠嶺 200510
計画の進まぬ一日雲の峰 山下美絵子 遠嶺 200510
バイエルンの牧野の果に雲の峰 大西裕 酸漿 200510
雲の峰ボトルのお茶にのど鳴らす 梅村五月 栴檀 200510
奈良市長出直し選挙雲の峰 河合佳代子 栴檀 200510
大声で呼んでみたくて雲の峰 外川玲子 風土 200510
勢ひのつく下り坂雲の峰 中村洋子 風土 200510
高速道雲の峰まで続きをり 須藤美智子 風土 200510
崩れてはまた盛り上がる雲の峰 浦松静子 築港 200510
十方に人のくらしや雲の峰 青山悠 200510
気を抜けば背筋くづるる雲の峰 長谷川千枝子 200510
雲の峰安達太良いまだ暮れ切らず 藤井昌治 200510
絶壁に取りつく男雲の峰 山内なつみ 万象 200511
船べりに足なげだせり雲の峰 大槻球子 遠嶺 200511
雲の峰よりいま着きしリフトかな 冨岡夜詩彦 200511
げんこつにてつぺんありぬ雲の峰 篠藤千佳子 200511
最上川舟唄雲の峰立てり 五十嵐暢子 対岸 200511
跳び越ゆるハードル十基雲の峰 鎌倉ひろし 百鳥 200511
雲の峰阿蘇の火口の胎動す 小林朱夏 200511
雲の峰細くなりたる大河かな 高倉恵美子 200511
雲の峰ボート競争櫂揃ふ 藤田佑美子 栴檀 200511
舟の水掻き出してをり雲の峰 原口洋子 栴檀 200511
雲の峰大和はつひに戦はず 九万田一海 河鹿 200512
逆上がりやつとあがりて雲の峰 木原紀幸 河鹿 200512
試合終へ校歌高らか雲の峰 木原紀幸 河鹿 200512
野良犬の尻尾きりりと雲の峰 宮原利代 ぐろっけ 200512
雲の峰脳裏を掠む原子雲 小島左京 ホトトギス 200601
雲の峰島から島へ橋吊られ 楠原幹子 200601
江の島を覆ふがごとく雲の峯 宮森毅 六花 200601
針に糸通す手伝ひ雲の峰 中村昭義 百鳥 200602
オレゴンヘ青年の旅雲の峰 飯高あい 対岸 200602
かづら橋三歩にすくむ雲の峰 鵜飼正子 栴檀 200602
すでにつんでゐる將棋なり雲の峰 久保田万太郎 春燈 200603
黒部湖の水の緑や雲の峰 清水和子 酸漿 200603
蝉鳴かぬ山のしづけさ雲の峰 瀧春一 常念 200606
雲の峰富士と拮抗してをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200606
野川満ち満ちてしづかや雲の峯 瀧春一 瓦礫 200606
誰か吾をボヘミヤンと云ふ雲の峰 瀧春一 瓦礫 200606
雲の峰黒いリボンのかけてある 栗栖恵通子 200606
豊漁や沖に聳ゆる雲の峰 尾辻のり子 河鹿 200607
雲の峰崩れんとして夕べ来る 稲畑汀子 ホトトギス 200607
地のほてりより立ち上る雲の峰 稲畑汀子 ホトトギス 200607
朝の雨上りたちまち雲の峰 稲畑汀子 ホトトギス 200607
傍らにいつも師のゐて雲の峰 吉野のぶ子 遠嶺 200608
白山におぶさつてゐる雲の峰 高橋将夫 200608
シャツたたき干すやむくむく雲の峰 加瀬美代子 200608
白墨のつぎつぎ折れて雲の峰 水原春郎 馬醉木 200609
諦めることふやすまじ雲の峰 緑川啓子 馬醉木 200609
廃村に山河残りぬ雲の峰 宮野照子 馬醉木 200609
近江商法ここに始まる雲の峰 中島節子 春燈 200609
雲の峰片方に湧きし南部富士 伊藤あえ子 四葩 200609
雲海を渡りて雲の峰を越ゆ 高橋将夫 200609
今日の眉引き終へにけり雲の峰 山尾玉藻 火星 200609
生きてゐる魚に串刺す雲の峰 城孝子 火星 200609
をととひのきのふのけふの雲の峰 神蔵器 風土 200609
天ぷらを大皿に盛り雲の峰 浅田光代 風土 200609
大釜に潮焚く男雲の峰 山内なつみ 万象 200609
大望を抱くのもよし雲の峰 田島勝彦 遠嶺 200609
雲の峰返事は都合のよいほうに 瀬下るか 200609
試歩けふは雲の峰まで行くつもり 酒本八重 200609
食欲を出せと湧きたる雲の峰 宮津昭彦 200609
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2021年8月1日 作成

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