鯨(くじら・くぢら)2     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
守護霊に鯨が憑いてゐるといふ 常田創 201103
椅子深く掛け鯨鳴く夜と思ふ 近藤喜子 201103
白鯨と鈴木しづ子の行方かな 水野恒彦 201104
漂着の鯨葬るべく集ふ 中村嵐楓子 春燈 201105
新涼の朝は鯨の夢を見て 林弥樹 201112
南十字の影を浴びたる鯨来る 加藤みき 201202
大島を鯨とも見つかげろへる 竹内弘子 あを 201204
見えねども海に山脈鯨飛ぶ 福島茂 201205
連れあひと潜りくらべの鯨かな 久保東海司 201205
飛んだり潜つたり七月の鯨 雨村敏子 201210
潮を吹く鯨見物室戸岬 岡野安雅 かさね 201302
年忘れ心斎橋の鯨鍋 岡野安雅 かさね 201302
竜宮の門叩きをる鯨かな 中田禎子 201303
補陀落の真下を旅す鯨かな 近藤喜子 201303
座頭鯨海盛り上げて大ジャンプ 藤見佳楠子 201303
鯨供養の塚を抱きて山眠る 浜福惠 風土 201304
人間の話に戻る鯨鍋 相良牧人 201304
鯨供養の海がうがうと波の花 浜福惠 風土 201304
汐騒の夜となりたる皮鯨 水野恒彦 夢寐 201306
葉月潮鯨塚まで到りけり 広渡敬雄 201310
天の川鯨を海に帰しけり 山田正子 201311
星月夜むかし鯨の獲れし海 碇天牛 雨月 201312
天の川鯨を海に帰しけり 山田正子 201312
山からのひと雫なり初鯨 中島陽華 201401
如意宝珠の光あまねし初鯨 中田禎子 201402
如意祝賀鯨梟馳せ来たる 岩下芳子 201402
空をゆく犀も鯨も十二月 竹内悦三 201403
鯨の群れ戻らぬ海や寒波来る 佐藤喜仙 かさね 201404
普陀落へ誘ひてをる鯨かな 中田禎子 201404
氏素性生地の重し泣くか鯨 佐藤恭子 あを 201405
鯨カツは昭和の匂ひ麻暖簾 佐用圭子 201408
茅花流し捕鯨港あと波碧く 大森三保子 馬醉木 201408
町薄暑こんなところに鯨塚 柴田志津子 201409
のどけしや来世は鯨になると決め 有松洋子 緑光 201411
満月の波に泳ぐや鯨岩 仙頭宗峰 万象 201501
遊船の海原はるか鯨見に 佐藤弘香 ろんど 201502
鯨待つ眼を広角に伏角に 山口ひろよ 201503
ピノキオを飲み込んだままクジラ行く たかはしすなお 201503
熊野灘に鯨見にいく日和かな 雨村敏子 201503
鯨泳ぐ潮の目覚めはじめけり 橋本順子 201504
鯨漁語りつ目差しは沖へ 立村霜衣 ホトトギス 201504
「白鯨」の腹さらす浜波の花 辻久々 船団 201505
海原をもちあげてゐる鯨かな 八木健 八木健俳句集 201509
鯨来るといふ夏の海荒れにけり 東正則 末黒野 201510
連れあひと潜りくらべの鯨かな 久保東海司 風鈴 201512
何言はれやうが日本人は鯨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
鯨捕るエイハブ船長めく男 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
鯨にも人にも事情ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
枯れ枯れて鯨の血のみあたたかき 竹内弘子 あを 201602
くぢら乗す船なし海に置いて来し 千田百里 201603
そのかみは鯨の浦ぞ冬日和 田中とし江 201603
巨頭鯨にひとすじの日矢のあり 水野恒彦 201603
月読命鯨の海ひかる 本多俊子 201603
トンネルを抜けて鯨を食ひにゆく 根橋宏次 やぶれ傘 201603
鯨塚沖に向きゐて冴返る 水野恒彦 201604
沈みゆく抹香鯨に敬礼す 加藤みき 201604
風花や鯨のやうな水族館 森高武 風土 201604
卯波立つ水陸バスに鯨の絵 間島あきら 風土 201610
玫瑰や鯨御殿のいま昔 坂口郁子 末黒野 201611
海原の鯨が歌をうたう朝 火箱ひろ 船団 201612
座礁した鯨はなにを夢見たか 火箱ひろ 船団 201612
お月夜の夢にクジラと航海す 火箱ひろ 201612
鯨啼く大海原は寂しいか 細川洋子 201703
海といふ水の器よ大鯨 七種年男 201703
一月の鯨の骨に波騒ぐ 宇都宮敦子 201704
海割つて立ち上がりたる鯨かな 柴田佐知子 201703
北緯二十六度鯨に出合ふ島 田村すゝむ 風土 201704
鯨来る一湾の声弾みける 橋本順子 201705
雛の夜の夫婦に届くちらし鮨 田中臥石 末黒野 201706
朝まだき鯨群来れば浜戦場 佐藤哲 万象 201708
吼ゆるとも突くとも鯨反り身見せ 宮内とし子 201803
黒潮は海の街道鯨来る 栗坪和子 201803
節分や梁に鋳びたる鯨銛 栗坪和子 201804
鯨鳴く海より重き月上る 水野恒彦 201805
八月に鯨が来るという岬 西村亜紀子 船団 201805
もんしろちょう沖は鯨が潮を吹く 羽田英晴 船団 201806
観梅の宴や串カツ鯨肉 田中臥石 末黒野 201806
荒南風やながすくぢらの腹の線 吉田政江 201808
猛暑の日打ち上げられし鯨の子 秋川泉 あを 201810
黒潮は海の街道鯨来る 栗坪和子 201901
夕陽染む親子の鯨秋の雲 川井さち子 風土 201901
人日や鯨と犀を膝の上 竹内悦子 201904
海原を大地としたる鯨かな 湖東紀子 ホトトギス 201905
海鞘すすり鯨鍋食う蕪村旅 甲斐いちびん 船団 201906
くよくよをやめて鯨の声聞きに 火箱ひろ 船団 201906
たらちねの鯨は抱くこと斷念 佐藤喜孝 あを 201906
白南風や鯨供養に暮るる湾 山中志津子 京鹿子 201910
鯨割く潮けむり濃き和田の浦 小形博子 201911
億年を背負ひ鯨の飛び出せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
鯨汁日本の歴史重くして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
春霞の鯨べーコン擬かな 瀬川公馨 202005
想望や鯨の肉をよく噛んで 亀田虎童子 202005
桜負うてクジラ博士がやつて来る 中島陽華 202008
荒波を統ぶる鯨の尾の太し 澤田英紀 202101
青葉潮割りてくじらの背の見ゆる 足立枝里 202101
鯨の目慈愛に満ちてをりにけり 高橋将夫 202104
補陀落の海路悠々鯨ゆく 中田禎子 202104
夏つばめ過る鯨の解体場 石崎和夫 202108
海の紺裂きて鯨の飛び出せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
鯨の尾大海原を突き刺せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
荒波を統ぶる鯨の尾の太し 澤田英紀 202201
鯨 →3      

 

2023年11月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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