去年今年 9       106句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
無私といふ仏の教へ去年今年 沼田巴字 京鹿子 202001
去年今年なく体調に心して 稲畑汀子 ホトトギス 202001
何もかも好きにさせてと去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
重ねたる夫婦茶碗や去年今年 千田百里 202002
掛声の増える日日なり去年今年 長崎桂子 あを 202003
一卓で読む書く食す去年今年 田中藤穂 あを 202003
去年今年ひと駅つなぐ大師線 礒貝尚孝 黄落 202003
去年今年軽重問はず背負ふもの 森村江風 202003
去年今年あひだに砂時計くびれ 辻美奈子 202003
寝る手順起きての手順去年今年 能村研三 202003
去年今年岬を離れぬ鷹一羽 増成栗人 202003
速達で過ぎゆく令和去年今年 延川笙子 六花 202003
去年今年正反合の弁証法 磯野青之里 六花 202003
無理交じる予定表書く去年今年 井上静子 202003
去年今年道の真ん中堂堂と たかはしすなお 202003
去年今年トランプといふ大統領 須賀敏子 あを 202003
渦描く箒目確と去年今年 神谷さうび 末黒野 202004
去年今年産土神へ拍手を 沼崎千枝 末黒野 202004
この道を直に歩まむ去年今年 岡田史女 末黒野 202004
確かなる八十路の歩み去年今年 石黒興平 末黒野 202004
娘には扶けられけり去年今年 田中臥石 末黒野 202004
言の葉の海に漂ひ去年今年 矢野美沙子 202004
風の譜に星ちりばめて去年今年 岡本尚子 風土 202004
大暖簾かけし見世蔵去年今年 熊谷成子 202004
薬石は酒と言ひつつ去年今年 豊谷青峰 春燈 202004
徘徊の母の手握る去年今年 田中信行 202004
頭陀袋にあふるる記憶去年今年 阪倉孝子 202004
大方は天に任せて去年今年 時澤藍 202004
時といふ止まらざるもの去年今年 飯田久美子 末黒野 202004
床の間に隼人瓜ある去年今年 竹内悦子 202004
百八つ御恩御恩と去年今年 谷口一献 六花 202004
変りなく一人足りずの去年今年 河野昭彦 ホトトギス 202005
去年今年吸呑みを待つ父の唇 伊吹之博 京鹿子 202005
米櫃に一合の升去年今年 戸栗末廣 202006
照れかくす鼻をこすりし去年今年 松下道臣 202006
生涯を公僕として去年今年 堅山道助 風土 202011
新しき元号に馴れ去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
年を経て見えてくるもの去年今年 沼田巴字 京鹿子 202101
大いなる氣多の篝火去年今年 小坂尚子 202101
勾玉の光を胸に去年今年 中貞子 202102
片仮名の報道ばかり去年今年 江草礼 春燈 202103
去年今年山の小駅の小座布団 澤田明子 春燈 202103
常常を五分で過ごして去年今年 長崎桂子 あを 202103
令和てふ元号親し去年今年 今井千鶴子 ホトトギス 202104
一人住むことに馴れつつ去年今年 今井千鶴子 ホトトギス 202104
伸びし髪もて余しをり去年今年 今井千鶴子 ホトトギス 202104
春も夏も秋も無かりし去年今年 今井千鶴子 ホトトギス 202104
子規は居士虚子は先生去年今年 今井千鶴子 ホトトギス 202104
隕石の手触りのこる去年今年 岩木茂 風土 202104
行く道は帰り来る道去年今年 岡尚 風土 202104
一隅に生きて詠ひて去年今年 赤石梨花 風土 202104
去年今年母に供ふるかまど飯 林徹也 202104
去年今年息詰まる世を生きつづけ 善野行 六花 202104
すこやかに漢方を溶く去年今年 住田千代子 六花 202104
去年今年疫病の行方案じつつ 森清堯 末黒野 202104
去年今年濁世絶たたんと雨戸閉ぢ 岡野里子 末黒野 202104
白髪も齢も深む去年今年 岡田史女 末黒野 202104
去年今年あしたに託す夢ありて 高木邦雄 末黒野 202104
句を愛し人を愛して去年今年 今村千年 末黒野 202104
ミステリー文庫傍に去年今年 根本公子 末黒野 202104
去年今年見なるるものに囲まれて 芝田幸惠 末黒野 202104
鎮もれる葉山の海や去年今年 西計郎 末黒野 202104
神の母聖マリア祝ぐ去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
刻々の人生を生き去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 202111
いつもとは違ふといへど去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 202112
家族とは変らぬ流れ去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 202112
宇宙にも心遊ばせ去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 202112
いつ果つる命と思ふ去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 202112
去年今年学生街のオフィスかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
高階へ灯を積み重ね去年今年 村田あを衣 京鹿子 202112
昨夜別府けさ登別去年今年 佐藤竹僊 あを 202112
生かされて生きて自戒の去年今年 植村蘇星 京鹿子 202201
口中に溶ける散薬去年今年 井尻妙子 京鹿子 202201
拭き浄め先祖とすごす去年今年 山田六甲 六花 202201
去年今年源流いまも沖へ注ぐ 辻美奈子 202202
去年今年一日とても無駄にせ 深川敏子 春燈 202203
去年今年遺影の夫の若きま 木多芙美子 春燈 202203
コロナ禍の終息祈願去年今年 林紀夫 春燈 202203
コロナ禍や籠り続けて去年今年 赤座典子 あを 202203
過ぎ去りし時の帰らず去年今年 本田保 春燈 202204
看護師の慈愛深き瞳去年今年 本田保 春燈 202204
お陰様でと言へる齢や去年今年 清水美子 春燈 202204
人といふ字のごと夫と去年今年 清水美子 春燈 202204
歎異抄学ぶ一歩の去年今年 種田利子 春燈 202204
虎穴には入らずに生きて去年今年 高橋将夫 202204
去年今年時の流れについて行く 中西厚子 202204
もういいよの声なけれど去年今年 阿部さちよ 202204
一房のバナナ吊られて去年今年 神野未友紀 202204
去年今年運否天賦の吾が余生 高木邦雄 末黒野 202204
日蓮の慈悲の眼差し去年今年 長尾タイ 末黒野 202204
小康の夫とをりけり去年今年 岡田史女 末黒野 202204
清韻を奏づる銀河去年今年 亀卦川菊枝 末黒野 202204
一灯に揃ひて閑か去年今年 林いづみ 風土 202204
反るままの紙見本帖去年今年 中根美保 風土 202204
読み継ぐは半藤一利去年今年 内藤静 風土 202204
一生は創作ダンス去年今年 鷺山珀眉 京鹿子 202204
ゆく河の流れのごとし去年今年 辻量子 京鹿子 202204
右ひだり振り子の幅や去年今年 住田千代子 六花 202204
去年今年星それぞれの位置に座し 松本三千夫 薫風 202205
消火器の直立不動去年今年 松尾龍之介 202208
石垣は天守に仕へ去年今年 戸栗末廣 202210
去年今年顔の高さに城櫓 大西乃子 202210
去年今年恙の人を見守りて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
去年今年ぺージ一枚捲るかに 角野良生空   202211
息遣ひ穏やかになり去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
みづうみは空と向き合ひ去年今年 戸栗末廣 202212
去年今年→ 1

 

2023年1月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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